Part50
717 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 22:17:31.70 ID:
H5kYB7hY0
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騎士「僕の馬はエルフの娘のそばに置いてきた」
商人「早く行こう!ゴーレムが近くまで来てるらしい」
騎士「もうこんな所まで・・」
僧侶「大丈夫かなぁ?」
商人「君達が旅立った後も僕達はなんとかやるさ」
薬剤師「早く飛行船に乗って〜」
ゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー
商人「ここからだと森の町まで2日くらいかな?」
騎士「たぶんそれくらいだと思う」
商人「あと2日と考えると・・正直感慨深い」
騎士「別れの言葉は言わない様にしよう」
商人「ハハ君もなかなか言うね」
僧侶「悲しくなって来たよぅ・・」
商人「そんな事ないさ・・この世界を救うのは君達に掛かってる・・上手くやってほしい」
僧侶「ねぇ・・商人?トランプしよーよー」
商人「ハハハいいね!みんなでやろう・・その後バーベキューでもしよう!」
---悲しくなる事は考えないようにしよう---
718 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 22:18:12.09 ID:
H5kYB7hY0
---飛行船---
ビョーーーウ バサバサ
僧侶「ドラゴンさん付いて来てる〜?」
騎士「僕達よりも下を飛んでるよ」
商人「もうすぐ森の端だ・・まっすぐ魔女の塔まで行こう」
僧侶「ここら辺はまだ穏やかなんだね〜」
商人「僕と薬剤師は勇者達を送った後、森の町の人たちの避難を促すよ」
騎士「どこに避難するつもり?」
商人「エルフの森を通って砂漠の町さ・・そのあと中立の国を目指す」
騎士「一般人にエルフの森が通れるかな?」
商人「さぁね?・・でもそこしか行ける場所がないよ」
薬剤師「魔女の塔?・・壊れてるけど・・見えて来たよ」
商人「いよいよだね・・魔女・・追憶の森はどこかな?」
魔女「塔から歩いてすぐじゃ・・」
商人「じゃぁ魔女の塔の目の前に下りて良さそうだね」
薬剤師「高度下げるよ」
---魔女の塔---
フワフワ ドッスン
魔女「・・・」
商人「ここはいつ来ても花がいっぱいだ・・」
魔女「わらわに少し時間をくれんか?」
商人「良いけど・・どうしたのかな?」
魔女「勇者と2人で話がしたいのじゃ・・良いな?」
商人「分かったよ・・少し花見でもしてるよ」
勇者「・・・・・」
魔女「勇者・・・わらわは祈りの指輪で命を繋いでおる」
勇者「わかってる」
魔女「わらわの命はすでにもう無い・・命を吸えば灰になるじゃろう」
勇者「・・・・・」
魔女「じゃがわらわは勇者と常に共にあることを忘れんで欲しいのじゃ・・」
勇者「魔女・・・」
魔女「わらわは勇者と共に居れて幸せじゃった・・もう悔いは無い・・最後に強く抱いておくれ」
勇者「・・・・・」ぎゅぅぅぅぅぅぅ
魔女「・・・わらわは常に傍におるぞよ」
僧侶「!!?だっこしてる〜いいないいな〜騎士〜わたしもだっこしてぇ〜」
商人「シー・・そっとしておいてあげなよ」
僧侶「ねぇねぇ〜騎士〜」
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 22:18:50.76 ID:
H5kYB7hY0
---追憶の森---
商人「よし!準備は良いかな?・・・魔女・・祈りの指輪を」
魔女「・・・」スル
商人「ドラゴン!この指輪で魔王が居た200年前を思い出して欲しい」ポイ
ドラゴン”汝ら思い残す事は無いか・・”ガシ
魔女「勇者・・わらわを放さないでおくれ」
勇者「・・・・・」ぎゅぅ
僧侶「わたしも〜」
騎士「・・・」ぎゅぅ
商人「フフ・・準備は良いみたいだ・・皆!さよならは言わないよ」
勇者「必ず魔王を倒してくる」
騎士「必ず世界を救ってくる」
僧侶「必ず呪いを解いてくる」
商人「頼むよ・・未来を作ってくれ」
ドラゴン「ギャオーース」
