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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part33



449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 21:14:32.05 ID:NA2ng6bg0
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商人「・・・そうか・・その女性は海葬されたのか・・」
僧侶「ひっく・・ひっく・・」ポロポロ
盗賊「言葉もねぇな」
薬剤師「お知り合いでしたか?」
商人「仲間だったんだよ」
薬剤師「火傷を負った人はその女性の身に付けてた銀のアクセサリーを大事にしてました」
僧侶「うぇ〜ん・・・一緒に買いに行ったのに」ポロポロ
商人「・・・でもどうして騎士は火傷を負ったんだろう?」
薬剤師「全身骨折もしていました」
商人「キマイラしか考えられないな」
盗賊「どこに居たんだ?魔王島には何も無かった・・」
商人「謎だね」
薬剤師「あの〜・・キマイラとは何でしょう?」
商人「話すと長いんだけど・・遺伝子操作された魔物?って所かな」
薬剤師「遺伝子操作!!・・例の疫病も普通の病気と違って人工の病気じゃないかと疑っていました!」
商人「なるほど・・君の考えは正しいよ」
薬剤師「・・という事は」ブツブツ
盗賊「薬剤師は商人に似てるなヌハハ」

450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 21:15:03.86 ID:NA2ng6bg0
---中立の国の商人ギルド---
ワイワイ ガヤガヤ
商人「囚人!戻ったよ」
囚人「早かったな・・往復で10日程か」
盗賊「あの飛行船はめちゃくちゃ早かったぞ」
囚人「俺が組み立てたからだ」
商人「例の作戦は順調かい?」
囚人「この通り物流が停滞して大混乱中だ」
商人「王国の動きは?」
囚人「思惑通り・・闇商人と取引したがっている・・どうする?」
商人「よし!食料だけ流通させる・・但し・・塩だけは流通させない」
囚人「買い占めて良いんだな?」
商人「良い・・これで王国は戦争を出来ない・・」
囚人「クックックお前のやり方は本当に闇商人だな」
商人「今は君が闇商人さ」

451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 21:15:46.68 ID:NA2ng6bg0
---秘密基地---
商人「・・・情報が揃ったね多分こういう事だ」
騎士は始まりの国の監獄塔に幽閉されている
魔女の指輪で看守の力を吸いながら生き長らえてるんだ
でも僕達5人だけで1000人近い衛兵を潜り抜けるのは無理がある
やっぱりドラゴンを先に仲間にする必要があるかな
盗賊「・・まぁ・・その通りだな」
僧侶「心配だよ〜う」ソワソワ
商人「きっと大丈夫さ・・僧侶は未来を知っている」
僧侶「・・・」
盗賊「これからどうするんだ?」
商人「砂漠の砂嵐を飛び越えてドラゴンの棲家に行く・・取引をする」
盗賊「終わりの国のドラゴンの子を解放するのか?・・被害が大きすぎないか?」
商人「もうほとんどの商船は僕の手にある・・海賊王に裏航路で待機させる」
盗賊「全部避難させるつもりか?」
商人「そうだよ」
盗賊「出来るのか?」
商人「出来るのか?じゃなくてやるんだよ」

452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 21:16:21.75 ID:NA2ng6bg0
やり方は終わりの国の地下墓地のゾンビを全部解放する
衛兵達はゾンビを相手にしなくてはならない
混乱に乗じて僕達は城の内部からドラゴンの子を解放する
城の内部は囚人が熟知している筈さ
ドラゴンの子を解放したら市民を全部船に乗せる
これは海賊王達がやるんだ・・話は付いてる
囚人「やっと復讐が出来る・・」
商人「今回は囚人と盗賊が肝だよ」
盗賊「俺が?」
商人「ドラゴンの解放は盗賊の鍵開けに掛かってる」
盗賊「!!!俺の専門分野か」
商人「中立の国での取引がひと段落したらドラゴンの棲家に行く」
商人「そこは命の泉という場所さ・・ドラゴンはそこを守っている」

