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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part9



55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:46:18.90 ID:3lewGuBR0
---早朝---
チュン チュン チュン
僧侶「・・・」パチ キョロ ホッ
騎士「スゥスゥ」
---ユメジャナイ---
---キノウトチガッテ---
---ミタサレテルカンジ---
---ココロガオチツイテルカンジ---
---ホカニナニモイラナイカンジ---
---モウカエレナクテモ---
---ソンナコトドウデモ---
---ヨクナッタ---
---ナンカシアワセ---
僧侶「・・・」ぎゅぅぅぅチュゥ
騎士「んんんんむぐ」パチ ギュゥゥ
僧侶「んむんん・・ぁぁん・・ねぇ・・だっこして」
---ギシアン---
zzz・・・
---朝---
チュン チュン チュン
騎士「ふぁあ〜〜あ」
僧侶「スピースピー」zzz
騎士「・・・」---おはよう---
そろ〜り そろ〜り
騎士「・・・」---着替えないと---
グイ スル シュッ
騎士「・・・」---あれ?窓からみえるのは---
騎士「・・・」---気球---
僧侶「ふぁあ〜」パチ !
騎士「あ!おはよう」
僧侶「うふふ〜おはよ〜」ニコ
騎士「大丈夫かい?僧侶昨日はすごかったね」
僧侶「うふふ〜」
騎士「だっこ好きなんだね」
僧侶「うん♪」---昨日と同じ会話---
僧侶「ねぇ!わたしどうだった?」
騎士「最高だったよ」
僧侶「わたしのこと好き?」
騎士「大好きだよ」
僧侶「私も騎士が大好き」---どんどん満たされていく---
騎士「そろそろ着替えなよ」
僧侶「は〜い」
スル スル シュッ
騎士「あれ見て!!」
僧侶「なに〜?あ!!気球?乗ってみた〜い」
騎士「今日行ってみよう」
僧侶「わ〜い」
騎士「魔女起きてるかな・・」
僧侶「起こしに行こっか?」
騎士「頼むよ」

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:46:48.42 ID:3lewGuBR0
---宿屋出入口---
カランコロン チュンチュン
店主「昨晩はお楽しみにでしたね。本日はもう出発されますか?」
騎士「はい・・お代は本当に良いんですか?」
店主「もちろんです。汚したシーツもお気になさらないでください」
僧侶「・・・」モジモジ
魔女「・・・」チラリ
騎士「店主さん外に見える気球は・・・?」
店主「あぁあの気球ははるか西にある砂漠の町へ行く為に貸し出している物ですよ」
騎士「砂漠の町はここから大分遠いはず・・だったと?」
店主「・・・ですがすぐ西のエルフの森は危険ですので気球で越えるのが一番安全らしいです」
騎士「そうなんですか・・・気球はどうやって借りれば?」
店主「町外れに貸出所があるので詳しくはそちらで聞くと良いかと」
僧侶「ねぇ・・・はやくぅぅぅ」
騎士「あぁぁごめん・・・店主さん情報ありがとう」
店主「いえいえ又のお越しをお待ちしております。今後とも仲良くなさって下さい」
僧侶「は〜い・・ウフフ」
魔女「・・・」ジロ
騎士「じゃぁ行こうか」
---町道---
テクテク トコトコ ノソノソ
僧侶「騎士ぃ〜手ぇ〜〜」グワシ
魔女「そなたらは仲が良いのぅ・・わらわと愛しの人を思い出すわ」
騎士「ま、まぁね」
僧侶「ウフフ〜」
魔女「僧侶は騎士からピッタリ離れんのぅ・・・目に痛いわ」
騎士「・・・この先で魔女の装備も整えて行こう」
魔女「わらわはこの格好で良いが?」
