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勇者「魔王……?」魔王「いかにも」フフン
Part18


448 :>>1:2014/03/03(月) 22:28:29.81 ID:IFtsF3d50
魔王「何故……だ……! 躯が……我の躯が崩れてイく……!!」ボロッ ボロッ
戦士「す……げぇ……」
僧侶「あの魔王、が……滅ぶ……」
魔法使い「……これが……浄化……の、炎……?」
魔王「バカな……!? 我、は……女神の……力ヲ……手に…!!」ボロボロッ ボロッ
女神「貴方が私から奪い取った力……それは言うなればコップに残された小さな小さな雫……」
女神「私の力の大半は、勇者に託されていましたから」
魔王「勇者……!? グゥぅ……!!」ボロボロボロ
魔王「マた勇者……勇シャゆう者勇しゃユうシャゆうシャ勇者勇シャユウ者!!!」ボロッ ボロボロボロッ
魔王「アイツはドコまデ我の邪魔ヲすれバァァァ……!!」ボロッ ボロッ
女神「朽ち果てなさい、魔王」
魔王「メ……がミィィィィィィィィィィ!!!!」
女神「永い間、戦い続けた勇者の……あの子達、人間の勝利です」カッ
魔王「グオオォォォォォォォォ!!」
魔王「

女神「もう……蘇ることもないでしょうね」シュゥゥ
僧侶「空が、晴れていく……!」
戦士「終わった……のか?」
姫「はい……あなたたちの勝利です」ヒュンッ
魔法使い (終わっ、た……終わっちゃったよ、勇者……)
サァァァ…

449 :>>1:2014/03/03(月) 22:30:21.44 ID:IFtsF3d50
姫「大丈夫、みんな?」クルッ
戦士「……あぁ、女神様のおかげだ」
僧侶「ありがとうございます……全ての生きとし生けるものを代表して感謝いたします」フカブカ
姫「ちょっ……やめてよぅ……そんな畏まられるようなことじゃ……」アタフタ
側近「姫ェェェェェ! ご無事ですかァァァ!?」タタタ
姫「側近、そんなに走ると危ないよ」
側近「姫のためとならばこの身がいくら砕けようどっ!?」バキッ ガンッ ドザァァァッ
側近「お……が……っ!!」パクパク
姫「もう……私は大丈夫だから、休んでなさい、まったく……」クス
側近「あぁ……何と優しきお言葉を……ありがとうございますぅ……」シクシク
側近「しかし、素晴らしかったですよ姫!! あの魔王を……」
魔法使い「…………」
姫「うぅん、勇者……彼がいなくちゃこうはならなかった……」
側近「そうでしょうか? はー……人間離れしてるとは思っていましたが……はー」カンシン
側近「して、その張本人はいずこへ?」キョトキョト
姫「……」
戦士「……」
僧侶「……」
側近「あ、あれ? ……皆様、いかがなさいましたか?」アセッ
姫「うぅん……」チラ
魔法使い (……あの人は……もう、帰ってこない……んだ) ウル
戦士「魔法使い……きっと、アイツは全てを承知で逝ったんだ……なら、せめて俺たちは……」ポン
僧侶「……せめて私たちは笑って……あの人の護ったこの世界を……ね?」 ギュッ
魔法使い「……ひぐっ……うっ……うぁ……」ウルウル
姫「……」
魔法使い「うわぁぁぁぁぁ! うあぁぁぁ!!」ポロポロ
ウァァァ… アァァァァァン…
……


450 :>>1:2014/03/03(月) 22:31:14.82 ID:IFtsF3d50
あの日から、瞬く間に時は過ぎていきました。
魔王軍によって、深刻な被害を受けた街の復興。
亡くなった方たちへの供養。
どれも忙しく、今では魔王との戦いが
遠い昔のように感じることがあります。
魔王が死に絶えたとはいえ、
魔物の被害は未だあるようで
戦士は武力の持たない村や、
復興の進まない町を転々としています。
戦士「まだまだ助けを必要としているやつがいる限り、俺は斧を置くわけにはいかん」
そう言って、王都から飛び出していきました。
僧侶は王都にある教会で
身寄りの無くなった子供たちを引き取り
甲斐甲斐しくお世話をしているようです。
……最近、お腹回りがふっくらしてきた気も。
本人は
僧侶「食べ過ぎちゃったかな?」
なんて言っていたけれど。どうかな。
姫……女神さまは側近たちを連れて、魔王城へと戻っていきました。
何でも
姫「王家なんて無駄な権力争いばかりでめんどいの。私はのんびり暮らしたいんだから」
なんだとか。
僧侶がちょくちょく手紙なんかで
やり取りをしているみたいだけど……
ま、彼女にとってみれば自分が敬う神そのものだし。
仲良くしていきたいのかもね。

