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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part28



360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:10:18.96 ID:v0qjMC980
---数ヵ月後---
盗賊「ヌハハ生傷が耐えんな」
青年「ハァハァ・・もう剥ける足の裏の皮が無いよ・・」ガクガク
盗賊「次は土砂を運ぶぞ」
青年「土砂?」
盗賊「この村の全周に土砂を積んで柵を立てる・・安全の為だ」
青年「僕一人で?」
盗賊「そうだ・・柵を立てておけば村を守る場所は一箇所で良い」
青年「土砂を積む理由は?」
盗賊「かっこいいからに決まってるだろ!」
青年「・・・」
盗賊「裏の山から土砂を運ぶぞ」
青年「人力でしかも車輪無しで引きずる?」
盗賊「ヌハハ察しが良いな・・足腰と上半身の強化だ」
青年「わ、わかったよ・・」
少年達「あ、あれは真似出来ないな・・」

361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:11:09.45 ID:v0qjMC980
---半年後---
少年「お〜いそっち引っ張ってくれ〜」
少女「こう?」
少年「そうそう!これで見張り台になる」
少女「みせてみせて〜」
盗賊「この村の子供たちは良く協力し合うな」
青年「半年前とは見違える程元気になったね」
盗賊「狩りも大分上手くなって食事に困ることは無くなったな」
青年「魔物が来なければ割りと上手くやっていける」
盗賊「どんな魔物が来る?」
青年「粘菌のような魔物だよ」
盗賊「聞いたことが無いな」
青年「毒か病気を持ってるんだ」
盗賊「昔話ではスライムという魔物が居たらしいが・・」
青年「それかも知れないね」
盗賊「良い事を教えてやる・・魔物は階段を上がれない事が多い」
青年「え?」
盗賊「次は村の周りに堀を作ろう・・階段に出来れば尚良い」
青年「・・・・・そう来るか」
盗賊「もちろんお前一人でだヌフフ」

362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:11:43.42 ID:v0qjMC980
---
盗賊「たまには立ち回りやるか?」
青年「よし!!今度こそ!!」
少年「お〜お兄ぃ!頑張れ!」
青年「いくよ!!」
盗賊「来い!!」
カン カン コン スッ
盗賊「!!!そうだ・・そうやって間を詰める」
青年「行ける・・」
カン カン コン スッ
盗賊「良い!!自分の間合いから離すな」
少年「おぉぉすげぇぇぇ」
少女「お兄ぃかっこいい〜〜」
盗賊「よし!明日から立ち回りも毎日やって行こう」
青年「穴掘りの後に?」
盗賊「そうだ・・疲れている時の方が荒が分かりやすい」

363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:12:25.22 ID:v0qjMC980
---
少年「お〜〜い!!大変だ〜〜」
盗賊「どうしたぁ!?」
少年「荷物が届いてる・・盗賊さん宛てに」
盗賊「なんだと!?見せろ」
配達人「盗賊さん宛てに商人から届け物です」
盗賊「うわ・・えらい沢山持ってきたな」
配達人「手紙も預かってます・・どうぞ」
”やぁ盗賊、元気にしているかな?
”君が騎士の師匠になる事は僧侶から聞いたよ
”どうやらこれも予定通りらしい
”こっちは順調に情報を集めている
”辺境の村で役に立ちそうな物を送るから
”有効に使って欲しい
”帰りを待っている
盗賊「荷物は何だ!?」
配達人「武器と防具類・・塩にコショウ・・薬と食料・・全部大量にあります」
盗賊「そりゃすげぇな・・お〜いお前らぁ今日は今までに無いご馳走が食えるぞ!!」
少年達「うおぉぉぉぉ」
盗賊「おい!配達人!今から手紙を書くから商人に届けてやってくれ」
配達人「わかりました」
”商人へ
”辺境の村で掴んだ情報を送る
”勇者の選定は中立の国がやっている
”始まりの国は細菌兵器の開発もやっている
”細菌兵器に効く薬の開発も終わっているようだ
”ここ最近は魔物の数が減っている
”帰るのはもう少し掛かりそうだ
”僧侶へ
”騎士には親御が居ない
”騎士は非常に良い奴だ
”村の子供たちの為に一人で闘っている
”まだ例の伝言は伝えていない
盗賊「よし・・これで良い・・配達人!よろしく頼む」

