2chまとめサイトモバイル
勇者「魔王……?」魔王「いかにも」フフン
Part17


432 :>>1 いきます:2014/03/03(月) 21:04:20.51 ID:IFtsF3d50
ドォォン…ズドォォン…
僧侶「城全体が揺れてます……」タタタ
魔法使い「勇者と……先代、の……力の……ぶつかり、合い……」タタタ
側近 (あの先代と互角に戦える力……彼は……勇者さまは……もしや……) タタタ
戦士「側近の嬢ちゃん! あの嬢ちゃんのいる部屋はまだか?!」ダダダ
側近「は、はい……もう少し……ここの階段を登れば……!」タタタ
魔物「ケケッ、ここから先は行かせな」
側近「邪魔です。三葉の型・飛翔旋脚」ギュルッ ズガッ
魔物「げはぁっ!?」
タンッ スタタタ
魔法使い「ちょっと……通りますよ……」フギュル
魔物「ほげっ」
僧侶「失礼します!」フミッ
魔物「アハん!?」
戦士「ん?」ドガッ
魔物「ぐひょっ!?」
魔物「扱い……酷くない……?」ガクッ
戦士「なんか蹴ったか?」ダダダ
側近「この部屋……!!」
戦士「オラァッ!!」バキャッ ドカァァッ
側近「魔王さまぁ!」
魔法使い「魔、王……!」
僧侶「……!?」
戦士「う……! こ、これは!?」

433 :>>1:2014/03/03(月) 21:05:51.77 ID:IFtsF3d50
勇者「……お前、何を考えている?」
先代「クックック……」
勇者「こんなものじゃないだろう? それともこれが限界なのか?」
先代「フハーッハッハッハ!!」
勇者「何がおかしい……」ジャキッ
先代「いや、失礼したな……姿形が違えど、やはり貴様は貴様か。今も昔も詰めが甘い」
勇者「……?」
先代「さぁ……刻は満ちた!! ようやく我が物となったぞ、女神の力!!」ゴゴゴゴゴ…
勇者「ま……さか……」バッ
勇者「姫……姫ェェェェェ!!」
フハハハハハ…
……

側近「魔王……さま……」ガクッ
僧侶「ひど……い……」ウルッ
魔法使い「……」ギリッ
戦士「あのクソ野郎……!!」ビキビキ
側近「魔王さま……魔王、さま……ぁぁぁああああっ!!」ポタポタ
姫「」

434 :>>1:2014/03/03(月) 21:07:16.01 ID:IFtsF3d50
先代「さぁ今こそ名乗ろう……」
魔王「我は魔王……闇と暗黒をこの手に絶対無二の支配者なり……」ゴアッ
勇者「せ……世界が……闇に染まる……!!」
ズァァァッ
王国
住人「世界が終わる……」
住人「おしまいだ……!!」
子供「女神さま……ボクたちを、助けて……」
魔法使いヘタレ「この世の終わりだぁぁぁ!!」
麓の村
住民「神様……神様……」
主人「あぁ……勇者様……どうか……」
少女「勇者さま……魔法使いのお姉ちゃん……僧侶のお姉ちゃん……戦士のおじさん……」
前線都市
住人「信じて祈るしかない……あの勇者様たちを……」
女性「あなたたちなら、きっと……この世界を救うと信じてる……」
傭兵「俺たちを救ってくれたお前たちを……信じてるぞ……」
ゴオオオオオッ

