Part7
390:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:11:03.59 ID:
znoTLrJOO
魔女「なんだありゃあ!
何食ったらあんなんになるんだ?!」
侍女「罪を犯した者でしょう。
食料には困らなさそうです」
魔女「冷静に答えてんじゃねぇーよアンポンタンッ!
何か撃ってくるぞアイツッ!」
少女「結界張ります!」バリバリバリッ
魔女「ついでに僕もオマケだッ」ビリビリビリッ
氷竜「ヴヴォアッ!!」ドーンッ
バキィィイイインッ!!
魔女「うっわギリギリだなありゃ!
結界に沿って氷の壁が出来てるぞ!」
侍女「あれは冷気ではなく、魔力その物ですね。
魔力が冷気の性質を有しているようでございます」
少女「結界が浸食されてますよ!」
ビシッ……ビキッ……
魔女「まじぃなこれ、畜生!」
394:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:18:05.71 ID:
znoTLrJOO
侍女「誰かが囮になってる間に何か術式を組むか、
結界をどんどん重ねて行くしかなさそうですね」
魔女「いくら結界張ってもあれ以上距離縮められたら終いだぞッ」
侍女「では、わたしめが囮役を勤めさせて頂きます」
少女「そんな……!
何か方法が他にっ」
魔女「考える暇はねぇーぞッ!
やっこさんはこっちの話がまとまるのを待つつもりはこれっぽっちもないみたいだ!」
侍女「大丈夫です。
きっと上手くいきます」
少女「でも侍女さん……!」
397:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:26:04.80 ID:
znoTLrJOO
妖精「!」ツンツン
少女「え……?」
侍女「自分に任せてほしい、と言っています」
少女「で、でも……」
妖精「!」ブンブン
侍女「……あいつをやっつけるからみてて、と」
魔女「なんかしらねぇーが、やるなら早くしてくれッ!
次のが来るぞッ!」
妖精「っ!」ビュンッ!
少女「あっ!」
氷竜「ヴヴゥヴ……ゴァアアウゥヴッ」ゴォオオォ
妖精「ーッ!」ビュッ!
399:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:40:45.31 ID:
znoTLrJOO
氷竜「ヴッ……グゥウゥウウヴ……」
魔女「お? なんだ、動きが止まったぞ?」
少女「一体何を……?」
侍女「……」
氷竜「……グヴゥヴウッ! ヴォオォォオォオッ!!」
魔女「あいつ、腹が光ってるぞ!」
侍女「どうやらあの人工妖精が、水晶を氷竜の口に投げ入れたようです」
魔女「水晶の中の魔力が一気に解放されて、氷竜の体内で暴走してるのか!」
氷竜「ヴッ……ヴヴゥヴ……ヴォーーーー」
ーーーージュッ
……ドッグォォオオオォォオォオオォォオオオンッ!!!
401:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:43:49.40 ID:
znoTLrJOO
少女「い、一瞬で蒸発した……」
侍女「数千年か数万年か、溜め込み続けた地獄の業火ですので、
あれほどの威力になったのかと」
魔女「えらいもんを土産にしてきたなぁオイ」
妖精「♪」パタパタ
侍女「どんなもんだ、と言っています」
魔女「はぁ。なかなか大したもんだよ、お前」
少女「人工妖精ってみんなこんなすごいのかな……」
402:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:50:14.27 ID:
znoTLrJOO
魔女「何はともあれ、おかげで随分明るくなったし、吹雪も弱まったな」
少女「何より驚きなのは、普通に水晶が健在だったことですね……」
侍女「少し火力を落とす魔導式を書き込んだので、また帰りにでも回収致しましょう」
魔女「しかし……これが例の壁か」
少女「壁と言うか垂直に立った大地ですね、これ」
ゴゴゴゴ……
404:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 00:19:08.36 ID:
kbBBO15UO
魔女「さぁ、どうやって上まで登る?」
侍女「恐らく生身では不可能でしょうし、
通常の魔導や召還獣でも時間が掛かり過ぎると思われます。
飛行中はこの付近の魔物の恰好の餌食です」
魔女「だな。
もうあんなのは御免だ」
少女「……さっきの氷竜を召還してみましょう」
魔女「おおッ? 出来んのか?」
少女「術師さんの理論に従うなら、人工妖精の召還よりは簡単なはずです」
侍女「確かにあの氷竜なら、安全に上まで辿り着けるでしょう」
少女「準備しますんで、ちょっと待ってください」
侍女「わたくしも魔法陣の書き込みを手伝います」
魔女「なるべく早くな。
一応結界張っとくけど、気休めにしかならんだろうし」パキッ
妖精「ーっ、ーっ」フリフリ
侍女「自分は応援している、だそうです」
少女「ふふ、ありがとう」ガリガリ、ガリガリガリ
411:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 01:44:33.29 ID:
kbBBO15UO
氷竜「ヴグルルル……」バサッバサッ
少女「お疲れさま」ナデナデ
魔女「まさか丸1日飛び続けるとはな。
ケツが痛ぇー」
侍女「この氷竜でなければ、途中で力尽きていたでしょうね」
妖精「!」パタパタ
