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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part51



733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 22:00:05.45 ID:3HYVVGO40
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メラメラ パチ
騎士「ふぅ・・やっと休める」
勇者「こんなにも魔物が多いなんて・・」
エルフ「まだここは森の入り口・・奥に入ればもっと危険だ」
魔女「勇者達が居ればなんとかなりそうじゃ・・勇者・・わらわに高位魔法の使い方を教えておくれ」
勇者「魔女の魔力が持つかな?」
魔女「わらわはもっと勇者の役に立ちたいのじゃ」
勇者「わかったよ・・こっちに来て」
騎士「この調子で魔物と戦いながら進むと命の泉まで随分掛かりそうだね」
エルフ「森を早く抜けたい・・騎乗で戦えれば・・」
騎士「森の中で騎乗戦闘は無理だ・・馬が足の骨を折りかねない」
僧侶「気球があったら良かったね〜」
エルフ「気球?・・それは何だ?」
僧侶「空を飛べる乗り物〜」
エルフ「空を飛ぶなんて・・」
騎士「この時代にはまだ無い様だ・・歩くしかないね」
エルフ「この先に出てくる魔物は・・ケンタウロス、ゴブリン、トロール、ワーウルフ」
騎士「森を抜けた後は?」
エルフ「ミノタウロス、オーガ、ハーピー、リザードマン」
騎士「特に危険なのは?」
エルフ「ミノタウロスとトロールは巨体で倒すのは困難だ」
僧侶「騎士なら巨人相手でも大丈夫だよ〜」
エルフ「え!?まさか・・・ハッ!!その手は!?」
騎士「これは義手だよ・・足も義足さ」ガチャリ ドサ
エルフ「・・・そんな体で戦ってたのか」
騎士「これは僕の大事な宝物だ」---夢幻の世界が実在していた証---
エルフ「驚くことばかりだ」
騎士「そうだ!・・エルフのオーブを持ってたんだった・・聴いてみるかい?」ポイ
エルフ「・・・オーブ・・なぜこのような物を・・」
騎士「話すと長くなるよ・・まず聴いてみて」

734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 22:47:28.68 ID:3HYVVGO40
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僧侶「ねぇねぇ〜エルフがおとなしくなっちゃったね〜」
騎士「エルフのオーブには知識も詰まってると長老が言ってた」
僧侶「どんな知識なんだろうね〜」
騎士「さぁね・・」
僧侶「あ!!!それ〜商人の口癖〜ウフフ」
騎士「フフ僕達の心の中に生きてる・・か」
僧侶「うん!わたし皆のことちゃんと覚えてる〜」
騎士「僕も覚えてるよ・・僕を突き動かしてるのは商人や盗賊達・・皆なんだって感じる」
僧侶「そうだね〜・・もう会えないかなぁ?」
騎士「どうかな?」
僧侶「ウフフ〜それも商人の口癖〜」
騎士「思い起こせば商人は凄い人だった」
僧侶「でもね〜トランプは弱いの〜最後にジョーカー持つのはいつも商人だったよ〜」
騎士「・・・それも運命・・かな?」
僧侶「眠たくなってきた〜ふぁ〜あ」
騎士「明日も沢山歩かないといけない・・もう休もう」
僧侶「ふぁ〜い」

