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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part22



270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:40:34.47 ID:yetLMmSY0
---2ヶ月後---
盗賊「すまねぇ遅くなっちまった!!」
商人「おぉ!盗賊!船は手に入ったかい?」
盗賊「あぁ!小さい船だが高速な船だ!気球も乗せれる」
商人「それは良かった」
盗賊「体の調子はどうだ!?」
商人「十分な休養が取れたよ。情報収集もまぁまぁかな」
盗賊「ところで僧侶はどこだ?」
商人「毎日教会に行ってるよ。司祭に気に入られた様だ」
盗賊「そうか!後で迎えに行こう!」
商人「そうだねきっと喜ぶ」
盗賊「ところで商人!中立の国では闇商人が居なくなって大騒ぎだったぞ」
商人「だろうね」
盗賊「密売の物流がストップして王国がしびれ切らしてやがる」
商人「逆に言うとそれはチャンスだね・・・だけど今は騎士達の行方が先かな」
盗賊「そうだ!魔女の噂を聞いた」
商人「へぇ・・どんな?」
盗賊「始まりの国に魔王軍の魔女が現れたっていう噂だ」
商人「魔王軍?・・ハハ」
囚人「魔女の可能性が高い・・魔王軍など居ない」
商人「よし!考えがある!始まりの国の港町に戻ってまず幽霊船を探そう」
盗賊「よしきた!!明日早速出航しよう」
商人「身支度しておくよ・・それと僧侶も迎えに行ってあげて」
盗賊「おう!!」

271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:41:01.48 ID:yetLMmSY0
---教会---
僧侶「!!ハッ・・盗賊さん」
盗賊「よう!迎えに来たぜ」
僧侶「・・・も〜う!!遅〜い!!」プン
盗賊「すまねぇ・・色々あってな」
僧侶「・・それでいつ探しに行くの?今日?明日?」ソワソワ
盗賊「まぁ慌てんな・・明日出航する。行き先は始まりの国の港町だ。そこに戻ってもう一度幽霊船を探す」
僧侶「行く行く行く行く今すぐ準備する〜」
盗賊「よし!・・・ここにはしばらく戻って来れんぞ?挨拶はして行かなくて良いのか?
僧侶「あ!司祭様に別れのご挨拶してくる〜」
盗賊「待ってるから行って来い」

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:41:52.50 ID:yetLMmSY0
---
司祭「聞いていたよ。大事な人を探しに行くのだね?」
僧侶「はい!今までお世話になりました〜」
司祭「ホッホッホ毎日の祈りが通じると良いねぇ・・」
僧侶「はい!祈りで心が少し救われました」
司祭「それで良い・・祈りの心を忘れてはいけないよ」
僧侶「また会いに来るね〜」ノシ
司祭「困ったことがあったら又来なさい・・」
---
僧侶「早く行こおぉ〜〜!!ウフフ」
盗賊「おう!もう良いのか?帰りに買い物行くぞ!」
僧侶「わ〜い♪」

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:42:42.49 ID:yetLMmSY0
---宿屋---
商人「・・よし!集まったね。明日出発する前に僕が調べた事を教えておくよ」
僧侶「は〜い」
商人「まず・・海賊の事だ」
今まで海賊は始まりの国と癒着してると思ってたけどどうやら違うみたいだ
海賊王は2人の娘が居てそのうち一人は始まりの国の衛兵隊長
もう一人は・・選ばれた勇者達の仲間の一人になっていたみたいだ・・女戦士としてね
海賊王が何を考えているかというと・・多分僕達と同じ・・つまり仲間になりうる
盗賊「そりゃすげぇ・・」
商人「続けるよ・・」
前魔王城に行ったときに4人分の黒焦げの亡骸を覚えてるかい?
あの中に女性の遺体は無い・・ひょっとしたら騎士達と接触しているかもしれない
僕の作戦はまず幽霊船を探して奪う・・もちろん騎士達の行方も捜す
次に幽霊船で海賊王と接触して取引がしたい
僕が持っている情報と引き換えに同志になる
盗賊「幽霊船を奪うって・・4人でか?」
商人「ハハ・・囚人の力を甘く見てるぞ?」
囚人「・・・」
商人「幽霊船に囚人を1人降ろせば多分・・・1人で殲滅できる筈」
盗賊「なぬ?」
商人「出来るよね?囚人」
囚人「俺は銀の武器で心臓を貫かれない限り死ぬことは無い」
商人「・・・という事だ」
盗賊「うはは・・銀の武器なんて普通持ってねぇな」
商人「まだその先の作戦も考えてる・・その時が来たら言うよ」
僧侶「ねぇその作戦ってさぁ〜寝ながら考えたの〜?」
商人「ぶっ・・ハハハまぁそうだよ」
僧侶「明日は何時に出発するの〜?」
盗賊「日の出前だ・・・もう必要な物は積んである」
僧侶「あぁ・・はやく騎士に会いたいなぁ〜」
商人「きっと見つかるさ」

