Part12
295 :
>>1:2014/02/08(土) 07:57:57.60 ID:
7h4rGrA/0
土王「……勇者、よく眠れた?」
勇者「よ、土王。おはようさん」
土王「報告することが……出来るよ」
勇者「マジでか。一晩しか経ってないぞ?」
土王「……」vヴイ
側近「この短時間によくもまぁ……寝てないのですか?」
土王「バッチリ……寝た。寝てないのは使い魔の方……」
側近「そうでしたか。ゆっくりと休ませてあげてください」
土王「……モチ」コクリ
勇者「すまないが、報告を聞かせてもらっていいか?」
土王「……」コク
側近「勇者さま、少々お待ちを……魔王さまをお呼びいたします」
魔王「おはよ……ふぁ……う」ペタペタ
勇者「おはよう。……やっぱ違和感あるわ、俺が魔王城で魔王におはようはないわ」
側近「素敵体験ですね!」
火王「よぉし! 全員揃ったところでいただきます、だ!!」
勇者「いや、報告……」
<イタダキマース モグモグ
火王「なんだ、食わないのか? 毒なんざ入ってねぇから食えよ」
勇者「わかったわかった」パクッ モグ…モグ…
魔王「勇者?」モグモグ
側近「どうしましたか?」モグモグ
勇者「何コレ、やだコレ、もっさ美味い!!」モグモグモグモグ
火王「だろ? よく噛んで食えよ」モグモグ
土王「ゆーひゃ……もぐ……ばべはばばへいひはは……もぐ……ひいへ……もぐもぐ」モグモグ
(通訳 : 勇者……食べながらでいいから……聞いて)
勇者「いや、何言ってるかわからん。まずお前が飲み込んでから喋れ?」
側近「そうですよ、女の子がはしたない」モグモグ
魔王「ほーひょもぐはひははひもぐもぐ」
(通訳 : そうよ、はしたない)
勇者「おい」
側近「魔王さま、飛んでます。行儀が悪いです。土王も話すか食べるかどちらかにしなさい」
魔王「むうー……」モグモグ
土王「もぐもぐ……もぐもぐ」ムグムグ
勇者「喰うほう優先させた!?」
307 :
>>1:2014/02/09(日) 23:34:53.66 ID:
ic3ihxZ90
勇者「さ、聞かせてくれ」
土王「僧侶の居場所が掴めた」
魔王「おぉ! さすがだね!」パチパチ
土王「ただ……その場所は」
側近「……あまり良くなさそうですね、その言い分だと」
土王「……」コク
勇者「どこにいるんだ?」
土王「……王都。勇者一味として囚われの身になっている」
土王「そして魔法使いを連れて行ったのは……王国兵」
勇者「アイツ……ッ!?」
土王「こっちも向かった先は……王都という情報……」
魔王「王都へ……? まさか?」
側近「処刑……ですか。魔力を失った魔法使いさまを狙ったのでしょう」
土王「研究を潰された怨恨も……深い」
勇者「無理にでも連れてくれば良かった……」
魔王「でも、魔法使いは自分からメンバーを降りたじゃない? 魔法が使えなくなったからって」
側近「魔法使いさまとて、魔法が使えなきゃただの人間、ただの少女。同じ人間にとってなんら脅威足り得ませんね」
勇者「ぐっ……」ワナワナ
土王「落ち着いて……勇者」
勇者「落ち着いていられるか! 王国の本性を知っているはずの魔法使いが、なぜ……!」
土王「王国兵に吹き込まれた可能性を……示唆」
側近「つまり……僧侶をエサにされたと?」ウワァ
魔王「へぇ……人というのは実に狡猾ね」クス
勇者「っ!!」ジャキッ ダッ
側近「どこへ往くのですか、勇者さま」
勇者「王都へだ!!」
魔王「行ってどうするの?」
勇者「そんなのは決まっている!」
魔王「助け出す……って? 考えが浅はかだよ。浅すぎて水溜まりにもならない」
勇者「なん……だとぉ……!」バリッ
側近「魔王……さま?」
魔王「同じ人間たちを敵にまわすと言うのね?」クスクス
308 :
>>1:2014/02/09(日) 23:35:50.24 ID:
ic3ihxZ90
勇者「何が言いたい……」バリッ バリバリッ
魔王「僧侶も、魔法使いも……きっと勇者を誘い出す罠」
勇者「わかってるさ、そんなこと!」
魔王「うぅん、わかってない」
魔王「ホント……仲間のことになると短絡的になるよね」
魔王 (そこも勇者らしいんだけど……ね) フゥ
勇者「例え人を敵に回そうと……仲間のためなら!」
魔王「死ぬまで逃亡生活でビクビク怯えて過ごすの?」
勇者「この……っ!!」ギリッ
魔王「そもそもね、単独で突破出来る程度なのかしら? 私なら勇者が来るとわかってる以上、そんな甘いことはしない」
側近 (魔王城を無血開城したあなたが言いますか?)