364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 23:45:42.13 ID:v0qjMC980
---8ヵ月後---
カーン カーン キーン
盗賊「よし!少年達もいっぱしの戦士になってきたな」
青年「お〜い実戦用の武器使うと危ないぞ」
少年「まだまだぁ!!」
カーン カーン キーン
盗賊「自主的にやったにしちゃ上出来だ!」
少年「これで魔物も怖くない!」
盗賊「その意気だヌハハ」
青年「師匠!村の全周に堀と階段作るの終わりました!」
盗賊「そうか!じゃぁ次の事を教えてやる」
青年「次?」
盗賊「お前の腕力と速さはもう十分だ・・次は技だ・・必殺技を教えてやる」
青年「必殺技・・」
盗賊「来い!立ち回りをやる!全力で力任せにやってみろ」
青年「はい!行きます」
盗賊「おっと・・ちょっとまて木の棒でやろう・・来い」
ガス! ガス! ゴス!
盗賊「おっとっと待て待て・・俺じゃお前の腕力には叶わん・・見てろもう一回来い」
青年「全力で行く!」
ガス! ガス! ゴス!
フラリ スッ ピタ
青年「ハッ!!!!!消えた・・」
盗賊「残念だがお前の首はもう無い」
青年「・・・」ゾクリ
盗賊「これはなぁ・・アサシンスタイルと言う」
青年「どうして目の前から消える?」
盗賊「目の盲点に入って背後に回るんだ・・盲点は意外とあちこちにある」
青年「どうやって・・」
盗賊「1対1で対峙すると剣の先や柄の動きに目が行くだろう?・・・その時ここが見えない」ボカッ
青年「いだっ!!」
盗賊「俺の目を見ている時は・・・ここが見えない」ボカッ
青年「あたっ!!」
盗賊「相手の視線の死角に入り続けて背後に回る」フラリ スッ ピタ
青年「え?え?・・・ゴクリ」
盗賊「やってみろ」
少年達「アレなにやってるんだ?2人で踊ってるみたいだ」

365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 23:46:33.11 ID:v0qjMC980
---9ヵ月後---
フラリ スッ ピタ
盗賊「そうだ!それで良い・・お前は正攻法よりもそっちの方が向いているな」
青年「アサシンスタイルは盲点さえ分かれば色んな派生が出来るね」
盗賊「そうだな・・左右上下どこに回っても良いな・・足裁きが重要だ」
青年「こんな所で3メートル往復の練習が約に立つなんて・・」
盗賊「お前の脚力なら背後に回るのは1歩で済む・・だがな・・これは人間にしか通用しない」
青年「魔物を相手にする勇者の技じゃないねハハ」
盗賊「それがアサシンスタイルと言われる由縁だ・・忌み嫌われる」
少年「お〜〜い!!大変だぁ!!」
盗賊「あの少年いつも大変だ大変だって・・オオカミ少年になるぞ」
青年「ハハ・・・どうしたんだい?」
少年「はぁはぁ・・また兵隊が来た・・多分勇者の件だと思う」
青年「!!!今行く」
盗賊「俺は隠れて様子を見ておく・・行って来い!」
青年「わかった・・」