274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:43:20.48 ID:yetLMmSY0
---翌朝---
僧侶「え〜〜小さい〜〜!!」
盗賊「そりゃ機械の国の船と比べると小さいがな・・」
商人「でもこの船の速さは1,2位を争う速さの船だよ」
盗賊「そうだ!!始まりの国の港町までは10日で行ける・・普通は倍かかる」
僧侶「へ〜そういえば他の船に比べて帆が沢山あるね〜」
盗賊「その分僧侶にも働いてもらわんとイカン」
僧侶「え!!?」
盗賊「帆の折り畳みは後で教えてやる」
僧侶「わたしは乙女なのに〜?」
盗賊「4人しか乗ってないんだから働いて貰わんと困る!」
僧侶「ショボン」
盗賊「操舵は商人頼む」
商人「じゃぁ出発するよ」
僧侶「ねぇ〜わたしが舵取りやって良い?」
盗賊「ダメだ!碇上げるの手伝え!」
僧侶「ええええええ・・」

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:43:52.35 ID:yetLMmSY0
---高速船---
僧侶「・・・それでね〜わたしは4箇所の教会の巡礼が終わったから精霊の加護を受けれるの〜」
盗賊「ふむ・・やってみてくれんか?」
僧侶「いくよ〜精霊の加護!」ボワン
僧侶は精霊の加護を受けた
僧侶「わたしに近寄ってみて〜ウフフ」
盗賊「こうか?おわっ・・」
僧侶「多分わたしに触れないと思うの〜」
商人「ハハそれはすごいね」
盗賊「魔法は効くのか?」
僧侶「司祭様が言ってたけど魔法も弾くんだって〜」
盗賊「そりゃすげぇ」
僧侶「でもね〜祈り続けていないとすぐに終わっちゃうんだ〜」
商人「精霊の加護を受けれるのは君だけかい?」
僧侶「わたしが触れている人だけかな?右手と左手だったら2人?かな〜」
商人「それは使い方によっては凄い事だね」
僧侶「ウフフ〜わたしが騎士を守ってあげるんだ〜」
盗賊「ヌハハそれは良い・・いつでも手を繋いでおけ」
僧侶「うん」

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:44:29.35 ID:yetLMmSY0
---
盗賊「・・・なんだって!?それは本当か?」
商人「ゴーレムと名付けられてる」
盗賊「それは神話に出てくる石の魔物だな」
商人「まぁ・・あやかってるんだろうね」
盗賊「商人はゴーレムを見たのか?」
商人「いや・・見てない。ただの酒場の噂だよ。でも・・想像は付く」
盗賊「どこで作ってるかは判らないのか?」
商人「それはわからない・・だから海賊王と接触したい」
盗賊「3つの王国がそれぞれ武器を持ってる訳か」
商人「機械の国のゴーレムの中身は多分・・トロールだ」
盗賊「だろうな・・でもトロールは太陽の光で石になって動かなくなる」
商人「機械で覆って太陽の光が当たらないようにでもしてるんじゃないかな」
盗賊「ロボットが聞いて呆れるな」
商人「ハハ・・そうだね・・」
盗賊「・・どうした?」
商人「いや・・ドラゴンやエルフと違って・・トロールは捕らえられてる数が断然多い・・」
盗賊「数百を超える3メートル越えのロボット兵団か?」
商人「機械の国の大型船を見ただろう?全部運ぶつもりじゃないとあんなの作らない」
盗賊「・・・」
囚人「この流れはもう止まらんかも知れんな・・」
商人「騎士と魔女がカギだと思う・・時間を操れる」
盗賊「魔女がカギなのは判るが・・なぜ騎士まで?」
商人「・・わからないのかい?・・いろんな物を導いてるのは多分・・騎士だよ」
僧侶「わたしも忘れないでね〜ウフフ」
商人「あぁ・・本当の導き手は君なのかも知れないね」

