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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part44



638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/11(木) 22:57:45.78 ID:z+93dU270
---数日後---
商人「ほっ・・」スタッ
盗賊「おい!もう起き上がって良いのか?」
商人「少し元気が出てきたんだ・・落ち着かなくてね」
盗賊「薬剤師!!良いのか!?」
薬剤師「少しなら良いと思う」
商人「バーベキューが食べたいなぁ」
盗賊「ん〜む・・外は暑いぞ?俺達がバーベキューになっちまう」
商人「ハハやっぱり地下は快適だねぇ」
薬剤師「汗をかくのは心臓に負担だから控えめにして欲しい・・」
商人「そういえば女海賊を見ないなぁ・・どうしてるんだい?」
盗賊「あのアバズレは海賊船に一回戻ると言って出て行った・・もうすぐ戻る筈だが」
ガチャリ!!ドタドタ
女海賊「はぁはぁ・・大変!!」
盗賊「!!!女海賊・・待て!!商人はまだ体調が悪い・・こっちに来い」
女海賊「そんな事言ってる場合じゃ・・」
盗賊「良いから来い!!」グイ
女海賊「なによ〜!!」
商人「・・・盗賊!待て・・・何か隠してるね?」
盗賊「・・・・・」
商人「僕の体調は気にしなくて良いよ・・話して」

639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/11(木) 22:58:22.36 ID:z+93dU270
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女海賊「始まりの国とエルフで戦争が始まって中立の国に駐留してたゴーレム達が移動を始めた」
商人「・・・どういう事だい?初めから話して欲しい」
終わりの国に来ていたゴーレムの大軍はゾンビを片付けた後中立の国へ向かった
程なくして中立の国の国王が暗殺されて混乱の中ゴーレム達が到着し駐留する形になった
同時にドラゴンとリザードマンが中立の国を襲撃するようになり難民が砂漠の町に避難
その間始まりの国ではエルフとの関係が悪化して戦争状態になって
機械の国のゴーレム達は今そこに向かおうとしてる
始まりの国から見るとエルフの他にゴーレムも乗じてる様に見える
商人「・・・最悪のシナリオじゃないか・・キマイラが動き始める」
女海賊「海賊達は今難民を辺境の村に移送するのに手一杯」
商人「くそう・・」バンッ
盗賊「商人!落ち着いてくれ・・」
商人「わかっているよ・・どうするか少し考えたいかな」
騎士「僕に考えがある・・」
商人「!?何か良い方法が?」
騎士「キマイラを・・・エルフの娘を森へ返す」
商人「そんな事が出来るのかい?」
騎士「エルフのオーブを使えば言う事を聞くかもしれない・・元はエルフの娘だ」
商人「・・・成功する自信は?」
騎士「自信は無い・・でもエルフの娘を森へ返す気構えは持っている」
商人「気構えって・・」
騎士「約束したんだ・・森へ返してあげるって」
商人「言う事を聞かなかったら?」
騎士「僕が責任を持って止めを刺す」
商人「君に出来るかい?」
騎士「エルフの娘を守れなかったのは僕だ・・責任は取る」
商人「わかった・・それで行こう・・いづれ通る道だね」

640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/11(木) 22:59:01.02 ID:z+93dU270
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商人「まず海賊王の船に行こう!ここから2〜3日だよね?」
女海賊「アタシが案内する!」
商人「ゴーレムの移動速度からすると始まりの国まで・・」
女海賊「エルフの森を直接横断してるから今日から数えて10日くらい」
商人「ギリギリ間に合う感じかな」
女海賊「ここから直接行った方が良いかも・・4〜5日で行ける筈」
商人「騎士には馬が必要だよ」
女海賊「馬なんて始まりの国で買えば良いじゃない!」
商人「・・今は戦争中だよ・・馬が買える訳ないよ」
女海賊「キィィィィィいらいらする!!」
商人「それと・・君達をむやみに危険に晒す訳にも行かないよ」
女海賊「え!?アタシは行くよ!!」
商人「君はまだキマイラを見たことが無いね?・・・飛行船なんか一発で落とされる」
女海賊「あたらなければどうという事・・」
商人「君はこれからリーダーになる人間だと言う事を忘れないで欲しい」
女海賊「!!?アタシがリーダー?」
商人「僕達にも海賊達にも・・それから難民達にも君が必要さ」
女海賊「・・・」

