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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part6



34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:35:20.30 ID:3lewGuBR0
---林道---
パカラッ パカラッ ブルルル ブヒー
勇者(馬が疲れてきた様だ・・少し速度落とすか)
グイ ブルル パカ パカ パカ
勇者(日が暮れる前に寝床を探さないと・・・野宿になるかな)
ぐぅぅぅぅぅ
勇者(朝から何も食べてないな)ゴソゴソ
勇者(乾し肉とパンだけか・・・2人だと今日の分しか無いな)
僧侶「ううぅぅん・・・たいちょーむにゃ」スピー スピー
勇者(紐で縛られてると下手に動けんな)
さわさわわ
勇者(川が近い・・よし魚が取れる)
---川辺---
僧侶「ふぁあ〜〜あ〜んんんんあれ〜?ここどこだろ〜」
勇者「お!起きたかい・・よっし!!捕れた」パシャパシャ
僧侶「なんかチョッと暗いかも〜ここはどこ〜?
勇者「あぁもうすぐ日が暮れる・・今日はここで野宿だ」
僧侶「ふ〜ん今何してる感じ〜?」
勇者「魚捕ってる」
僧侶「なんか楽しそ〜う私もやろっかな〜ウフフ」
勇者「日が暮れる前に火を起こそう・・手伝って」テキパキ
僧侶「何すればいいの?」
勇者「火魔法とか使えないかな?」
僧侶「オッケーやってみる」
勇者「そこの枯葉に火を付けてみて」
僧侶「できるかな〜?火魔法!」ポ
勇者「お!十分!フーーーフーーーー」メラ
僧侶「私天才かも〜ウフフ」
勇者「僕は魔法が使えないから火をおこすのにいつも苦労するんだ」
僧侶「火魔法はじめて使った〜ウフフ」
勇者「よしコレでよしっと・・ちょっと木を集めてくるから暖まってて」
僧侶「オッケー」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:35:49.58 ID:3lewGuBR0
---数分後---
勇者「あれ?僧侶何処行ったかな・・・お〜い」
パチャパチャ
勇者「お〜い僧侶〜・・・・あ!」
僧侶「あ!だめええええ!来ないで〜〜〜見ないで〜〜」
勇者「ごごごめん・・あっちで待ってる」
(そうか・・暗くなる前に水浴びしておかないと入れなくなるもんな)
メラメラ パチパチ
ガッサ ガッサ
僧侶「戻ったよ〜あ〜サッパリした〜」
勇者「おかえり」
僧侶「さっきは見たでしょ〜〜へんた〜い」
勇者「いやそんなつもりは無かったんだ・・・」
僧侶「あれ〜?コレって寝床になるの〜?それとも馬の餌?」
勇者「ベットの変わりだよ。それから明日の朝には馬の餌にもなる」
僧侶「すご〜いウフフ〜なんか頭良いね〜」
勇者「そろそろ焼けたかな」クンクン
僧侶「良い匂い〜お腹空いてきたかも〜ウフフ」ぐうぅぅぅぅぅ
勇者「焼き魚と乾し肉とパンだ・・・木の実もある」
僧侶「ごちそうだぁ〜いただきま〜す」パク
勇者「今日は沢山食べて明日に備えよう」
僧侶「なんふぁ・・すふぉく楽ふぃ〜ウフフ」パクパク
勇者「じゃぁ僕も頂きます」モグモグ

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:36:17.06 ID:3lewGuBR0
---夜---
メラメラ パチパチ ゴゥ
勇者「よし!これで一晩火は持つかな」
僧侶「ねぇ勇者ってさ〜・・・あ!!思い出した〜指令に続きがあったんだ〜」
勇者「ん?」
僧侶「指令はねぇ〜全部で7つあるんだ〜ウフフ」
勇者「あぁ聞かせてくれるかな?」
僧侶「だめぇ〜〜それは秘密なの〜私が順番に指示する〜」
勇者「分かったよ・・」

僧侶「指令5:身分を詐称する事・・・ってどういう事かなぁ・・」
勇者「あぁ隊長が勇者である事を隠せって言ってたな」
僧侶「なんでかなぁ?勇者って名乗るとやっぱり面倒が起きる?」
勇者「ん〜どうかな・・・でもわざわざ名乗る必要もないかな」
僧侶「じゃぁ名乗る必要が有る時は何って名乗るの〜?」
勇者「それは適当に・・」