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サラ サラ サラ サラ サラ
---魔女は灰となって消えた---
サラ サラ サラ サラ サラ
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 23:41:35.71 ID:
H5kYB7hY0
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---200年前---
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---追憶の森---
勇者「・・・・・」
騎士「・・・・・」
僧侶「・・・・・」
??「!!?ハッ・・・こ、光臨・・した」
勇者「・・・あなたは・・・魔女?」
??「わらわは光の国の姫じゃ・・勇者の光臨を待っておった・・」
勇者「僕達は魔王を倒す為に200年先の未来から来た」
姫「おぉぉ預言者の言った通りじゃ・・」
僧侶「姫?・・あれ?・・魔女は?」
勇者「魔女は・・僕の心の中に居る」
僧侶「え?え?え?」
??「姫!!その物たちは!?」
姫「エルフ!!この者たちは異世界から現れた勇者じゃ・・予言の通り・・わらわの元に現れた」
エルフ「勇者!?どいつだ?」
勇者「僕が勇者だ」
エルフ「青い瞳の勇者・・大剣を携えた騎士・・精霊の如き僧侶・・まさか本当に現れるとは・・」
姫「勇者達よ・・ついて参られよ・・預言者の墓まで案内してたもう」
僧侶「・・・たもう?」
騎士「僧侶・・良いから行こう」
僧侶「う、うん・・」
721 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 23:42:08.14 ID:
H5kYB7hY0
---光の都---
テクテク テクテク
騎士「!!?ここは・・森の中にあった遺跡・・」
僧侶「すご〜い!!光の都だったんだぁ〜」
姫「そうじゃ・・ここは光の都・・わらわはこの都の姫じゃ」
エルフ「姫!!この者たちを信用して良いのか?」
姫「構わぬ!!わらわの目に間違いは無い」
勇者「何処に連れて行くつもりかな?・・姫」
姫「わらわの光の塔の地下じゃ・・預言者がそこで眠っておる」
勇者「預言者?・・僕達が来ることは予言されていた?」
姫「そうじゃ・・半年程前に預言者が現れ異世界より勇者が光臨すると予言していったのじゃ」
騎士「眠ってるって・・どういう事かな?」
姫「預言者はほどなくして亡くなった・・墓で眠っておる」
勇者「どうして僕達をそこへ?」
姫「預言者の遺言じゃ」
エルフ「おい!!勇者!!姫の隣を歩くな!!」
姫「良い!!わらわは勇者の話が聞きたいのじゃ・・お前は後を付いて参れ」
エルフ「くぅ・・」
姫「わらわは魔法使いじゃ・・勇者と共に魔王を倒せと預言者は申しておった」
勇者「・・・そうか」
騎士「気になるね」
僧侶「きになる〜」
姫「こっちじゃ・・この階段を下りるのじゃ」
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 23:43:41.75 ID:
H5kYB7hY0
---光の塔の地下---
シーン
僧侶「静か〜うふふ」
勇者「・・・このお墓かな?」
姫「そうじゃ・・待っておれ・・勇者に渡せと預かっている物がある」
騎士「ますます気になる・・」
僧侶「お墓に杖が供えてある〜」
エルフ「その杖は預言者が持っていた杖だ・・・杖が無ければ歩けなかった様だ」
僧侶「へぇ〜おじいちゃんだったんだぁ」
エルフ「俺は見ていない・・話によると長旅でえらく衰弱していたそうだ」
騎士「お墓に手を合わせておこう・・」
僧侶「お祈りしてあげる〜」
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姫「勇者・・預言者からの預かり物を持ってきたぞよ・・」パサ
勇者「・・手紙?」
騎士「こ、これは・・・」
723 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/18(木) 23:45:01.72 ID:
H5kYB7hY0
”やぁ・・元気にしてるかな?