641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 00:10:21.25 ID:y1e60Tva0
---飛行船---
盗賊「忘れ物は無いな!?」
騎士「乗った!」
盗賊「よし!行くぞ」
ボボボボボボ フワフワ プシュー
商人「やっぱり上から見ると随分人が避難してきてるね」
盗賊「中立の国からだと船に乗れなかった奴は砂漠の町に来るしかないだろ」
商人「女海賊から聞いたけどドラゴンじゃゴーレムに歯が立たないって・・」
盗賊「あぁ海賊王の船で見たことがある・・ゴーレム1体とドラゴン6匹で互角だ」
商人「ブレスと爪だけじゃ攻めきれないのか・・」
盗賊「ゴーレムの着てる鎧を引っ剥がせば太陽の光で石になるんだがな」
商人「中身はトロールかぁ・・鎧に穴を開けれればなぁ」
盗賊「穴か・・」
薬剤師「硫黄があれば鉄を溶かす薬を作れるよ」
商人「本当かい?」
薬剤師「とても危険な薬・・ほとんどの金属を溶かしてしまう」
盗賊「硫黄か!?・・心当たりがある・・辺境の村の裏山は火山だ・・硫黄も少し見かけた」
商人「よし!海賊達に取ってきてもらおう」

642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 00:11:02.78 ID:y1e60Tva0
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盗賊「見ろ!ドラゴンが飛び回っている」
僧侶「どこどこ〜?」
盗賊「下だ!!この望遠鏡を使え」ポイ
僧侶「うふふのふ〜ドレドレ」
盗賊「馬鹿!!反対だ」
僧侶「えへへ〜・・・ドラゴンさん中立の国に近づけないみた〜い」
盗賊「ゴーレムは見えるか?」
僧侶「わお〜大きな大砲持ってる〜・・・あ!!港に大きな船が居るよ〜」
商人「ちょちょちょ・・見せて」グイ
僧侶「どう〜?」
商人「・・・ゴーレムはどうやって操作してるんだ?操作してる人が見えない」
盗賊「そういえばそうだな」
商人「ゴーレムの頭の部分に人が入ってるのかな?・・いやそんなスペースがあるように見えない」
盗賊「まてよ・・そういえば機械の国の衛兵なんか見た事無いな」
商人「船の方にも人影が見えないなぁ・・・自律で動いてるのかな?」
盗賊「ん〜む」
商人「まったく動かないゴーレムも居る・・本当にロボットみたいだ」
盗賊「そんな訳・・」
商人「もし頭部だけ交換出来るとしたら?・・・義手の様に」
盗賊「おいおい・・」
商人「石になってる間に頭部だけ交換・・簡単そうじゃないか?」
盗賊「いくらなんでも考えすぎだろ」
商人「・・でも不思議だ」

645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 22:54:20.08 ID:y1e60Tva0
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盗賊「見えた!!良い位置に居るな」
商人「海はまだきらめいていない・・」
盗賊「もうしばらくかかるんじゃねぇか?」
商人「盗賊!女海賊の飛行船がどいたよ」
盗賊「よし!着陸する」
---海賊船---
フワフワ ドッスン
海賊王「えらいこっちゃなぁ・・」
商人「海賊王・・いつもすまないね」
海賊王「かまんかまん」
商人「今の状況はどうなってるのかな?」
海賊王「機械の国の船が陸沿いで始まりの国の方向へ動いてるわ」
商人「陸の方は分かるかな?」
海賊王「ここに来る前に見えんかったんか?」
盗賊「エルフの森を横断してるらしいが上からは見えんかったな」
海賊王「わいは陸の方はよう分からんな・・娘の方が詳しいわ」
女海賊「ゴーレムは機械の国の船から遠くは離れないみたい」
商人「・・と言う事は機械の国の船が目印になるんだね」
女海賊「多分ね」
商人「この海賊船で先回りするのは出来るかな?」
海賊王「それは出来るが・・危のうないか?」
商人「先回りして騎士達だけ降ろしたい」
女海賊「パパお願い!」
海賊王「しゃーないなぁ・・お前等ぁ!!進路変更や!!始まりの国へ全速力や!!」
海賊達「へ〜い!!」