魔王「……」ギロッ
側近「はぅん」ドキーン☆
魔王「……それに、仲間を盾にされたら勇者はどう戦うの?」
勇者「しかし……っ!! こうしている間にも処刑されてしまうかもしれないっ!!」
土王「その可能性は……皆無かと」
勇者「なぜそう言い切れる?!」
側近「あくまで向こうの目的は勇者さまにあるから、ですね」
土王「勇者を捉えるまでは……殺されはしない」
魔王「そゆこと。時間はあるよ」
土王「だから落ち着いて」
勇者「ぐ……ぅぅ……!!」
ドサッ
勇者「……教えてくれ……どうしたらいい? 俺はどうしたら……」
魔王「んふふ♪」
勇者「……な、何?」
側近「ここに誰がいるとお思いですか?」
勇者「え? いや……え?!」
土王「魔王と……」
勇者「まさ、か……」
水王「その」ヤット
勇者「お前ら……」
風王「愉快な」デバンガ
勇者「ハハ……」
火王「仲間たち!!」キタァァ
勇者「……本気なのか?」
土王「ボクたち魔王軍と同じように……人間にも無血開城してもらお?」ニコ
魔王「まおゆう軍……結成!」ワーイ
309 :
>>1:2014/02/09(日) 23:36:48.27 ID:
ic3ihxZ90
王都近郊
勇者「魔王と手を組むことになるとは……」
魔王「いい? 最終確認するわ。側近」ユビペチッ
側近「はい」
側近「魔王軍(5名)が王城に対し、陽動として攻め込みます」
魔王「いい? ド派手にやるけれども、決して人間側に死者を出してはダメよ」
土王「これは向こう側に……圧倒的な力の差を示すことを主として、件の不死者魔法を使用させないことが目的」
側近「その間に、勇者さまは誰か1人を連れて、囚われの魔法使いさまと僧侶さまの救出に向かっていただきます」
側近「無事救出後、魔王軍と合流し国王に無血開城及び無条件降伏を持ちかけます」
魔王「そして勇者が国民に私との和平を申し立てましょう」
勇者「……うまくいくのか?」
土王「それは……向こう側次第」
勇者「…………」
魔王「大丈夫。この世界で最強の二人が手を組むんだから」
勇者「……よしっ! 行こう!!」バリッ
勇者 (もう少し……もう少しだ。待っていてくれ魔法使い、僧侶!)
勇者「必ず助け出す!」
全員『オオォォォォッ!』
310 :
>>1:2014/02/09(日) 23:37:37.87 ID:
ic3ihxZ90
……
…
魔法使い「……あ……ぅ、……?」ジャラ
魔法使い「……何、これ……鎖……」キョロ
魔法使い「…………」
魔法使い (そっ……か……あたし、捕まったんだっけ……)
僧侶「魔法使いさま!? よかった……目を覚ましてくれましたね……」ガシャッ
魔法使い「僧……侶……?」
僧侶「はいっ!」ウル
魔法使い「僧侶は……どうして……?」
僧侶「ごめんなさい……私……」
魔法使い「…………」
魔法使い「大丈夫……勇者が、助けに来てくれる……から……」
僧侶「私……勇者さまに合わせる顔がありません……」
魔法使い「僧、侶……?」
僧侶「知らなかったとは言え……私は神への冒涜行為を冒しました……」
魔法使い「…………」
僧侶「完成させて……しまったんです……」
……
………
311 :
>>1:2014/02/09(日) 23:38:22.07 ID:
ic3ihxZ90
……
…
王国兵「勇者めが仲間を奪還すべく現れました」
大臣「王様……」
王「……う、む……」
王 (勇者よ……本当にワシを裏切ったのか……?)
大臣「ご英断を!!」
王国兵「王よ!!」
王「……全軍に通達! 反逆者を捕らえよ!!」バッ
大臣「ははぁっ!」ニヤリ
…
……
ウオオオォォォッ!
勇者「お出でなさったな」
魔王「ふあー……ゾロゾロとよくもまぁ」
側近「さ、いつまでも傍観しているわけにはいきませんよ?」
勇者「わかっている……土王、行こう!」
土王「……」コク
魔王「ツッチーいいなぁ! 私が勇者と行きたかったなぁ!」プンプン
勇者「魔王……」ハァ
土王「…ツッチー…///」
側近「いや、陽動なのですから元から魔王さまはこちらですよ」
魔王「ぶぅー」ツーン
側近「ぁあんっ! 魔王さまったら反抗期っ!」ハァハァ
勇者「その、何だ……まぁ、頼むよ」
土王「行こう……」ダッ
勇者「あぁ!」ダッ
312 :
>>1:2014/02/09(日) 23:40:01.29 ID:
ic3ihxZ90
軍曹「大臣の命である! 反逆者を殺せぇぇ!!」
ウオオオォォォッ!
魔王「殺す? 貴様らが勇者を? バカバカしい」
軍曹「誰だ! 反逆者に与する者は全員、処刑だぞ!」
魔王「我は魔王なり……愚者共y」
軍曹「可愛いィィッ! 誰あれ何あれ持ち帰りてぇぇぇ!!」
魔王「はいぃ?!」ビクゥッ
ウオオオォォォッ!
