2chまとめサイトモバイル
勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part53



756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 21:54:41.93 ID:Eu1QSqvj0
”やぁ・・元気にしてるかな?
”きっとこの手紙を読むのは君達からしたらすぐの事なんだろうね
”君達に大事なことを伝えたくて僕は長老に無理を言って
”僕1人で200年前よりもう少し昔に飛んだんだ
”君達が居なくなった後のことを先に書く
”君達が200年前に戻った後も元の世界は何の変化も無かったんだ
”世界中でゴーレムが暴れだし、魔王の予言どおり僕達は辺境の村で生き長らえた
”仲間が1人、又1人戦死していく中で僕は古文書の解読を進めてやっとすべて解読した

”結論:命の源の呪いを解くのが遅すぎた
”呪いを解いてもすべての浄化まで100年掛かるらしい
”だから君達にもう一度命の源に刺さってる魔槍を抜いて呪いを解いてほしいんだ
”実は200年前の世界にはまだ銀が発見されていない
”でも君達は持ってる・・勇者が持つ銀の剣と僧侶が持つ銀のロザリオ
”魔王を倒す為には勇者の銀の剣で心臓を貫けば良い
”命の泉の呪いを解くのには僧侶が持ってる銀のロザリオを使えば良い
”それで未来は変わる筈だ
”ドラゴンのオーブをここに残すから役に立てて欲しい
”今この世界に来て僕はやっと目が覚めた・・ここが現実の世界
”そして君達の事も良くわかる・・勇者と精霊と導く者・・それが君達だ
”僕達のすべてが君達の心の中にある・・それこそが勇気だ
”やっとすべてが揃った・・世界を頼む
”夢幻の住民より
---何回読み返しても思い出せない---

757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 22:22:22.47 ID:Eu1QSqvj0
---翌日---
サラサラサラ
勇者「じゃぁそろそろ山を降りよう」
魔女「エルフ!?癒し苔は採り終わったか?」
エルフ「十分採った」
勇者「下り道は何か杖みたいな物を持ってた方が良いよ」
エルフ「その通り・・膝に負担が掛かる」
僧侶「途中で枝でも拾って行こうね〜ウフフ」
勇者「じゃぁ行こう!」
---山岳地帯---
僧侶「どれくらいでお馬さんの所に着くかなぁ?」ヨタヨタ
エルフ「途中で置いてきた馬の所なら今日中に着ける筈・・」
僧侶「もう膝がカックンカックンだよぅ・・」
勇者「転ばないように」
魔女「わらわも膝がガクガクじゃ・・」
エルフ「休憩すると歩けなくなるから辛抱して歩いて」
僧侶「あ!!お馬さんみ〜っけ♪ウフフ」
エルフ「ダメダメ!もうすこし平坦な所じゃないと馬が足を怪我する」
勇者「荷物を持たせるだけかな」
僧侶「ひぃ・・ひぃ・・」
---
ヒヒ〜ン ブルル
勇者「もう少し先に行くと魔物が出るから今日はこの辺で野営しよう」
僧侶「元来た滝の近くだぁ〜ウフフ」
勇者「今のうちに水浴びすると良い」
僧侶「騎士〜一緒にいこ〜」
騎士「・・・あぁ」
僧侶「水浴びしたら元気になるカモ〜」
勇者「行っておいで・・野営の準備はしておく」

758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 22:55:22.29 ID:Eu1QSqvj0
---滝---
ザザザザザザ
僧侶「うわぁ〜きらめく水が流れてる〜ウフフ」
騎士「・・・ここで血を洗ったのは覚えてる・・」
僧侶「どうしたの〜?」
騎士「・・・昔の事が思い出せないんだ・・・追憶の森のより前にあった事が思い出せない」
僧侶「追憶の森?・・・え〜っとぉ・・・アレ?」
騎士「僕たちはいつの間に旅してるんだろう?」
僧侶「アレレ〜?」
騎士「命の泉で大事な事を何か忘れてしまった気がする・・」
僧侶「そういえばそうだなぁ〜」ポリポリ
騎士「あの手紙の内容を見ると・・僕達は200年後から来てる様だ・・それが思い出せない」
僧侶「あ!!そういえば昨日始めて夢を見たんだ〜ウフフ」
騎士「どんな夢?」
僧侶「騎士と始めてお酒を飲んだ夢〜ウフフその後ね〜一緒に寝るの〜」
騎士「夢の中でまた寝る?」
僧侶「あとね〜誰かとトランプする夢〜わたしがいっつも勝つの〜」
騎士「・・幸せな夢だね」
---夢か---

