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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part52



743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 19:23:09.43 ID:WLIzFguE0
---山岳---
ビョーウ
エルフ「ここから先は草が生えない・・馬を連れて行くのはここまでだ」
騎士「ここら辺は魔物が少ないから馬を放牧しておこう」
エルフ「それが良い・・ここから歩いて1週間で着く筈」
騎士「1週間か・・馬を1頭だけ連れて行けないかな?」
エルフ「引いて行くなら」
騎士「2週間分の水と食料を背負って行くよりは良い」
エルフ「・・人間は不便だ」
騎士「僕は良いけど僧侶と魔女は飢えさせてはいけないよ」
エルフ「ハッ・・ドラゴンの耐性か・・飢えに耐性があるんだったな」
騎士「それだけじゃないよ・・彼女達も長旅で疲れている」
エルフ「山岳にはヤギが居る筈・・ヤギを狩れば食料の心配も要らない」
騎士「エルフ・・君は肉も食べれるのかい?」
エルフ「死肉は食べない」
騎士「じゃぁ残った肉は僕達がバーベキューで美味しく頂くよ」
---
ジュージュー
僧侶「味は・・まぁまぁかな〜」パク モグモグ
騎士「残りは塩漬けにして保存食に」ゴソゴソ
僧侶「ここら辺は魔物が出なくて案心だね〜」モグモグ
エルフ「もう少し先に行くとミノタウロスの棲家がある」
騎士「・・それで魔物が少ない?」
エルフ「魔物もミノタウロスは恐れて近づかない」
騎士「じゃぁ明日は牛の肉でバーベキューだ」
魔女「!!?なんと・・お主は魔物を食らうつもりか!?」
騎士「冗談だよ」
僧侶「うふふ〜盗賊さんがそういう事言いそうかな〜」モグモグ
騎士「そうだね」
魔女「盗賊さん?」
騎士「僕の師匠さ・・最高の師匠だったんだ」
僧侶「盗賊さんも騎士の事を最高の弟子って言ってた〜」モグモグ
魔女「会うてみたいな・・」
僧侶「200年待てば合えるカモ〜」モグモグ
騎士「・・・200年の時間差か・・・」

744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 19:23:48.03 ID:WLIzFguE0
---
テクテク テクテク
僧侶「あれ?鳥?」
エルフ「違う!ハーピーだ!ミノタウロスが近い」
騎士「どういう事だ?」
エルフ「ハーピーはミノタウロスの食い残しを漁る・・食い意地のはってる魔物だ」
騎士「皆は隠れて見てて・・僕が危なくなったら出てきて欲しい」
僧侶「え?え?わたしは?」
騎士「僧侶は僕と行く・・君とはいつも一緒だ」
僧侶「うふふ〜のふ〜ねぇねぇ愛してるのぉ〜?」
騎士「良いから早く行くよ!!」グイ
タッタッタ
ハーピー「ギャーース」バサ バサ
騎士「お前に用は無い!!」ブン ザクリ!
ガシュ!ザクリ!ズン!ドス!
ハーピー「ギャーース」バサ バサ
僧侶「ハーピーさん逃げた方が良いと思うの〜」
騎士「ミノタウロス!!何処だぁ!!」
僧侶「・・・・」---騎士がまた---
騎士「ハァハァ」
僧侶「ねぇ騎士?」
騎士「・・見ろ・・人骨の山だ」
僧侶「え!?・・・そんな」
騎士「エルフの言う通り人間を食らう魔物だ」
ミノタウロス「グッフッフ何事だ?」ドス ドス

