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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part27



345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 17:16:51.49 ID:v0qjMC980
---商人ギルド---
僧侶「やほ〜」
盗賊「あぁ・・俺は俺のやり方で騎士を救う」
僧侶「!!?何の話〜?」
商人「盗賊が一人で旅に出るって・・」
僧侶「え!?」
盗賊「確か・・騎士の故郷は辺境の村だったな?」
僧侶「え?あ・・うん。そう言ってた・・どうするの?」
盗賊「・・・コレだ」
商人「ドラゴンの涙?」
盗賊「そうだ・・ドラゴンの涙を飲ませれば騎士はそう簡単には死なない」
商人「ドラゴンの耐性を付けるのか・・暑さ寒さ飢えに耐性が出来る」
僧侶「わたしも連れて行って!!」
盗賊「それはダメだ・・僧侶は商人を守ってくれ・・囚人にはあらかた仕事を教えておいた」
僧侶「シュン・・」
盗賊「大丈夫だ!僧侶・・ドラゴンの涙を飲ませたら俺は必ず帰ってくる」
商人「・・そうだね・・今騎士の行方が分からない以上その方法が効果的かもしれない」
盗賊「馬を一頭借りていくぜ!!早速辺境の村に向かう」
商人「分かったよ・・合流は中立の国で良いかな?」
盗賊「おう!!商人!!お前もお前のやり方で頑張れ」
商人「ハハ影武者の癖に対等に口を利くじゃないか」
盗賊「これからは闇商人の影武者は囚人と僧侶だ」
僧侶「ねぇ・・お願いがあるの」
盗賊「なんだ?」
僧侶「若い騎士に会ったら『わたしを置いていかないで』って伝えて」
盗賊「ヌハハ分かった必ず伝えてやる」
商人「じゃぁ盗賊!気をつけて!」
盗賊「おう!!行ってくるわ!!」
---結局盗賊が騎士の師匠になるのもわたしの知ってる過去の通りに進んでいく---

346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 17:17:22.64 ID:v0qjMC980
---
商人「しばらくは商隊が中心になるよ」
商人「僕の考えを先に言っておく」
商人「結論から言うよ。エルフ、ドラゴン、クラーケン、海賊を仲間にする」
商人「やり方はまず中立の国で物流を僕がコントロールする」
商人「物流さえストップしてしまえばキマイラもゴーレムも造れない」
商人「そして海賊にはこれからもっと力をつけてもらう」
商人「その後ドラゴンと取引をしたい・・・ドラゴンの子供を解放するのを条件にね」
商人「海賊にはその時発生する終わりの国の難民を避難させてもらう」
商人「その為には大量の船が必要なんだ」
商人「次にエルフを・・・」
---わたしたちはいつの間にか魔王軍になってる---
---何と戦うのかな---

348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:02:29.97 ID:v0qjMC980
---数週間後---
ザー ザー ガガーン ザー
盗賊「腹減ったな・・この辺りの筈なんだが・・」
??「おい!誰かくるぞ!」
盗賊「おいおい山賊のお出ましかぁ!?」
??「どしゃぶりの中こんな田舎に来るのは誰だ!!」
盗賊「ようよう威勢が良いじゃねぇか!?辺境の村を探してる・・」
??「村に何の様だ!?」
盗賊「ほう・・近い様だな・・腹が減っている・・案内してくれんか?」
??「質問に答えてない!!」
盗賊「用心深いな・・人を探している・・悪さをするつもりは無い」
??「こいつは兵隊じゃなさそうだ・・どうする?」ヒソ
盗賊「まる聞こえだぞバ〜カ」
??「バカって言われたぞ!」
盗賊「だからまる聞こえだって〜の」
??「多分兵隊じゃない・・連れて行こう」

