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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part55



787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/26(金) 22:13:50.68 ID:j7iZYA7N0
---光の塔の地下---
シーン
騎士「魔王!!見つけたぞ!!お前を倒す!!」
魔王「フッフッフッフ我が魔槍を持つ者よ・・お前は既に我が一部」
騎士「だまれ!!」
魔王「我がまやかしの術を抜けここまで来れたのも我が一部であるが故」
騎士「この魔槍は既に僕の一部だ!」
魔王「フッフッフッフその魔槍では我を貫く事は出来ぬ・・我が右手となれ・・世界の半分をお前にやろう」
騎士「残念だが世界を欲する心は持っていない・・魔王を目の前にして高ぶりも無い・・ただ滅ぼす」
魔王「我に盗まれた心は欲しくないか?」
騎士「・・・・・」
魔王「お前は実態を持たぬ夢幻の住人・・その心は本来精霊の一部である・・だが今我の手に有る」
騎士「お前を倒しそれを奪う」
魔王「ハッハッハッハお前を現世に繋ぎ止めているのはその魔槍であると知れ・・我を滅ぼせばお前も虚無へ還る」
勇者「騎士!!魔王の言う事は聞くな!爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
魔女「爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
魔王「フハハハハ我に魔法は効かぬ・・だが面倒は好かん・・混乱魔法!」
僧侶「精霊の守り!」パシューーー
エルフ「魔法がダメなら・・」ギリリ シュン シュン シュン ドス ドス ドス
魔王「エルフも我に逆らうか・・元はといえば悪の元凶はエルフでもある」
エルフ「なに!?」
魔王「エルフが生んだこの祈りの指輪が無ければ我が変わって世界を統治する必要も無かった」
エルフ「その秘伝を独り占めしておいて何を言う!!」ギリリ シュン ドス
魔王「そうしなければとうにエルフも人間も・・そして魔物も滅んでいた筈だ」
エルフ「エルフの英知を盗み人間の命を吸い世界に君臨する・・お前の望みは何だ!?」
魔王「我はこの汚れた世界をもう一度蘇らせる・・その為には人間は滅ばねばならん」
騎士「本音が出たな・・僕がお前の右手になった所で人間は滅びる・・そういう事だな?」
魔王「人間は夢幻の中で生きれば良い・・それで満足する生き物だ・・我が右手となればお前には夢幻をやろう」
騎士「夢幻を・・」
魔王「フハハハハ迷いが出たか?夢幻でその精霊と仲良く暮らす事も可能だ・・どうだ?」
騎士「・・・・・」ジャキリ
勇者「騎士!やめるんだ!」
エルフ「お、おい!俺に魔槍を向けるのか?」
魔王「フッフッフッフそれでこそ我が右手・・人間はもう不要だ・・殺して我が忠誠を誓え」

788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:00:30.46 ID:IfjDCqmV0
---
魔女「騎士!やめるのじゃ・・これも魔王のまやかしじゃ・・」
勇者(見ろ・・騎士の目を)ヒソ
エルフ(魔王をヤル気だな?)ヒソ
騎士「心を取り戻したい・・エルフ!武器を置け!!」
エルフ「殺すつもりか?」
騎士「魔王は人間を滅ぼすと言った・・エルフを滅ぼすとは言ってない」
勇者「騎士!!」
ダダッ ズン!!
魔王「・・・・・」
騎士「お前も元は人間だな!?」ズブズブ
魔王「グッフッフ・・その魔槍は我が一部・・それで我を滅ぼす事は出来ん」グイ ズボッ
騎士「!!?うが・・」---魔槍を引き抜いた---
魔王「お前には失望した・・魔槍で我が心臓を突いても無意味」
騎士「くそう!!」ブン ザクン! バシュ! ズン!
魔王「その力は我に匹敵するが・・・魔槍では無意味なのだ」
騎士「勇者!!!来い!!!」
魔王「仕方あるまい・・『我が右手の力を我に!』」
騎士「はぅ・・・・」ガクリ
---全身の力が抜けた---

789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:01:16.44 ID:IfjDCqmV0
騎士「祈りの指輪か・・・」---義手と義足が重い---
僧侶「騎士?」
魔王「フハハハハお前の力のすべては我が一部となった・・もう歯向かえまい」
騎士「くぅ・・・」ガチャリ
魔王「魔槍も手を離れた・・・お前は時期に虚無へ還る」
僧侶「だめぇぇぇぇぇ回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
勇者「くそう・・僕が行く!!魔女とエルフは援護を・・」
魔女「行ってはならん・・祈りの指輪がある」
勇者「どうすれば良いんだ!」
---
---義手の魔石の力も吸われた---
---義足も重くて動けない---
---自分の力だけで動く---
---なぜかすがすがしい---