”きっとこの手紙を読むのは君達からしたらすぐの事なんだろうね
”君達に大事なことを伝えたくて僕は長老に無理を言って
”僕1人で200年前よりもう少し昔に飛んだんだ
”君達が居なくなった後のことを先に書く
”君達が200年前に戻った後も元の世界は何の変化も無かったんだ
”世界中でゴーレムが暴れだし、魔王の予言どおり僕達は辺境の村で生き長らえた
”仲間が1人、又1人戦死していく中で僕は古文書の解読を進めてやっとすべて解読した
”結論:命の源の呪いを解くのが遅すぎた
”呪いを解いてもすべての浄化まで100年掛かるらしい
”だから君達にもう一度命の源に刺さってる魔槍を抜いて呪いを解いてほしいんだ
”実は200年前の世界にはまだ銀が発見されていない
”でも君達は持ってる・・勇者が持つ銀の剣と僧侶が持つ銀のロザリオ
”魔王を倒す為には勇者の銀の剣で心臓を貫けば良い
”命の泉の呪いを解くのには僧侶が持ってる銀のロザリオを使えば良い
”それで未来は変わる筈だ
”ドラゴンのオーブをここに残すから役に立てて欲しい
騎士「・・・・・」
僧侶「シクシク」ポロリ
勇者「まだ続きが・・」
”今この世界に来て僕はやっと目が覚めた・・ここが現実の世界
”そして君達の事も良くわかる・・勇者と精霊と導く者・・それが君達だ
”僕達のすべてが君達の心の中にある・・それこそが勇気だ
”やっとすべてが揃った・・世界を頼む
”夢幻の住民より
724 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/19(金) 00:35:19.34 ID:wXIVpQhko
すごく壮大だな
C
725 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/19(金) 00:49:10.17 ID:nnwUyNmVo
なんだか燃えてきた
729 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 21:46:17.13 ID:
3HYVVGO40
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騎士「預言者がどういう風に亡くなったか教えて欲しい・・」
預言者がここに来た時には痩せ衰えておった・・
予言を残した数日後に眠るように息を引き取った
安らかな顔をしておった・・すべてを尽くしたかのように
預言者は他にも数々の事を語って言った
そのすべてを書き記し文書にしておる所じゃ
この先200年の予言も残して行っておる
希望に満ちた予言じゃ・・海が太陽できらめくと言っておった
僧侶「商人らしい・・」
騎士「・・そうか・・きらめく海を見せてあげたかった」
姫「わらわはどうすれば良いのじゃ?」
騎士「僕たちは預言者の言うとおり命の泉へ行かなければならない」
姫「共に行けば良いのか?」
エルフ「姫!!それは父上が許さない・・」
姫「わらわが言い聞かせる・・勇者・・国王の所へ参るぞよ」
勇者「え!?」
姫「予言の勇者が現れたと知ればわらわが共に行くのも許してくれる筈じゃ」
エルフ「姫・・」
姫「付いて参れ・・」
730 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 21:46:53.26 ID:
3HYVVGO40
---王城---
王「・・・その者達が予言の勇者と申すのか?」
姫「そうじゃ・・わらわは予言の通り勇者と共に魔王を滅ぼしに行く」
王「ふむ・・こまったオテンバ娘じゃのぅ」
王妃「良いではありませぬか・・いずれこの国も魔王勢に滅ぼされるならせめて・・」
王「わかった・・これエルフ!姫の従士として同行せよ」
エルフ「ハッ!!」
王「勇者達!済まぬが魔王討伐の旅へ我が娘を同行させてくれ・・予言の通りであれば必ずや魔王を滅ぼせるであろう」
勇者「必ず魔王を打ち倒して参ります」
王「ハッハッハ心強い返事よのぅ」