746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 20:57:43.81 ID:WLIzFguE0
騎士「現れたな・・悪いがお前を倒す」
ミノタウロス「美味そうな人間が2匹・・・しかも若いジュルリ」
騎士「残念だが焼肉にされるのはお前の方だ!!」
ミノタウロス「グッフッフ我を誰か知らん様だ・・我は魔王様より・・」
騎士「だまれ!!」ブン ザクリ!
ミノタウロスはダメージを受けた
ミノタウロス「うがあぁぁ・・ゆるせん・・最後まで話を聞かず・・」
騎士「興味は無い!」ブン ブシュ!
ミノタウロスはダメージを受けた
ミノタウロス「グッフッフ効かんわ・・・我が斧を受けて」
騎士「いちいちうるさい!!」ブン ザク!
ミノタウロスはダメージを受けた
ミノタウロス「うがあぁぁ・・」ブン! ガキーン!!
騎士はミノタウロスの攻撃をパリーした
僧侶「あわわ・・」
エルフ「だまって見てて良いのか?」
勇者「まだ早い!」
魔女「ミノタウロスの傷が回復しておるぞよ?」
勇者「まだ騎士はピンチじゃない」
騎士「フンッ!」ブン ザクリ!
ミノタウロス「効かぬわぁ!!」ブン!
騎士「・・・」フラリ スッ
ミノタウロス「ど、何処へ?」
ズブズブ ジョキリ ドサ
エルフ「うお!!ミノタウロスの首を切り落とした・・」
勇者「行こう!!首の無いミノタウロスが暴れだした・・」ダダダ

747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 20:58:33.98 ID:WLIzFguE0
ドシーン ドシーン ブン ブン
騎士「何故動く!?」ブン! ザクリ!
ガシュ!ザクリ!ズン!ドス!
勇者「騎士!!ダメだ僕に任せて!!」ダダダ サクッ
勇者はミノタウロスの心臓を突いた
騎士「!!?心臓?」
勇者「離れて!!氷結魔法!!」ピシピシ カキーン
騎士「・・・・・」
エルフ「・・止まった」
勇者「騎士!君と同じ様な耐性を持った魔物は多分僕の銀の剣でしか倒せない」
騎士「ミノタウロスにも何かの耐性が・・」
勇者「これでよく分かった・・騎士は魔物を倒す役で僕は止めを刺す役だ・・魔王もきっとそれで行ける」
僧侶「ねぇねぇミノタウロスさんの首が何か言ってる〜気持ち悪いよぅ」
騎士「!!?」
ミノタウロス「ぐがが・・」パクパク
騎士「・・・」ブン! ベチャ!
勇者「騎士・・」
エルフ「容赦ない・・な」
僧侶「回復魔法!」ボワー
騎士「・・・ありがとう僧侶・・僕はおかしくなってきているかい?」
魔女「お主が戦う姿は魔人の様じゃ・・この世のモノとは思えん・・人間の一線を越えておる」
騎士「心配を掛けてすまない・・大丈夫だよ」
僧侶「ねぇねぇ〜あそこに滝があるよ〜騎士は少し返り血を流した方が良いカモ〜」
勇者「・・そうだね・・さすがに血まみれ過ぎる」

748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 20:59:51.58 ID:WLIzFguE0
---滝---
ザザザザザザザ
僧侶「わたしが流してあげる〜ウフフ」
騎士「ありがとう・・」
”なんだろう
”これは狂気なのかな?
”無心だったつもりなのに
”僕が戦ってるのは魔物だ
”魔物を倒すたびに
”心がすり減ってる気がする
僧侶「おわったよ〜ウフフ」
騎士「あ、あぁ」
僧侶「なにか考え事してたの〜?」
騎士「いや何でもないよ」
僧侶「今日は水場で野営したいな〜わたしも少し綺麗にしたいよぅ」
騎士「そうだね・・」
僧侶「臭うかなぁ〜?」
騎士「そんな事無いよ」

