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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part30



396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:53:21.03 ID:VaSz6UdN0
---調理場---
ガチャガチャ
船乗り「手伝ってやろうか?ヒヒヒ」
薬剤師「あ!!お願い〜」
船乗り「何作ってるんだ?」
薬剤師「上毒消し薬を作ってるの・・これを船長さんまで運んで」
船乗り「わかった」
薬剤師「船乗りさんは体調悪くない?」
船乗り「俺は大丈夫だなぁ・・」
薬剤師「一応今日から甲板で寝てくれるかな?」
船乗り「なに〜〜!!?そりゃないべ?」
薬剤師「船乗りさんまで病気になったらこの船の操作誰がやるの?」
船乗り「そんなもん・・大丈夫だべ?」
薬剤師「お願い・・多分漁師さんも病気に掛かってると思う」
船乗り「うは・・」
薬剤師「まだ到着まで1〜2週間掛かるよね?」
船乗り「ん〜〜・・まぁしょうがねぇなぁ・・」

397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:53:52.21 ID:VaSz6UdN0
---2週間後---
船乗り「はぁはぁ・・もうだめだぁ・・はぁはぁ」
漁師「ううぅぅ・・」
薬剤師「どうしよう・・病気に掛かってないのはあたしだけ・・」
漁師「せ、船長もダメか?はぁはぁ」
薬剤師「ダメみたい・・船の操作分からないよぅ・・」
漁師「なんでネーチャンだけ掛からないんだ?」
薬剤師「免疫・・だと思うんだけど・・あたしの血清だと毒消しにならないの」
漁師「この間目に入れた液体の事か?」
薬剤師「どうしてあたしだけ免疫が出来たのかな?・・・」
漁師「その勇者は病気に掛かってないのか?・・はぁはぁ」
薬剤師「熱は出てないみたい・・あぁ・・そろそろ薬草を張り替えないと」
騎士「・・・」
薬剤師「・・・ハッ!!衣服に付いた血・・・あたし触ってる・・」
漁師「???」
薬剤師「免疫があるのは勇者さんかも・・」
騎士「・・・」
薬剤師「ごめんね勇者さん・・少し血を貰うね?」チクッ
騎士「あが・・」ポタポタ
薬剤師「・・・これで血清を作ってみる!」ゴソゴソ
ブンブン グルグルグルグル

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:54:20.38 ID:VaSz6UdN0
---翌日---
薬剤師「どう?少しは良くなってる?」
漁師「・・わからんがラクになった気はする」
船乗り「んがーーーすぴーーーんがーーーすぴーーー」
薬剤師「血清が少ししか無いから一滴づつしか使えないの・・他の人にもあげてくる」
騎士「・・・」
薬剤師「待っててね・・すぐ戻ってくるから」
タッタッタ

399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:54:54.73 ID:VaSz6UdN0
---3週間後---
船乗り「ひょーーう見えて来たぁ!!」
漁師「おう!!病気でどうなるかと思ったけど・・なんとかなったなぁ」
船乗り「薬剤師のネーチャン呼んでくるわ」
船長「薬剤師には礼を言わんといかんな」
漁師「本当だ・・あのネーチャンが居なかったら今頃この船は幽霊船になってたハハハ」
船長「まったくだ・・」
船乗り「連れてきたぜぇヒヒヒ」
薬剤師「・・みんな元気になって良かったですね」
船長「少し到着が遅れたが昼中には始まりの国の港町に到着する」
漁師「降りる準備をしておこう!」
船長「薬剤師さん・・今回は大変お世話になった・・乗船員を代表してお礼を言わせて貰う」
薬剤師「いえ〜とても勉強になりました」
船長「少ないがコレを持って行きなさい」ジャラリ
薬剤師「え!?こんなに?」
船乗り「ひょーーー儲けたなぁ!!帰りの船代でもお釣りが出る!」
薬剤師「ありがとうございます!」