僧侶「!!私が決めてあげる〜そうだなぁ・・」
ヒヒヒヒ〜ン ブルル
僧侶「そうだ!馬に乗ってるから騎士にしよう!かっこい〜〜どう?気に入った?」
騎士「あ、あぁそれで良いよ」
僧侶「私は姫で良いかな〜?ねぇ」
騎士「ぃあ・・僧侶は僧侶で良いよ」
僧侶「なんかズル〜い面白くない〜〜・・・あれ?ポケットに何か入ってる〜なんだろ〜」
騎士「???」
僧侶「あ!!忘れてた〜コレ騎士の持ち物・・・指輪と豆?かなハイ」
騎士「これは・・・囚人の指輪と・・・なんだこれ?」クンクン
僧侶「うわ〜犬みた〜い」
騎士「豆では無さそうだ・・でもありがとう僕が持っておくよ」
僧侶「その指輪ってどうしたの?大事そうに握り締めてたよ?」
騎士「あの囚人が僕によこした物だよ・・・僕にもどうして渡されたかよく分からない」
僧侶「へ〜そうなんだ〜でもさぁ〜なんかその話退屈〜他の話にしよ〜よぅ」
騎士「・・・・・」---この子のペースはキライじゃないかな---
僧侶「例えばさ〜明日何食べるとかさ〜夢のある話をね・・」
(なんか僕も楽しい)

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:36:43.80 ID:3lewGuBR0
---林道5日目---
パカ パカ パカ
僧侶「・・・・・」
騎士「・・・・・」
僧侶「・・・・・」
騎士「・・・・・」
僧侶「もう飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きたあああああ」
騎士「・・・・・」
僧侶「あとどれくらい?」
騎士「さっきから3分くらいしか経ってないよ」
僧侶「また野宿かなぁ・・暗くなって来た」
騎士「もうすぐ付くよ」
僧侶「もうチョッとさー元気が出る気の利いた言葉が欲しいな〜」
騎士「よし・・今日はごちそうをお腹いっぱい食べよう!」
僧侶「たべるううううううううううううう」
騎士「あったかいベットで一緒に寝よう」
僧侶「ねるうううううううううううううう・・う???一緒に?」
騎士「ははは掛かったな・・だんだん僧侶の扱い方が分かってきたぞ」
僧侶「・・ギッタギタのボッコボコにするよ?・・ウフフ」
騎士「あのね・・・あ!!林の隙間に光が見えた」
僧侶「え!!わーい!どこどこ〜?見えな〜い」グイ グイ
騎士「ちょちょ・・紐で縛ってるんだからあんまり騒がないで・・」
ヒヒヒヒ〜ン ブルル
---森の町---
騎士「まず宿屋を探そう・・ってお〜い!待って」
ぴゅー
----------------
騎士「・・・まいったなぁ・・どこ行っちゃったんだろ」
僧侶「こっちこっち〜!!」
騎士「ちょっと待ってよ、はぐれちゃうだろ〜」

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:37:13.06 ID:3lewGuBR0
---森の町宿屋---
ガチャ カランカラン
店主「いらっしゃいませ森の町の宿屋へようこそ」
僧侶「ねぇねぇ今人違いされちゃった〜ウフフわたし何処にでも居る顔かな〜?」
騎士「部屋は取れたかい?」
僧侶「オッケーお勘定は騎士が担当ね〜ウフフ」
騎士「分かったよ」
店主「あら騎士さん?お久しぶりのご来店ですね」
騎士「え?・・・人違いじゃ・・」
僧侶「アレレ〜?騎士はここに来た事あるの〜?」
騎士「いや・・」
店主「お二人の事は良く憶えていますよ。その節は色々とお世話になりました」
騎士「あの・・」
店主「今ではあの娘も大きくなりまして隣の酒場で働いています」
騎士(ややこしくなりそうだからここは話を合わせよう)ヒソヒソ
僧侶(オッケー)
店主「お二人はあの時からお変わりは無いようですね」
騎士「・・あ・はい」
店主「4〜5年ぶりになりますかねぇ・・あの後王国から魔女狩りがありまして」
騎士「魔女・・」
店主「2年ほど前に例の塔を王国が跡形も無く破壊して行かれました」
騎士「・・あ・あ〜そうですか」
店主「また明日にでも見に行ってみるのも良いですね」
僧侶(ねぇ早く〜)ソワソワ
店主「あら失礼しました。話が長くなってしまいましたね。お部屋までご案内します」
僧侶(あのおばちゃんボケてるのかなぁ)ヒソヒソ