277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:45:14.42 ID:yetLMmSY0
---
盗賊「お〜い!!みんな来てくれぇ!!あれを見ろぉ!!」
商人「小船!?ボートか・・どうしてこんな所に」
盗賊「人は乗ってないな・・丁度良い引き上げて使おう」
えっさ ほいさ えっさ ほいさ
商人「何か乗ってたかい?」
盗賊「いや何も・・ん?・・短刀があるな」
商人「見せて・・柄の文様に見覚えが・・何だったかなぁ・・」
僧侶「ねぇ・・どうしたのぉ?」
商人「引き上げたボートに短刀が乗ってたんだ」
僧侶「見せて見せて〜ウフフ何かな何かな〜〜」
盗賊「まぁ他に何も無い様だ・・先を急ごう」
僧侶「アレ〜この短刀・・隊長が持ってた短刀にそっくり〜」
商人「隊長?・・・始まりの国の衛兵隊長かい?」
僧侶「そうだよ〜ウフフ」
商人「・・なるほど・・盗賊!この海域の座標わかるかい?」
盗賊「おう!ちょっとまて海図に描いてやる!」
商人「ちょっと小船を見せて・・縦帆一本で漂流か・・初心者じゃないな」
盗賊「まさかと思うが・・海賊王の娘か?」
商人「多分そうだと思う・・ここら辺で誰かに拾われた感じかな」
盗賊「この辺りは商船の往来が多い場所だ」
商人「よし!この短刀は僧侶が持っておいて」
僧侶「は〜い」

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 20:22:14.51 ID:FfmR7HgR0
---港町---
盗賊「よっし!着いた!今日は陸で休憩だ」
僧侶「ただいま〜♪ウフフ」
盗賊「すまんが全員フードで顔を隠して行動してくれぇ」
僧侶「え〜どうして〜?」
盗賊「前来た時とは状況が変わってる・・闇商人不在で物流が滞っててな・・略奪が増えている」
商人「・・僕の不在で流通品の物価がすごく上がってると思う」
盗賊「その通りだ・・物によっては前の20倍近い」
商人「旅商人が一番襲われやすいかな・・これから皆一緒に行動しよう」
僧侶「教会に行きたかったなぁ〜・・」シュン
商人「済まない・・今回はガマンしておくれ」

279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 20:22:41.52 ID:FfmR7HgR0
---宿屋---
商人「みんな一息つけたかい?」
僧侶「ふううぅぅぅおなかいっぱ〜い」
盗賊「それにしても食材が随分偏ってるな・・肉がねぇ・・」
商人「しょうがないね・・流してた格安の肉も僕が流さないと止まる」
僧侶「商人って色んな物を流通させてたんだね〜」
商人「タダ同然で流通させてたから本来の価格に戻ったっていう言い方もあるけどね」
盗賊「さて・・これからどうする?酒場行くか?」
商人「あぁ皆で行こう」
僧侶「わ〜い」
商人「2〜3杯だけの約束ね」
僧侶「は〜い」

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 20:23:08.70 ID:FfmR7HgR0
---酒場---
カランコロン
マスター「いらっしゃいませ。4名様ですか?」
盗賊「カウンターで頼む。ハチミツ酒を4つ持ってきてくれ」
マスター「かしこまりました」
商人「マスター最近の話題は何か無いかな?」
マスター「ん〜最近は景気が悪くてね〜良い情報も入って来ないんですよ」
商人「始まりの国周辺では薬は需要ないのかな?」
マスター「!!?お客さんそんな話を人前でするのは・・」
商人「これを捌きたいんだ・・」
マスター「こ、これは・・こんなに沢山」
商人「売人に会いたいんだ・・知ってるよね?」
マスター「表の街道にいるアクセサリー商人が知ってると思います・・」
商人「ハハありがとう!景気良くなると良いねぇ」ジャラリ
マスター「金貨が多い様ですが?」
商人「わかってるでしょう?口止めも含めたお礼だよ」
マスター「あ、ありがとう御座います!」
商人「そうだ!お土産にハチミツ酒を少し貰えるかな?」
マスター「はい!よろこんで」