735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 22:48:01.51 ID:3HYVVGO40
---エルフの森北部---
ガシュ!ザクリ!
魔女「爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
勇者「爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
僧侶「あの2人息ピッタリ〜ウフフ」
騎士「出番が無くなった」
僧侶「魔女の魔法も上達してるね〜」
エルフ「・・・・・」
騎士「ケンタウロスはまだ見てないけど・・」
エルフ「もうすぐケンタウロス達がこちらに気付く」
僧侶「そんなに危ないの〜?」
エルフ「森を自由自在に走り回る・・弓を持つケンタウロス近づいては来ない・・弓の腕は俺の方が上だ」
騎士「槍を持つ方は?」
エルフ「一気に接近して来る・・森でケンタウロスより機動力のある魔物は他に居ない」
騎士「エルフでも恐れるのか」
エルフ「恐れてる訳じゃない・・同胞と戦いたくないだけだ」
騎士「同胞?」
エルフ「ケンタウロスは元はエルフの仲間だ・・魔王によってケンタウロスは変わってしまった」
僧侶「どんな風に〜?」
エルフ「ケンタウロスはエルフに比べて粗野で乱暴な戦士だ・・魔王の策略を見破る程の知性を持っていない」
騎士「戦いは避けた方が良いのか?」
エルフ「それは無理だ・・人間を目の敵にしている」
騎士「襲って来ない事を祈ろう」

736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 18:13:20.04 ID:WLIzFguE0
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騎士「川沿いを行こう・・ここは遮蔽物が多すぎる」
エルフ「気付いてたか・・もう狙われてる」
騎士「勇者と魔女は馬車から離れない様に」
勇者「わかってる」
騎士「僕と僧侶は少し後から付いて行く」
エルフ「何をする気だ?」
騎士「相手が何体居るか知りたい・・少し誘ってみる」
エルフ「襲ってきたらどうする?」
騎士「なるようになるさ」
僧侶「ねぇねぇあそこの影に何か居るよ〜」
騎士「分かってるよ・・逆にも居る」
僧侶「わたしはお祈りしてるね〜」
騎士「たのむよ・・」グイ パカ パカ
シュン シュン シュン
騎士「弓が3体・・・馬車まで走るよ!つかまって!」グイ パカラッタ
僧侶「は〜い」
騎士「!!!まずい!!!馬車の方にも槍持ちが3体行ってる」
僧侶「後ろの弓持ったお馬さん?追いかけてくるよ〜」
騎士「槍持ちを1体片付ける!!」パカラッタ パカラッタ
ケンタウロス「マーーーーーー」パカラッタ
エルフ「勇者!!槍持ちが来た!!」
勇者「爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
エルフ「だめだ!!もっと撃て!!それじゃ当たらない!!」
ケンタウロス「マーーーーーー」
パカラッタ パカラッタ ザクン!!

737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 18:13:56.60 ID:WLIzFguE0
エルフ「うお!!真っ二つ?」
騎士「後ろから弓持ちが3体来てる!!エルフ!!けん制してくれ」
エルフ「分かった・・馬車を止める!」グイ ヒヒ〜ン ブルル
騎士「勇者!馬車を囲む様に火魔法を!!」
勇者「火炎魔法!」ゴゴゴゴゴ
魔女「火炎魔法!」ボボボボボ
騎士「次の槍持ちが来る!凌いで!」グイ パカラッタ
エルフ「・・・・」ギリリ シュン シュン
騎士「くそぅ・・速い」パカラッタ パカラッタ
ガツッ ヒヒ〜ン ガッサー
僧侶「キャァァァ〜」ズサー
騎士「ぐぁ・・」ドサッ
僧侶「いった〜い・・」
騎士「くそぅ!!僧侶!!僕から離れないで」
シュン シュン シュン ドス ドス ドス
僧侶「あぁぁぁお馬さんが〜回復魔法が届かないよぅ」
騎士「走ろう!」グイ
僧侶「来てる来てる来てるぅぅ〜」
騎士「フンッ!!」ザクッ
ケンタウロスはダメージを受け前足を両方共失った
ケンタウロス「マーーーーーー」バタ バタ
騎士「行くよ!!早く」グイ タッタッタ
僧侶「あわわわ」

