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少女「魔王さんなら、ママを生き返せるのかな…」
Part1

少女「魔王さんなら、ママを生き返せるのかな…」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1290256370/

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 21:32:50.64 ID:1VcGq2Ag0
そういう感じで

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 21:59:41.97 ID:5VKwCgqEO
――――バァン!
勇者「魔王ッ!
   懺悔の時間は終わりだッ!」
少女「!」ビクッ
魔王「おっと?
   全く無粋な奴だなお前はいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも」
勇者「な、……なんだ、その女の子は?
   人質にでもするつもりかッ」
魔王「おいおいおいおい」
勇者「残念だったな!
   今更女の子1人でこの俺を止められるとでも思ったか?
   ここまで……一体何人の仲間を犠牲に……踏み越えて……ッ!!」
魔王「いいからちょっと落ち着けよ。な?
   まぁ落ち着けよ、ちょっと。
   人質じゃあねぇーよ。なー?」
少女「は……はい……」
魔王「私にお願いがあって、ここに来たんだよなー?」
少女「そうです……」
魔王「そーゆーわけなのよ。だからちょっと待っててねー」

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:14:28.93 ID:5VKwCgqEO
勇者「ふ、ふざけるなッ! そんなこと……」
魔王「じゃあお前、代わりに叶えてやれば?
   な。お願いしてみなよあいつに。
   泣く子も黙る勇者さまだぜ?」
少女「……」フルフル
魔王「そっかー嫌かー。
   まぁそうだよなー、そうだよ。そりゃそうだ。
   嫌われてんなー、勇者。はっはっはっはっはっは」
勇者「一体何の話を……」
魔王「この子さぁ、お母さん生き返らせたいんだってさ。
   それで私の所まではるばる来たんだって。
   お前が船の権利書貰った鉱山の村からだぜ?
   半年歩き詰めってすごいよ、すごいすごい。
   私感動しちゃってさー、叶えてあげちゃったりしよっかなーって」
少女「……」
勇者「鉱山……?」
魔王「思い出したかなー?
   お前ら鉱山の魔物倒すのに、村人囮にしただろう?
   賢者さまのすっげークールでナイスな発案で、囮は村の女になったよな?
   あのとき、お前ら……やらかしたろう?」
勇者「……あれは……魔物がいきなり後ろから現れて……賢者の集中が途切れて……」

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:24:58.70 ID:5VKwCgqEO
魔王「で、何人かの防御呪文が切れちゃったと。
   その時に、お前らの魔導師が焦って乱射した魔導弾が当たっちゃったのが……ってわけさ」
少女「……」
魔王「だから、勇者さまには頼みたくないんだってさ。
   いやー、しょうがないね。戦争だもんね。何人も犠牲にしないといけないんだもんね。ね?」
勇者「……ぐっ……
   俺達だって……助けようとした……!」
魔王「でも、勇者さま御一行の蘇生呪文って、教会で特別な洗礼を受けた人間にしか使えないんだよな?
   不便なんだよなー、人間の力って。いやー、残念無念」
勇者「……そもそも、お前らがッ!!」
魔王「はいはいはいはい私が悪い私が悪い。
   でも私、蘇生出来るよ? この子のママさん。ちちんぷいぷいーってさ。
   私が勇者に倒されちゃったら、もちろんもう無理だけどね」
少女「……」
勇者「なッ……この……卑怯者!!」

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:38:25.35 ID:1VcGq2Ag0
つづけろ!!

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:38:29.08 ID:5VKwCgqEO
魔王「じゃあほら、その剣で切りかかってきてみなよ。
   ほらほら、今ならまだ防御呪文も反射呪文も掛かってないぜ。
   チャンスですよーチャンス。ねー勇者さんってばー」
勇者「ッ!」ジャキッ
少女「……!」バッ
魔王「あらあらあらあらあらあらあらあらあらー。
   キミ、守ってくれるの? 私を? 勇者から?」
少女「ママを……生き返らせてください……」
魔王「うんうん、いいよいいよ、ますます感動しちゃったよ。
   約束するよ約束。ママのことは任せなよ。
   でもまぁ……どうなるかは勇者さま次第かなー?」
少女「……」キッ
勇者「そ……そんな目で俺を見ないでくれ……!」