騎士「明らかに魔女っぽい格好はまずいかな・・・」
僧侶「私が選んであげる〜ウフフ〜たっのしみ〜〜」
----------------
僧侶「おまたせ〜コーディネートはこーでねーと!なんてね〜ウフフ」
魔女「・・・この格好で愛しの人に見つけてもらえるかのぅ・・」
騎士「割と普通になったかな・・・護身用の装備も良いかな?」
魔女「わらわに護身用は必要ないが?・・・危険が迫れば若さを吸えば良い」
騎士「そっか・・」---魔王を倒した事があったんだっけ---
魔女「あまり吸いすぎると子供になってしまうがな・・」
騎士「それは困るなハハ」---じゃぁ僕は一体何と戦うんだ?---
テクテク トコトコ スタスタ

57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:47:23.67 ID:3lewGuBR0
---気球貸出所---
ゴーー ゴーー プシュ
男「よう!気球を借りに着たのか?」
騎士「はい・・気球は始めてでも操作出来るものなのかな?」
男「ああ簡単だ。魔石を少し調整するだけだ。急には動かんから大丈夫」
騎士「借りるのは金貨でどれくらい?」
男「ちーっと高いぜ・・金貨一袋だ」
騎士「うわ・・全財産分だ・・」---高すぎる---
男「でも安心しな!砂漠の街で気球を返却したら気球の代金は帰って来る・・つまり移動代だけって事だ」」
騎士「あぁそれなら大丈夫だ・・・ところで」
男「この気球に・・今の勇者が乗った事があるか知らないかい?」
魔女「!!!」
男「ん〜はっきり覚えてないが・・・勇者らしき4人組みが借りていった事はあるなぁ・・・」
騎士「それはどれくらい前?・・」
男「半年か・・もうすこし前かって所だな・・まぁ金持ちじゃ無いと借りれないから・・乗れる人は限られるしな」
騎士「その4人組が向かった先について何か知らないかい?」
男「砂漠の町の後のことはしらねぇ・・向こうは盗賊団が情報牛耳ってるからソコで聞くと良いかもな」
魔女「その勇者の特徴はなにか覚えておらんか?」
男「おおぅ御嬢ちゃん・・・勇者様に会ってみてぇのかい?」
魔女「質問に答えてないぞよ?」
男「御嬢ちゃんよ・・・どっかのお姫様みてぇな口ぶりだなハハ・・残念だが主だった特徴は覚えてねぇな」
魔女「他には覚えておらんか?」
男「すまねぇ・・無口な勇者だったもんだからほとんど会話してねぇんだ・・」
魔女「無口か・・・」
男「よう!それで気球は借りていくか?」
騎士「砂漠の町までの日数は?」
男「7日って所だな」
騎士「必要な物をそろえてまた来る」

58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:48:20.60 ID:3lewGuBR0
-----------------
ヨッコラ ドス
騎士「・・これで良し・・っと」
男「おぅ随分荷物積み込んだじゃねぇか・・こりゃ気球の旅も快適だなハハ」
僧侶「お〜中はお部屋になってるんだね〜ウフフ〜」
男「火事だけは気をつけてくれ・・たまに事故があってな」
騎士「僧侶も気球は始めてかい?」
僧侶「うん見た事はあったけど〜王国が禁止してから見なくなったかな〜ウフフ」
男「何の事だ〜?」
騎士「あ、いやこっちの話だよ」
僧侶「2年くらい前かな〜急に気球が禁止になったの〜」
騎士「便利なのにどうしてだろうね?」
僧侶「わからな〜いウフフでもわたしたちには関係ないね〜」
男「おい!操作方法わかるか?・・・ここをこうすると火が・・・」
騎士「あぁ・・見せて・・・簡単だね」
魔女「魔石のエネルギーを使っておるのか・・」
男「代えの魔石はこっちのカゴに入ってる・・・それから向こうに着いたら気球貸出所にコレを渡してくれ」パサ
騎士「これは?」