軍曹「はぁ……はぁ……ね、ねぇお嬢さん、おじさんの濃ぉいミルクを子宮で受け止めてくれないかな」ハァハァ
魔王「ひっ?!」
軍曹「のどま○こゴシゴシ擦って、直飲みさせてあげるからね? このカワイイお腹がポッコリするまで注ぎ込んであげるからね?」ハァハァ
魔王「ひぃっ……」ゾワァ
側近「穢らわしい目で見るんじゃありません!」ビュオッ
軍曹「ありがとうこざいますっ!?」バキィッ
グンソォォォォ!?
軍兵1「お、俺を性奴隷にしてください!」
側近「興味がありません」
軍兵2「私、あのお姉さまに処女を捧げますぅ!」
水王「あら、ありがと♪ でも同姓なのよ?」
軍兵3「そこの男の娘、踏んでください罵ってください!」
風王「バッキャロウ! そんな趣味ねぇよ! つーか誰が男の娘だぁぁ!」
軍兵4「や ら な い か ?」
火王「ウホッ! なんて言うかバァァァカ!!」
イヤ オレガ ワタシヨ! ドケッ!!
魔王「……こんなのしかいないの? こんな国、滅ぼしても良くない? ていうか滅ぼした方が世界のためになるよね?」ギンッ
側近「……皆、下がって耳を塞ぎましょう」ギュッ
火 水 風王「……」ギュッ
魔王「混沌の底に蠢く大いなる同胞よ、古き契約に従い我が聲を訊け」
魔王「深き眠りより此方へ……遥かなる思考より彼方へ……贄の器……喰らい尽くす」
魔王「魂の叫び、器の泪、比類なく慈悲もなく……無に還れ」
軍曹「なんと……素晴らしい……」
軍兵「舞踊るように……」
lost…
魔王「□□□□□□□□□□□!!」
ゴッ……
側近「( ゜Д゜)」
……
…
313 :
>>1:2014/02/09(日) 23:57:38.35 ID:
RqF9PZwx0
ここまででした。
また明日のこのくらいまでには
次が投下できるかと思います。
病院でインフル疑惑患者は隔離されますが
自分の行った所は外で呼ぶまで待てとのこと。
フラフラ朦朧としてるのに
このくそ寒い中、外で。
一時間って長いですよね……。
ではまた次回!
314 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/02/10(月) 00:12:31.61 ID:B9cGxJgJ0
俺この軍隊入りたいわ
315 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/02/10(月) 00:13:15.84 ID:p9IoXWln0
乙。災難だな。
316 :
>>1:2014/02/10(月) 00:36:23.26 ID:
HAGgISsl0
>>314
軍兵4「いいのか、俺はノンケでも……」ニヤ
火王「逃げろ! 超逃げろォォォ!!」
>>315
困ったことに腕はいいんですよね……。
同じように外で待つ人と仲良くなりました。
321 :
>>1:2014/02/10(月) 16:57:54.06 ID:
/EKsl0KI0
軍兵5「いたぞ! 勇者だ!」
軍兵6「待て! 隣の少女は一体……?!」
軍兵5「人質なのか! おのれぇ……勇sy」
土王「地走……」ゴガガガガガッ
ウワァァ!
ヒギィ!?
勇者「……地下牢なんだ。あまりムチャクチャすんなよ」
土王「? ボク、殺してないよ」コッチ
勇者「……」クル
軍兵「……」ピクピクッピクッ
勇者 (何か違う罪状が増えてそうなんだけど)
タッタッタ
土王「勇者……」ソッチ
勇者「ん?」タッタッタ
土王「もうすぐ着くよ」アッチ
勇者「魔法使い、僧侶!!」
……
…
魔法使い「…………そう……」
僧侶「は……い……全て私のせいです……」
魔法使い「うん……でも、きっと勇者は……許してくれる……」
僧侶「……はい」グス
魔法使い「……過去に縛られる、のでは……なくて……過去の経験を……生かし、未来へ繋ぐ……それが一番なんだと……思うよ……?」
僧侶「……はいっ!」ニコ
魔法使い「……あたしも、なかなかできないんだけど……」エヘ
魔法使い「僧侶……この足枷……外せ、る?」
僧侶「すみません……今までも何度か試してたんですが……」
魔法使い「そっか……なら勇者が、来るまで……このまま……」
僧侶「来てくれる……でしょうか……」
魔法使い「来る……きっと……」
マホウツカイーッ! ソウリョーッ!
魔法使い「来た……」
魔法使い (やっぱり……来てくれた……)
僧侶「勇……者……さまぁ……」
土王「勇者、そこの牢屋……」
勇者「魔法使いィィ! 僧侶ぉぉぉ!!」ダダダダダ
ダダダダダ……
魔法使い「…………」
僧侶「…………」
土王「…………」
ドコダァァァァ!? アレ、ツッチー!? ドコイッタ!?
土王「こんなときにボケないで……」ガックリ