646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 22:54:58.90 ID:y1e60Tva0
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勇者「僕も騎士達と一緒に行きたい・・」
商人「・・今君を失う訳に行かないんだ」
勇者「役に立てるかも知れない」
商人「だめだよ・・騎士と僧侶の組み合わせは精霊の加護が出来る・・だから行けるかもしれない」
勇者「精霊の加護・・」
商人「それが無いと戦争の真っ只中には行かせられないよ」
盗賊「俺達はどうする?」
商人「僕と囚人だけで上空から騎士達を見守る・・あとの人は海賊船に残って」
盗賊「なにぃ!!」
商人「囚人も飛行船は動かせるよね?」
囚人「もちろんだ」
薬剤師「あたしも行く」
商人「君は・・・」
薬剤師「あたしが居ないと商人は生きられないよ?」
商人「わかった・・僕の命をお願い」
盗賊「俺達は待ってれば良いのか?」
商人「僕が不在の間は女海賊がリーダーさ」
盗賊「ななななんだと〜う」
商人「女海賊には後の作戦を話しておく」
盗賊「ぐぬぬ」
商人「大丈夫だよ・・彼女は見た目よりずっと考えてるよ・・心配ないさ」
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商人「・・・分かったね?」
女海賊「アタシにそんな忙しい事やらせる訳?」
商人「君の言う事はなんだかんだ皆聞くだろう?」
女海賊「それはアタシの美貌のせい!」
商人「ハハまぁ君の好きなようにして良いよ・・でも勇者だけは守って」
女海賊「わかった・・騎士達が戻るまで絶対祈りの指輪を使わせない」
商人「それで良い」
女海賊「アタシはアタシのやり方で動くかんね?」
商人「自信があればそれでも構わないよ」

647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 22:55:42.19 ID:y1e60Tva0
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盗賊「おい!商人!女海賊にどんな指示をしたんだ?」
商人「機械の国の船の足止めさ」
盗賊「足止め?」
商人「その他にも色々とやることを説明しておいた」
盗賊「足止めなんかどうやってやる」
商人「網だよ・・機械の国の船はスクリューと言う物を回して進むらしい」
盗賊「それに引っ掛けるのか?」
商人「そうだね・・女海賊の指揮で機械の国の進行方向に大量の網を撒いておくんだ」
盗賊「・・それでさっき飛んで行ったのか」
商人「ゴーレムは機械の国の船から遠くは離れないと行ったよね?」
盗賊「女海賊がそう言ってたな」
商人「それは理由がある気がするんだ・・船が止まればゴーレムも止まるかもしれない」
盗賊「なるほど・・他にはどんな指示を?」
商人「僕達が行った後の行動さ・・僕達が戻った場合、戻らなかった場合・・いろいろだよ」
盗賊「信用して良いんだな?」
商人「ハハハ大丈夫さ・・今のも実は彼女のアイデアだよ」
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僧侶「ねぇ・・騎士?エルフの娘の事気にしてるの?」
騎士「・・・・・」
僧侶「なんか胸がくるしいよぅ」
騎士「・・・ごめん」
僧侶「え!?どうして謝るの?何かあったの?」
騎士「違うんだ・・そういうのじゃないんだ」
僧侶「お願い話して・・わたし寝れないかも」
騎士「僕は見てしまった・・目の前でエルフの娘が心臓を取り出され・・血を一滴残らず抜かれ・・」
僧侶「え?え?え?」
騎士「頭を割って脳と骨髄をキマイラに移植した所を・・思い出すたび腹の底に魔王を感じる」
僧侶「そ、そんな事が・・」
騎士「アイツはエルフの娘の亡骸を役に立たないゴミだと言った・・そういう風にしたのはアイツなのに」
僧侶「・・・・・」
騎士「どうしても許せないんだ・・君のお陰で心は少し安らいだ・・でも又湧いてくる」
僧侶「ごめんね・・わたしが馬鹿だった」ポロ
騎士「エルフの娘を森へ返す事が出来たら僕の心の闇は祓われるかもしれない・・だからこだわっているんだ」
僧侶「わたしも手伝う」
騎士「ありがとう」

