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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part42



604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/08(月) 22:12:10.48 ID:B/qu3QlD0
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ジュージュー
剣士「・・・と言う事は終わりの国はもう・・」
商人「ドラゴンに襲撃される前に辺境の村に避難したんだ」
剣士「この状況を始まりの国にどう説明すれば・・」
商人「噂通りドラゴンに滅ぼされたで良いじゃないかな?」
剣士「預かっている密書はどうしよう・・」
商人「君はその中身を見たのかい?」
剣士「見てないです」
商人「ハハ正直なんだね」
剣士「悪い事はキライなんです」
商人「じゃぁ密書はそのまま返品かな・・ただ・・」
剣士「ただ?」
商人「君達はもう始まりの国へは帰らない方が良い」
戦士「!!?俺は任務が残ってる」
商人「任務?・・君は始まりの国の衛兵かな?」
戦士「そうだ!」
商人「ハハハ良い事を教えてあげよう・・君の上官は僕達の仲間さ」
戦士「なんだと!?どういう事だ!?もしかしてお前達は隊長の言う海賊の一味か?」
商人「ん〜海賊みたいなものかもね・・一応バッチもあるよホラ」
戦士「・・・隊長から直々に貰った指令の中にバッチを持つ海賊に出会った時に渡す手紙が・・」
商人「え?・・きっと僕達の事だよ」
戦士「これだ・・」ゴソゴソ パサ
”例の物が完成したようだ
”自体が悪化する前に処分を願う
戦士「渡せば分かるはずだと・・これは何の事だ?」
騎士「・・・・・」---エルフの娘---
商人「・・やらなきゃいけない事が山積みだね」
戦士「なんだ!?言っている事が分からん!」
商人「やっぱり君達には一緒に手伝って貰いた・・」
ヒュルルル〜 バーン ピカーーーー
盗賊「!!!おい!!!何かの合図だ!!!」

605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/08(月) 22:12:53.89 ID:B/qu3QlD0
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商人「女海賊からの信号かな!?皆外に出よう!!」タッタッタ
盗賊「おい!!緊急事態だ!!全員外に出ろ!!」
僧侶「ふぁ〜い!」モグモグ
タッタッタ 
盗賊「ちっ・・もう日暮れで良くみえねぇ」
女盗賊「飛行船がこっちに・・・え!?海岸を見て!!」
盗賊「どこだ!?・・・機械の国の船か?・・お、おい!!10隻は来てるぞ!!」
商人「盗賊!飛行船の用意を!!」
盗賊「わかった!!」
剣士「え!?な、なんだアレ?ドラゴンか?」
女盗賊「アレは飛行船よ!!今は私たちの指示に従って!!」
商人「・・機械の国はどうやら僕達を魔王軍だと思ってる様だね」
女盗賊「そのようね・・早く逃げないといけない」
フワフワ ドッスン
女海賊「大変!大変!パパの船があと10分で出港するから早く乗ってぇ〜!!」
商人「騎士と僧侶は馬と一緒に海賊船へ!!」
商人「剣士達も馬車を船に乗せるんだ・・騎士の後に付いて行って!!」
商人「残りは飛行船で・・」
薬剤師「・・待って!!カラスを処分させて!!」
カァーカァー ザワザワ バサバサ
商人「魔女!?カラスを焼けるかい?」
勇者「・・火炎地獄!」ゴゥ ゴゴゴゴゴ
魔女「火炎地獄!」ゴゥ ボボボボボ
ギャーギャー ドサドサドサ
商人「うゎ・・すごいな」
薬剤師「心が痛む・・」
商人「皆後で海賊船で落ち合おう!」
盗賊「早く飛行船に乗れぇ!!」
女海賊「アタシの飛行船は土足禁止ねぇ〜」
ゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー

606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/08(月) 22:13:32.88 ID:B/qu3QlD0
---飛行船---
盗賊「おい!見ろ!!巨人が大量に上陸してる」
商人「海賊船は大丈夫そうかい?」
盗賊「あぁ・・日が暮れてるのが幸いしてるな」
商人「ゴーレムはどれくらいの数かな?」
盗賊「どんどん船から出てくるぞ・・今のところ50体位か?」
商人「終わりの国を制圧に来た様だね・・間一髪だったね」
盗賊「あんな大軍じゃたまったもんじゃねぇな」
商人「機械の国のゴーレムはもっと居る筈・・何年も前からトロール密売が続いてる」
盗賊「お前が知ってる数でどれくらいだ?」
商人「僕が知ってるだけで100くらいかな?捕えるのが簡単だからもっと居ると思う」
盗賊「見つからないうちに海賊船に向かうぜ?」
商人「そうだね」
---海賊船---
フワフワ ドッスン
盗賊「女海賊の飛行船はなかなか器用な事するな・・」
商人「僕達が降りれる様にしてくれてるんじゃないかい?」
盗賊「ロープ切れたら飛んでっちまうぞ?」
商人「ハハそんなこと気にする子に見えないよ」
盗賊「・・アレに乗るときどうするつもりかね?」
商人「ロープを伝って行くしか・・」
盗賊「落ちたら海だぜ?」
商人「それも考えて無いんじゃないかい?あの子は・・」
盗賊「ヌハハさすが海賊王の娘だな」
商人「僕はその心臓がうらやましいよ」

607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/08(月) 22:14:07.36 ID:B/qu3QlD0
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女海賊「・・・あんたさぁ・・こっちは心配してたんだよ!?」
勇者「・・・」
女海賊「行くなら行くって言ってくれないとアタシも面子ってもんが・・」
僧侶「まぁまぁ・・おちついて〜」
女海賊「あんたもあんたよ!!みんなしてイチャ付いて!!」イラ
盗賊「よう!何揉めてんだ!?」
女海賊「!!!カチン!!!盗賊も女盗賊と出来ちゃってるワケ?」
盗賊「ヌハハお前には関係無ぇだろ!ガキは黙ってろ」
囚人「女海賊!お前は俺が鍛えてやる」
女海賊「アタシはそんな暇無いの!」
囚人「良いからこっちに来い」グイ
女海賊「何すんのよー!!」
囚人「今から飛行船の改造だ」
女海賊「はぁ?またアタシに力仕事させようってんの?」
囚人「お前の経験が必要だ」
女海賊「アタシは忙しいの!あんた一人で・・」
囚人「黙って付いて来い」グイ
女海賊「もう!!離してよ!!」

608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/09(火) 00:00:28.37 ID:ORq9pXp20
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商人「・・・早速だけどちょっとやりたい事があるんだ・・出来るだけ急ぎたい」
商人「明日の朝に命の泉に向かいたい」
商人「命の源に突き刺さってる魔槍を抜きたいんだ」
商人「確証は持てないんだけど勇者なら魔槍を抜けるかもしれない」
商人「あの魔槍を抜かない限りこの世界は呪いから解放されない」
商人「剣士、レンジャー、戦士はこれからどうしたい?」
戦士「・・俺は任務があるから戻らなくてはならない」
商人「剣士とレンジャーは?」
剣士「僕は・・」
レンジャー「俺は決めた!女海賊に惚れた!・・なぁ剣士も行くよな?」
剣士「え・・構わないけど・・前後関係が良く分からなくて」
商人「それは追々分かって来るよ」
戦士「この海賊船はどこに向かってるんだ?」
商人「中立の国で下船した後始まりの国行きの民間船に乗れば戻れるよ」
戦士「そうか・・俺は戻って隊長に報告を」
商人「そうだ!!隊長に返事をしておいて貰いたい・・『例の件は了解した』ってね」
戦士「わかった・・お前達の事は・・」
商人「すべて隊長に話してから指示を貰って欲しい・・良いね?」
戦士「お前達は一体何者なんだ?」
商人「世界を救おうとする者達だよ・・君の上官も同じさ・・その下に居る君も同じ筈」
戦士「敵では無いんだな?