王妃「姫!早く旅の仕度を・・時期に魔王軍がこの国を攻めるという噂を聞きます」
勇者「そんなに緊迫した状況なのですか?」
王「うむ・・旅に出た方が安全かもしれん」
騎士「今の世界の状況は?」
王「もはや我々に残された地はこの国と近隣の町や村しか無い・・この国は最後の砦じゃ」
騎士「急がないと・・」
王「馬を用意するからそれに乗って行くのじゃ・・姫を頼むぞ」
731 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 21:47:30.50 ID:
3HYVVGO40
---城下---
僧侶「わたしと騎士は一緒の馬に乗るの〜ウフフ」
エルフ「なら馬は4頭で良かったな・・」
姫「エルフ!お前は馬2頭の馭者をするのじゃ!旅に馬は多い方が良い」
エルフ「姫!?俺は荷馬車か?」
姫「そうじゃ・・わらわの荷物を持て!それからもう姫とは呼ぶでない・・面倒が起きそうじゃ」
エルフ「・・ならなんて呼べば?」
僧侶「魔女〜!!」
エルフ「魔女?」
姫「魔女で良いぞ・・わらわは魔法使いの魔女っこ姫じゃ」
僧侶「ウフフ〜なんかオテンバ魔女って感じ〜」
騎士「よし・・みんな準備できたね?」
僧侶「ここから命の泉までどれくらい掛かるかなぁ?」
エルフ「北の山の尾根沿いに行けば2ヶ月は掛かる」
騎士「他に行き方は?」
エルフ「西のエルフの森を横断すれば・・1ヶ月で・・」
騎士「じゃぁエルフの森を横断して行こう」
エルフ「・・それは」
魔女「エルフは森から追放されたのじゃ・・森には帰れんらしい」
騎士「困ったね・・他のエルフに遭遇しないように迂回しながら行けないかな?」
エルフ「森を迂回するとケンタウロスが居て危ない」
騎士「ケンタウロス?」
魔女「森に住まう魔物じゃ」
エルフ「ケンタウロスは槍を使う種と弓を使う種が居て槍を使う方は俺じゃ手に負えない」
騎士「ん〜」
僧侶「わたしと騎士で相手してあげる〜ウフフ」
騎士「・・そうだね・・勇者は魔女を守りながら行こう・・エルフは弓を使うケンタウロスを頼むよ」
エルフ「魔女を守るのは俺の役目だ」
魔女「エルフ!言う事を聞くのじゃ・・急がねば魔王軍が攻めて来るぞよ?」
732 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/20(土) 21:48:08.90 ID:
3HYVVGO40
---森の入り口---
ガシュ!ザクリ!
勇者「爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
魔女「火魔法!」ボボボボボ
騎士「見たことの無い魔物ばかりだ・・」
エルフ「今のはガーゴイルという魔物だ・・夜になると活動する」
騎士「安全に野営できる所は無いのか?」
エルフ「洞窟を探すしかない」
僧侶「また来たよ〜」
勇者「爆炎魔法!」ゴゥ ゴーン
エルフ「・・・勇者の魔法が凄い・・・」
騎士「フンッ!!」ザクリ!
勇者「早く洞窟を探そう・・」
エルフ「・・あそこの洞穴は!?」
騎士「行こう・・馬が入れたら今日はそこで野営しよう」
---洞穴---
ピチョン ピチョン
エルフ「・・ダメだバジリスクが居る」
騎士「何匹居る?掃除する」
エルフ「3匹・・バジリスクは毒を持っている・・近づくのは危険だ」
騎士「大丈夫・・勇者!洞窟の入り口を炎で塞いで」
勇者「わかった・・魔女は照明魔法で騎士を援護して」
騎士「行くよ!!」ダダダ
ザクリ! グサ! ガシュ!
エルフ「・・・バジリスクと目を合わせても石化しない?」
騎士「僕はドラゴンの耐性を持ってる・・毒も石化も効かない」
エルフ「ハハすごいな・・」
僧侶「ねぇねぇ今日はここで野営するの〜?」
騎士「そうしよう・・僧侶!火を起こすの手伝って」
僧侶「は〜い」
騎士「魔物の亡骸は燃やしてしまおう・・魔女!燃やせるかな?」
魔女「火魔法!」ゴゴゴゴゴ
騎士「焚き木を探さないと・・」
僧侶「あそこにあるよ〜ウフフ」
騎士「・・なんとか一晩は持ちそうかな・・僧侶!一緒に運ぼう」