Part1
勇者「魔王……?」魔王「いかにも」フフン
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389377156/
1 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:05:56.25 ID:
+WGAq8P00
勇者VS魔王
更新頻度まちまちです。
よくあるまおゆうなので
過度な期待をされても
応えられない気がするだけです。
投下していきます。
2 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:07:05.88 ID:
+WGAq8P00
勇者「………………………」
魔王「不服かな?」
勇者「不服っ……ていうか、不満と言うか……」
魔王「何が気に入らんと言うのだ」
勇者「……俺はな、お前を打倒するために長い旅をして来たんだ」
魔王「知っている」
勇者「時には仲間を失い、時には別れ、時には裏切りられ……」ググッ
魔王「………」
勇者「それでも打倒魔王が俺の宿命だと信じて、一人になっても前に進んできたんだ」
魔王「………」
勇者「それなのにだ! いざ魔王城に来てみればだ!! お前、もう一度名を名乗れぇ!!」
魔王「魔王だ」クスクス
勇者「ウソつけぇぇぇ!? 頼むからウソだと言ってぇぇぇ!!」ギャァァァ
魔王「何が不満なんだ……紛れもなく、我は魔王なり。さぁ勇者よ、剣を取れ」ファサ
勇者「見た目、角としっぽが生えてるだけの黒髪美少女と戦えるかぁぁ!!」
3 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:08:14.30 ID:
+WGAq8P00
魔王「なんだ勇者? 我の容姿が気に入らんのか?」シュン
勇者「あぁそうだ! もっと禍々しい姿を想像してたのに!! もっと憎々しい姿を想像してたのに!!! 可愛すぎんだろーがぁぁ!!」ジタンダ
魔王「か、かわいい……? そかな?」テレ
勇者「はっ!? そうか! それで油断させようってことだな!!」
魔王「え?」
勇者「さぁ、そうと分かれば! 正体を晒せ!! 本来の姿に戻れ! さぁ!! さぁさぁ!!」ズイッズイッ
魔王「えぇ? 近い近い///」カァァッ
勇者「危うく騙されるところだった……そうだ、俺はもう騙されない……騙されるものか……」ブツブツ
魔王「うぅ……///」ハズカシイ
◆◇◆◇
勇者「くっそ……どいつもこいつも……畜生が!」ブツブツ
魔王「こ、これで良いのか?///」
勇者「おぉっ変身が終わったか!! さぞや恐ろしい姿に……」クルッ
魔王「………う……生まれたままの姿だ///」マッパダカ
勇者 (ちっぱい…だと!?)
魔王「ゆ、勇者? これで我が魔王だと信じてくれたか?///」
勇者「服を着ろ。話はそのあとだ」タラーッ
魔王「あ、鼻血が……だいじょぶ?」テチテチ
勇者「うおおぁぁぁ!! 寄るな! 着ろォォォ!!」バサァ
魔王「わぷ! あ、私の服……それよりホントにだいじょぶ?」
勇者「問題ない。だから早めに頼む」ギュッギュッ
魔王「??」ワカッタ
シュルシュル パサ キュッキュッ
4 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:09:59.11 ID:
+WGAq8P00
勇者「着たか?」ハナセン
魔王「うむ」
勇者「ホントーにだな?」
魔王「なぜそこを疑うのだ……」
勇者「よぅし………せーの」クルッ
魔王「さ、問題なかろう?」
魔王「人類と魔族の、永きに渡る下らぬ争いに雌雄を決しよう」チャキッ
勇者「………あぁ………」
魔王「……」
勇者「………………」
魔王「……なぜ構えぬ?」
勇者「その前に聞かせてくれ」
魔王「む?」
勇者「なんだそれは」
魔王「う?」
勇者「それだそれ。そのかわいいお手てに握られた存在感の薄い棒っこだ」
魔王「ひのきのぼうだが///」マタ カワイイッテ イッタ
勇者「はぁぁぁぁ………」クラ
魔王「酷くないか?! なんだその溜め息は!!」プンプン
勇者「魔王のくせになんだその武器はぁぁ!!」ガチャーン
魔王「お、おい、自分の剣は大事に扱ったほうが……」
勇者「血の滴る鎌とか! 骸骨の付いた杖とか!! 竜族よりヤバそうな爪とか!! そう言った感じのはないのか!?」ジタンダ
魔王「重いし……骸骨とか怖い、から……///」カァァ
勇者「魔王だろ!?」
魔王「いかにも」フンス
勇者「威厳がねぇ………」
5 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:11:15.09 ID:
+WGAq8P00
勇者「現時点では、お前を魔王だなんて認めない」
魔王「………(工△工;)」
勇者「そんな、『なに言ってんのこの人』みたいに見られてもな」
魔王「だぁって………」
勇者「そこにある俺の剣を見ろ」
魔王「う、うん……」チャッ
勇者「それが先祖代々より伝わる、勇者の剣だ。幾度となく魔王との戦いに振るわれてきたんだ」
魔王「先代魔王はこれにやられたのか……」シミジミ