609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/09(火) 00:01:12.09 ID:ORq9pXp20
商人「そう信じたい」
---翌朝---
盗賊「こっちの飛行船には騎士、僧侶、勇者、魔女、商人、薬剤師が乗ってくれ」
盗賊「女海賊の飛行船には剣士、レンジャー、囚人、女盗賊・・それから荷物を多めに積んでくれ」
盗賊「夜は魔女の照明魔法を目印にして付いて来い」
盗賊「じゃぁ行くぞ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー
盗賊「うお!上昇が早いな」
商人「女海賊の研究の成果だよ・・縦帆2つだけで良いらしいよ」
盗賊「そりゃ楽になるな」
商人「球皮の後端にも羽を付けてるんだ・・なぜか速度が増すらしい」
盗賊「あのアバズレ見かけによらずしっかり研究してるんだな」
商人「いや・・けっこう賢いよ」
盗賊「ん〜む目は見えてるのにわざわざ眼帯してる奴がか?」
商人「ハハあの眼帯には秘密があるんだってさ」
盗賊「なぬ!?」
商人「小さい穴が開いてて遠くが見えやすくなるらしい」
盗賊「なんと!?」
商人「賢いだろう?」

616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/09(火) 22:43:24.35 ID:ORq9pXp20
---飛行船---
ビョーーーーウ バサバサ
商人「やっと少し落ち着いて話が出来るね・・勇者」
勇者「・・・・・」
商人「君の事が知りたいんだ」
勇者「・・・・・」
商人「ハハまず僕達の事から話した方がよさそうだね・・どこから話そうかな」
騎士「僕から話す・・僕はもともと選ばれた勇者として・・」
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商人「・・という訳さ・・ややこしいでしょ?」
騎士「そんな中僕はこの世界が幻だという事に気が付いた」
商人「勇者はどう思ってる?・・この世界を」
勇者「・・分からない・・僕は昔の記憶が無い・・ただ精霊の声は聞こえる」
商人「精霊?」
僕はいつの間にか・・気が付いたら旅をしていた
その昔の記憶は無い
精霊の声に導かれていつの間にかここに居る
その声は僕に『呪いを解く鍵を探せ』と常に語りかけていた
そんな旅の最中僕は常に命を狙われ
心の中の声に導かれるまま終わりの国まで来て
あなた達と出会い僕の呪いは解かれた
今はハッキリと自分の存在が分かる
商人「自分の存在?」
勇者「あなた達に会うまでは自分が自分であるかどうか分からなかった」
商人「よく分からないな・・君は本当に勇者なのかい?」
勇者「今、精霊の声はハッキリと聞こえる『魔王を探せ』と」
商人「魔王が何処に居るか知っているのかい?」
勇者「知らない・・でもあなた達と一緒に居ることは導きだと思っている」
騎士「・・この世界に魔王は居ない」
商人「でも200年前には居るんだ・・きっと君はソコに行く事になる」
魔女「・・・・・」
商人「・・・魔女」

617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/09(火) 22:43:52.73 ID:ORq9pXp20
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僧侶「魔女は子供みたいに勇者に甘えてるね」
騎士「魔女が魔女じゃないみたいだ」
商人「200年待ったんだ・・そっとしておこう」
僧侶「ねぇねぇわたしも甘えて良いかなぁ〜ねぇねぇ」
商人「ハッ!!・・そうだ・・僧侶!君は精霊の声は聞いた事あるのかな?」
僧侶「ほぇ?精霊の声?ウフフ〜わたしが精霊カモ〜なんてね〜」
商人「まじめに答えてよ」
僧侶「ん〜〜どうかなぁ・・始めて命の泉に行った時は『呪いをどうやって解くんだろう?』って思ったけど・・」
商人「思ったけど?」
僧侶「それって精霊の声だったのかなぁ?」
商人「ん〜〜〜なんか違うね」
僧侶「今は『魔王は何処に居るのかな?』って思ってるけど・・それも違う?」
商人「ん〜〜〜それもなんか違うね・・ほら声が聞こえるとか姿が見えるとか・・」
僧侶「わたしはね〜夢も見たこと無いの〜」
商人「夢?」
僧侶「うん!寝たら一瞬で朝になる感じ〜ウフフ」
商人「ハハハ良い体質だね」
盗賊「イビキだけは勘弁してくれ」
僧侶「ええええええ?」