453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 22:02:49.65 ID:NA2ng6bg0
---数日後---
僧侶「ねぇ・・塩が無いとどうして戦争ができないの?」
盗賊「おう!それはだな・・保存食が作れないからだ」
僧侶「保存食?」
盗賊「普通の食べ物は塩が無いとすぐに腐ってしまう・・1週間もすれば兵士は食べるのもが無くなる」
僧侶「へ〜」
盗賊「その他にもな・・戦いで血を流すと動けなくなる・・塩水を与えないとしばらくは動けん」
僧侶「そんなに大事な物だったんだぁ〜」
盗賊「塩が無いと逃げる敵も1週間で追えなくなる」
商人「よし!取引が終わった!明日ドラゴンの棲家に向かおう!」
囚人「商人ギルドは他の者に任せて良いのだな?」
商人「塩だけは流通させないように徹底させて」
囚人「わかっている」

454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 22:03:17.60 ID:NA2ng6bg0
---飛行船---
盗賊「よ〜し荷物全部積んだぞ」
囚人「商人!お前はもう歩けるようになったのか?」
商人「薬剤師の薬のおかげで随分楽になったよ・・食欲もあるんだ」
囚人「食欲があるのは良い事だ・・」
商人「ハハハ君には関係の無い話か・・血は足りているかい?」
囚人「闇取引では生き血も手に入る」
商人「血を売って金貨を稼ぐ人もいるからね」
盗賊「おい!!早くのれぇ!!出発するぞぉ〜」
僧侶「どれくらいかかるの〜?」
盗賊「地図によると歩けば2ヶ月だ・・この飛行船なら10日で行けるかもしれん」
商人「砂漠を歩くのは大変だよ・・僕はムリだ」
ゴゴゴゴゴゴゴ プシュー フワフワ

455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/30(土) 22:03:50.49 ID:NA2ng6bg0
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僧侶「薬剤師は何してるの〜?」
薬剤師「・・これはねスライムがあたしの体に入った毒だけ食べれるか実験してるの」
僧侶「なんか気持ち良さそ〜うウフフ」
薬剤師「全身なめまわされてる感じよ・・・やっぱり・・・反応が消えてる」
僧侶「???」
薬剤師「すごい事を発見したかも・・・」
商人「どうしたんだい?」
薬剤師「スライム・・この子はどんな毒でも直せる事を発見したみたい」
商人「僕にもやってもらえるかな?」
薬剤師「多分・・大丈夫」
商人「どうすれば良い?」
薬剤師「少し横になって・・・ハイご飯でちゅよ〜」ベチャ
商人「うはは・・くすぐったいな」
薬剤師「そのままじっとしててね」
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商人「なんか体がすごい楽になった気がする」
薬剤師「多分商人は心臓の機能が低下した事で腎臓の機能も低下してて体の毒を排泄しにくくなってるの」
商人「体に溜まった毒を全部食べてくれた?」
薬剤師「・・・これはすごい発見だわ!!スライムと人間は共存出来る!!」
僧侶「ねぇねぇ私達ってさぁ〜本当に魔王軍みたいだね〜」
盗賊「ヌハハ薬剤師連れてきて本当に良かったな」

457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:42:57.17 ID:PDJX4b4O0
---砂嵐地帯---
ビョーーーーウ バサバサバサ
盗賊「・・・こりゃ巻き込まれたら終わりだな」
僧侶「地面から空まで渦が繋がってるぅ〜」
商人「地上から見ると砂嵐だけど上空から見ると竜巻だね」
盗賊「この間を縫って行けば良いんだな?」
商人「そうだよ・・抜けると高い山がそびえ立ってる筈さ」
盗賊「ハンター達はここを通ってドラゴンを狩りに行くのか?」
商人「いや・・山の尾根沿いに行くと聞いてる・・普通に行くのは難しいらしい」
盗賊「・・その命の泉って所の場所は分かってるのか?」
商人「一番高い山の頂さ・・行って見れば分かるはず」
盗賊「いきなり山頂に降りるのか?」
商人「ハハハ盗賊ならできるだろう?」
盗賊「ドラゴンに襲われたらどうする?」
商人「その時はその時だよ」
囚人「クックック・・命がいくつあっても足りんな」