738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 18:14:27.20 ID:WLIzFguE0
エルフ「あと4体・・ハッ!!ケンタウロスは冷気に弱い!!勇者!!冷気の魔法だ!!」
勇者「氷結魔法!」ピシピシ
エルフ「地面だ!地面を凍らせればケンタウロスは走れない」
勇者「魔女!!水魔法を頼む」
魔女「水魔法!」ザバー ビチャ ビチャ
勇者「氷結魔法!」ピシピシ カキーン
騎士「うわわわわ・・・」ツルッ ドテーン
僧侶「うふふ〜ツルツル〜」
騎士「走りにくい・・」そろーり そろ〜り
僧侶「這って行った方が良いカモ〜」ノソ ノソ
エルフ「よし!逃げて行く」
勇者「もう大丈夫かな?」
魔女「馬を一頭失ってしまったのぅ」
エルフ「余分に連れて来てて良かった」
騎士「もうケンタウロスは去ったかな?」
エルフ「6匹中2匹もやられたら警戒する・・それもやられ方が酷い・・一刀で真っ二つにするとは・・」
騎士「この辺りは早く通り越したい・・先を急ごう」
エルフ「その方が良い・・馬1頭の被害で済んだのも運が良かったからだ」

739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 18:16:13.95 ID:WLIzFguE0
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僧侶「弓のケンタウロスさんずっと付いて来る〜」
騎士「弓の射程の外だよ・・様子を見てる」
エルフ「たぶんもう襲って来ない・・あいつらもそんなに馬鹿じゃないよ」
騎士「ただ・・今日は寝れそうにないな」
エルフ「もう少し先に行けば馬を走らせれるだけの林になる筈・・そこまで行けばもうすこしスピードアップできる」
騎士「野営は出来そうかな?」
エルフ「無理だ・・魔物を寄せ付けない工夫があれば良いが・・」
僧侶「わたしできるよ〜ウフフ」
騎士「え!?僧侶が?何を?」
僧侶「わたしね〜罠魔法のツタで編み物が出来るの〜」
騎士「家でも作る気かい?」
僧侶「出来るカモ〜」
騎士「よし・・一回試してみよう」
---林---
ザワザワ シュルリ
僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワ シュルリ
エルフ「・・・馬車も丸ごとツタの囲いに入れてしまうのか・・」
騎士「これどうやって外に出るんだい?」
僧侶「魔女の火魔法で燃やせば良いと思う〜ウフフ」
騎士「なるほど・・これは良い寝床になるね」
エルフ「明日の朝魔物に囲まれてるって事は無いだろうね・・」
僧侶「そんな事考えたこと無い〜!あとねあとね〜魔女の水魔法と勇者の氷結魔法でさぁ〜」
騎士「・・なるほど・・氷の壁を作ってしまうのか」
僧侶「そうそう〜そしたら矢も通さないと思うんだ〜」
エルフ「草と氷で出来た家か・・考えたな」
騎士「よし!今日はここで休もう・・勇者!火を起こして!僕は焚き木を集めてくる」
勇者「わかった・・火魔法!」ボッ
エルフ「俺は木の実でも探してくる」

740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 18:16:50.45 ID:WLIzFguE0
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メラメラ パチ
エルフ「・・・ケンタウロスを凌いでしまえばもうそれほど恐いモノは無い」
騎士「森を抜けた後は?」
エルフ「森は抜けないでそのまま北の山沿いに行く方が良い・・砂漠まで出るとリザードマンが居る」
騎士「山沿いの方が安全と言う事かな?」
エルフ「危険に変わりは無いけどリザードマン程の数は居ない・・ただミノタウロスが・・」
騎士「大きな牡牛だっけ?」
エルフ「人間を食らう牡牛だ・・魔王の手下の中で一番凶暴だと聞く」
騎士「魔王の手下・・やっと魔王に近づいてる感が・・」
勇者「それは倒していかないといけないね」
エルフ「倒せると・・思ってるのか?」
騎士「フフそれは少し違う・・倒さなきゃいけないと思ってる」
勇者「そうだよ・・倒せるか?ではなくて倒すつもりだ」
僧侶「ねぇねぇ〜魔王って今何処にいるのかなぁ?」
エルフ「砂漠の南の果てに港町が合ったんだけど・・半年前に魔王に占拠された・・多分そこに居る」
騎士「砂漠の南の果て?」
僧侶「始めて聞くね〜場所的に・・中立の国の所かなぁ?」
騎士「なんとなくこの先どうするか見えて来た・・命の泉のあとはソコを目指そう」
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”心の中で声がする
”商人ならこう考えるだろう
”盗賊ならこんな気構えを持つ
”囚人なら落ち着いて考える
”女盗賊ならこう切り抜ける
”薬剤師が考えそうなこと
”海賊王の娘達の声
”そして義手と義足が僕を支えている事も
”それが僕を突き動かすモノ