366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 23:47:18.82 ID:v0qjMC980
---
盗賊「・・・」---今回は長いな---
盗賊「お!?」---兵隊と1対1か?---
盗賊「面白そうだな・・・近くまで行くか」
??「・・では試合を始める・・両者礼!!」ペコリ
青年「お手柔らかに・・」
衛兵「本気で行くぞ!」ダダダ キーン
青年「つつつ」
カーン キーン キーン カーン
衛兵「防戦一方か?」
カーン キーン キーン
フラリ スッ ピタ
衛兵「消えた!?」
??「それまで・・」
衛兵「何!?」ギクリ
青年「・・・」
衛兵「いつの間に背後に・・」タラリ
??「これで決まりの様だな・・新しい勇者は青年!!君に決定だ」
青年「他の勇者候補は?」
??「何度も言わせないで欲しい。両親の理解を得れなかったり、模擬戦で勝てなかったり・・」
青年「僕には両親が居ない」
??「尚のこと都合が良い。十分な強さも持っている様だし申し分無い」
少年「お兄ぃ〜すげえぇぇぇ・・お兄ぃが勇者だ!!」
青年「待って・・僕は辺境の村を守らないと・・」
少年「村は僕達で守るよ・・お兄ぃは安心して魔王退治に行って!」
??「・・という事だ。これが勇者の証だ。それと支度金として金貨1袋もある」
少年「すげええぇぇぇ金貨1袋って一生暮らせる・・」
青年「いや一生は無理だよ」
??「勇者に選ばれたからには1年以内に各王国のどこかに近況を報告に行く義務がある」
青年「そんな・・一方的な・・」
??「義務を放棄した場合は重罪で監獄行きになる事を忘れるな」
青年「重罪・・」
??「近況の報告は衛兵もしくは門番でも構わない・・とにかく生存情報だけは伝える様に」
青年「はあ・・」
??「では我々はこれにて帰還する・・新しい勇者よ・・精進せよ」

369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/25(月) 21:58:20.52 ID:Wujau2/v0
---10ヵ月後---
盗賊「よし!お前らみんな集まれ!これから金の稼ぎ方を教えてやる!」
少年達「は〜い!!」
盗賊「裏山に咲く・・この葉っぱだ・・これはいやし草と言ってな・・集めて売れば金になる」
少年達「へぇ〜・・」
盗賊「それからこれは毒消し草・・これは気付け草・・まんげつ草、つきみ草・・全部薬草だ」
少年達「いっぱいあるんだね」
盗賊「みんなで特徴を絵に描いておけ!・・あとで俺が薬草の効果を書いてやる」
少年達「はい!!」
盗賊「それから薬草を採るのは葉っぱだけにして根っこは残せ・・又生えてくる」
少年達「薬草ってそんなにお金になるんですか?」
盗賊「砂漠では薬草は高級品だ・・上手に育てて売れば金持ちになれるぞ」
少年達「おおおぉぉぉ!!」
盗賊「闇商人という奴に売れば全部買い取ってくれるぞ・・あとで売り方も教えてやる」
少年「みなぎってきたぁぁぁぁ!!」

370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/25(月) 21:58:51.97 ID:Wujau2/v0
---
盗賊「青年!お前には旅の仕方を教えてやる」
青年「・・・」
盗賊「なんだ元気が無いな」
青年「どうして僕が勇者に?」
盗賊「それは運命だ・・心配するな・・お前を助ける仲間が必ず現れる」
青年「仲間?」
盗賊「俺にもお前に似た仲間が居たが・・行方が分からなくなった」
青年「探さなくて良いのかい?」
盗賊「他の仲間が必死に探している・・かならず見つかるさ」
青年「僕は・・・勇者になる自信がないな」
盗賊「自信は俺も無い・・だが仲間である以上必ず助ける気構えだ」
青年「気構えか・・」
盗賊「だからお前は前を向いて生きる気構えを持て・・・絶対に途中で投げ出すな」
青年「わかった!!ありがとう・・師匠」