349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:03:13.11 ID:v0qjMC980
---辺境の村---
盗賊「な、なんだこりゃ・・病人ばっかりじゃねぇか」
村人1「疫病が流行ってるんだ・・早く村を出た方が良い」
盗賊「疫病?お前達は無事なのか?」
村人1「だいぶん前にどこかの兵隊達が来てそれ以来得たいの知れない魔物が出るように・・」
村人2「魔物の体液が疫病の元になってるらしい」
盗賊「その兵隊達はどこからやってくる?」
村人1「わからない・・薬だといって謎の液体を置いていく」
村人2「俺は兵隊達が疫病の犯人だと思ってる・・もう村に入れる気は無い」
盗賊「なぜ兵隊が犯人だと思う?」
村人2「病人の血液を採取して持っていく」
盗賊「・・・」---細菌兵器まで開発してるとは---
村人1「ところでこの村には宿屋は無いよ・・」
盗賊「まいったな・・腹が減ってしょうがない」
村人1「・・その・・疫病が流行ってから働き手が居なくなって」
盗賊「お前らが収穫すれば良いだろう!・・・ってお前ら子供か」
村人2「子供じゃない!!今は村を守る戦士だ」
盗賊「・・・話の出来る大人は居ないのか?」
村人1「・・・・・」
村人2「大人はみんな薬を飲まないで・・寝てる」
盗賊「死んだのか?」
村人1「・・・・・」
盗賊「・・・よし!俺について来い!あと元気な奴を集めて来い!」

350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:03:52.74 ID:v0qjMC980
---
パチ パチ メラ
盗賊「よ〜し!並べぇ!!ご馳走だぞ!!」
少年達「おおおおおぉぉぉ久しぶりのご馳走だ!!」
うめぇ!!
待てよ!小さい子から順番だ
どうやって作るんだ?
見て見て!よく勉強して!
盗賊「よ〜し!これで全員か?30〜40人?」---騎士らしいのが居ない---
少年「お兄ちゃんが具合悪くて寝てるよ」
盗賊「そのお兄ちゃんはどうしたんだ?」
少年「魔物と闘って怪我をしたんだ・・それ以来具合が悪いって」
盗賊「どこに居る?」
少年「村の教会で横になってる」
盗賊「呼んで来い!・・俺が手当てしてやる」
少年「・・でも歩けないみたい」
盗賊「そうか・・おい!お前ら!!ご馳走残したらタダじゃ済まんからなぁ!!」
少年達「おおおおぉぉぉ全部食うぞぉぉぉ!!」
盗賊「おい少年!教会に案内しろ!」

351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:04:30.51 ID:v0qjMC980
---教会---
??「う〜ん・・・」
少年「ここだよ」
盗賊「そうか・・お前は戻ってご馳走食っとけ!」
少年「うん!」
盗賊「おい!お前大丈夫か!?」---間違いない騎士だ---
青年「んあ・・・はぁはぁ」
盗賊(こりゃひでぇ・・一人で村を守ってたのか?)
青年「あ、あんたは誰だい?」
盗賊「今クスリを飲ませてやる」---ドラゴンの涙---
青年「いや・・・クスリは他の子供達に・・」
盗賊「お前が死んだら誰が村を守るんだ!?」
青年「・・・それは何のクスリかな?」
盗賊「ただの豆だ・・せめて豆くらい食え・・体力が無いと傷も治らんぞ」
青年「ハハ豆か・・頂くよ」パク モグモグ
盗賊「まぁおまじないだと思え」
青年「いや・・僕は多分もうすぐ死ぬ・・村の子供達をおねが・・」
盗賊「あぁしばらくは面倒みてやるよ」
青年「・・アレ?・・・なんだか痛みが引いていく」
盗賊「そりゃ良かった・・しばらく休め」
青年「痛みが無いと良く寝れそうだ・・よ」スヤ
---とりあえずコレで俺の仕事は終わりだ---