400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:55:38.08 ID:VaSz6UdN0
---港町---
漁師「到着!!」
船乗り「これからどうする?」
漁師「怪我人をタンカに乗せながら動くのはあからさまにおかしいな・・」
薬剤師「馬車を借りれないかな?・・お金はあるし」
漁師「そんなのに使うのはもったいない」
船乗り「あそこに居る衛兵に声を掛けてみよう」
漁師「俺が行って来る」
衛兵「・・・どこだ?」
漁師「ここですわ・・そしてこれが所持していた勇者の証です」
衛兵「!!!・・・ここで少し待ってろ!町の警備隊を呼んでくる」
漁師「ほらな?これで泊まる宿の心配も無しだ」
薬剤師「直接始まりの国へ行った方が良かった気もするけどなぁ・・」
船乗り「馬車は揺れるぞ?」
薬剤師「そうかぁ・・背骨が折れてるから揺れない方が良いかぁ」
漁師「これで適切な処置をしてもらえる」
衛兵「こっちだ!!」
警備隊「ひとまず警備隊宿舎に運ぼう」
薬剤師「あ!!!待って!!!」
衛兵「ん?」
薬剤師「全身骨折してるから動かさないで・・」
衛兵「全身骨折だと?」
薬剤師「特に背骨が折れてるから動かすとショック死する可能性が・・」
衛兵「なんと!?」
薬剤師「タンカを使ってゆっくり運んで下さい」
衛兵「わかった・・警備隊!・・揺らさないように運ぼう」

401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:56:11.90 ID:VaSz6UdN0
---警備隊宿舎---
薬剤師「・・・大丈夫でしょうか?」
治療師「絶対安静です・・・生きているのが不思議なくらいです」
漁師「俺達はどうすれば良いかな?」
衛兵「今始まりの国へ連絡が行ってる・・指示があるまで警備隊宿舎で過ごして良い」
船乗り「港町に少し出ても?」
衛兵「それは少し待ってくれ・・君達が居なくなると私が上官に怒られる」
船乗り「・・・」
衛兵「事情を今聞く事も私には出来ない・・上官が来るまで待って欲しい」
漁師「・・せめて美味い食事だけでも・・」
衛兵「それは心配しなくて良い・・この客室でゆっくりしてくれ」

402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 22:56:56.03 ID:VaSz6UdN0
---数日後---
??「ここに居るのだな?」
??「はい!勇者を発見した者と思われるのが他に3名居ます」
??「分かった・・他の人を払え」
??「はぁ・・治療師もですか?」
??「そうだ」
??「分かりました」
ガチャリ
衛兵「治療師!部屋を出ろ!」
治療師「は、はい・・」スタスタ
衛兵「では・・どうぞ・・」
隊長「・・・」スタスタ
バタン
隊長「私は始まりの国の衛兵隊長だ・・緊張しなくて良い・・まずは今回の件・・礼を言う」
漁師「は、はい!」
隊長「3名にはそれぞれ礼金として金貨一袋を用意させる・・のちほど衛兵より渡されるだろう」
漁師「き、金貨一袋!!?」
船乗り「それぞれ!!?」
薬剤師「あわわわ・・」
隊長「して少し聞きたい事がある・・勇者を発見した場所と状況を詳しく教えてくれ」
漁師「はははははい!!それは・・・」
カクカクシカジカ
---
---
---

404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 23:27:08.73 ID:VaSz6UdN0
隊長「そうか・・・その海葬をしたのは女性だったのだな?」
漁師「はい・・勇者の仲間とは知らずに」
隊長「特徴は覚えているか?」
漁師「海鳥に食い荒らされて居まして・・肌の色は白でした・・」
隊長「!!?なに?・・褐色では無いのか?」---白だと?---
漁師「間違いなく肌の色は白でした・・あ!あと毛髪は金色で腰までの長さがありました」
隊長「ふむ・・」---妹では無いな---
船乗り「・・銀のアクセサリーを・・」
漁師「何!?お前!!金目の物を盗ったなぁ!!」
隊長「今持っているか?」
船乗り「こ、これです」
騎士「ヴオオオォォォ!!」ググググ
薬剤師「ハッ!!動いちゃダメぇ!!」
隊長「かまわん!!やらせろ」
騎士「うががが・・」ズル ズル
船乗り「ひゃぁ・・・す、すまねぇ」
隊長「ふむ・・そのアクセサリーに思い入れがある様だ」
薬剤師「動ける体じゃないのに・・」
隊長「・・・3名!話は良くわかった!衛兵から礼金を受け取り帰路に戻って良い!」
薬剤師「あとはお任せしても良いのでしょうか?」
隊長「良い!万全の治療を施す」
薬剤師「ありがとうございます!!」
漁師「ではよろしくお願いします」
船乗り「うひゃぁ・・俺は金持ちだぁ・・」