759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 23:10:19.92 ID:Eu1QSqvj0
---夜---
メラメラ パチ
勇者「・・・騎士?平気かい?」
騎士「大丈夫・・何事も無い」
勇者「ずっと考え事をしてる様だけど・・」
騎士「勇者!・・君はいつから勇者なんだ?」
勇者「え・・・僕は気が付いたら旅をしていた・・いつからと言われても・・」
騎士「君も同じか・・僕も気が付いたら旅をしてる」
勇者「ただ精霊の声は聞こえる・・魔王を倒せと」
騎士「精霊の声?」
勇者「心の中でそう感じる」
騎士「心の中・・」---そうか・・・記憶は無くても心が感じるのか---
勇者「騎士は何か感じないのかい?」
騎士「僕は・・・何かを託されてる・・・ハッ!!」ゴソゴソ パサ
勇者「!!?」
騎士「・・・やっぱりそうか!!」
勇者「手紙?どうしたんだい?」
騎士「僕は命の源の呪いを解く事を託されていた・・やっぱり僕は200後から来てる」
勇者「僕にもその手紙を見せてくれるかな?」
騎士「どうやって心で感じれば良いんだ?」
勇者「自然と湧いてくるんだよ」
騎士「心?心・・心・・・僕の心は何処にある?」
勇者「・・やっぱり混乱してるみたいだね・・休んだ方が良い」
騎士「・・・稲妻だ・・命の泉で稲妻に撃たれて僕の心は何処かに行った」
勇者「だとすると魔王の仕業かな」
騎士「僕は何の為にここに居るんだ?どうして魔王を目指してるんだ?・・・」ブツブツ
---
---
---

761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/24(水) 22:17:19.28 ID:9OMX8Com0
---荒野---
ガシュ! ザク! ズバ! ズン!
騎士「・・・」パカラッタ ブス!
リザードマン「グエ・・」
エルフ「水場が見えて来た・・」
勇者「あのオアシスで休憩を・・ハァハァ」
エルフ「リザードマンが居なければ良いが・・」
パカラッタ パカラッタ
勇者「あ!!騎士!!」
魔女「行ってしもうた・・」
エルフ「後を追おう!」
---オアシス---
エルフ「・・・・・」
勇者「・・皆殺し・・か?」
エルフ「騎士が全部片付けてしまった・・」
魔女「魔槍を持ってから騎士は更に鬼の様に・・」
勇者「騎士!・・少しここで休もう」
騎士「・・・・・」
ヒヒ〜ン ブルル モシャモシャ
勇者「馬達にも良い休憩だね・・ここはまだ草が残ってる」
エルフ「今日はここで野営しよう」
勇者「ここら辺は本当に人が居ないね・・」
エルフ「このオアシスは昔は行商の拠点と言われてたんだけどリザードマンに荒らされ放題・・」
勇者「ここから南の港町?・・までどのくらい掛かるのかな?」
エルフ「エルフの森沿いに南下して・・・馬なら2週間くらいだと思う」
勇者「思う?・・君は行ったことが無いのかい?」
エルフ「俺はエルフの森を追放された後、砂漠のあるここら辺には来た事が無い」
勇者「・・そうか」
エルフ「話で聞いた事がある程度しか知識が無い」