男「代金返済額と必要な物資リストだ・・まぁお前達には関係ない。無くすなよ」
騎士「わかった」
僧侶「早くいこ〜よ〜ねぇねぇ」
男「そら!!早く乗った乗った〜」
ギシギシ ゴーーーーー ゴーーーー
僧侶「わぁ!!浮いた浮いたぁウフフ」
男「じゃぁ気をつけて行って来な!!」
騎士「ありがとう!」
男「おっとそうだ!途中の森には降りないようにな!エルフに見つかると危ないからよ」
騎士「わたっかよ」
ゴーーーー フワフワ プシュー
僧侶「おおおおおおおおおぅすご〜い」
魔女「・・・」
騎士「これは・・・」
魔女「わらわの花畑が・・しばしの別れじゃ」
僧侶「わぁぁぁこんな風になってたんだぁ〜ウフフ」
騎士「いろんな物がどんどん小さくなって行く」
魔女「人間は小さいのぉ」
僧侶「本当だね・・私もあんな風にすご〜く小さい一人なんだね・・」
騎士「・・・・・」
---魔王とは一体何だ?---
---2部 完---

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:48:53.08 ID:3lewGuBR0
---気球1日目---
ヒョーゥ ギシ
騎士「地図によると下にある森は南北にずっと繋がってるらしい」
僧侶「ん〜〜〜森しかみえな〜い」
騎士「この森に分断されて東の始まりの国と西側とが国境になってる」
魔女「エルフは古来よりこの森を支配しとるが・・・人間に友好ではないぞ」
騎士「国境付近ではいざこざが絶えないらしい」
僧侶「エルフって見たことないな〜〜」
魔女「耳が長くて容姿は端麗じゃ・・・人間は一方的にエルフに恋をする」
僧侶「へぇ〜美人さんなんだ〜」
騎士「今日は暖かいから少し高度を上げよう・・」グイ
ゴーーーーー フワ フワ ギシ
ビリビリ パラパラパラ・・
騎士「僧侶・・何してるんだい?」
僧侶「え?うん隊長の指令の紙を捨てたの・・」
騎士「??どうして?」
僧侶「うん・・もういいの」
騎士「まだ2つ指令が残ってたんじゃなかったっけ?」
僧侶「ほら・・もう帰れないしさ〜」
騎士「良いのかい?」
僧侶「うん」ニコ
騎士「でも何が書いてあったのかは気になるな」
僧侶「教えてほしい〜?」
騎士「ちょっと知りたい」
僧侶「・・・」
騎士「嫌なら良いよ・・」
僧侶「あの指令にはね・・勇者の事が書いてあったの」
騎士「勇者?僕の事かな?」
僧侶「ううん」フリフリ
騎士「どういう事だろう」
僧侶「選ばれた勇者と・・本物の勇者の事」
騎士「・・・」
僧侶「そして本物の勇者を探せっていうのが指令6」
騎士「あぁ・・・僕もなんとなくそんな気がしてた」
僧侶「王国で選ばれた勇者の本当の目的は・・・本物の勇者を魔王の所に導く役目なんだって・・」
騎士「やっぱりそうだったんだね・・・師匠も同じ事を言ってた」
魔女「・・・その本物の勇者がわらわの愛しい人に違いない」
騎士「そうかもしれない」
魔女「あぁ・・愛しきわらわの勇者よ・・今助けにゆくぞ」
僧侶「・・・それからね」
騎士「うん」
僧侶「選ばれた勇者が真実を知った時・・・指令7・・・暗殺」
騎士「え?・・・真実?」
僧侶「・・・それは魔王の城に行ったとき分かるって・・」
僧侶「でもね!わたし暗殺なんてできない・・」
騎士「暗殺?・・でもどうして暗殺なんか」
僧侶「わかんない・・・指令が完了したら帰還しろって書いてあった」
騎士「僧侶・・ありがとう。すべて話してくれて」
僧侶「ううん。ごめんね隠してて」
騎士「とにかく前に進んで見よう・・もう帰れないんだし・・ね?」グワシ
魔女「5年経てば帰れると言っておろうが」
僧侶「だっこ」ギュー
魔女「・・・・・」
魔女「また始まったかの・・ヤレヤレ」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:49:25.58 ID:3lewGuBR0
