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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part48



691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 21:42:19.74 ID:FZhB/LTU0
---夜明け---
隊長「もう少しで夜明けだ!!それまで持ちこたえろ!!」
衛兵「ハッ!!」
隊長「バリスタ撃てえぇぇぇぇ!!」
ブン ブン ブン ブン
ドス ドス ドス ドス
隊長「堀に落ちたゴーレムに火を掛けろ!!」
衛兵「ダメです!!まだ向かって来ます」
隊長「心臓だ!!心臓を狙え!!」
衛兵「バリスタ隊までゴーレムが来てます!!」
隊長「くぅ・・・バリスタ隊引けぇぇぇ・・・ゴーレムに大砲を直撃させろぉぉ!!」
ドーン ドーン ドーン
衛兵「まだ動いてます!!」
隊長「全体城門まで引けぇぇ!!」
衛兵「隊長!!ドラゴンの形をした飛行船が来ます!!」
ザバーーーー ピカーーーー
隊長「待て!!大砲主!!ゴーレムが止まるのを待て・・心臓に直撃させろ!!」
衛兵「もう一基の飛行船が来ました!!」
ガガガガガガーン
隊長「今だ!!大砲主ど真ん中を撃てぇ!!」
ドーン ドーン ドーン
隊長「ゴーレムを倒した!!全体!!元の位置に戻れえぇぇぇ!!」
衛兵「隊長!!日の出です!!」
隊長「よし!!衛生兵は怪我人の処置を行え!救護班は倒れている者を運べ!!」
衛兵「ハッ!!」
隊長「各自食事を今のうちに済ませろ!!」

692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 22:49:17.64 ID:FZhB/LTU0
---飛行船---
ヒョーーーウ バサバサ
薬剤師「夜明けよ・・」
商人「結局倒せたゴーレムは4体だけ・・」
薬剤師「被害が大きすぎね」
商人「石になってるゴーレムはどれくらいかな?」
勇者「見当たらない・・森の中には少し居るかもしれない」
商人「これは・・3日持たせるのはキツイ・・かな」
薬剤師「硫黄が手に入れば酸を使って戦える」
商人「どれくらいで作れる?」
薬剤師「材料が揃えばすぐに出来る」
商人「よし!港町に行こう」
薬剤師「みんな少し休んでて・・」
---港町---
薬剤師「盗賊たちは何処に居るのかな?」
商人「多分女盗賊の家だと思う」
薬剤師「この町はまだ慌てた様子が無いね」
商人「対岸の火事くらいにしか思ってないんだろうね」
薬剤師「海賊船もまだ入港してないね」
商人「今日辺りから慌しくなるんじゃないかな?」
薬剤師「女盗賊の家はこっちで良いのかな?」
商人「多分・・この辺りだったと思う・・あそこかな?」

693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 22:50:08.37 ID:FZhB/LTU0
トントン トントン
薬剤師「居ないのかな?」
商人「盗賊!?僕だよ・・居ないのかい?」
ガチャリ
盗賊「誰かと思ったぜ」
商人「うわ・・・臭い・・・」
盗賊「硫黄の臭いだ・・この臭いが嫌で女盗賊は宿屋に泊まってる」
薬剤師「!!!今からここで酸を作る・・硫黄を燃やすから魔女・・手伝って?」
魔女「わらわに何か出来るんか?」
薬剤師「硫黄を燃やすのを手伝って欲しいの」
魔女「それは簡単じゃ」
薬剤師「それから盗賊!空き瓶と水を沢山持って来て・・商人は宿屋で少し休んで」
商人「あ、あぁ良いのかい?」
薬剤師「じゃぁ鍋に硫黄を入れるから順に燃やしていって・・」
---数時間後---
盗賊「うお・・ひどい臭いだ・・目に滲みる」
薬剤師「これで全部・・ビンで200本」
盗賊「これを飛行船に積めば良いか?」
薬剤師「うんお願い!絶対に割らないように」
盗賊「そんなに危ねぇ物なのか?」
薬剤師「その液体を被ると体が解けてしまうの」
盗賊「なぬ!?・・・もしつまづいたら?」
薬剤師「液体を被ったらアウト・・とても強い酸だから気をつけて」
盗賊「恐えぇ物運ばせるんだな」
薬剤師「それでゴーレムの鎧を鎔かせると思う」
盗賊「そうか・・鎧さえ無ければ昼間は行動出来ないんだな?」
薬剤師「多分・・」
盗賊「お前は宿屋に商人達を呼びに行ってくれ」
薬剤師「うん・・そうする」

