Part37
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:49:16.16 ID:
9urEw9ic0
---港町の宿屋---
盗賊「よう!戻ってきたぜ」
囚人「・・・」
盗賊「おい!僧侶はどうした?」
囚人「教会に行っている」
盗賊「そうか・・武闘会の参加証はもらえたか?」
囚人「あと1週間掛かる」
盗賊「なんだ!?遅いな・・」
囚人「塩不足の影響で羊皮紙も不足してるらしい」
盗賊「そんなところにも影響出てるのか・・原皮の保存が出来んのか」
囚人「さぁな・・だが武闘会には間に合う」
盗賊「しょうがねぇな・・待つか」
520 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:49:43.31 ID:
9urEw9ic0
---1週間後---
盗賊「お〜い!!早く乗れぇ!!」
僧侶「・・・」
盗賊「どうした?腹でも痛てぇのか?」
僧侶「教会で司祭様に言われたことがあるの・・運命を受け入れなさいだって」
盗賊「なんだ?運命って・・」
僧侶「わかんな〜い・・私の運命って何かなぁ?」
盗賊「さぁな・・良いから早く乗れ!騎士を助けに行くぞ」
僧侶「うん・・でもこわいの」
盗賊「大丈夫だ!」
僧侶「また同じ場面に出くわして・・違う事が起こるのがこわいよぅ」
盗賊「良く分からんが・・それを超えればやっと前に進みだす筈だろ?」
僧侶「うん・・でもこわいよぅ・・わたしが消えてしまいそうで」
盗賊「・・・・・なるほど」
僧侶「違うことが起きた時・・わたしが消える気がしてこわいの」
盗賊「運命を受け入れろって事だな」
僧侶「うん」
盗賊「行くぞ!!」グイ ヒヒ〜ン ガラガラ
521 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:50:12.02 ID:
9urEw9ic0
---始まりの国の宿屋---
商人「やぁ!遅かったね」
盗賊「塩不足で羊皮紙も不足してるんだとよ・・武闘会の参加証も発行が遅れた」
商人「ハハハそんな所まで影響が出てるんだ」
盗賊「スライムは無事に分裂したか?」
僧侶「え!?分裂?なになに?」
商人「すごい事が分かったよ・・スライムは分裂して片方は変異するんだ」
僧侶「え?え?え?」
商人「変異というか・・進化になるのかな?」
盗賊「まぁ無事に増えた訳だな?」
僧侶「見せて見せて〜ウフフ」
薬剤師「ほら!2匹」
僧侶「小さくなってる〜かわいい〜」
薬剤師「毒をあげないと大きくならないのよ」
商人「分裂を繰り返すといつか知能の高いスライムが生まれるかもね」
僧侶「ねぇねぇどうやって見分けるの〜?」
薬剤師「・・・あたしもどっちがどっちか分からなくなった」
僧侶「わたしもほし〜い」
522 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:50:41.73 ID:
9urEw9ic0
---
商人「・・・もうすぐ武闘会だ・・ドラゴンには足枷で繋がれた騎士だけ助けて欲しいと言って置いた」
僧侶「わたしは何をすれば良いのかなぁ?」
商人「君は足枷に繋がれた騎士に回復魔法を掛けて欲しい」
僧侶「え!?回復魔法?」
商人「それが一番重要なんだ」
囚人「牢の中で捕えられている間は自分が正気では無くなる・・憎悪が膨れ上がる」
商人「そういう事なんだ・・救えるのは僧侶・・君しか居ない」
僧侶「うん!わかった・・目いっぱい癒してあげる」
商人「はっきり言うと今の騎士は祈りの指輪で看守の力を吸って手に負えないくらい強くなってる」
僧侶「・・・」
商人「正気に戻してあげないとドラゴンだって殺されかねない」
盗賊「ドラゴンを倒すとかそんなに強くなる物なのか?」
商人「かつての魔王もそうやって力を得たのさ」
盗賊「騎士を救出した後はどうするんだ?」
商人「ドラゴンは海賊船まで騎士と僧侶を運んでくれる筈・・後で海賊船で落ち合うかな」
僧侶「やっと騎士に会える〜」ポロリ
商人「僕達は観客席かな・・混乱に乗じてさっさと始まりの国を離れよう」
523 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:51:11.04 ID:
9urEw9ic0
---武闘会2日前の監獄塔---
ピチョン ピチョン
隊長「・・・」スタスタスタ
騎士「がががが」ガシャン!! ガシャン!!