435 :>>1:2014/03/03(月) 21:07:47.66 ID:IFtsF3d50
魔王「これが……世界を創造した女神の力……」
魔王「不死にして、最強の……力」
勇者「くっ……この野郎……!!」
魔王「さっさと止めを刺していたら……また違う結末にもなろう」
魔王「しかし、最早無意味。貴様は……ここで死ぬのだから」スッ バオオッ
勇者「ぐぁぁぁぁっ!?」ズドォォン
ドガッ ドシャァ…
勇者「ぐっ……がは……ぁっ」ビシャビシャ
魔王「馴染むにまだ時間が掛かりそうだ」フム
魔王「なぶり殺しになるやも知れぬが……許せ」
勇者「ぐぅ……っ!!」ガクガク
魔王「ほう……その身でまだ立ち上がるか? 健気な……」
勇者「約束……したからな……」
俺の命……まだ保ってくれ……
勇者「ガァァァアアアッ!!」ズガァァン バリバリバリ
魔王「……そう来なくては、な……貴様はこの手で葬る」
勇者「ハァッ……ハァッ……!」ジャキン
勇者「雷よ……束ね束ねて幾重に束ねて……神となりて……我が敵を……凪ぎ払えぇぇ!!」ガリガリガリガリ
魔王「来るがいい……そして思い知れ。己の矮小さを」
勇者「ナメんなァァァ!!」バチバチバチバチッ
勇者「神 罰 ノ 光 !!」ゴガッ
ギュゴォォォォ…ゴバァァァン!!
勇者「ゼェッ……ゼェッ……ど、うだ……っ!!」
魔王「それでおしまいか?」
勇者「……!?」ゼェ ゼェ
魔王「過大評価し過ぎた我がバカだったか……」
魔王「もういい……死ね、勇者よ」ゴァッ
勇者「!!」ズッ
勇者「

ズォォォ…ゴガァァァァァン!!
……


436 :>>1:2014/03/03(月) 21:09:21.65 ID:IFtsF3d50
魔法使い「っ……!」ドクンッ
僧侶「え……? ゆ、勇者……さま?」
戦士「……!」
側近「……魔王……さま……」ギュウ
姫「」
魔法使い「ゆ……勇者……が……」ガタガタ
戦士「そんなはずがねぇ! アイツは勇者だ!! 誰にも負けない……勇者なんだ!!」ドガァッ
僧侶「……行きましょう!! 勇者さまのもとへ!!」
魔法使い「……っ」
戦士「……」
僧侶「私たちは、勇者さまの仲間です! 勇者さまをお守りするのが使命です!!」
魔法使い「……」コクン
戦士「あぁ……行こう!!」
魔法使い (待っていて……!!) ダッ

437 :>>1:2014/03/03(月) 21:12:16.83 ID:IFtsF3d50
タタタタ…
魔法使い「勇、者……!!」
戦士「勇者ァァッ!!」
僧侶「勇者さまぁぁぁ!!」
魔王「ん……虫けら共か」
勇者「……」
魔王「丁度いい観客だ……今から見せるのは、お前たちの大事な存在の……幕引きだ」
魔王「しかとその目に焼き付けよ」キィィィン
魔法使い「……あぁぁぁぁっ!!」ギッ
魔法使い「果てに蠢く、遥かなる終焉! 全ては終わり、光すら残さず!!」
魔王「ほう?」
魔法使い「虚無の彼方に沈むがいい!!」
ー black hole ー
ゴンゴンゴンゴンゴン…
魔王「極小型の重力塊か」
魔法使い「……勇者、の仇……!!」ギリギリ
魔王「しかし、所詮人間の産み出した疑似に過ぎん」
魔王「魔力はこうやって使うのだ」ズオッ
ドゴォォォォォン
魔法使い「……かは……っ!」ズシャァァ
戦士「ウオォォォッ! 業魔灰塵滅砕怒号裂壊弾!!」ズォォォッ
魔王「ただの力任せでは、我に傷ひとつつけられはせぬ」パシッ
戦士「なっ、なんだと!? 片手で……!!」
魔王「返してやろう。貴様の技だ」キュィィ
ゴズッ グシャァァァァッ
戦士「げぉ……っ?!」ビシャァ
僧侶「い、今、回復します……!!」ポウ
魔王「小賢しい」スゥッ
ゴオウッ ドガァァァッ
僧侶「あぁぁ…………っ!!」ドザッ
魔王「そこで大人しく見ているがいい。勇者の最期を」
勇者「……テメェの最期、だろ?」ギロッ
魔王「がっ!?」ズバッ