741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 18:17:29.03 ID:WLIzFguE0
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ガシュ!ザクリ!ズン!ドス!
エルフ「・・・・・」
勇者「・・・・・」
魔女「鬼の様じゃな・・」
エルフ「出番が無いと言うか・・手を出せない」
魔女「・・あれほどの戦士をわらわは見たことが無い・・まさに鬼人じゃ」
エルフ「2メートルの大剣で魔物が紙切れの様に・・これはミノタウロスも簡単に・・」
騎士「エルフ!!上で飛んでるのは何だ!?」
エルフ「ガーゴイルの群れだ」
騎士「東に向かってる」
エルフ「光の国を目指してる?・・のか?」
騎士「勇者!魔女!魔法で誘ってくれ!!皆殺しにしてやる!!」
勇者「爆炎魔法!爆炎魔法!爆炎魔法!」ゴゥ ゴゥ ゴゥ ゴーン ゴーン ゴーン
魔女「照明魔法!」ピカーーーー
エルフ「おいっ!!・・・うわわわ」
騎士「気が付いた!!みんな隠れて!!」
バッサ バッサ バッサ
ガーゴイル「人間がこんな所にギャギャギャッ」
騎士「魔王に伝えろ!!勇者が魔王を倒しに行くと!!」
ガーゴイル「ギャギャギャッ人間の勇者如き我らが始末してやる」
騎士「全部掛かって来い!まとめて相手してやる」
ガーゴイル「この軍勢を見て気でも狂ったかギャギャギャッ」
騎士「100匹では少ない100万匹連れて来い」
ガーゴイル「ギャギャギャッ人間を食らえぇぇぇぇ!!」バサッ バサッ
ガシュ!ザクリ!ズン!ドス!
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742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/21(日) 19:22:31.94 ID:WLIzFguE0
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魔女「・・・全部1人で倒してしもうた」
ガーゴイル「ギャ・・貴様・・本当に人間の勇者なのか・・」
騎士「ハァハァ・・お前だけは生かしてやる・・魔王に伝えに行け」
僧侶「ねぇ騎士?大丈夫?」
騎士「ぐああああああ!!」ズン!!
ガーゴイル「・・・・・」
騎士「早く行けぇ!お前を殺してしまいそうだ」
ガーゴイル「ギャギャギャ・・狂気の勇者が人間の中に居ると伝えておく」バサッ バサッ
僧侶「ねぇねぇ・・騎士〜?」
騎士「すまない・・心のソコから憤りの無いモノが溢れてくるんだ」
僧侶「回復魔法!」ボワー
騎士「ありがとう・・でもこれは呪いとかじゃないと思う」
僧侶「なんか騎士が騎士じゃないみたい〜」
騎士「僕は多分勇者にはなれない・・心から溢れてくるモノを抑えきれないんだ」
僧侶「ねぇ騎士?相手は魔物でも殺すとか言わないで欲しいの・・」
騎士「う、うん・・わかった」
”これは怒りなのか?
”いや・・ただ無性に
”迫り来るモノを倒したい衝動
”憎悪でもない
”変えたい衝動
”変えなきゃいけない責任が生む衝動