隊長「予見していた通り・・武闘会の2日前に選ばれた勇者が来た」
隊長「お前は私に結局何も話さなかったが・・何故来ることを知っている?」
騎士「ぐっぐっぐっぐ」
隊長「・・・衛兵に内通者が居るとは思えん・・・お前は本当は何者だ?」
隊長「お前の望み通り・・・選ばれた勇者と闘う事も決まった」
隊長「選ばれた勇者に何か伝言でもするつもりか?」
騎士「ぐっぐっぐっぐ」
隊長「その笑い声・・まさにバケモノだな・・寒気がする」
隊長「選ばれた勇者はまだ死なせる訳には行かない・・お前は足枷手枷付きで闘う事になるが・・」
隊長「何の意味がある?」
騎士「ぐっぐっぐっぐ」
隊長「・・・結局何も語らずか」
524 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:52:21.34 ID:
9urEw9ic0
---武闘会当日---
ザワザワ勇者が出るんだってさー
ザワザワどんな奴?
ザワザワ誰か知ってるか?
ザワザワ多分あいつだよ
ザワザワほらあのでかい奴
ザワザワあっちも強そうだよ
ザワザワ女だっていう噂
ザワザワ今回の勇者は女か?
ザワザワあの檻に入ってるのは何だ?
ザワザワ囚人じゃないか?
ザワザワ魔物だって噂
ザワザワなんか見たこと有る気が
ザワザワ・・でどれが勇者?
ザワザワ勝てば勇者だよ
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:52:48.10 ID:
9urEw9ic0
---檻---
騎士(ドラゴンはどこだ?)
騎士(僧侶達は何処に居る?)
騎士(観客席の何処かに居るのか?)
ガチャン ギギー
審判「出ろ!!次はお前の番だ!!」
騎士「・・・」ズル ズル
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/03(水) 23:53:29.18 ID:
9urEw9ic0
---闘技場---
司会「さぁいよいよ選手が出て参りました」
司会「正統派剣士と正統派僧侶の対決はAブロック・・なぜか僧侶の装備はこん棒です・・どうなるのでしょうか?」
司会「魔法剣士と聖戦士の対決はBブロック・・聖と魔の魔法対決!!魔法剣士は優勝候補と言われている様です!」
司会「勇者とレンジャーの対決はCブロック・・噂の勇者の実力はいかに!!」
司会「盗賊と謎の囚人の対決はDブロック・・囚人は重い足かせを付けての対戦となります」
司会「少し天気が悪くなって来ましたが決勝までは持つでしょう!」ドヨー
ワーワーワーワーワーワー
ヤンヤザワザワヤンヤ魔法剣士さまあああ?
ヤンヤザワザワヤンヤあいつが勇者?
ヤンヤザワザワヤンヤ囚人が出て来たぞー
ヤンヤザワザワヤンヤなんだあいつ?
ヤンヤザワザワヤンヤ剣士えらく小さいな
ヤンヤザワザワヤンヤ弓は反則じゃねーか?
ヤンヤザワザワヤンヤ盗賊の癖になんかでけぇ
ヤンヤザワザワヤンヤ聖戦士は美人らしいぞ
ヤンヤザワザワヤンヤキャーキャー魔法剣士様あ
ワーワーワーワーワーワー
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 08:42:12.12 ID:O+F1BWbDo
やっと始まりに追いついたか
面白い
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 20:18:11.18 ID:CMib5uFA0
乙
盛り上がってきたな
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:08:10.56 ID:
o6XQlM4D0
---闘技場Dブロック---
騎士(懐かしい・・あの時のままだ)
審判「お前はこれを使え!!」
騎士(鉄槌・・)
審判「両者!!闘技場へ上がれ!!」
騎士「・・・」ズル ズル
賊「ぐあっはー・・どっかで見たと思えば・・まだ囚人やってんのかぁ」
騎士「!!?」---あいつは---
賊「今度こそギッタギタのボッコボコにしてやんよ!」
騎士「うががががが」---怒りが溢れて来る---
賊「こっちぁ即効性の毒ナイフだ・・一発で決めてやんよ」
騎士「ヴォオオオオ」---収まらない---
賊「お〜恐えぇ恐えぇ・・負け犬にはお仕置きが必要だな」
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:08:42.68 ID:
o6XQlM4D0
審判「3・・・2・・・1・・・始め!!!」
賊「ひゃっほ〜う」ダダッ グサ
騎士はダメージを受けた
賊「ぐあっは〜即効性の毒だぁ!!」
騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!
賊「ぐはぁぁぁぁ・・」
賊はパリーをしたが効果が無かった
審判「!!?」---片手で鉄槌を!?---
騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!
賊「「ぐあぁ・・」グチャ
賊はダメージを受け異様な形に曲がった
審判「し、勝負あり!!」---まずい!死ぬ---
騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!
賊「ぐえ・・うがが」グチャ
賊はダメージを受け破裂した
審判「え、衛兵!!止めろ!!」---ミンチになる---
衛兵「は、はい!!」ダダダ
騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!