352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:05:10.68 ID:v0qjMC980
---翌日---
盗賊「おおぅ今日は快晴だ」
少年達「おはようございます!!先生!!」
盗賊「ぬあ!!先生!?」
少年達「はい!!先生!!ご馳走の作り方を教えてください!!」
盗賊「なぬ!?いや俺は忙しくてな」
少年達「あれを見てください!!みんな先生を待っています」
盗賊「んあ?どこだ?」
少年達「まず・・火の起こし方を・・」
盗賊「なんだありゃ?木を叩いてる?・・お前ら火の起こし方も知らんのか?」
少年達「みんな元気になりました・・たぶん皆お腹が空いてたから・・」
盗賊「ぬはは・・腹が張ったら元気が出てきたか」
少年達「はい!!今度は僕たちがご馳走を作ります!!」
盗賊「ん〜む・・」---仕方が無い付き合うか---
少年達「おねがいします!!」
盗賊「あ〜分かった分かった・・・火の起こし方はだなぁ・・」

353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:05:48.74 ID:v0qjMC980
---
盗賊「よし!!明日から狩りの仕方と料理を教えてやる・・日の出前に来るように!!」
少年達「はい!!」
少女達「は〜い!」
青年「・・・僕も混ぜてもらって良いかな?」
盗賊「お!?体の具合はどうだ?」
青年「死ぬかと思ったけど・・なんか大丈夫そうだよ」
盗賊「腹は減ってないか?」
青年「ぺこぺこだよ」
盗賊「おう!そりゃ丁度良い!お前らぁ!!火を起こせぇ!!ご馳走作るぞ!!」
少年達「うおおおおぉぉぉ」
少女達「野菜取ってくる〜」

354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:06:25.70 ID:v0qjMC980
---
青年「この村には何の用事で?」パク
盗賊「あぁもう用事は済んだ」モグ
青年「見ての通りこの村には大人が居ないんだ」パク
盗賊「そのようだな・・お前一人で面倒見てたのか?」モグ
青年「僕が狩りしてこないと食べるものがね・・」パク
盗賊「その傷は何にやられたんだ?」モグ
青年「熊だよ・・」
盗賊「ぶっ・・熊と闘うのは無茶だろう」
青年「いや・・熊が襲ってきたという方が正しい」
盗賊「肉が足りんか?」
青年「家畜もみんな疫病にやられてしまって野菜だけじゃやっていけないよ」
盗賊「そうか・・明日皆で狩りに行こう!夜はバーベキューだ」
青年「ハハ良いね子供たちが喜ぶ」

355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:06:58.76 ID:v0qjMC980
---森---
盗賊「そうだ!大物は狙わなくて良い。ウサギ、鳥、猪で十分」
少年1「・・・」コソ〜リ ギリ シュン スト
盗賊「釣りの方はどうだ?」
少年2「餌の食い逃げが・・」
盗賊「そりゃ餌のつけ方だな・・こうすれば食い逃げされ難い」
少年2「おお」
盗賊「青年!お前は弓は使えんのか?」
青年「僕は弓を使えるほど器用じゃないんだ」
盗賊「やってみろ!」
青年「こ、こうかな?」
盗賊「呼吸を整えて・・獲物の前方上を狙え」
青年「・・・」ギリリリリリ
盗賊「バカ・・弓を引きすぎだ半分の力で良い」---やっぱり体力バカは変わらんな---

356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:07:55.09 ID:v0qjMC980
---夜---
パチ メラ メラ
少年達「ぷはぁ・・久しぶりに肉食ったぁ」
少女達「まだスープが余ってるわよ〜」
青年「この村が子供達だけでやっていけるまでこの村に居てほしい」
盗賊「ん〜・・・お前は武術の経験はあるのか?」
青年「教えてもらった事は無い・・自己流だよ」
盗賊「立ち回りやってみるか?」
青年「え!?」
盗賊「木の棒でチャンバラだ」
青年「で、できるかな?」
盗賊「ちょっとした運動だ・・・木の棒を持て」
青年「わかったよ・・」
少年達「おぉ!お兄と盗賊がチャンバラやるみたいだ」
少女達「お兄!!がんばってぇ〜」
盗賊「いくぞ・・」
青年「ゴクリ・・」
カン カン コン バシッ
青年「いたっ」
盗賊「全然ダメだな・・足裁きがべた足だ」
青年「べた足?」
盗賊「よし!お前が立ち回り上達するまでは村に居てやる」
青年「おーみんな聞いたか!?」
少年達「すげぇ!僕達にも教えて!」
盗賊「お前らは青年から教われ!青年より強くなるまではダメだ」
少年達「おい!みんな聞いたか!?練習するそ!!」
盗賊「青年!!俺はちぃと厳しいぞ?」
青年「もう一回!!」
カン カン コン バシッ
青年「あいた!」