371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/25(月) 21:59:25.70 ID:Wujau2/v0
---11ヵ月後---
盗賊「おぅ・・十分だな」
青年「馬の気持ちが分かってきたよ」
盗賊「旅では体温をいかに維持するかだ・・馬も同じだ」
青年「僕の最初の仲間は馬かもね」
盗賊「ぬはは馬は人間並みに賢いぞ?食事、寝床、休憩・・・それから友情だな」
青年「馬との友情?ハハ」
盗賊「笑い事ではない!!馬はお前を最後まで守ってくれるぞ」
青年「馬に守られる・・か」
盗賊「・・そういえばお前に伝えておかなければならない事がある」
青年「え?何?」
盗賊「お前を愛し守ろうとする者からの伝言だ・・」
青年「・・何の話?」
盗賊「『わたしを置いていかないで』」
青年「???馬の気持ち?・・かな?」
盗賊「いずれこの言葉の意味が分かるときが来る・・絶対に忘れるな」

372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/25(月) 22:00:03.83 ID:Wujau2/v0
---1年後---
青年「・・・師匠・・今までありがとう」
少年達「グスン・・」シクシク
盗賊「おいおい・・湿っぽいのは勘弁してくれぇ」
青年「村の子供達はみんな師匠の事を父親として見てたんだ」
盗賊「お前らはもう一端の戦士だ!!戦士が泣くんじゃねぇ!!」
青年「みんな!!これは最後の別れじゃないよ・・笑って見送りしよう!」
少年達「ぉぅ・・」
盗賊「んあぁ!!声が小さい!!腹から声を出せ!!」
少年達「うおおぉぉぉう!!また来てね〜〜!!」
盗賊「薬草たっぷり集めて置けよ?買取に来るからよ!?」
青年「師匠はこれから何処に向かうの?」
盗賊「・・・まぁ古巣に戻る」
青年「また会えるよね?」
盗賊「あぁ・・必ず会える・・約束してやる」
少年達「僕たちにも約束してくれる?」
盗賊「もちろんだ!!」
少年達「うおおおおぉぉ・・いってらっしゃーい!!」
盗賊「じゃぁな・・土産楽しみに待ってろ!!」ノシ
パカ パカ パカラッタ パカラッタ
---まいったな子供が出来ちまった---

373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/25(月) 23:49:29.60 ID:Wujau2/v0
---魔王島地下---
ピチョン ピチョン
騎士「ガガガ・・」---喉が焼けて声が出ない---
騎士「・・・」ズル ズル
騎士「ンガー」---まぶたが垂れ下がって目が開かない---
騎士「グガガ・・」ズル ズル
??「ほう・・ブレスに焼かれてまだ息があるか」
??「体表皮の70%以上を失うと生き残る可能性はゼロだよハハハ」
??「君の場合90%は失っている・・時期に体温が上がって死ぬ」
??「呼吸器も焼けているな?面白い実験結果だ・・だが興味は無い」
騎士「ンガガ・・」ヨロ ガチャン!
??「フハハハまだ立つかね・・見たまえ・・新たなキマイラの幼獣を」
騎士「ガガガ・・」---エルフの娘---
??「君はそのゴミの方が気になるのかね?」
??「美しい四肢も動かなければタダのゴミだ・・研究の材料にすらならん・・持って帰るか?」
??「鉄柵を上げてやろう」
ガラガラガラガラガラ

374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/25(月) 23:50:11.41 ID:Wujau2/v0
騎士「・・・」ズル ズル
??「フハハハそんなにそのゴミが欲しいかハハハ」
騎士「ガガガガ」ポロポロ
??「研究室を汚さないで欲しいな・・そのゴミと一緒にお前も処分してやる」グイ
ズルズル ズルズル ズルズル
??「なかなかに重いな・・ゴミに抱きついて離さんかハハハハ」
??「冥土の土産に教えてやろう・・この研究室は直接海に繋がっているのだよ」
??「ゴミを海に捨てる為になハハハハ」
ズルズル ズルズル ズルズル
??「最後に言いたい事はあるか?」
騎士「ヴォォォォォ」
??「フハハハ怖い怖い・・負け犬にはお仕置きが必要だなハハハ」
??「これが何か分かるかな?・・カナヅチだ・・お仕置きをして海に捨ててやるフハハハハハハ」
ドカ ゴン ガス
---
---
---
フハハハハハ