魔女「で、壁の上に着いたわけだが……霧が掛かっててよく見えないな」
少女「少し歩いてみましょう」
侍女「足元にお気をつけくださいませ」スッ
魔女「……オイ、見ろよこれ」
少女「足跡……ですね。わたし達のじゃない」
侍女「そんなに古くないもののようでございます」
魔女「っつーことはよぉ、人が居るってことか?」
少女「人かどうかはわかりませんが……とりあえず『何か』は居るんでしょう」
侍女「予想通り、ここは気温も極端ではありませんし、魔獣の気配もしません。
何者かが定住していても不思議ではないですね」
魔女「とりあえず足跡に沿って行ってみっか」
412:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 01:52:57.20 ID:
kbBBO15UO
少女「風もないし、わたし達の他の音も何も聞こえませんね……」
魔女「こんな所に住むやつはよっぽどの物好きに違ぇねぇーよ」
侍女「これだけ徹底して何もありませんと、
これはこれでやはり地獄なのかも知れません」
少女「そうですね……」
魔女「全くだ。
……それより、さっきりより霧が晴れて来てないか?」
侍女「確かに視界がよくなって来ていると思われます」
少女「足跡はこのまま真っ直ぐ続いてますね」
魔女「そろそろ、なんかありそうだぜ。
気を抜くなよ」
415:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:01:33.93 ID:
kbBBO15UO
少女「……あれは……?」
侍女「建造物……のようですね」
魔女「異常にでかいようだが……城か?」侍女「……何者かの気配がします。
強力な魔力もあの建造物から感じます」
少女「足跡はやっぱりあのお城に向かってますね」
魔女「こんな何も無いところにあんなもんおっ建てたんだ。
相当むちゃくちゃな魔導師か何かだろう」
少女「……もしかして、と言うか、
多分いま全員同じ人を思い浮かべてると思うんですけど……」
魔女「……多分な」
侍女「恐らくは」
417:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:16:13.95 ID:
kbBBO15UO
魔女「……全員あの城に近付けてる気がしねぇーな」
侍女「認識系に作用する結界の一種が張られている可能性がございます」
少女「どうしましょう?
魔導式を逆算して部分的に破りましょうか?」
魔女「そんなまどろっこしいのはいらん。
そいつに一発派手に撃たせりゃいいんだ」
氷竜「ヴルル」バサッ
少女「そんな乱暴な……」
魔女「魔王だったらそのくらいあっさり何とかするだろ。
そら撃てッ! 凪ぎ払えッ!」
氷竜「ヴォアアッ!!」ドンッ
……バキィィイイインッ!!
魔女「そーれみろ、やっぱり結界だ。
これで呼び鈴にはなっただろ」
少女「もし魔王さんじゃなかったらどうするんですか?」
魔女「その時はその時だ。
ピンポンダッシュってことにすれば問題ねぇーよ」
少女「問題無くはないでしょ、それ……」
侍女「! 今結界が解除されたようです」
魔女「おー、やっとお出ましか?」
421:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:35:57.46 ID:
kbBBO15UO
少女「……誰か歩いて来ますよ」
侍女「結界や幻覚の類ではなさそうですね」
魔女「もう一発ぐらい撃っとくかぁ」
氷竜「ヴルルァ」
少女「ダメですってば!」
魔女「オイ忘れたのか? 僕は魔王をぶっ殺しに地獄まではるばる来たんだぜ?
地獄で死んだらどうなるのかってのを今ここで実験して、
冥界七不思議を六不思議にしてやんよ」
「相変わらず物騒なやつだ。
そんなだから単細胞言われるんだぞ」
少女「ーーーー!」
侍女「この声は……」
魔女「よし決めたッ撃てッ! 今すぐ撃てッ!」
氷竜「ヴォヴルァアァアアァッ!!」ドーンッ
妖精「っ! っ!」パタパタ
424:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:50:07.11 ID:
kbBBO15UO
ーーーーこの小競り合いの衝撃波で、
冥界では神殿が傾くわ地獄の釜の蓋は開くわの大騒ぎになった。
その時の魔女は、まるで女の子が父親に走り寄って飛びつくような、
とびっきりの笑顔で魔王を殺しに掛かってていたと言う。
これは、相変わらず壊滅的にぶっ飛んだ魔女と、
少し成長した魔法使いの少女の冒険の物語。
425:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:51:18.54 ID:
kbBBO15UO
終わり。
まさかの二部完。
426:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:53:14.97 ID:0I/uym250
追いついた瞬間に終わった
427:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:54:08.94 ID:v9xGRG8M0
>>426
同じく
同じ時間に同じスレを同じ速度で見てる人がいるって胸熱だな
430:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:56:33.59 ID:8Z1nNowN0
少女達の冒険はこれからだ!!!!!!!!