694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 22:50:39.04 ID:FZhB/LTU0
---飛行船---
盗賊「よし!全部積んだぞ」
商人「盗賊ありがとう!」
薬剤師「出発して良いかな?」
勇者「飛行船の操作は僕がやるから薬剤師は少し休んだ方が良い」
薬剤師「操作できる?」
勇者「コツは見てたからきっと行ける」
薬剤師「あたしは少し寝るね」
商人「その方が良い・・君はずっと寝てないね」
勇者「出発する」グイ
ゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー
---
勇者「見えた・・あれが海賊王の船だよね?」
商人「随分近くに来てたんだね」
魔女「女海賊の飛行船も見えるのぅ」
商人「着陸手伝うよ」

695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 22:51:14.28 ID:FZhB/LTU0
---海賊船---
フワフワ ドッスン
女海賊「おっそい!!何してたのよ!!」
商人「ごめんよ〜ゴーレムを倒す最新兵器を持ってきたのさ」
女海賊「え!?」
商人「薬剤師が作った酸入りのビンだ・・これをゴーレムに当てれば鎧が溶ける」
女海賊「じゃぁ今のうちに・・」
商人「どうしたんだい?そんなに慌てて」
女海賊「動けるゴーレムがあちこちで暴れてるの!!」
商人「え!?どういう事かな?」
女海賊「機械の国の船がクラーケンに襲われてて身動き取れなくなってるの」
商人「沈没したのかい?」
女海賊「沈没はしてないけど・・多分中に乗ってる人が忙しいんだと思う」
商人「・・それで暴走するゴーレムが増えてる?」
女海賊「きっとそうよ・・アタシはその酸を持ってゴーレムに掛けてくる」
商人「ゴーレムは何処まで進行してるのかな?」
女海賊「行ってみないと分からないけど始まりの国にも行ってるかもしれない・・」
商人「女海賊に任せて良いのかい?」
女海賊「アタシに任せて!!アタシの奴隷1号!!来て!!」
レンジャー「・・またかよ」
女海賊「あんた弓使えるでしょ?ビンも一緒にくくり付けてゴーレムに当てて」
レンジャー「ビンなんか付けたら狙いが・・」
女海賊「外したらもう触らせてあげないから!!」
レンジャー「・・まだ触らせてもらってねーし」
女海賊「アタシの奴隷2号!!酸入りのビンを飛行船から降ろして」
剣士「またですか〜」
女海賊「おわったらチューしてあげる」
レンジャー「何!!俺がやる!!」
商人「荷物降ろしたら僕達も上空で待機するよ」
---飛行船---
ビョーーーウ バサバサ
商人「女海賊飛んで行ったね・・」
勇者「商人も少し休んで」
商人「すまない・・そうさせてもらう」
魔女「飛行船はわらわと勇者にまかせて良いぞよ?」
商人「ありがとう・・少し寝るよ」

696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 23:34:12.67 ID:EWz+qMno0


697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 23:37:25.99 ID:9Qfx+aCwo
レンジャーwwwww