13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:43:18.34 ID:5VKwCgqEO
魔王「で、どーすんの?
   やるの? やらないの?」
勇者「俺は……お前を倒すためにここまで来たんだッ」
魔王「あっそ。
   でもさぁ――――」
……パキッ……ビキッ……
バチバチッ……バキンッ
魔王「――――本気出したらめちゃめちゃ強いからね、私。
   一応言っとくけどさー」バリッ……バチチッ……!
勇者「……!!」ゾクッ

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:44:41.08 ID:TakZYxQkO
がんば

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 22:51:09.58 ID:7M9W4Qs+0
期待せざるを得ない

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:00:52.69 ID:5VKwCgqEO
魔王「私としては回れ右をオススメするよ。面倒臭いしね。負けないけど。
   まぁこの子のママさんの敵討ちってのもいいけどね」
少女「……」ジッ…
勇者「……ッ」
少女「……」
勇者「……ぐ……ッ」ギリッ…
少女「……」
勇者「……、……糞ッ……」ガシャン……
魔王「なーんだ、やめちゃうのか。
   じゃ、お帰りはあちらですよー」
勇者「――――必ず、俺はお前を倒しに戻って来る!」ダッ
魔王「ひひひ。なるべくサボってから来てくれよなー」

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:19:25.44 ID:5VKwCgqEO
魔王「さーて、じゃあ張り切って蘇生術式の準備しちゃおっかなー」
少女「!」
魔王「ちょっと時間掛かるからのんびりやるかね。
   あ、その間に色々手伝ってもらわないといけないことがあるんだけどさ」
少女「何ですか……?」
魔王「いやー、蘇生術式使ってる間、私って超無防備なんだよねー。
   蚊に刺されても死んじゃうんだ。
   もちろんそうなったら術式失敗! 大爆発! 私、消し炭!」
少女「……」
魔王「で、だ。
   そこでキミの出番なんだけどさー……」
勇者「魔王ォ……絶対に……貴様の首を落とす……ッ!!」ザッザッザッ…

22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:36:39.88 ID:5VKwCgqEO
ガチャッ
魔王「ってなわけで、とりあえずここで寝泊まりするといい。
   ご飯やら何やらは……よっと」バギンッ!
侍女「……」
魔王「こいつに任せたらよくしてくれるよ。多分ね。きっと。……だよな?」
侍女「……」コクコク
魔王「大丈夫そうだな。よかったよかった。
   仲良くしろよー」
侍女「……」ペコリ
少女「よ、よろしくお願いします」ペコリ
魔王「じゃあ、私はちょっと出掛けたりしてるから。
   あとよろしくー」
……バタン
侍女「……」
少女「……」
侍女「……」
少女「……」

26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 00:21:28.78 ID:v7LwU1XzO
魔王「おい、あの番犬ちゃんとしつけとけって何回も何回も何回も何回も言っただろうが」
冥王「あ、魔王だ。いらっしゃい」
魔王「手っ取り早く要件だけ済ますぞ。
   ここは辛気臭くてかなわん」
冥王「失礼な。何の用?」
魔王「これからちょっと上ででっかいことやるから、魔力の前借りに来たわけ。
   250年分ぐらいありゃいいや」
冥王「そう。じゃあ、これ持ってって」ヒョイ
魔王「どーも」パシッ
冥王「魔王」
魔王「ん?」
冥王「バイバイ。また来てね」ヒラヒラ
魔王「もう来ねぇーよ」

27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 00:27:22.54 ID:v7LwU1XzO
魔王「じゃあな、三つ首。
   餌の取り合いもほどほどにしろよな」
番犬「「「ヴルルル……」」」
魔王「あばよー」
番犬「「「……」」」
――――ォォオオオオオオン……
魔王「遠吠えしてらぁ。
   さて、次は、と」

29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 00:30:20.69 ID:v7LwU1XzO
少女「い、いただきます」
侍女「……」ペコリ
少女「……」
侍女「……」
少女「……一緒に食べませんか……?」
侍女「……」フルフル
少女「そうですか……」
侍女「……」ペコリ
少女「……」
侍女「……」
少女「……あ、美味しい……」