勇者「なのに……それなのに、お前は……っ! ひのきの、ぼう……っ!!」グヌヌ
魔王「えと……なんかごめんね?」
6 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:14:44.86 ID:
2zdRHRIw0
勇者「貴様は武力近接タイプではないと判断した。そのひのきのぼうも、つ……杖として見れば良い……そう、それでいい」
魔王「まぁ……(自分を言い聞かせないと納得しきれないのかな)」
勇者「魔法はどうなんだ?」
魔王「フフッ、得意だな」
勇者「ほう? ならば見せろ」
魔王「クスクス……驚くなよ?」ゴアッ
勇者「………っ!! (凄まじい魔力だ……)」ググッ
魔王「生活に便利な呪文」
魔王「側近を呼び出す方法」ユビペチッ
側近「お呼びですか、魔王さま」シュッ
勇者「………………」
魔王「………」チラッ
側近「ふむ? (勇者様がいらっしゃるのですね把握)」
勇者「………………それでおしまいか?」
魔王「えっ? えと、ちょっと待って」アセアセ
側近「魔王さま、こういうのは……」ゴニョゴニョ
7 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:20:26.55 ID:
v3dFdvfa0
勇者「相談は終わったか?」
魔王「フッフフフ……なかなか納得しないお主もびっくりな魔法を見せよう!!」ズオッ
勇者「………」バタバタバタバタ
勇者 (室内に暴風が荒れるほど凄い威圧感なのに……)ハァ
魔王「生活に便利な呪文」
魔王「四天王、ちょっと来て」ゴッ
側近「キャー♪ かっこかわいいです魔王さまー♪」パチパチパチ
勇者「…………また生活に便利な呪文か」
魔王 (ここで、それらしく振る舞えば…!)
魔王「火の三角、水の三角、風の三角、土の三角!」ゴゴゴゴゴ…
側近 (そうです! いかにも呪文ぽく演出すればいかに勇者様とて魔王さまを認めざる得ない!!)
魔王「力のディメティア、大いなる六道を以て遥かなる地より我がも」ガリッ
勇者「………」
魔王「………」
勇者「………」
魔王「………」ウルウル
勇者「……あっ、と……大丈夫か?」
8 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:22:51.36 ID:
v3dFdvfa0
側近「申し訳ありません魔王ァァァァ!!」ダパー
勇者「何でお前が泣いてんだよ」
魔王「ごえんえ……ひっぱいひひゃっは……」ウルウル
側近「謝るのは私の方です! あぁおいたわしや!! こんなことになるとはぁぁ!!」
火王「だっ、大丈夫なのか魔王!!」ボウッ
水王「あぁぁ……痛かったね、すぐに治してあげるからね」ザバァ
土王「痛いの痛いの……飛んでけ……」ドゴォ
風王「クッソォ! スタンバってないでさっさと出てくればよかったよ!」ビュゥゥ
魔王「ごえんぇ……」グスグス
勇者「なんだこれ」
9 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:24:11.37 ID:
v3dFdvfa0
魔王「うぅー………」ウルウル
側近「貴様らァァァァ! 魔王さまに傷を残すわけにはいかない!! 全力でやれぇぇぇ!!」
四天王「オオォォォォ!!!」
勇者「たかが舌を噛んだだけだろう?」
側近「ゴルァ! 魔力が枯渇するほど絞り出せやァ!!」
火王「グオオォォォォッ!!」
水王「ハァァアアアアアッ!」
側近「それでも四天王かキサマらぁぁッ!!!」
土王「………!!」ギリギリギリ
風王「ズァァァァッ!!」
勇者「あー……まぁ、終わったら呼んで?」
側近「魔力! 全!! 開!!」ドンッ
火王「浄化の炎よ!」バオォッ
水王「慈愛の水よ!」ザバァ
土王「庇護の土よ…」ドゴォ
風王「友愛の風よ!」ビュゥゥ
魔王軍『癒しの力を!!』
魔王軍『極! 回復呪文!!』カッ
10 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:25:32.50 ID:
v3dFdvfa0
側近「どどどうですか魔王さま??」オロオロ
魔王「うん……ありがとう、みんな♪」ニコ
水王「ほんと? ほら見せて」ナデナデ
魔王「」ベー
風王「うん」
土王「傷は残ってない……」
勇者 (甘すぎるくらい溺愛してる)
魔王「待たせたな、勇者」
勇者「あぁ……本当に待ったわ」ゲンナリ
魔王「さぁ、これでもまだ我と戦わないつもりか?」
勇者「なんつーか……余計にやる気が削がれたんだが」
火王「わざわざ魔王さまが出るまでもない」ザッ
水王「うふ、私たちだけで充分よ」ザッ
土王「魔王さまを仇なす敵は……」ザッ
風王「我らが四天王が相手をしてくれる!!」
勇者「!!」チャキッ
11 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:27:27.54 ID:
v3dFdvfa0
魔王「これでも我は魔王。皆は見ているが良い」
魔王「それに……さっきので魔力がほとんどないでしょう?」
勇者 (本気で魔力を使い切ったのか)ゲンナリ