648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 22:56:17.60 ID:y1e60Tva0
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ザザー ザザー
海賊王「接岸するぞぉぉ!!」
商人「騎士!僧侶!降りる準備を・・」
騎士「もう出来てる」
海賊王「ここは機械の国の船の半日前方やぁ!!お前等が降りたら即離岸する!!」
商人「僕達は騎士達の上空で見守るよ」
僧侶「よ〜し!煙玉と閃光玉の準備もオッケ〜」
商人「海賊船に残った人は女海賊の指示に従ってね」
盗賊「分かってる!!」
ガコン! グラグラ
海賊王「騎士!!早よう降りろぉ!!」
騎士「じゃぁ行って来る」グイ パカパカ
商人「気をつけて!!上手くいったら僕達もエルフの長老の所へ向かうよ」
騎士「必ず連れて帰るよ」
海賊王「はよいけえええ!!」
パカ パカ パカラッタ パカラッタ

649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 22:56:56.25 ID:y1e60Tva0
---エルフの森南部---
パカラッタ パカラッタ
騎士「まだ間がある・・馬に生きた牧草を食べさせる」
僧侶「船が長かったもんね〜」
騎士「どうどう・・」グイ 
ブルル〜 ガフ ガフ
騎士「上には飛行船が付いて来てるかい?」
僧侶「うん!遠くで旋回してる〜」
騎士「エルフが急に襲ってくるかもしれないから気を付けて」
僧侶「精霊の加護してるから大丈夫〜」
騎士「会話しながらでも出来るんだ」
僧侶「心の中でお祈り中〜」
騎士「ここから東へ行けば森を抜けれる・・馬の休憩が終わったら森を抜けよう」
モシャモシャ ブルル〜

650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 22:58:02.62 ID:y1e60Tva0
---エルフの森の端---
パカラッタ パカラッタ
騎士「ハッ・・あれは・・森が燃えている・・もっと北か」
僧侶「ねぇ!!おかしいよ?あそこに居るのゴーレムだよ?」
騎士「・・話が違う!!ゴーレムが1体・・かな?」
僧侶「早く行った方が良いカモ〜」
騎士「ハイヤ!」グイ
パカラッタ パカラッタ
騎士「機械の国の一人用の小さい気球も沢山居る・・森に火炎瓶を落としてるのか?」
僧侶「エルフは火が苦手って魔女が言ってた〜」
騎士「どうやら機械の国もエルフを攻撃してる様だね」
僧侶「・・でもあのゴーレムってさぁ・・」
騎士「手当り次第に暴れてる感じだな」
僧侶「ねぇねぇ・・もしかしてさぁ・・船から離れると暴走するとか?」
騎士「・・・まさか」
”ゴーレムは機械の国の船から遠くは離れないと行ったよね?
”女海賊がそう言ってたな
”それは理由がある気がするんだ・・
騎士「そういえば・・ゴーレムは海岸線沿いをずっと移動してる」
僧侶「まさかのまさかカモ〜」
騎士「女海賊が撒いた網が裏目に出る・・か?」
僧侶「この状況ってさぁ〜飛行船から見えるかなぁ?」
騎士「見えてる筈・・だけど森で暴れてるゴーレムは見えない」
僧侶「どうしよう・・」
騎士「あのゴーレムだけ片付けてみる・・どうなってるか確かめる」
パカラッタ パカラッタ

651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/12(金) 23:37:09.51 ID:7emA0RgeP
おつ
続きが気になる