749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 21:00:25.77 ID:WLIzFguE0
---夜---
メラメラ パチ
エルフ「ここから先はもう魔物が出る事は無いと思う」
勇者「植物も少なくなってきたね」
騎士「明日からは少しペースを落とさないと高山病に掛かる」
エルフ「さすが旅が長い・・その通りだ」
騎士「気分が悪くなったらそれ以上山を登る事は出来なくなる・・無理はしないように行こう」
エルフ「馬もこれ以上は坂道を上がれない・・ここに置いていくしか無い」
騎士「・・僧侶・・遅いな」
魔女「迎えに行ってやれ」
騎士「ちょっと行ってくる」
パチャ パチャ
騎士「僧侶?無事かい?」
僧侶「あ!!騎士〜」
騎士「遅いから迎えに来た」
僧侶「ウフフ〜2人きりになれたかも〜」
騎士「ハハ早く戻らないと暗くなるよ」
僧侶「ダメ〜だっこしたいの〜」
騎士「ダメだよ・・僧侶動けなくなるじゃないか」
僧侶「いいの〜あとでおんぶしてくれれば良いから〜」
騎士「1回だけだよ?」
僧侶「うふふ〜はやくきて〜」

750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 21:24:45.22 ID:WLIzFguE0
---山頂付近---
ビョーーウ
エルフ「はぁ・・・はぁ・・」
勇者「エルフ・・次変わるよ」
エルフ「はぁ・・・はぁ・・・さすがに魔女を背負って登るのは・・」
魔女「わらわは体力には自信が無くてな・・」
勇者「おいで・・」ヨッコラ
エルフ「もう少しで命の泉に到着する筈・・」
魔女「騎士は僧侶を背負っても息を切らしておらんぞ?」
エルフ「騎士は別格」
魔女「どんな鍛え方をしたのじゃろう?」
勇者「僕も良く知らない・・ただ騎士も色々修羅場を越えてるのは知ってる」
エルフ「命の泉にドラゴンは居るかな?」
魔女「ドラゴンは魔王の所に居るのでは無いか?」
エルフ「居てくれた方が帰りが楽かなと・・」
勇者「ドラゴンのオーブがあっても仲間になってくれるとは限らないね」
僧侶「あ!!音が聞こえる〜!!騎士下ろしてぇ〜」
騎士「命の泉の音かな?」
僧侶「多分そうだと思う〜」
騎士「僧侶!走らない方が良いよ・・気分が悪くなると山を降りるまで直らない」
僧侶「わかった〜ゆっくり歩く〜」

751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 21:41:08.20 ID:WLIzFguE0
---命の泉---
サラサラサラ
僧侶「ドラゴンさん居ないみた〜い」
騎士「やっと着いた・・魔槍を抜かないと」
エルフ「・・・始めて来た・・すごい!癒し苔が生えてる」
騎士「少し採って行くと良い・・確か・・」
僧侶「不老長寿の薬が作れるんだって〜」
エルフ「!!良く知っているね・・それはエルフの秘伝の筈」
僧侶「そうだったんだ〜ウフフ」
騎士「僧侶・・一緒に魔槍を抜こう」
僧侶「うん!!」
騎士「今度は腰を支えるんじゃなくて一緒に抜こう・・・多分君の力で魔槍が抜ける」
僧侶「は〜い」
騎士「魔槍が抜けたら銀のロザリオを穴に詰めて回復魔法を頼むよ」
僧侶「オッケ〜♪」
ジャブ ジャブ
僧侶「あの時と同じだね〜」
騎士「そうだね・・あの時は商人が取り乱して・・」
僧侶「・・振り返ったら商人達が居たりして〜」
騎士「・・・・いや・・今一緒に居る・・僕達の心の中に居る」
僧侶「感じる?」
騎士「魔槍を抜けと言ってるよ・・抜いた瞬間未来が変わる」
僧侶「・・・なんか恐いカモ〜」
騎士「僕は全力で抜くよ!!全身の骨が折れても諦めない・・必ず抜いてやる」
僧侶「うん」
騎士「じゃぁ手を・・」---すべての力を出し切る---
僧侶「準備良いかなぁ?」
騎士「スーーハーー・・・フンッ!!!」ボコン!
騎士「んがあああああああ!!!!」ズブズブ
僧侶「あわわ・・」ガシッ
騎士「ヴォオオオオオオオ!!!!」ボキボキ
僧侶「アレ?」---抜けない?---
騎士「ヴォオオオオオオオ!!!!」バキバキバキ
僧侶「え?え?え?回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
勇者「僧侶!!回復を休めないで!!全身が軋む音がする!!」
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 21:50:57.30 ID:Eu1QSqvj0
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エルフ「空が!!裂ける!!」
勇者「何が起きる!?」
ザワザワザワザワ
『我が魔槍を抜こうとする者よ』
『それは我が一部である』
『奪うからには我が一部となれ』
ビシビシビシ ガガーン!!
勇者「稲妻が・・」
騎士「ヴォオオオオオオオ!!!!」ズボッ・・・
エルフ「抜けた・・」
勇者「僧侶!銀のロザリオを!!」
僧侶「え・・あ・・うん!」ジャラ ズボ グイ グイ
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
シーン・・・