31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 00:49:48.68 ID:v7LwU1XzO
魔王「よう、相変わらず蒸し暑いとこに引きこもってんのな」
竜王「うわっ、魔王じゃん。珍しー」
魔王「鱗にカビが生えるぞ、そのうち」
竜王「ちゃんと清潔にしてますよーだ。
   それで? 何でいきなり来たわけ?」
魔王「お前にアレ貸してただろ。
   ほら、あの水晶のいいやつ」
竜王「あーあー、アレね」
魔王「アレ返してくれ。ちょっと使うんだよ」
竜王「それがこないださぁ、うっかり炉に落としちゃって」
魔王「何だと」
竜王「お陰で炉の調子は最高にいいんだけどさー」
魔王「このうっかりドラゴンめ……じゃあお前の目玉寄越せ」
竜王「えー、やだよー」
魔王「炉に不純魔力ぶち込んでやろうか」バリバリ
竜王「やめてぇー」
魔王「ほら寄越せ、さぁ寄越せ」
竜王「もう……仕方ないなー」グチュグチュ……グチュリ
魔王「うぇえ」
竜王「いたたた……はい、これでチャラね」ベチャッ
魔王「色々言いたいことはあるが、まぁいいや。
   じゃあな」
竜王「またねー」

33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 00:57:02.72 ID:v7LwU1XzO
魔王「まさか本当に目玉くれるとは……儲け儲け。ひひひ。
   さーて、あとは細かいものの準備だな。
   ちゃっちゃかやるぞー」
竜王「ねーねー、目玉ってどのくらいで再生するのかな?」
臣下「さぁ……」

34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 01:03:24.92 ID:v7LwU1XzO
少女「え? 服ですか?」
侍女「……」コクリ
少女「えっと……それに着替えればいいのかな……」
侍女「……」コクコク
少女「わ、わかりました。じゃあ……」
侍女「……」スッ
少女「ありがとうございます……こんな服、着たことないから手間取っちゃって」
侍女「……」フルフル
少女「……お姫さまみたいです」
侍女「……」コクリ

35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 01:21:29.55 ID:v7LwU1XzO
ギャアギャア、ギャア…
バサバサバサ…
魔王「ここも冥界に負けず劣らずじめじめとこだなー。
   さすが薄明の森」
霊樹『余計なお世話じゃわい。
   また儂の枝で焚き火するつもりかの?』
魔王「もうそんな子供じゃねぇーっての。
   何百年前の話だよそれ」
霊樹『なら、何の用なんじゃ』
魔王「茨の種ちょうだい。育つのがすげー早いのな」
霊樹『ふむ。これかの』ポトッ
魔王「あざーす。
   それから、爺さんの枝の一番いいやつくれ」
霊樹『なにぃ。今度はどんないたずらを企んどるんじゃ』
魔王「ちょっとでっかいのをな。
   頼むよ、爺さん。この通り!」
霊樹『横になった上、頬杖を突いて足をバタバタさせるのがお前の人にものを頼む態度か』
ポッ……
魔王「お、あの光ってるやつ?」
霊樹『万年モノじゃぞ』
魔王「やったぜ。気前いいなー爺さん。ありがとな」
霊樹『全く……
   まぁ、なんじゃ。その……たまには遊びに来るんじゃぞ』
魔王「今度は土産持って来るって」

37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 01:34:38.75 ID:v7LwU1XzO
少女「……」
侍女「……」
少女「……」
侍女「……」
少女「……あの、何かすることは……」
侍女「……」フルフル
少女「そうですか……」
侍女「……」
少女「……」
侍女「……」
ガチャッ、
魔王「ただいまー、っと」
侍女「……」ペコリ
少女「お、おかえりなさい」
魔王「うむ。
   異変なかったか?」
侍女「……」コクリ
魔王「そうか。引き続き任せたぞ」
侍女「……」コクコク
少女「あの……」
魔王「ん? あぁ、キミはもうちょっと待っててね。
   もうすぐ色々やってもらうからさ」
少女「あ、はい……あの、それと……」
魔王「何かしらん?」

38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/21(日) 01:37:07.09 ID:v7LwU1XzO
少女「この……侍女さん? ……無口なんですね……」
魔王「喋った方がいい?」
少女「えと……はい、できれば……その……」
魔王「だってさ」
侍女「承りました」ペコリ
少女「!」
魔王「これでいいかい?」
少女「はい、あの……ありがとうございます」
魔王「どういたしましてー。じゃあまた後でねー」
……バタン
少女「……」
侍女「……」
少女「……えっと……」
侍女「はい」
少女「……あらためて、よろしくお願いします」
侍女「こちらこそ、及ばぬところも多いかと存じますが、よろしくお願い致します」ペコリ
少女「あう……」