衛兵「押さえろぉ〜!!・・・ぐあ」
審判「もっとだ!!押さえつけろぉ!!」
騎士「ががが・・」
531 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:09:27.92 ID:
o6XQlM4D0
---檻---
騎士「ハァ・・ハァ・・」---自分が自分では無いみたいだ---
騎士「・・・」---次は昔の自分と戦う事になる---
騎士「ぐがが」---自分を保てるか---
騎士「うがああああ」---これが憎悪か?---
騎士「ハァ・・ハァ・・」---魔王の呪いか?---
ボエーーーー
騎士「!!?」---耳鳴り---
ボエーーーー
騎士「うがががが」---頭が割れそうだ---
532 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:09:56.02 ID:
o6XQlM4D0
---闘技場---
司会「準決勝の組み合わせを発表します
司会「正統派剣士vs怒涛の魔法剣士」
司会「期待の勇者vs謎の囚人」ボエーーー
司会「・・・」
司会「少し小雨がパラついて来ましたが問題ないでしょう!!」
司会「次の試合は試合終了の早かった勇者vs囚人から行います」ボエーーー
司会「・・・」
ドヨドヨザワザワ何か聞こえなかったか?
ドヨドヨザワザワ気のせいだろ
ドヨドヨザワザワさっきの囚人すごかったな
ドヨドヨザワザワこれは面白い試合になるぞ
533 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:10:24.26 ID:
o6XQlM4D0
---闘技場中央---
ガラガラガラガラガラガラ ガシャン
司会「いよいよ暴れん坊の囚人が出てきました
騎士「ガガガ グァ・・・・プシャー」ズル ズル
騎士「・・・」---なんと弱々しい---
ズルズル チャラン ズルズル チャラン
騎士(勇者下がれ!!)ズル ズル
勇者「何!?」
審判「それではこれより準決勝を始める」
騎士(近づくと死ぬぞ)
審判「黙れ囚人!!両者位置に付いて・・・」
騎士(来るな!!)
勇者「い・いくぞ!!」
審判「3・・・2・・・1・・・始め!!!」
534 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:11:03.20 ID:
o6XQlM4D0
---シーン---
勇者「来ないならこっちから行くぞ!」ダダダ ギーン
騎士は勇者の攻撃をパリーした
勇者「っつぅ!!」タジ
騎士(やめろ!!近づくな!!)ブン ガギーン
勇者は囚人の攻撃をパリーし損ねて吹っ飛んだ
勇者は武器を落とした
勇者「ぐあぁ」
騎士(下がれ!!・・)---上だ!!来てる---
勇者「・・・」ダダダ チャキン
勇者は武器を拾って身構えた
審判「何をしているバケモノ!!お前の望みを忘れたのか!」
勇者「え?!」
審判「勇者!!何を躊躇している!早くこのバケモノを倒せ!」
勇者「くっ」ダダダ シュ ザクン
騎士はダメージを受けた
騎士「ヴヴヴヴヴヴヴォォォ・・・」グイ ブン ガッサー
勇者は囚人の攻撃をヒラリとかわした
騎士(今ドラゴンが来る!!近づけば殺されるぞ!!)ブン
勇者「・・・」ユラリ ブシュ
勇者は騎士の攻撃をかわしカウンター攻撃を与えた
騎士はダメージを受けた
勇者「やったか!?・・・・回復が早い!」
囚人「ヴヴヴヴヴウヴォォォー」---仕方が無い---
ブン ドカン!
勇者「ぐあ・・」
勇者はダメージを受けた
騎士(下がれぇ!!)ブン ドサー
勇者は囚人の攻撃をヒラリかわした
ギャオース
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:11:51.63 ID:
o6XQlM4D0
騎士(僧侶達は!?)---何故だ?---
勇者「試合どころじゃなくなったな」
騎士(迎えに来た・・筈だ)
勇者「何?」
騎士(・・・そうだ・・ここで指輪を渡すんだ)
勇者「どういう事だ?」
騎士「ヴォォエー」ゲロゲロ コロン
勇者「指輪?」
騎士(魔女に返せ・・魔女の塔に居る!)ポイ
勇者「マジョ?おい!どういう事だ」パス
騎士(北の森だ!北へ行け!!)
勇者「森?・・・森って何だ?おい!」
ギャオース バサッ バサッ ゴウゥ ゴーン
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/04(木) 22:12:34.45 ID:
o6XQlM4D0
---
??「私がおとりになる〜」
??「何処に行く?!」
??「勇者の所まで〜援護してね〜」タッタッタ
ギャオース バッサ バッサ
??「ドラゴンさんこっちこっち〜」
??「そっちじゃないよぅ」
ギャオース ドスドスドス
騎士(・・あれは誰だ?僧侶か?)
??「助けに来たよ」
騎士(ドラゴンと僧侶か!?)---金髪?---
??「回復魔法!」ボワ
騎士「!!?」
??「勇者下がってぇ〜」
騎士「ハッ・・」---何が起こってる!?---
ギャオース ドシッ
勇者「ぐああああ」
??「あ!ダメ〜〜・・このぉ〜やめ・・」ゴン ゴン
---思い出した---
---この光景は何度も見ている---
---これは魔王が掛けた呪いだ---
---この世界は幻だ---
---ループするように造られている---
ギャオーース バクッ ゴクリ
---
---
---
---
---