火王「なんと……我らの身を案じてくださるとは…」クッ
側近「退がれ四天王。魔王さま自らが戦闘を所望だ」
四天王「はっ!」
勇者「んぁ……本当にやるのか?」
魔王「この期に及んで怖じ気づいたか……勇者の名が聞いて呆れる」クスクス
勇者「口だけは達者だな……」イラッ
魔王「口だけではないことを証明しよう」クスクス
勇者「手加減はしねぇぞ……っ!」ドンッ
側近「さすがは勇者……速い!!」
勇者「喰らえっ! 火炎ぎr」魔王「えいやー」ヒュッ
ゴキッ
勇者「ぐあぁっ!!」ゴロゴロゴロ
魔王「フフ」
勇者「痛ー……!! おい! それ本当にひのきのぼうか!? トロールの棍棒より効いたぞ!」サスサス
魔王「えいやー」ゴキッ
勇者「ぐあぁっ!!!!」
魔王「えいやー」ゴキッ
勇者「ちょ! 待!!」
魔王「えいやー」ゴキッ
勇者「ひぎぃ!!」
魔王「えいやー」ゴキッ
エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ
勇者「」ピクピク ピクッ
魔王「ふう……」
12 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:36:44.81 ID:
+EA6fM5U0
勇者「この、野郎……!!」グググ…
魔王「弱い、ね? 勇者」
勇者「」ガーン
魔王「やめよ? 弱い者イジメみたいでイヤだから……」
勇者「」バタ
魔王「あれ? 勇者? 勇者?」
側近「うぅ敵を気遣える優しさ……立派に成長なされて……」ウルウル
火王「くっ……目から鼻水が……」
水王「共に喜びましょう。魔王さまの成長を」グスグス
土王「……」グスグス
風王「よしよし」ウルウル
勇者「」
13 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 03:50:35.53 ID:
w/TdSYU/0
魔王「大丈夫? 勇者」
勇者「今までの旅はなんだったんだ……」
魔王「ガンバったね」ナデナデ
勇者「……(魔王に同情され、頭を撫でられる勇者は俺くらいだろうな……)」ナデラレ
魔王「ちょっと強くやり過ぎた?」
勇者 (仲間には裏切られ、魔王には敵わず……)
魔王「よしよし」ナデナデ
勇者「俺の存在価値ってなんだったんだ……」グス
魔王「よ、よかったら話くらい聞くけど?」
14 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 04:16:47.16 ID:BmO5N+ZD0
とりあえずここまでです。
15 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 04:25:20.48 ID:0vWMfBMOo
これは期待!
乙ー
16 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 04:31:50.38 ID:b5sR6mFE0
乙
同じく期待だ
17 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 07:04:23.52 ID:PeNaOKqDO
そこは、ノーダメージでしとくべきだろ…
乙
18 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 08:04:39.53 ID:kU+OwRumo
勇者も真の力を開放してないんだよ(切実)
19 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 10:41:15.39 ID:w2zEBUwd0
ニヤニヤがとまらん
期待
20 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 12:30:32.27 ID:
EqliFfCh0
側近「期待! 期待されてますよ、魔王さま!!」
魔王「うれしい…がんばる///」フンス
勇者「ふざけろ! がんばるのは俺だろうが!」
側近「はーん? 弱っちいくせに何を仰いますかぁー?」
勇者「弱くない!!」
魔王「そうだね、勇者は弱くない」ナデナデ
勇者「………」グヌヌ
21 :
以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/01/11(土) 12:31:22.25 ID:
EqliFfCh0
ー始まりの町ー
王「勇者よ、よく来てくれた」
王「再び魔王がこの世に目覚め、我が軍は進行してくる魔王軍に押されつつある」
王「だが、もはや恐れるものではない! 我々の元には勇者が表れた!!」
勇者「はっ」
王「頼む……人びとの平和を守ってくれ……」
勇者「お任せください王よ。必ずや魔王を討ち取ってみせます」
王「長く苦しい旅になるやもしれん……頼んだぞ」
勇者「はい!」
大臣「少ないがこれを旅の資金の足しにしてくれ」チャリ
勇者「……ありがとうございます」
勇者 (500Gって……ほとんど無いに等しいな)
大臣「勇者の出立だ!!」
ワァァァ!