405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/27(水) 23:31:23.61 ID:VaSz6UdN0
---
隊長「さて・・勇者・・話は出来るか?」
騎士「ががが・・」
隊長「無理なようだな・・まぁ良い・・今はまず体を直せ・・のちに聞きたい事が山ほどある」
騎士「がっがっがっがっが・・」
隊長「なんだ?笑っているのか?」
騎士「がっがっがっがっが・・」
隊長「気でも狂ったか!?それにしても火傷が酷いな・・以前の面影がまったく分からない」
騎士「ぐっぐっぐっぐ・・・・」
隊長「まだ目は生きているな・・・それほどまでにやられて今何を望む?」
騎士「・・・」
隊長「タフな男だ・・魔王城へ行って来たのだろう?・・私は未だ行ったことが無い」
騎士「・・・」
隊長「前任の隊長から話は聞かされているが・・これほどとはな」
騎士「ぐっぐっぐっぐ・・・・」
---自分がどうなるか知っているのはこんなにも愉快とは---

406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/28(木) 00:20:28.55 ID:AzB9GwmC0
---1ヵ月後始まりの国---
ガラリゴロリガラリゴロリ
門番「馬車を早く入れろ!」
衛兵「隊長はどこに?」
門番「今来る・・衛兵宿舎前で待て」
ガラリゴロリガラリゴロリ
隊長「・・・」スタスタスタ
衛兵「連行して来ました」
隊長「容体はどうだ?」
衛兵「順調に回復しているとの事です・・肩を貸せば歩ける様です」
隊長「そうか・・驚くほど早いな」
衛兵「治療師も同じ事を言ってました・・一体何者なんですか?」
隊長「それは機密事項だ」
衛兵「はぁ・・」
隊長「よし!私が肩を貸して連れて行く!衛兵は戻れ!」
衛兵「ハッ!」
隊長「いくぞ・・」グイ
騎士「あがが・・」

407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/28(木) 00:21:03.86 ID:AzB9GwmC0
---地下牢---
隊長「看守!手を貸せ!」
看守「ハッ!」
隊長「先日の騒動の囚人から何か聞き出せたか?」
看守「例の囚人もキマイラの事を知っていた様です」
隊長「そうか・・」
看守「ですが・・おそらくもう死んでいます」
隊長「まぁ良い・・仕方がない・・墓地へ運んでおけ」
看守「それにしてもこの新入り・・ひどいですな」
隊長「舌を噛み切らん様にくつわをはめておけ」
看守「はぁ・・しかし」
隊長「食事はしっかり与えろ・・重要な参考人だ・・手当ても怠るな」
看守「ハッ」
ガチャリ ギー
看守「やはり死んでいます・・」
隊長「引きずり出せ・・新入りと交代だ」
看守「ハッ・・」ズルズル
隊長「私はもう少しここに居る。お前はその死体を早く外へ出せ。ヘドが出そうだ」
看守「ハッ!!10分で戻ります!くれぐれも囚人には近づかないで下さい」
隊長「なぜだ?」
看守「隊長にもしもの事があったら他の衛兵に袋叩きに合います」
隊長「フフ馬鹿にするな!そこらの男には負けん」

408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/28(木) 00:21:39.22 ID:AzB9GwmC0
---
隊長「今日からお前の寝床はここだ・・・国王様の指示だ」
騎士「ぐっぐっぐっぐ・・・・」
隊長「何が可笑しい?・・気味の悪い奴だ・・ここの牢は鍵を掛けていない」
騎士「!!?」
隊長「逃げようと思えばいつでも逃げれる・・お前のその状態なら無理だろうがな」
騎士「・・・」
隊長(さわぐなよ?)ヒソ
隊長(模範的な囚人のフリをしていろ・・体をしっかり直したら逃げろ)
隊長(海賊王に会え・・始まりの国の隊長の遣いだといえば通る)
隊長(私ができる事はここまでだ・・)
隊長(但し・・知っている事すべてを私に話してからにしてくれ)
騎士「・・・」---なんだ?予定が違う---