>>1先生の次回作へご期待下さい。
431:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 02:58:23.95 ID:Z9rooMQi0
ぬおおおおおぉおぉぉお終わらないでくれえええぇぇぇぇええええええええ
世界観が好きなんだよおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ
いやマジでお疲れ様です
437:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 03:02:33.01 ID:dmz/NNDS0
もうファンになりました
乙です
441:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 03:15:03.02 ID:PgXudxzCO
超乙
だがまだ500スレ以上あるぞ
さあ存分に続きを書いてくださいお願いします
442:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 03:20:03.91 ID:1GoMGo0iP
>>441
50万レスか
443:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 03:21:28.82 ID:
kbBBO15UO
何でこんな無駄にアレな世界観になったのか自分でもわからん。
設定をまき散らしまくるのは楽しいけどね。
寝る、おやすみ。
445:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 03:32:01.10 ID:LLAptByJ0
おつ
446:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 03:37:26.20 ID:EXV+ZOG8P
乙!
魔王の姿が色々想像できていいな
447:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 04:02:32.40 ID:KlpIrHln0
乙です^^
448:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 04:02:40.62 ID:bYzDNjkr0
乙
で、続きはまだかね
455:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 07:23:33.38 ID:lJ60qqAK0
乙
第三部に期待
461:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 09:21:20.01 ID:js0FxdWx0
別に第三部が読みたいなんて思ってないんだから!
466:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 12:59:05.46 ID:
kbBBO15UO
妖精「♪」パタパタ
侍女「お祭りのようだ、と言っているようです。
確かに、もし今この付近にいる人間がみな町民なら、
ここ一帯は人間界最大規模の城下町になりますね」
術師「しかも人間界……で一番多国籍……かつ多文明……の魔導都市」
魔女「どっちかっつーと、今すぐ世界大戦がおっ始まりそうな雰囲気だけどな。
っつーかなんでてめぇーがここに居んだよ」
術師「屍霊術師……としては地獄と言う場所に興味……がある」
魔女「あーそーかい。じゃあ今度連れてってやんよ」
術師「……わくわく」
少女「あぁ、もう……なんでこんな事に……」ガクッ
468:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 13:11:03.12 ID:PlAHcsLJO
第三部来たあああ
470:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 13:15:09.17 ID:
kbBBO15UO
侍女「! どうやら外で動きがあったようです」
魔女「おおッ、ドンパチか?」
術師「ここで大戦勃発……したらコレが仕掛け人……歴史に残る。汚点として」
魔女「うッせぇー。戦場のど真ん中に投げ込むぞ」
術師「そもそもコレ……があっちこっちで弟子自慢をしたせい……
どの国も魔王の後継ぎと同盟……を結びたいのが本音」
侍女「勇者派遣協約もすっかり形骸化しつつありますしね」
少女「協約?」
侍女「東西南北の四帝国で結ばれた一つの国際協約でございます。
魔王討伐による世界平和の維持のため、
定期的に各帝国から有能な戦士や魔導師を派遣して、
この任務に当たらせると言うものです」
魔女「まぁ表向きはそうなってるが、実際は魔王退治で人材を『消耗』させて、
それぞれの帝国が互いの戦力が強くなりすぎないようにするための一種の軍縮協約だな。
もし討伐に成功したら、それはそれでえれぇーアドバンテージになるから
どこも文句は言わねぇーけどよー」
術師「派遣されるパーティー……はたまったものじゃあ……ない」
魔女「しかしそう考えると、あの勇者は結構骨のあるやつだったんだなぁ」
471:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 13:31:12.31 ID:
kbBBO15UO
侍女「しかし……魔王様がお亡くなりに……
と言うより地獄に移住されたので、事情が変わったのでございます」
魔女「人間のてめぇーなら同盟交渉の余地があるって思われたんだろ」
少女「……同盟交渉って、いきなり軍隊を派遣してするようなものなんですか?」
術師「それがコレ……のせい。
四帝国での『魔王後継者』の評価……これ」ペラッ
【魔王後継者について】
……人間族の少女であるが、魔王の魔力を受け継いでおり、
魔王以上の比類無き才覚を有し、魔導・魔術・人外外法に通じ、
一国を易々と滅ぼす地獄の氷竜を従え、
しかもその氷竜を一瞬で葬り去るほどの力を有する……
少女「頭が痛くなって来ました……」
術師「……誉めすぎ」
魔女「その方が師匠の僕に箔が付くだろうが」
侍女「だから使節団ではなく、軍隊を派遣して来たのですね」
魔女「しかも四帝国が同じタイミングで来たもんだから、
睨み合いになってるわけだ」
術師「それで小競り合い……が起きてる……」
少女「はぁ……とりあえず、様子を見て来ますよ」
侍女「お供致します」
魔女「ちゃんと全面衝突の総力戦に持ってけよな」