438 :>>1:2014/03/03(月) 21:12:58.55 ID:IFtsF3d50
勇者「蒼覇天昇……滅雷陣……!!」シュガガガガガッ
ズバァァン バリバリバリ…
魔王「くっ……」シュゥゥ
勇者「雷神剣……」ジャキン
勇者「龍王斬ァァァン!!」ゴラァッ
ゴギャァァァン!!
魔王「グオォッ!!」バリバリバリ
勇者「はぁ……はぁ……」ジャキッ
魔法使い「勇……者……!」
戦士「勇者……っ!」
僧侶「勇者……さまっ!」
魔王「この……死に損ないがァァァ!! くたばれェェェェェ!!」ゴッ
ズォォォ… ドゴォォォォォン ドフッ
勇者「……雷鳴剣・天牙!!」ザギュッ ガガァッ
魔王「ぐおおっ?! なぜだ……なぜ倒れぬ!!」
勇者「俺の……後ろには護りたい者たちがいる……」
勇者「俺の背中には護らなきゃいけない物がある……」
勇者「俺の手には、護りたい約束がある!!」ギンッ
勇者「これが俺の全てだ、魔王よ!!」
魔王「消えるのは、貴様のほうだァァァ!!」
ズオッ
ゴシャァァァァァッ!!

439 :>>1:2014/03/03(月) 21:13:54.34 ID:IFtsF3d50
魔法使い「……ぁ……あぁ……」ガクガク
戦士「ど……どうなった……!?」
魔王「ハァッ……ハァッ……」ビチャッ ビチャッ
僧侶「魔王……っ! 勇者さまは……?」
ヒュウゥゥゥ……
魔王「フハッ……フハハハ! バカめ! 消し飛んだか!! 不死の肉体を得たとはいえ、さすがに肝を冷やしたぞ!!」フハハハハハ!!
魔法使い「……あ……あぁ…」
僧侶「勇者さま……」
戦士「勇者……ぁっ!!」
魔法使い「勇者ぁぁぁぁぁぁ!!」
魔王「そう悲しむ必要はない……今、奴と同じ場所へ送ってやろう……」スゥッ
ゴォォォォォォォッ

444 : ◆EI1e9uGyGw:2014/03/03(月) 22:24:20.52 ID:IFtsF3d50
…………
……

勇者「……ここは……?」
勇者「魔王がいない……つーか他に何もねぇ……」キョロ
勇者「……一体どうなって……俺は、負けた、死んだのか……?」
ポウッ キュイン
勇者「何だ、この光……映像?」
勇者「おー、懐かしい……魔法使いと戦士に僧侶。四人で旅に出たばかりの頃か」
勇者「魔法使いはこの頃、ほとんど喋らなかったな」
勇者「戦士……豪快で、頼りになる兄貴分な存在……いつの間にか僧侶と恋仲になるとは、な。ホントいつの間に手をつけたんだか」
勇者「僧侶……教会のシスターでありながらも、その戒律に縛られず、意外な大胆さを併せ持っていたな」
勇者「魔法使い……言葉が上手く発せないながらも、素直にぶつけてくれた好意……嬉しかった」
ポウ… キュイン
勇者「魔王城に来てからか。オープンな魔王城に驚いたな」
勇者「そのあとの魔王との出逢いは、さらに驚かせられたっけ」
勇者「普通に戦っても勝てなかったわけだ。俺はお前が創ったんだもんな」
勇者「側近……真面目な言葉遣いに反してオチャメな笑える奴だ。いつだって魔王のことを気にしていたな」
勇者「魔王……能天気で純粋で……さみしがり屋なくせに強がりで……誰よりも優しい少女……」
勇者「女神……」ポゥ