458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:43:39.06 ID:PDJX4b4O0
---山頂---
ビョーーーーウ バサバサバサ
盗賊「見えて来た・・た、高けぇ・・まだ高度上げるのか」
商人「はぁはぁ・・さすがに息苦しいね」
薬剤師「商人!ゆっくり深く呼吸をしてね・・息を乱さないで」
商人「僕はやっぱり背負ってもらわないといけない様だ」
盗賊「それは気にするな」
僧侶「ねぇねぇもしドラゴンさんが来たらどうするの〜?」
商人「僧侶は精霊の加護の祈りをして欲しい」
僧侶「わかった〜」
盗賊「よし!!じゃぁ直接命の泉の前に下りるぞ」
フワフワ ドッスン
シーン・・・
盗賊「何も居ない様だ・・商人背中に乗れ」
商人「先頭は囚人にお願い・・僧侶と薬剤師は後から付いてきて」
囚人「行くぞ」
僧侶「命の泉って言うのに草木も生えてないんだね〜」
盗賊「ここは標高が高すぎる・・高山植物すら・・」
商人「よく足元を見てごらん」
僧侶「・・・苔だぁ・・すごく小さな花が咲いてる〜かわいい〜♪」
商人「古文書にはその苔に癒しの効果があると書いていた・・さわってごらん」
僧侶「・・やわらかくて気持ち良い〜ウフフ」
商人「僕は少し確かめたい事があるんだ・・命の泉まで行ってくれるかな?」
囚人「泉のある場所だな?こっちだ」
盗賊「音が・・俺達の足音しか聞こえない」
囚人「下界とは隔離された場所の様だ」
商人「いや・・そうでもないよ・・微かに水の音がする」サラサラ

459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:44:22.89 ID:PDJX4b4O0
---命の泉---
サラサラ サラサラ
盗賊「ここが・・命の泉?」
商人「何か見えないかい?」
僧侶「湖の真ん中に何か突き立ってるぅ〜」
商人「!!!やっぱり古文書の内容は本当だったんだ・・」
盗賊「なんだアレは?」
商人「多分魔王が突き立てた魔槍だよ・・囚人!!あの魔槍を抜けるかな?」
囚人「・・・」ジャブジャブ
僧侶「浅〜いウフフ」
囚人「フン!フンッ!フーンッ!・・だめだ俺の力では引き抜けん」
商人「そうか・・仕方が無いね」
盗賊「あの魔槍がどうかしたのか?」
商人「古文書では魔王は命の泉を汚して人間を弱体化させたとある・・」
盗賊「伝説の話だろ?」
商人「ひょっとして僕達の飲む水はこの魔槍のせいですべて汚れているのかと・・」
ギャオース

460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:45:04.14 ID:PDJX4b4O0
盗賊「!!!ドラゴンが戻って来た!!!」
囚人「待て!!水場の方が都合が良い」
商人「僧侶・・精霊の加護を・・」
僧侶「は〜い。オッケ〜」
ギャオース バッサ バッサ ゴゴ〜ン
盗賊「で、でけぇ・・」
商人「ドラゴンと取引をしに来た!!助けになって欲しい!!」
ギャオース ゴゥ ゴーン
盗賊「うわ・・いきなりブレスか」ヒヤ
商人「大丈夫だよ・・精霊の加護に守られている」
ドラゴン”精霊の加護を持つ人間か”
ドラゴン”人間よ我は下等な人間とは取引などしない”
ドラゴン”命の泉が汚れる・・立ち去れ”
商人「6匹のドラゴンの子を解放すると言ってもかい?」
ドラゴン”・・・・・”
商人「終わりの国でドラゴンの子が捕らえられてるのは知っている・・それを解放する」
ドラゴン”人間は信用出来ん・・立ち去れ”
商人「ならこうしよう・・僕達がドラゴンの子を解放する様を見ていてくれ」
ドラゴン”・・・・・”
商人「話はその後にしよう・・ただ・・少し協力してもらわないと解放できないかもしれない」
ドラゴン”・・・・・”
商人「解放したドラゴンの子を導いて欲しい・・なからず助ける」
ドラゴン”話は終わりか?・・・ならば立ち去れ”