357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:08:29.99 ID:v0qjMC980
---数日後---
青年「はぁはぁ・・」
盗賊「こらぁ!!畑仕事サボるなぁ!!これも訓練の内だ!!」
青年「わ、わかってる」フンッ フンッ
少年「お〜〜〜い!!お兄ぃ〜〜〜」
青年「ん!?」
少年「はぁはぁ・・」
青年「どうした?」
少年「始めて見る兵隊が大勢来てる!!お兄ぃを探してる」
盗賊「どこだ?」
少年「村の入り口だよ」
盗賊「・・・あれは中立の国の衛兵だな」---勇者選びか?---
青年「今行くよ・・師匠も一緒に来て」
盗賊「いや・・俺は遠くで見てる・・俺の事は言うな」
青年「わかったよ・・じゃぁ行って来る」
盗賊「・・・」---勇者の選定は中立の国がやっているのか---

358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:09:11.16 ID:v0qjMC980
---
盗賊「どうだ?奴らは帰ったか?」
青年「あぁ・・帰った・・師匠はどうして隠れてるんだい?」
盗賊「んあ・・事情があってな・・隠居中の身だ」
青年「師匠は本当は何者なのかな?」
盗賊「俺は・・・元衛兵隊長だ・・終わりの国のな」
青年「元衛兵隊長ならなおさら堂々と・・」
盗賊「俺の顔は衛兵には知れ渡ってる・・面倒は御免だ」
青年「そっか・・政治絡みの事もあるんだね」
盗賊「ところで用事は何だった?」
青年「・・・・・」
盗賊「勇者の案内だな?」
青年「!!!?どうして分かる・・の?」
盗賊「俺の耳は地獄耳だ」
青年「勇者候補の一人になってるから親御の了解を得て置けと・・」
盗賊「親御は居るのか?」---なるほど普通の親御は了解しないな---
青年「居ない」
盗賊「そうか」---我が子を死地へ向かわす訳が無い---
青年「勇者って魔王を倒す為に闘うんだよね?」
盗賊「さぁな?そうとも限らん」
青年「あの兵隊達は又返事を聞きに来ると言ってた」
盗賊「どうするんだ?」
青年「子供達がはやし立ててる・・」
盗賊「勇者にはなりたくないのか?」
青年「いや・・どうして僕なのか分からない・・魔法も弓も扱えないのに」
盗賊「誰かを救う気持ちだけで良いとは思うがな」
青年「!!!誰か・・・か」
盗賊「おい!!畑仕事残ってるぞ!!休憩は終わりだ!!」
青年「う、うん」
盗賊「次は種植えるのを手伝え!!」
青年「わかった!!」フンッ フンッ

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/24(日) 22:09:47.20 ID:v0qjMC980
---数週間後---
カン カン コン
盗賊「大分板についてきたな・・次は足裁きを教えてやる」
青年「はい!!」
盗賊「まずは走りこみだな」
青年「え?」
盗賊「短い距離を全力で往復だ・・3メートルから行こう」
青年「3メートルを全力!?2歩か3歩で・・」
盗賊「そうだ・・出来るだけ早く往復するんだ」
ダダ ダダ ダダ ダダ
盗賊「ダメだ遅すぎる!!」
青年「はぁはぁ・・」
少年達「おい!俺たちも真似してやるぞ!!」