281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 20:23:49.56 ID:FfmR7HgR0
---表街道---
商人「僧侶。ゆっくり飲めなくてごめんよ」
僧侶「いいの〜歩きながらでも楽し〜いウフフ」
商人「ここからは盗賊に頼むよ」
盗賊「わかった・・まかせろ」
商人「あそこのアクセサリー商人だ。女性だよ」
盗賊「さぁ!ハチミツ酒持って来たぞ飲め!」
売人「!!?ハッ・・・お前は!!」
盗賊「乾杯しようじゃないか」
売人「お前は闇商人!!」
盗賊「おいおいそんな事を声を出して言うなよ」
売人「ブツを捌きに来たのかい?」
盗賊「まぁ・・そんな所だ」
売人「条件は?」

盗賊「1袋目:幽霊船の情報 2袋目:海賊と王国の情報 3袋目:魔女の情報」
売人「・・・1袋目までしか情報を持っていない」
盗賊「まぁ良い・・他の情報はまた仕入れといてくれ」
売人「幽霊船については確かな情報がある・・」
あの船の乗組員は全員薬漬けの始まりの国の衛兵だ
幽霊船に偽装してヤバイ物を運んでいるらしい
今薬の流通があんたのせいで止まっている
時期に薬が切れて暴動が起きるのを王国が恐れている
盗賊「居場所はわかるか?」
売人「それはわからない・・薬の到着を待っているから近くに居るとは思う」
盗賊「そうか・・十分な情報だ・・ほら」ドサッ
売人「こ、これからどうやって連絡を取れば良いんだ?中立の国へ行っても・・」
盗賊「こちらから連絡を取る・・十分な情報があればの話だがな」
売人「わ、わかった」
盗賊「僧侶!」
僧侶「ふぁ〜い」
盗賊「アクセサリー好きなもの一つ選んで良いぞ」

282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 20:24:20.08 ID:FfmR7HgR0
---宿屋---
商人「十分な情報は入らなかったけど幽霊船の情報は大きいね」
盗賊「そうだな・・乗組員が人間だと判った分動きやすい」
商人「そうとわかったら明日の早朝に探しに出よう」
僧侶「ぐががすぴーぐががすぴー」
盗賊「・・・僧侶はのん気だな・・」
商人「ハハ良いじゃないか。でも毎日お祈りは欠かしてないよ」
盗賊「囚人!やっと新鮮な血にありつけるな」
囚人「フン!人を魔物扱いするな。俺は今酒を楽しんでいる」グビ
商人「死人でも酔えるのかい?」
囚人「少しは気が楽になる・・」
盗賊「そりゃ良かった」

283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 21:41:11.77 ID:FfmR7HgR0
---翌朝---
僧侶「むにゃ〜ねも〜い」
盗賊「もう出発するぞ早く気球に乗れ!!」
商人「あれ?騎士?」
僧侶「!!?ハッどこどこどこ?」キョロ
盗賊「おぉ〜そりゃ良い手だヌハハ」
僧侶「・・・・・」
盗賊「さぁ!!出発だ!!」グイ
ボーーーー ボーーーー フワ フワ

284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/17(日) 21:41:38.53 ID:FfmR7HgR0
---気球---
ヒョーゥ ギシ
僧侶「ねぇ〜・・なにしてるの〜?」
盗賊「気球に船の帆を張ってる・・これで風を受けて進むスピードが上がる」
僧侶「へぇ〜そういえば機械の国の気球はみんな羽がついてたね〜」
商人「アレは軍事用で一般では買えないらしい」
盗賊「それをマネてみたんだ。船と同じなら横風でスピードが上がる筈」
僧侶「でも帆が小さいね」
盗賊「風の魔石だけで進むよりはマシだろう」
商人「ハハ早くなったかどうかは空に居ると良くわからないね」
盗賊「んむ・・だが操作は船の帆と同じだ・・進んでいる・・と思う」
商人「まぁ幽霊船が見つかるまではゆっくりしていよう」