461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:45:36.18 ID:PDJX4b4O0
---飛行船---
ゴゴゴゴゴゴゴ フワ フワ
盗賊「おい!良いのか?取引が成立したとは思えんが・・」
商人「フフならどうして僕達は自由に飛行船で帰れる?」
盗賊「・・・そういやそうだな」
商人「ドラゴンは僕達を殺すことなんて簡単な筈さ」
僧侶「商人!あったまい〜〜ウフフ」
商人「ドラゴンは何も言わないけど了解したんだよ・・僕達の行動を遠くで見てる」
盗賊「次はどうする?」
商人「海賊王と接触する・・いよいよドラゴンの子を解放する最後の調整だ」

462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:46:04.55 ID:PDJX4b4O0
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僧侶「ねぇねぇ・・命の泉に突き立ってた魔槍・・なんか気になるなぁ・・」
商人「・・・君もそう思うかい?・・・僕もなんだ」
僧侶「あの魔槍は抜かないといけない気がするの〜」
商人「水を汚して人間を弱体化さてたってどういう事なんだろう」
僧侶「もしもわたしが命の泉だったらね〜あんなの刺さってたら痛いと思うんだ〜」
商人「痛い・・ねぇ・・・」
囚人「痛みは憎悪に似た感情を産む・・それが流れ出てるのかもしれんな」
商人「その水を長い年月僕達は飲み続けてるのかな」
囚人「・・かもしれんな」

463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:46:30.65 ID:PDJX4b4O0
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盗賊「ぬふふ・・」
僧侶「にま〜」
盗賊「あの2人は相性が良さそうだ」
僧侶「うふふのふ〜」
(・・僕はこう思うんだ)
(・・でもそれは・・)
(いいよ手伝ってあげる)
(あたしがやるからいい)

464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:46:58.86 ID:PDJX4b4O0
---1ヵ月後海賊船---
ザザー ザブーン
盗賊「この義手と義足すげぇな・・」
海賊王「それはなぁ・・機械の国で作った特注品や・・力の魔石と風の魔石が入っとる」
盗賊「どんな効果だ?」
海賊王「義手の方は力の魔石でな・・重い物でも持てるようになるんや」
盗賊「ほぅ・・」
海賊王「義足の方は風の魔石や・・すばやく動けるんや」
盗賊「・・でもなんでこんなに沢山・・」
海賊王「わいの趣味や・・海賊王たるものかっこ良くなくてはイカン」
盗賊「・・元がかっこ悪いのはどうする?」
海賊王「!!?なんやとぅ!!」
女海賊「まぁまぁまぁまぁ・・パパ落ち着いて」
盗賊「うはぁ・・恐えぇ恐えぇ」

465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/31(日) 14:47:28.83 ID:PDJX4b4O0
---船長室---
商人「じゃぁ良いかな?海賊船は終わりの国の裏航路で待機」
海賊王「わかっとるわ・・市民を避難させれば良いんやな?」
商人「うん・・行き先はこの裏航路を通って辺境の村に降ろせば良い」
海賊王「辺境の村に全部移せるんか?」
盗賊「大丈夫だ・・十分な広さと最低限の食料も自給できる」
海賊王「怪我人も運んでえーか?」
盗賊「辺境の村には薬草が大量にある筈だ・・よほど足りる」
商人「・・それで終わりの国の地下墓地への横穴は完成したのかな?」
海賊王「大丈夫や!!教会の裏から斜めに地下墓地まで掘った・・鉄柵上げればわんさか出てきよるで」
商人「よし!!それは女海賊に任せる・・良いかい?」
女海賊「アタシに不可能は無いよ!!」
商人「ドラゴンの解放は囚人と盗賊の2人でお願い」
囚人「わかっている」
商人「僧侶と薬剤師は僕と一緒に怪我人の処置だ」
僧侶「は〜い」
商人「じゃぁ行こうか・・」
---わたしたちがやっていることは正しいことなのかな?---