451 :>>1:2014/03/03(月) 22:31:59.60 ID:IFtsF3d50
……あたしは……
ずっと心の中に大きな空洞が出来たまま。
あの日、あの人がいなくなってからずっと……。
決して戻らない日々。
楽しかった思い出も、彼がいない……
それだけであたしの心は引き裂かれるように痛む。
頬を伝う涙も、地に吸い込まれ消えていくように
あたしも……このまま……消えたい。
会いたい……会いたいよ、勇者ぁ……。
あなたの笑顔……
それだけであたしは元気になる。
あなたの困った顔……
少し可愛いなんて思いながら、いろいろからかっちゃう。
あなたの悲しい顔……
せめて少しでもあなたの背負う重圧を分けてくれたら……
目を閉じたら、今でも鮮明に思い出せるよ?
大好き……大好きなのに……
もう……会えない……
勇者……寂しい……よ……
それに、恐いの……
いつか、あなたがいないことに慣れてしまうあたしが……怖い……
いつか、あなたの顔を思い出せなくなってしまうあたしが……怖い……
怖い……よ
勇……者……
……


452 :>>1:2014/03/03(月) 22:33:09.53 ID:IFtsF3d50
エピローグ
側近「姫、お友達がいらっしゃいました」
僧侶「女神さまぁー!」フリフリ
戦士「おっす! 相変わらず元気そうだな女神さんよ」
魔法使い「…………」ペコ
姫「あ、ひさしぶり。何年振りかな……あと、女神は止めて? あくまで前世での話だし……」
僧侶「ですが、私にとっては祈りを捧げ、愛した女神さまそのものですから……」
姫「あー……うん、まぁ、貴女のことは諦めもついたからいいや」ハフゥ
魔法使い「……いいの?」
姫「何度言っても、何を言っても聞きゃしないの、あの子……」
魔法使い「……そう」ナデナデ
姫「……ふふ、お姉ちゃんみたい」
魔法使い「……姫のほうが……歳上……ロリババァ……」
姫「不老不死だからね? ロリババァじゃないからね? あの時ならいざ知らず、今じゃ肉体年齢は魔法使いのほうが上なのよ?」
魔法使い「はいはい……」ヘッ
姫「うにゃー!」ガーッ
側近「ひ、姫!? お気を確かに!!」
ウガァァ!!
ロリババァガ…ウツル…
ドーユウコト ソレェェ!!

453 :>>1:2014/03/03(月) 22:33:56.34 ID:IFtsF3d50
姫「王都の復興は順調みたいね」
僧侶「それが、ですね……」
姫「……なにか問題が?」
僧侶「国王が崩御され、魔王を倒した勇者さまも不在をいいことに、生き残っていた家臣たちがここぞとばかりに政権争いを始めまして……」ハァ
魔法使い「…………」
姫「いつの時代も……人間のすることは変わらないね……」ハァ
僧侶「そこで!! ですよ、女神さま……いえ、姫さま!!」
姫「うわ……嫌な予感しかしない」
僧侶「姫さまが王都へと来てくだされば」
姫「はい却下ー」バッサリ
僧侶「そんなぁ!?」ガーン
姫「そんなめんどくせーこと、やーよぅ」
戦士「違いねぇ」ガハハハ
僧侶「わ、私は諦めませんからね!」
モウ アキラメテヨー
オネガイシマスー!!
姫「……」チラ
魔法使い「……」ボー

454 :>>1:2014/03/03(月) 22:34:46.16 ID:IFtsF3d50
戦士「……あれから数年。世界は平和そのものだ」
僧侶「小さないざこざはありますが、みんな平和を謳歌しています」
魔法使い「……」
姫「……」
僧侶「人の国をまとめて頂けたら、と……」
姫「……よし、決めた!!」
僧侶「え!? では、ようやく私たちの国を」
姫「私、魔王になります!」
魔法使い「はぁ……?」
僧侶「え? え? ええェェェェェェェ!!??」
戦士「相変わらず嬢ちゃんの考えていることは、突拍子もないな」ワハハ
姫「いろいろ考えてみたんだけどねー……やっぱり光に満ち溢れた世界では勇者の存在は確立されないの」
姫「彼は……勇者という存在は、闇の中の希望の光だから」
姫「だから、私が魔王になります!!」
姫「だからこれからもよろしくね、側近!」
側近「……はいっ!」ウルウル
姫「私が魔王になることで……彼もまた……」ニコ
ザッ ザッ ザッ ザッ …