790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:01:50.98 ID:IfjDCqmV0
魔王「もうお前は用済みだ・・魔槍は我が使う」グイ ジャキリ
騎士「・・・・・」ズル ズル
魔王「次は勇者か・・お前にもチャンスをやろう・・我が右手となれば世界の半分をやろう」
勇者「世界の半分とは夢幻の事か?」
魔王「フッフッフその通りだ・・夢幻に帰りお前が統治すれば良い・・悪い話では無い」
勇者「そんな気は無い!!この銀の剣でお前の心臓と貫く!!」
魔王「・・・・・銀を持っているか・・・では貫かれる前にお前の力も我が一部としてやろう」
騎士「ま・・て・・・」ズル ズル
魔王「まだ居たのか・・お前に用は無い」
騎士「・・・」フラリ スッ
---なぜか指が動く---
---スリだ---

791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:02:26.11 ID:IfjDCqmV0
魔王「勇者!我が物となれ・・」
勇者「断る!!」
魔王「ではいたしかたが無い・・」
騎士「『魔王のすべてを我が物に!!』」
魔王「!!?まさか・・・」ガクリ
騎士「勇者!!!今だ!!!」
---力が溢れる---
---魔力が溢れる---
---知恵が溢れる---
---記憶も溢れる---
---夢幻を思い出した---
勇者「ハァ!!!!」ダダダ サクッ
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792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:02:59.48 ID:IfjDCqmV0
---
騎士「ぐふっ・・・・・」
僧侶「ぁぁぁぁぁ」
魔女「勇者・・・」
勇者「すまない・・今は君が魔王だった・・」
僧侶「ぁぁぁぁぁ・・・騎士?・・・騎士?・・・ど、どうしよう・・・」
騎士「・・・これで・・良い」
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
騎士「僧侶・・・僕は思い出した・・・約束を守れなくて・・ごめん」
僧侶「だめええええええ回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
騎士「君の癒しが・・溢れてくる憎悪を掻き消していく・・」
僧侶「え!?わたしが騎士を滅ぼしてる?」
騎士「良いんだ・・・僕のドラゴンの心臓もこれで終わりだ・・」
僧侶「だめ!だめ!だめ!騎士とわたしはもう結婚したの!!」
騎士「覚え・・ているよ・・・君を愛してた・・・愛が溢れてくる」
僧侶「いやあああああ回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
騎士「君を置いていってしまって・・すまな・・い」
僧侶「騎士?・・・騎士?・・・だめ・・・ずっと一緒って約束したもん」
騎士「生ま・・れかわ・・ったら・・・一緒に・・な・・・・・・・ろう」ガク
僧侶「ぁぁぁぁぁ回復魔法!回復魔法!回復魔法!」
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793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:03:33.73 ID:IfjDCqmV0
---魔王は灰となって崩れた---
---魔槍も同時に灰となった---
---遠くでドラゴンの鳴き声がする---

794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:04:05.26 ID:IfjDCqmV0
---夜明け---
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
勇者「僧侶・・僕達は生きてる人を探しに行かないと・・」
魔女「そっとしておくのじゃ・・」
エルフ「僧侶は俺が見ててやる・・勇者と魔女は周辺の村を回ってみてくれ」
勇者「エルフ・・すまない・・しばらく頼むよ」
魔女「夜明けじゃ・・勇者・・行くぞよ?」
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:04:51.15 ID:IfjDCqmV0
僧侶「・・・・・」
騎士「・・・・・」
僧侶「・・・・・」グイット
騎士「・・・・・」
僧侶「ねぇ・・いつもみたいに目を覚ましてよぅ・・」ポロポロ
僧侶「ずっと一緒って約束したのに・・・うぅぅぅぅ」ボロボロ
僧侶「またお花畑に行こうって約束したのにぃぃぃぃ」ボロボロ
僧侶「!!?ハッ・・・騎士の体が・・・消えそう」
僧侶「待って!!待ってえぇぇぇぇ!!私を置いていかないでぇぇぇぇ」
僧侶「騎士ぃ!騎士ぃ!」ぎゅぅぅぅぅぅ
僧侶「おねがい!!神様!!おねがい!!私の愛しい人を助けて!!」
僧侶「あぁぁぁぁぁわたしも連れて行って・・・」
僧侶「おねがいだからぁぁぁ」ボロボロ
僧侶「はぁはぁ・・・消えちゃう・・消えちゃうよぅ・・うぇっうぇっ」
僧侶「騎士ぃ!!騎士ぃ!!」ぎゅぅぅぅぅ スルリ
僧侶「あぁぁぁぁぁ」
---カラン---
僧侶「!!?ハッ・・・これは」
---祈りの指輪---

796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:05:46.65 ID:IfjDCqmV0
”これがあれば200年後に・・・又会える
”今度はわたしが魔女になる
”200年待てば又騎士に会える
”花を植えよう・・・一面の花畑になるまで
”わたし諦めれない
”絶対200年待つ・・
♪ラ--ララ--♪ラー
”愛の歌・・・200年後に実る愛の歌
”わたしは待つ
♪ラ--ララ--♪ラー