698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 23:51:17.39 ID:FZhB/LTU0
---暴走したゴーレムの数は増え
---次第に戦いが激しさを増していった
---2日後---
商人「・・・やっと・・夜が明けた・・」
勇者「ハァハァ・・」
魔女「はぁはぁ・・」
商人「市民の避難はほとんど終わった・・もうそろそろ限界かな」
薬剤師「まともにゴーレムの数を減らせるのは昼間だけね」
商人「まだ50体近く居る筈」
薬剤師「海賊船に戻りましょう・・すこし休まないと」
商人「女海賊に今日通達するよ・・始まりの国の衛兵を引かせよう」
薬剤師「女海賊に?」
商人「そうさ・・これから指揮を取るのは海賊王の娘2人だ・・」
薬剤師「どういう事?」
商人「あの2人には辺境の村に避難した人たちをまとめて貰う」
薬剤師「あたし達は?」
商人「騎士を追ってエルフの長老の所に行く」
薬剤師「なにか考えが?」
商人「フフ魔王の予言を変えてみせる」
---海賊船---
フワフワ ドッスン
海賊王「おう!よう戻った」
商人「女海賊は?」
海賊王「船長室で寝とるわ・・起こすと機嫌悪うなるで?」
商人「急ぐんだ・・」ヨロ
海賊王「お前も寝た方が良いんちゃうか?」
商人「僕は後で寝るよ」

699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/14(日) 23:52:06.47 ID:FZhB/LTU0
---船長室---
商人「女海賊!話がある」
女海賊「んあ?アタシは疲れてんの!!」
商人「君に最後の頼みだ・・君のお姉さんの所に行って始まりの国の兵を引かせる様に説得して欲しい」
女海賊「オネエに?」
商人「もう始まりの国は3日分程度の食料しか残ってないはず・・これ以上はムリだ」
女海賊「ゴーレム退治は?」
商人「これ以上の消耗は出来ない・・兵も疲れきっている」
女海賊「兵を引かせてどうするつもり?」
商人「辺境の村で建て直しをして欲しい・・君と君のお姉さんの2人でね」
女海賊「オネエと一緒に・・」
商人「もうゴーレムの進行は始まりの国だけじゃ無い筈だ・・被害が拡大する前に他の町の人も避難させないと」
女海賊「商人はどうするの?」
商人「僕は騎士を追ってエルフの森へ行く・・その後は各町で避難民を誘導するよ」
女海賊「もう行くの?」
商人「あぁ僕はもう行かないと・・君も速くお姉さんにこの事を伝えて」
女海賊「じゃぁアタシも寝てらんないね」
商人「ハハハもうすぐゆっくり寝れる」
女海賊「どういう事?」
商人「これは僕の賭けだ・・」
女海賊「商人は賭け事が弱いって僧侶に聞いたけど?」
商人「ハハハまいったな・・でもきっと上手くいくさ」
女海賊「わかった!!アタシがリードする」
商人「頼むよ・・」
---
海賊王「食料と水は飛行船に積んでおいたで」
商人「ありがとう・・後は指揮を女海賊に任せた」
海賊王「・・・そこはわしやろ〜!!」
商人「女海賊は割りと人望厚いよ?」
海賊王「そらわいの娘やからな!!がはは」
商人「じゃぁ僕達はエルフの森に向かうよ・・次に会うのは辺境の村周辺かな?」
海賊王「ムリすんなや?」
商人「大丈夫さ・・今までこの調子でやってきたんだ」
海賊王「しばらくは飛行船で休むとええ!!」
商人「そうするよ・・じゃぁ行くね」ノシ
ゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー

700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/15(月) 22:38:31.17 ID:PJgofNQi0
---飛行船---
ビョーーーーウ バサバサ
商人「ふぅ・・やっと休める」
勇者「僕が飛行船操作するから皆休んでて」
商人「ありがとう」
薬剤師「少し休んだら変わるね」
商人「今後の事は起きた後話すよ・・」
勇者「方向はこのままエルフの森を北で良いのかな?」
商人「そうだよ・・ほらここに地図がある・・ここら辺さ」
勇者「皆寝てて良いよ」
---
薬剤師「商人・・また読んでるの?」
商人「あぁこれね・・まだ古文書の解読が残ってるんだ」
薬剤師「何か新しいこと分かった?」
商人「まだだよ・・もう少し時間が掛かるかな」
薬剤師「予言の書の方は全然見ないのね」
商人「ハハあんな物に興味は無くなったよ」
薬剤師「でも結局予言の通りになってるでしょう?」
商人「僕は信じたくない・・いや信じない」
薬剤師「ガンコね」
商人「・・・これからの事を話すよ・・勇者と魔女もよく聞いておいて」
まず魔女が持ってる祈りの指輪は僕がしばらく預かる
なぜかと言うと・・これからエルフの長老に会いに行く訳だけど・・
長老がその指輪を使って勇者の200年分の命を吸ってしまうのを防ぐ為さ
実は・・魔女が歌う『愛の歌』には秘密があってね
その歌は200年の時を越えて結ばれる愛の歌なんだけど
本当はエルフと人間の『愛の歌』なんだ・・歌詞が少し変えられてる
長老は勇者を200年前に送り、自分は若返る・・そして魔女を我が物にしたい・・
そんな祈りを込められた歌なんだよ