618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/09(火) 23:27:11.81 ID:ORq9pXp20
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商人「・・・古文書によると200年前よりずっと前に命の泉を汚染したと書いてる」
騎士「そこに刺さってる魔槍を抜けば良いのか?」
商人「多分ね・・ただドラゴンは普通の人間には抜けないと言ってた」
盗賊「勇者なら抜けるっていう保障は無いな・・無駄足にならなきゃ良いが」
僧侶「ドラゴンさんでも抜けなかったのかなぁ?」
商人「さぁね?・・でも僕の勘は結構当たるんだ」
盗賊「勇者!責任重大だな!ヌハハ」
勇者「・・・」
盗賊「ん〜む・・騎士に比べると勇者は大分キャシャな体付きだが・・」
商人「ハハハそうだね・・見るからに騎士の方が適任に見える」
盗賊「まぁ一人ずつ試してみるだな・・意外とあのアバズレ娘が抜いたりするかもしれん」
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盗賊「ん〜やっぱり女海賊の飛行船の方が少し速い」
商人「同じ様にしてる筈なんだけどね・・なんでだろう?」
盗賊「違うのは派手さだけなんだがな・・」
商人「あっちはドラゴンに似せてウロコみたいな物を貼り付けてるよね」
盗賊「あんなもんじゃ速さは変わらんだろ」
商人「いや・・そうでもないよ・・魚は水中を早く泳げるじゃないか・・それと同じかも」
盗賊「なぬ!!」
商人「本当・・あの子はあなどれないね」
盗賊「おいおい・・偶然だろ」

619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/09(火) 23:27:47.13 ID:ORq9pXp20
---砂嵐地帯---
ビョーーーーウ バサバサ
盗賊「ちぃと揺れるぜ」
騎士「何か出来る事はあるか?」
盗賊「そうだな・・女海賊の飛行船が付いて来てるか見ておいてくれ」
騎士「分かった」
女海賊「はろはろ〜!!」
騎士「!!?」
盗賊「な、なんだ?」
騎士「すぐ真後ろに居る!!」
盗賊「おま!!危ねぇだろ!!」
女海賊「ロープ受け取ってね〜!アタシの奴隷1号!お願い!!」
レンジャー「任せろ!!」ギリリ シュン トス
盗賊「うお!!あぶねぇ!!バカヤローこのアバズレがぁ!!当たったらどうすんだ!!」
女海賊「じゃね〜ベロベロバー」ノシ
盗賊「おい!騎士!矢に付いてるロープを結んでおいてくれ」
騎士「もうやってる」
商人「ハハハさすがだね女海賊・・やり方が手際良い」
盗賊「・・あれ?揺れなくなったな」
商人「船も連結すると揺れが小さくなるよ・・多分女海賊の飛行船はこっちより少し速度落としてる」
盗賊「ロープを張って安定させてるのか?」
商人「きっとそうだ」
盗賊「んむむ・・認めるしかねぇな」

620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/10(水) 00:08:39.92 ID:WpifbtBe0
---山頂---
ビョーーーーウ バサバサ
商人「はぁはぁ・・」
薬剤師「商人!ゆっくり意識的に大きく呼吸して」
商人「すーーはーーすーーはーー」
盗賊「やっぱり標高が高い所は心臓に良くないな」
騎士「そんなに心臓が悪化してるのか」
薬剤師「ここに来るのはこれで最後にした方が良いと思う」
盗賊「もうすぐ山頂だ!」
騎士「なんて高い山なんだ・・」
僧侶「騎士はここに来るの始めてだったね〜世界のすべてが見えそうな感じだよ〜」
騎士「世界のすべて・・か」
盗賊「命の泉の前に直接降りる!」
フワフワ ドッスン
---命の泉---
シーン・・・
僧侶「ドラゴンさんは居ないね〜」
盗賊「んむ・・商人俺が背負ってやる・・来い!」ヨッコラ
商人「す、すまない」
僧侶「女海賊の飛行船も降りてきた〜」
盗賊「あぁ・・付いて来るだろう・・俺達は先に行こう」
騎士「なんて静かな所なんだ」
僧侶「足元気をつけてね〜小さなお花が咲いてるの〜ウフフ」
薬剤師「ハッ!!これは癒し苔・・すごい!!」
僧侶「え?何がすごいの〜?」
薬剤師「癒し苔は不老長寿の薬が作れるの・・始めて見た」
僧侶「へ〜・・・不老長寿ってなに〜?」
薬剤師「不老長寿と言っても寿命を少し長くするくらいの効果しか無いけど・・商人には良い薬になる」
盗賊「そりゃ良い!少し貰って行ってもバチは当たらんだろ」
薬剤師「うん!少し摘んで行くから先に行ってて」