455 :>>1:2014/03/03(月) 22:35:44.88 ID:IFtsF3d50
魔法使い「う……うそ……ほ、ホント……に……?」ウルウル
僧侶「あぁ……あぁ……」ウルウル
戦士「……待ちくたびれたぞ!」
皆「「「 勇 者 (さま)!! 」」」
勇者「魔王……?」
魔王「いかにも」フフン
勇者「戦士! 魔王討伐の旅、着いてきてくれるか?」
戦士「おぅ!!」ニッ
勇者「僧侶! お前の癒しの奇跡が必要なんだ、頼めるか?」
僧侶「はい!」ニコッ
勇者「魔法使い……俺と一緒に来てくれ」
魔法使い「…ゆー…しゃ……っ!」ニコ
勇者「さぁ、行こう皆!! 魔王退治だ!!」
おーっ!
Fin

456 :>>1:2014/03/03(月) 22:42:39.12 ID:IFtsF3d50
はい、というわけで完・結!
また500いかなかった……
何スレも行く人、すごいですね。
羨ましい。
あと1レスだけ後日談がありますので
それを投下して
この物語は幕を引きます。
捻った話もいいのですが、
やはりまおゆうは王道を突き進むのが
一番あっている気がします。
では、後日談んんんん!!

457 :>>1:2014/03/03(月) 22:43:47.67 ID:IFtsF3d50
番外編と言う名の後日談(エロ会話)
魔王「ねーぇ、勇者……そろそろ勇者の子供が欲しいから、私の子宮に子供の素……ぶち込んでほしいな」
勇者「ぶふぉっ!?」ゲフッゴフッ
魔法使い「……勇者の、一番濃いのは……あたしの……しきゅーが予、約……済み」
魔王「予約とかそんなのないもーん! こう言うのは早いもの勝ちなんだよ!!」
僧侶「いや、それ以前に魔王さまが勇者さまを産み出されたのですから……近親相姦になりますよ?!」
僧侶「神様だってお許しになりません! てゆーか神様あなた!!」
魔王「戒律を破りまくってる破戒僧に言われても……」チラ
魔法使い「ねぇ……」チラ
僧侶「え? えぇっ!?」ボテバラ
魔法使い「清らかな……乙女?」
魔王「二人目ちゃっかり仕込んでもらってるくせに……」
僧侶「うぅー……///」
少女「ママ、パパどこー?」グイグイ
僧侶「パパですか? もうじき帰ってくるかと思いますが……」
戦士「おぅ、帰ったぞー」
少女「パパぁー♪」トテトテ
戦士「ハッハッハ、ママの言うことちゃんと聞いて、いい子にしてたかー?」ダキアゲ
少女「うんー♪」
僧侶「あら、この子ったら……」クス
魔王「そういう仲睦まじい姿を見せつけられると、欲しくなるんだよぅ……」
魔法使い「……完全、同意……」
勇者「はは……あはは……」
魔王「この際、二人同時でも文句言わないから!」カモン
魔法使い「むしろ……ケンカしなくなる分、それでも構わない……」バッチコイ
勇者「……可能な限り前向きに検討し、最大限善処させていただきます」
結局、意気地無しの称号だけは返上出来ない勇者だった。

458 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/03(月) 22:47:27.56 ID:m2UxHXzfo
乙!

459 :>>1:2014/03/03(月) 22:55:14.09 ID:IFtsF3d50
何だかなーとか思う人もいるかもしれません。
しかし、人気が上がった
魔法使いや魔王をどちらかに決めることが
できませんでしたので
こういった形を取りました。
期待してくださった方、スマヌ。
読み返してみたら、もう少し掘り下げながら
書いても良かったかなー…なんて思ったり。
次回への反省点にします。
また読んでくださる方の心境を
操れるような物を書けたら、そう思います。
長い間、読んでくださりありがとうございました。
(*´ω`*)

465 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/04(火) 00:39:56.42 ID:uSMIQdnz0
立った日から読んでたよ!
楽しかった。ありがとう!

466 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/04(火) 00:55:51.75 ID:5Hz4rn/oo
楽しかった
また、こういった勇者魔王SS書いてほしいです
ともかく乙でした!

467 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/04(火) 01:31:28.04 ID:i51yYD1sO

完結おめでとう&ありがとう!
いつしか厨二的なものを恥ずかしいと思ってしまうようになってたけど、この作品は上手く熱くなれた。
最後の大団円も好きだ。
500レス行かないで終わるのもこの展開なら丁度良い量なんじゃないかな?
長く続けるのが良い物語と短期にスパッと完結するのが相応しい物語とがあると思うよ。
とにかくお疲れ様。また>>1の作品を読みたいと思う。

468 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/04(火) 02:16:50.05 ID:oancuQU10
乙!
最初の展開からこんな王道な結末に至るなんて誰が予想できただろうか。