410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/28(木) 22:48:34.19 ID:AzB9GwmC0
---数日後---
囚人1「・・ちぃ!!この足枷どうやっても外れねぇ!!」
囚人2「脱走しようとするからだよアハハ」
囚人3「おい!見てみろよ・・新入りは特別扱いだぜ?」
囚人4「看守の隙を狙ってシメるか?」
囚人1「看守は外だ・・お前ら足枷無ぇんだから静かにシメてこい」
囚人2「ひゅぅぅぅちょっくら行ってくる」

411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/28(木) 22:49:29.54 ID:AzB9GwmC0
騎士「・・・」
囚人2「おい!新入り・・なんでお前だけ食事が違うんだ?アー?」
囚人3「寝転がってんじゃねぇぞゴラ」ドス
騎士「がが・・」
囚人4「うお!!!なんだこいつ・・ひでぇ火傷だな」
騎士「・・・」ギロ
囚人2「んあぁぁ!!?気に入らねぇ目ぇしてんな?」
囚人3「うははぁ・・・なんか言って見ろ」
騎士「・・・」
囚人2「なんだお前!?そんなツラしてシカト決めてんのかぁ!?アー?」
騎士「ががが」
囚人3「うひゃっはぁー声も出ねぇのか!!」
囚人1「お前ら騒ぎすぎるな!!適当にシメておけ!!・・・静かにな」
囚人2(俺ぁ甘やかされてる奴が気に入らねぇんだ)ゴス ゴス
騎士「うが・・」
囚人3(うひゃひゃひゃ・・抵抗もしねえぞ?もっとやっちまえ!)ガス ガス
囚人4(おいおい!!俺にもやらせろ)ドス ドス
騎士「んがが・・」コロン
囚人2(お!!?なんだこりゃ?銀のアクセサリーか?)
囚人3(ひゃひゃひゃ・・乙女チックじゃ〜ん?)
囚人4(貰っちまえ!!)
騎士「うがああああ」---思い出した!!---
囚人2(ひょー反応したぜぇ〜うははぁ・・)
騎士「ぐぐぐぐぐ」---こいつら・・--
囚人3(返して欲しいのかぁぁぁぁ!?そうはいくか・・這いつくばってろ!)ゲシ ゲシ
騎士「ヴォオオオオオ」---エルフの娘をさらった奴らだ---
囚人4「雄叫びぃぃぃ・・ひゃっはぁ〜」グリ グリ
騎士「・・・」---くそう・・もっと力が欲しい・・---

412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/28(木) 22:50:12.90 ID:AzB9GwmC0
囚人4「うはぁ!!・・」ドタリ・・
囚人2「!!?なんだ?お前何した!!」
騎士「???」
囚人3「何かしやがったぞ!!!ふざけんなぁ!!」ゴン ゴン ゴン
騎士「うぐう」---くそ・・体が動かない・・---
囚人2「急所ねらえ!急所!!」ゴスン ゴスン
騎士「・・・」---動けぇ!!---
囚人3「くぅぅ!!・・」ドタリ・・
騎士「???」
囚人2「な、なんだぁ!!」
看守「お前らぁ!!何してる!!」
囚人2「!!?・・いや・・この新入りが他の囚人に襲い掛かってくるんだ・・」
看守「なにぃ!!?」
囚人2「見てくれ・・囚人3と囚人4がこの新入りにやられた」
看守「そんな訳ないだろ!!新入りは動けない筈だ!!」
囚人1「いや・・俺は見てたぜ・・新入りが無慈悲に殴り倒す所を」
看守「他の囚人も見てたのか!?」
囚人1「見てたよなぁ!・・全員!!」
他囚人「・・・」コク
騎士「・・・」
看守「ん〜む・・足枷を着けるか」
囚人1「手枷もつけた方が良い・・そいつの手は早い」
看守「・・・他囚人!!倒れてる囚人を元の部屋に引きずって行け!」
囚人1「あんまり暴れる囚人とは過ごしたくねぇなぁ・・」