797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:30:24.71 ID:IfjDCqmV0
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---200年後---
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798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:30:56.85 ID:IfjDCqmV0
---魔女の塔---
♪ラ--ララ--♪ラー
魔女「旅人の方ですか?」
旅人「あ、はい・・」
魔女「お花を踏まないでね〜ウフフ」
旅人「あ、すいません」
♪ラ--ララ--♪ラー

799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:31:29.32 ID:IfjDCqmV0
---
少女「・・・ねぇ・・手をつないでも良い〜?」
青年「あ、あぁ良いよ。どうしたんだい?」
少女「なんとなく手を繋ぎたい感じ〜ウフフ」グワシ
青年「見たことの無い石造が沢山あるね・・」
少女「そうだね〜ココって何だったんだろーね〜」
青年「この林道は良い香りがする・・花の香りかな?」
少女「あ!向こうにお花畑がある〜早くいこ〜」グイ グイ
青年「うわ!?スゴイ一面の・・・花だ」
少女「わ〜いウフフ〜」ルンルン
青年「あんまり遠くには行かないで」
少女「すご〜〜い!ど〜ん」バタ
青年「花を荒らすなよ?」
少女「青年もおいでよ〜大の字になって横になってみよ〜よ〜ウフフ」
青年「よっこら」バタ

800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:31:59.40 ID:IfjDCqmV0
---
魔女「♪ラ--ララ--♪ラー」
魔女「!!?ハッ・・・あれは・・・わたしの愛しの人」
魔女「やっと・・・やっと・・・うぅぅぅぅ」ポロポロ
魔女「行かないと・・・ハッ・・・」
魔女「・・・昔のわたしも居る」

801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:32:25.17 ID:IfjDCqmV0
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チュン チュン ピヨ チュン ピヨ ピヨ
---なんだか時間を忘れるね---
---そうだね〜ウフフ〜---
---手を繋いでも良い?---
---良いよ---
---なんかすごく幸せな感じ---
---心が満たされる感じ---
チュン チュン ピヨ チュン ピヨ ピヨ
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802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:32:55.53 ID:IfjDCqmV0
青年「あれ?泣いてるのかい?泣き虫だなぁ」
少女「どうして涙が出るんだろ?悲しくないのに」ゴシゴシ
青年「さてと・・」ヨッコラ
少女「私ずっとココに居た〜い」
青年「え・・あ・・うん」
少女「ねぇ、あそこの瓦礫は何だろ〜う」
青年「あれが・・元々は魔女の塔だったのかな?」
少女「シッ・・・何か聞こえる」

803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:33:34.36 ID:IfjDCqmV0
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魔女「騎士とわたし・・・うぅぅぅぅ」ポロポロ
魔女「騎士はわたしの愛しの人・・・今会いに行くの」ノソ ノソ
魔女「騎士ぃ!!200年待ったんだよ〜」サラサラ
魔女「ねぇ〜騎士ぃ〜」サラサラ
サラ サラ サラ サラ サラ
---魔女は灰となって消えた---
サラ サラ サラ サラ サラ
少女「アレ〜おかしいなぁ〜歌が聞こえた気がするんだけどなぁ〜・・・まぁいっか〜ウフフ」
青年「涙が沢山出てるけど大丈夫かい?」
少女「どうしてかなぁ〜止まらないの〜」
青年「だっこしてあげようか?」
少女「うん!だっこ〜ウフフ」ぎゅぅぅぅぅぅ
青年「もう少しここに居ようか」
少女「ねぇねぇずっと一緒に居ようね〜」
青年「あぁ・・良いよ」

804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:34:11.48 ID:IfjDCqmV0
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---Fin---
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805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:40:13.95 ID:fUiGk3Kc0
哀しい乙です

806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 00:41:51.11 ID:kKp6dCvwo
乙!!
けど、、、報われないよおおおお
僧侶も騎士も幸せになって欲しかったぜ…

807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 01:11:54.65 ID:4V3qn+IDO

こんな夜中にいい年して泣くハメになるとはww

808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 04:03:32.14 ID:r7VgmOAmo
なんと報われない終わり方。。。
最後までダークな世界観貫き通したな


809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/27(土) 06:22:52.12 ID:wLXQwdWO0
乙でした!
この終わり方だと、ループしてない、新しい現実の世界で騎士と僧侶は出会えたのかな?
そうだったらかなしい終わり方だったけど、やってきたことすべてが無駄になるわけじゃないからよかったな

815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/28(日) 09:42:16.64 ID:3/RJNGbH0
乙!!!!!!!

816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/28(日) 12:29:05.11 ID:Qroe7IdIO
素晴らしかった

817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/29(月) 00:07:46.84 ID:TK++tR56o

いい世界観だった