701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/15(月) 22:39:08.57 ID:PJgofNQi0
商人「これが今まで繰り返されてきたループさ」
魔女「・・・商人・・・それはまことか?」
商人「僕はその流れを断ち切る」
魔女「エルフの長老は信頼できるわらわの古き友じゃぞ?」
商人「魔王が汚した命の泉から沸く水を飲んでるのは人間だけじゃないよ」
魔女「信じられん・・・2年程長老と一緒に居ったが・・・そんな素振りは・・」
商人「長老は勇者を見つけたら連れて来いとは言わなかったかい?」
魔女「・・・言うておった」
商人「僕の勘は割りと当たるんだ・・指輪を預からせてもらっていいね?」
---
薬剤師「ねぇ商人?・・もし勇者が200年前に戻らなかったらどうなるんだろう?」
商人「さぁね?・・ただ勇者は僕達と一緒に居る・・彼が死なない限りまだ続く」
薬剤師「え?どういう事?」
商人「魔王は予言の書という形で勇者を居なかった事にしようとしてるのさ」
薬剤師「・・それで予言の書には『勇者が世界を滅ぼす』と書いてあるという事?」
商人「そうだよ・・そうやって憎悪に染まった人間を使って勇者を倒し・・無かった事にしようとしてる」
薬剤師「あなた・・それを前から気づいていたの?」
商人「僕が魔王ならそういう事も考えるって話だよ・・ここで勇者が死ねば200年前の魔王は蘇る」
薬剤師「カードはあたし達に有る?」
商人「そう!!カードをいつ切るかは僕達が決める!!」
薬剤師「何か考えがあるの?」
商人「ある」
薬剤師「今は教えてくれないの?」
商人「それは騎士達が一緒の時に話すよ」

702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/15(月) 22:39:54.03 ID:PJgofNQi0
---
魔女「勇者?わらわは今幸せじゃ」
勇者「・・・・・」
魔女「何も言わんでも良い・・何も覚えが無くても良い・・ただわらわを感じてくれれば良い」
勇者「魔女・・・」
魔女「何があってもわらわは勇者の元に有る」
勇者「僕は前から魔女を知っていた・・」
魔女「それが感じる事じゃ・・もっとそばに寄っても良いか?」
勇者「・・・」コク
魔女「もっとわらわを感じておくれ」スリスリ
---エルフの森上空---
ビョーーーウ バサバサ
薬剤師「見て!ドラゴンが森から飛び立つ」
商人「あれは・・子ドラゴンだね」
薬剤師「ドラゴンとエルフの関係は?」
魔女「昔から関係は良い」
商人「そうだね古文書には1000年以上前から良い関係と書いてるよ」
薬剤師「ドラゴンがこっちに来る」
勇者「ドラゴンの背中にエルフが!」
薬剤師「あ!!他のドラゴンも飛び立った・・」
勇者「エルフが弓で飛行船を狙ってる!」
魔女「おとなしくしておった方が良いぞ?」
商人「ハハハとんだ出迎えだね・・どうしよう」
魔女「ゆっくり高度を下げるんじゃ・・こっちが何もせねば仕掛けては来ん」
ギャオース バッサ バッサ
商人「ドラゴンに乗ったエルフは脅威だね・・」ゴクリ
薬剤師「完全に囲まれてる・・6匹」
魔女「ゆっくり降りれば良い」
商人「ドラゴン達はエルフの所で羽を休めてるんだね」
魔女「その様じゃのぅ」
薬剤師「あそこの丘に降りるね」