445 :酉誤爆した>>1:2014/03/03(月) 22:25:52.45 ID:IFtsF3d50
キュイン
勇者「これは……前世?」
勇者「姫の姿、全く変わらねぇな……角と尻尾がないくらいか」
勇者「人々の希望。闇に煌めく一筋の光……その光を割いて、俺が創られた……」
勇者「姫が囚われて……魔王城での日々」
勇者「魔王から受けるあらゆる拷問……」
勇者「引き裂かれる腹腸……千切れる四肢……しかし、女神の力が死を許さない……」ギリッ
勇者「魔王は、女神のその不死性を求めていた」
勇者「永い……永い拷問の日々に、次第に心が弱っていく」
勇者「……そして、笑顔が消えた……」
勇者「俺のせいで……」
勇者「……姫」
……助ける、それが約束だったからな……
……お前から受け取ったこの生命の光……
……今、返すよ……
キィィィイイイイイ……
パァァァァァン
こんなことで約束を守ったことにはならないんだろうけど
みんな、俺の大切な仲間だから
みんなのこと……頼むな
………
……

シュァァァァァァッ

446 :>>1:2014/03/03(月) 22:26:46.88 ID:IFtsF3d50
姫「……ん……」パチ
側近「魔王さまぁ!」ポタポタ
姫「側近……どうしたの、そんなに泣いて……」クス
側近「私は……私はぁぁ……こんなことになるなら……いっそ……」グスグス
姫「大丈夫……もう、私は負けないから」
側近「魔王しゃまぁぁぁ……!」グスグス
姫「バカね……私たち友達でしょう? 昔のように姫って呼んでよ」
側近「!! 姫、さま……」グス
姫「はい」ニコ
側近「姫さま……!!」ギュウゥ
姫「苦しいよ、側近……」ナデナデ
姫「さぁ……行かなきゃ。彼に頼まれたから……」
側近「彼に……? 頼まれた……?」
姫 (死んじゃったら……あなたが消えてしまっては意味がないじゃない……)
姫 (助けてくれるって言ったのに……) シャァァン
女神「約束……勝手に破って……許さないんだからね……勇者」キィィィン

447 :>>1:2014/03/03(月) 22:27:39.78 ID:IFtsF3d50
魔王「どうした虫けら共。それでおしまいか?」
戦士「う……ぐ……ぅっ……」ドサッ
僧侶「勝て……ない……っ! どうしても、敵わない……!!」ハァ ハァ
魔法使い「あた、しは……諦め、ない……っ! こいつは……こい、つだけ……は……殺す……殺すっ……殺してやる……っ!」グギギ
魔王「もう飽きた。そのまま死なせてやろう」
魔王「フハハハ! 勇者もあの世でまた再会できることを喜んでいるだろう!」ズアッ
魔法使い (勇……者……!)
ゴォォォォォォォッ ズドオォォン
??「いいえ……彼はそんなことを望まない」
魔王「何者だ!?」
魔法使い「……う……あ、なた……」
戦士「……俺たちも、死んだのか? ……おとぎ話で聞いた……女神さまが見えるぜ」
僧侶「……綺麗……」
女神「私をお忘れかしら? 闇の王よ」ヒュォッ
魔王「……なぜ生きている? すでにその力は失われたはず……」ザワッ
女神「……きっと、まだ私は死ぬべきじゃないと言うことなのね」キィィン
魔王「世迷い言を!!」
魔王「女神よ、我は貴様の力を得て、最早神にも等しい存在となった!」
魔王「不滅なる王は世界を支配し、人間共は我を神と崇め……魔物の世界を、闇の世界を創造するのだ!!」
女神「己を知りなさい。貴方はここで滅ぶのです」キュイン
女神「魔王!!」パァァァッ
キィィィィィィィンッ
魔王「おおおぉぉぉぉっ!!」
女神「光の奔流はひと雫の闇すらも、その存在を赦さず……」ギュォォッ ズァァァッ
女神「迸る雷光は一片の影すらも、残すことを赦しません……」ズバァァァン バリバリバリ
魔王「よせ……止めろ! 我は魔王!! 貴様らを支配する神にも等しく……」
女神「哀れね……光に照らされた闇が天を仰ぐうちに、自らを神と思い上がるなんて」
女神「貴方は神にはなれません……今ここで、その生命が尽きるのだから」
キィィィィィィィン
ー 神 焔 ー
シュォォォォォォォ…