騎士(・・そうかもね)ヒソヒソ
店主「こちらへどうぞ」
店主「こちらのお部屋になります。お食事はどうされますか?」
僧侶「ごちそうが食べた〜いウフフ」
店主「分かりました。のちほど沢山ごちそうをお持ちしますね」
僧侶「わ〜い。ひさしぶり〜ぃ」
店主「ではごゆっくりおくつろぎ下さい」スタスタ
騎士「じゃ少し休もうか」
ガチャリ バタン
騎士「え・・・・」
僧侶「な〜に〜?」
騎士「これってどういう風に寝るの?」
僧侶「私がベットで〜・・・アレ?」ギシ
騎士「ちゃんとベット2つ用意してって言った?」
僧侶「ちゃんと言ったよ〜ベットをツインでお願いしますって〜」
騎士「・・・あのねツインの意味分かってる?」
僧侶「ふたつ?」
騎士「・・・・ん〜〜〜こうしよう・・今から部屋を変えてもらおう」
僧侶「ん〜なんか・・めんどくさ〜い。もうくつろいでる〜」
騎士「わ、わかったよ。くつろごう」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:37:40.46 ID:3lewGuBR0
------------------
僧侶「ぷは〜お腹いっぱ〜い。美味しかった〜ウフフ」
騎士「この後ちょっと隣の酒場に行こうかと」
僧侶「お酒飲むの〜?」
騎士「町にきたらまず情報収集するのは基本だよ」
僧侶「なんか堅苦しい〜面白くないな〜。・・お酒飲むならいこっかな〜」
騎士「ま、まぁ・・お酒を飲んでも良いよ」
僧侶「わーい。いこいこー」
騎士「っとその前に・・一応護身用でナイフだけ持っていこうハイ」
僧侶「どうして?」
騎士「酒場では酔っ払いに絡まれる事もあるんだ」
僧侶「へー」
騎士「かわいい娘を連れてると特に注意が必要なんだ」
僧侶「あれ〜〜?私のこと遠まわしにかわいいって言ってるのかな〜?ウフフ」
騎士「・・・まぁ僧侶の場合は別の意味で注意が必要なんだけど・・」
僧侶「別の意味ってな〜に?」
騎士「まぁ良いじゃないかハハ早く行こう」
僧侶「ハ〜イ」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:38:08.82 ID:3lewGuBR0
---酒場---
マスター「いらっしゃいませー」
娘「お二人様ですか?こちらの席が空いています。どうぞ」
騎士「ありがとう」
娘「お飲み物はいかがされますか?」
騎士「ハチミツ酒あるかな?」
娘「はい。お連れ様は?」
僧侶「わわわたくしもおおおなじ物を・・」
騎士(硬くならなくて良いよ)
僧侶(なんかキンチョーするもん)
娘「かしこまりました」
酔っ払い「てやんで〜いムニャんだとべらんめい・・ムニャ」
マスター「あわわ失礼しました。酔っ払い!そろそろ帰ってくれ」
娘「お待たせしました」コト コトン
騎士「じゃぁ乾杯しようか」
僧侶「かんぱ〜い」チン
騎士「乾杯!」チン
僧侶「おいしい!!ウフフ」グビ
騎士「おぉ美味しいね」チビ
騎士「マスターこのハチミツ酒はここで造ってるのかな?」
マスター「はいそうです。すこし北にある遺跡の森に沢山花が咲くのでハチミツが良く取れるんですよ」
騎士「どうして沢山花が咲くのかな?」
僧侶「わたしお花畑で生まれたの〜ウフフ〜おかわり〜」
マスター「何でもその遺跡は200前はお城だったらしくて異世界から勇者が光臨したという伝説があるんです」
マスター「だから尋ねに来た旅人達が花を添えて行ったのが沢山花が咲く由縁と言われてるんです」
騎士「へぇ〜」---知らなかった---
マスター「その後その遺跡には魔女が住み着いて・・」
娘「マスター!!その話は聞きたくないです」プン
マスター「あぁスマンスマン」
僧侶「ねぇ騎士も一緒に飲もうよ〜うぃ」
騎士「わかったわかったほら!かんぱ〜い」チビチビ
僧侶「かんぱ〜うぃ」グビビ
野郎「よう!にーちゃん!かわいいねーちゃん連れてるじゃねぇか」
騎士「・・・・」
野郎「俺にもちょっと・・・お!?」
騎士「なんだ?」
野郎「お前・・どこかで・・・あれ!?そのねーちゃんも・・」
騎士「僕はお前を知らないぞ」
僧侶「ねぇわたしかわいい?ひっく」
野郎「いや!間違いねぇ何年か前に世話になってる」
騎士(またか?)