762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/24(水) 22:17:55.42 ID:9OMX8Com0
---
僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワ シュルリ
勇者「もう囲いを作るのは慣れたもんだね」
僧侶「ウフフ〜もっと言って〜」
エルフ「やっぱり水場の近くは涼しい」
勇者「そうだね・・今日は良く寝れそうだ」
僧侶「あのねあのね〜最近良く夢を見るの〜」
魔女「どんな夢じゃ?」
僧侶「わたしがどこかの国の衛兵だったり〜・・・海賊船に乗ってたり〜・・・お空を飛んだり」
勇者「そういえば僕も空を飛ぶ夢は見るなぁ・・」
エルフ「長旅で疲れてるんじゃないか?」
僧侶「そうかなぁ〜?」
騎士「・・・・・」
勇者「騎士?どうしたんだい?また考え事かな?」
騎士「心が何も感じなくなってしまった・・夢も見ない」
勇者「え?」
騎士「リザードマンをいくら倒しても彼らの痛みも感じれない」
魔女「鬼じゃ・・」
騎士「何の為に戦うのかも分からない・・ただ向かってくる敵を倒してる」
勇者「・・・それは魔槍の呪いかもしれないね」
騎士「僕の心が無くなってしまった・・」
僧侶「ねぇねぇ〜騎士〜わたしの事どう思ってるの〜?」
騎士「すまない・・わからない」
僧侶「え〜・・」
騎士「どうすれば夢を見れる?・・・夢で何かを思い出すかもしれない」
僧侶「どうかなぁ〜?ぐっすり寝る?」
勇者「今晩の焚き火の番は僕達がやっておくよ・・騎士はゆっくり寝てみて」
騎士「・・・・・」

763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/24(水) 22:18:43.10 ID:9OMX8Com0
---翌朝---
ギャオース
勇者「!!?」ガバッ
エルフ「!!?」
勇者「みんな起きて!!なにかの鳴き声が!!」
僧侶「むにゃー」ムクリ
エルフ「上だ!!ドラゴンが飛んでる!!」
勇者「大変だ!!火を消して水辺に!!水魔法!」ジャバー シュゥゥゥ
エルフ「魔女!!行くよ!!」グイ
魔女「エルフ!引っ張るな・・わらわは大丈夫じゃ」
騎士「・・・・・」グイ
僧侶「騎士?」
騎士「僧侶・・僕の後ろに」
勇者「騎士!!水辺に行こう!!」
騎士「僕は良い・・ドラゴンと話をする」
勇者「・・・君が持ってるドラゴンのオーブかい?」
騎士「あの手紙にはドラゴンのオーブを使えと書いてあった・・真相が知りたい」
勇者「ドラゴンが味方になるとは限らないよ?」
騎士「勇者は水場まで避難してて良いよ」
勇者「騎士!無茶はしない様に!」タッタッタ
騎士「わかってる」
ギャオース バッサ バッサ ドッスーン

764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/24(水) 22:19:18.96 ID:9OMX8Com0
騎士「ドラゴン・・待ってた」
ドラゴン”我を見ても驚かぬか魔槍を持つ者よ
騎士「心が何も感じなくなった・・ドラゴンを見ても驚きは無い」
ドラゴン”その魔槍で我を突くか?
騎士「ドラゴンのオーブを持っている」
ドラゴン”我は汝にオーブを渡した覚えは無い
騎士「オーブを聞く気が無いなら今すぐに魔槍を突き立てる」
ドラゴン”フォッフォッフォ・・その魔槍は魔王様の物・・人間に扱える物では無い
騎士「残念だが今は僕の物・・こうやって振り回す事も出来る」ブン!
ドラゴン”汝は人間では無いのか?・・勇者か?
騎士「僕は自分が何者か分からない・・だからドラゴンのオーブを聞いて真相を教えて欲しい」
ドラゴン”我は人間と取引はせぬ
騎士「なら魔槍で突かれるまでだ・・」
ギャオース ゴゥ ゴーーン ボボボボボボ
ドラゴン”なんと!!精霊の加護を纏っておるのか・・
騎士「次はこっちの番だ・・」グイ シャキーン
ドラゴン”待て!!・・・気が変わった・・・汝の持つオーブを我に・・
騎士「・・・・・」ポイ
ドラゴン”これはまさしくドラゴンのオーブ・・如何にしてコレを手にしたのだ?
騎士「まずオーブを聞いてからだ」
ドラゴン”・・・・・
---
---
---
---
---