---囚人の事が少し分かってきた---
---彼は何かを知って暗殺された---
---でも生き残り囚人として過ごした---
---指輪を持ってたという事は---
---これから必ず会う筈だ---

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:50:16.36 ID:3lewGuBR0
---気球2日目---
ヒョーゥ ギシ
僧侶「ねぇ!騎士!何かおかしいの〜来て〜」
騎士「どうした?」ヨッコラ
僧侶「なんかね・・気球の高さが低くなってるみた〜い」
騎士「・・あれ?本当だ。どうしたんだろう」
魔女「何の騒ぎじゃ?もうすぐ日が暮れるぞよ?」
騎士「!?あれは・・気球に小さい穴が開いてる・・まずいな」
僧侶「え〜〜〜このまま落ちちゃうの?」
騎士「ちょっと魔石の出力を上げて見る!」グイ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ ゴーーーーーー
僧侶「やっぱり少しづつ下がっていくみた〜い」オロオロ
騎士「少しだけ降りて修理しよう!ここからじゃ直せない」
魔女「森の夕暮れは早いぞ?・・・」
フワ フワ ドッスン
騎士「僧侶と魔女は周囲を警戒してて・・魔物が襲ってくるかもしれない」
僧侶「うんわかった〜」
魔女「僧侶・・離れるでないぞ?」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:50:46.17 ID:3lewGuBR0
-----------------
騎士「だめだ・・いくつも穴が開いてて糸が足りない」
僧侶「わたしたちエルフに食べられちゃうかな〜?」
魔女「エルフは人を食ったりはしないよ・・」
騎士「仕方ない・・今日はここで野営して明日の朝糸の代わりの物をさがそう」
僧侶「もう真っ暗だよ〜ぅこわいよ〜う」
魔女「照明魔法!」ポ
騎士「おぉ・・魔女・・ちゃんと魔法使えるんだ」
魔女「忘れてしまった魔法を少しずつ思い出しておる」
騎士「よし!気球の周りで炎の円陣を作ろう・・夜行動物が襲ってこないように」
僧侶「わかった〜」
騎士「僕は燃える物を集めてくる・・僧侶と魔女は炎を付けて」タッタッタ
魔女「火魔法!」ゴゴゴゥ!メラ
僧侶「火魔法!」ポ しゅぅぅ
僧侶「火魔法!」ポ しゅぅぅ
僧侶「火魔法!」ポ しゅぅぅ
魔女「・・・そなたは魔法使いではあるまい無理はせんで良い。火魔法!」ゴゴゴゥ!メラ
僧侶「う・う・う・・・」ピーン!!
僧侶「罠魔法!」ザワザワ シュルリ
魔女「フフフそれで良い」
僧侶「ウフフ〜わたしも役にたってるぅ〜♪」
グルルル ガルルルル
僧侶「きゃぁ!!」
魔女「ウルフかの?」
僧侶「か、囲まれてる・・」
魔女「これ!罠魔法を休むでない・・」
僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」シュルシュル シュルリ
ウルフ「ガルルルル ガオー」ダダッ
僧侶「罠魔法!」シュルシュル シュルリ
ウルフの群れはツタに捕らえられ身動きが取れない
魔女「一気に焼くぞよ?火炎魔法!」ゴゴゴゴゴゴ ボウ
ウルフ「ギャワン!キャンキャン!」
ウルフの群れはダメージを受けた
僧侶「す、すご〜い」
魔女「次が来るぞよ」
僧侶「防御魔法!」
魔女と僧侶の守備力が上がった
ウルフ「グルルルル ガルゥ」ダダ ガブッ
魔女「ぐぅ・・」
魔女はダメージを受けた
僧侶「回復魔法!」ボワ
魔女「爆炎魔法!」ゴウッ ゴーン
ウルフ「キャン!キャン!」
ウルフの群れは逃げ出した
僧侶「よ〜し追い払った・・」
魔女「・・・・・」