754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 21:51:41.29 ID:Eu1QSqvj0
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エルフ「空が晴れる!!」
勇者「水が!!きらめく水が湧き出した!!」
魔女「おぉぉ・・太陽の光できらめいておる・・」
僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー
魔女「!!?僧侶?」
エルフ「騎士が・・」
騎士「・・・・・」
僧侶「騎士!?しっかりして〜!!回復魔法!」ボワー
勇者「騎士!!!魔槍を放すんだ!!!」
魔女「魔槍が義手と同化しておる・・」
勇者「義手を外すんだ!!」
僧侶「・・・・・」グイ グイ グイ
勇者「早く!!!」
僧侶「だめぇ〜外れない〜・・」
騎士「・・・・・僕は・・大丈夫・・だ」---記憶が壊れていく---
僧侶「騎士ぃ〜」ぎゅぅぅぅぅ
”夢幻での記憶が無くなってゆく
”無かった事に・・・
”僕は・・・一体誰だ?
騎士「僧侶?・・君の思い出は無事かい?」
僧侶「え?え?なに?何の事?」
騎士「僕はどうしてここに居るんだ?・・・」
僧侶「どうして?・・って魔槍を抜きに・・」
騎士「・・商人達の記憶が無くなってゆく」
僧侶「え?商人?商人って誰?ねぇ・・・大丈夫?」
---世界が変わった---

755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/22(月) 21:52:19.42 ID:Eu1QSqvj0
---
サラサラサラ
勇者「・・・なんて心地の良い音なんだろう」
魔女「予言の通りじゃ・・水が光できらめいておる」
エルフ「・・・騎士は大丈夫か?今日はここで一晩休もう」
僧侶「体の方は平気みたい〜・・でもしゃべってくれないよぅ」シュン
騎士「・・・すまない・・・少し頭が混乱してる」
勇者「義手は外れないのかい?」
僧侶「うん・・腕にくっついてる〜」
勇者「何も無ければ良いけど・・少し気になるね」
騎士「痛みとかは無い・・それほど邪魔でも無い」
僧侶「きっとそのうち外れるよ〜ウフフ」
騎士「ちょっと混乱してて・・これからどうするんだっけ?」
エルフ「山を降りて砂漠の南の港町へ魔王を倒しに・・」
騎士「・・・それはどこだったっけ?」
エルフ「大分混乱してる様だ・・少し横になった方が良い」
騎士「・・・それから・・この手紙は・・何だったかな?」
エルフ「手紙?」
騎士「誰からの手紙だったか覚えが無いんだ・・夢幻の住人って誰だったかな?」
エルフ「騎士の持ち物の事なんて俺は知らん」
騎士「僧侶は?」
僧侶「ほえ?わたしはお花畑から生まれたの〜ウフフ」