野郎「ほらこの町で神隠しの事件があった頃だ・・・あれは・・」
僧侶「ハチミツ酒お〜か〜わ〜り〜」グビ
野郎「お、おぃこのねーちゃん大丈夫か?」
僧侶「ねぇわたひかわいい?うふふふふふ〜」
騎士「ちょっと飲みすぎだぞ・・僧侶」
僧侶「い〜の〜今日の出会ひにかんぱいしよ〜ひっく・・かんぱ〜〜〜ひっく」チン
野郎「お・おぅ」チン
騎士「ヤレヤレ」チン
僧侶「ハチミチュちゅおいひ〜」グビグビ
騎士「マスターお勘定ここに置いて行くよ。野郎の分もこれで足りると思う」
マスター「分かりました。又のお越しをお待ちしております」
野郎「おい!もう帰っちまうのかよ・・・あの時は世話になったよ。ありがとよ」
騎士「僧侶そろそろ帰ろう」
僧侶「うぃメッタメタのポッコポコにすんぞヒック・・」
騎士「わかったわかった・・」ヨッコラ
僧侶「かわいいのかかわいくねぇのかはっきり・・ヒック」
騎士「お騒がせしてすいませんでした・・」
娘「ありがとうございました〜」
僧侶「だっこー・・ひっく」
騎士「はいはい・・おんぶで良いかい?」ヨッコラせと
僧侶「・・・・・」
騎士「どうした?大丈夫か?」
僧侶「・・・・・」シクシク
騎士「・・今度は泣き上戸か」---まいったなこりゃ---
僧侶「わたしやっていけるかなぁ・・え〜ん」ポロポロ
騎士「うん大丈夫だよ。すごく助かってるよ」
僧侶「もう帰れないのかなぁ?・・・シクシク」ポロポロ
騎士「大丈夫だよ僕が付いてるよ・・・ほら今日はもう休もう」
僧侶「もっとだっこして・・」ぎゅー
騎士「はいはい・・・」

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:38:38.23 ID:3lewGuBR0
---始まりの国衛兵隊宿舎---
ドンドン ドンドン
衛兵「休憩中申し訳ありません・・・伝書鳩が戻って来ました」
精鋭兵「・・・そうか!なんて書いてある」
衛兵「北の林道に野営の跡を見つけた様です」
精鋭兵「よし!読み通りだ。馬運搬用の馬車を2つ用意しておいてくれ。」
衛兵「わかりました」
精鋭兵「俺は隊長に許可をもらってくる。人駆も集めれるか?」
衛兵「やってみます」
-------------------
トントン
精鋭兵「隊長!居ますでしょうか?」
隊長「誰だ?」
精鋭兵「精鋭兵です」
隊長「少し待て。着替えている最中だ」ゴソゴソ
精鋭兵「・・・・・」
隊長「よし!入れ」
ガチャ ゴクリ
隊長「どうした?」
精鋭兵「た、隊長・・・その格好は・・」
隊長「私も女だ、礼席ではこういう格好をする事もある・・おかしいか?」
精鋭兵「いえ・・お美しいです」
隊長「ところで用は何だ?」
精鋭兵「ハッ・・偽勇者捜索の外出許可を頂きに来ました」
隊長「ふむ・・進展はあったのか?」
精鋭兵「北の林道にて野営跡を発見しました。偽勇者の可能性が高いと判断します」
隊長「根拠は?」
精鋭兵「人目に付かず国を出るには北に向かうのが良い方法かと・・」
隊長「・・分かった」---なかなかやる---
精鋭兵「捜索を自分に直接指揮させて下さい」
隊長「よし!やってみろ」---試してみるか---
精鋭兵「では早速出発します。失礼しました」ビシ
ドスドスドス