768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/25(木) 22:13:05.50 ID:Jw4wktnZ0
---
”夢幻の我が意思を確かに預かった・・
”汝は夢幻よりいずる導き手なり
”導き手とはすなわち人間で言う賢者であるが
”己が犠牲によりすでに虚無の呪いを受けている
”だが案ずるな
”既に憎悪の呪いは解かれ
”導かれるまま魔王は滅びるであろう
”夢幻は虚無へと還り
”再び新たな時代が来る
騎士「やっぱり僕は夢幻から来たのか・・虚無の呪いと言ったな?・・どうやって解く」
ドラゴン”魔王が滅ぶ時呪いは解かれよう
騎士「魔王は今何処に?」
ドラゴン”光の国
騎士「何!?」
ドラゴン”既に光の国を滅ぼし勇者の出現を待っている
勇者「・・僕が勇者だ」
ドラゴン”銀の剣・・それはこの時代にはそぐわぬ物・・それを聖剣と呼ぶ
勇者「僕が魔王を滅ぼす!」
ドラゴン”我が背に乗るが良い・・魔王の元へ導こう
勇者「魔女!!エルフ!!行こう!!」
ギャオース バッサ バッサ

769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/25(木) 22:13:40.59 ID:Jw4wktnZ0
---ドラゴンの背---
バッサ バッサ バッサ
勇者「・・いよいよ魔王との決戦だ」
ドラゴン”魔王の側近には死霊共が要る・・我とて無事では済まぬ
騎士「ドラゴンでも死霊には歩が悪いのか?」
ドラゴン”死霊共は聖剣でのみ倒せる・・導けるのは光の国付近まで・・あとは自力で目指せ
エルフ「死霊・・・聞いたことが有る・・レイスだ・・夜の影から生まれるらしい」
僧侶「昼間なら大丈夫なのかなぁ?」
エルフ「昼間でも影の中に潜んでる・・影の中から釜で首を狩るとか・・」
僧侶「こわいな〜」
勇者「わかった・・こうしよう・・騎士と僧侶でレイスを引き付けて・・僕は止めを刺すのに専念する」
騎士「それが良い」
勇者「魔女とエルフは僕を援護して・・回復はエルフに任せる」
ドラゴン”一つ忠告して置こう・・魔王は祈りの指輪を持っている事を忘れるな
騎士「祈りの指輪?・・なんだソレは?」
エルフ「・・エルフの秘法・・祈りを叶える指輪だ」
騎士「それを奪えば良いのか?」
エルフ「使われる前に奪えるものなら奪った方が良い・・力を吸われてしまう」
僧侶「こっそり盗めないかなぁ〜?」
エルフ「近寄らない方が良い・・力を吸うためには接近する必要がある」
勇者「・・なるほど・・魔法の打ち合いになるのか」

770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/25(木) 22:14:19.50 ID:Jw4wktnZ0
---
僧侶「ドラゴンさんはや〜いウフフ」
エルフ「・・・もうエルフの森を抜ける」
勇者「もうすぐ日が暮れる・・決戦は夜になりそうだ」
騎士「東の空が赤い・・光の都が燃えている」
魔女「わらわの都が・・」
エルフ「・・・父君と母君が心配だ」
ドラゴン”既に残りの人間達は周辺の村に逃げている
騎士「・・・ドラゴン!お前が燃やしたな!?
ドラゴン”魔王様の命令だ・・逆らう事は出来ない
勇者「何故そんなに魔王を恐れる?」
ドラゴン”我が卵を隠された
勇者「卵・・・」
バッサ バッサ ドッスーン
ドラゴン”勇者達よ・・我が出来るのはここまでだ
勇者「あとは自力で行く」
ドラゴン”我は空より新たな夜明けを見守る
エルフ「おい!早速何か来たぞ!」
騎士「影だ!影が動いてる・・・僧侶!行くよ!」ダダダ

771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/25(木) 23:02:34.42 ID:Jw4wktnZ0
---
シュバ! ズン! ザク!
騎士「・・・実体が無い!!」
エルフ「レイスだけじゃない!・・ゴーストも居る」
僧侶「あの鎧を着たのって何〜?」
魔女「光の国の兵士の鎧じゃ・・・操られておる」
エルフ「数が多すぎる!!」
勇者「僧侶!君の回復魔法は悪霊達に効果は無いかな?」
僧侶「やってみる〜?」
勇者「失敗したら僕が倒す!やってみて」
僧侶「は〜い♪回復魔法!」ドキュン!
エルフ「!!?穴が空いた・・」
勇者「行ける!!僧侶!!君の回復魔法は底なしだったね?」
僧侶「うふふのふ〜回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ドキュン!ドキュン!ドキュン!
騎士「僕が引き付ける!」