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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part21



253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 21:52:50.55 ID:9Eh22IcD0
---気球---
ビュー ビュー
僧侶「ねぇもっと高度下げれないの〜?」ソワソワ
盗賊「やってる!今の位置を維持するのがめいっぱいだ!」
囚人「飛び降りるには高すぎるな」
商人「うぅぅ・・この風は止まないのかな?」
囚人「風向きが変わる凪ぎの時に止むだろう」
僧侶「騎士達見えなくなっちゃったよぅ・・」オロオロ
盗賊「あの3人なら大丈夫だ!!この場合先に行くのが正解だ」
商人「そうだね・・風が止んだら僕らも直接魔王城へ向かおう」
盗賊「お前は寝てろ」
囚人「・・・」

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 21:53:24.83 ID:9Eh22IcD0
---数時間後---
ソヨソヨ
僧侶「風が止んだよ〜」
盗賊「分かってる!!直接魔王城の前に下りるぞ!」
ボー ボー フワフワ ドッスン
囚人「先に出る!!」
商人「ぼ、僕も行くよ・・」
盗賊「お前は寝て・・」
僧侶「わたしが肩を貸してあげる〜」ヨッコラ ヒョイ
商人「ありがとう」
盗賊「・・・分かった・・俺がおんぶする!僧侶は囚人の後に付いていけ」よっこらせと
僧侶「は〜い」

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 21:54:13.98 ID:9Eh22IcD0
---魔王城---
囚人「静かだ・・」
僧侶「扉開いてるよ〜」
盗賊「囚人!先頭言ってくれ!」
囚人「入るぞ!離れるな!」
僧侶「誰も居ないね〜」
囚人「・・・バカな・・・」
盗賊「どうした?」
囚人「・・・おかしい・・・ここでキマイラを育てて居る筈・・」
商人「キマイラ?」
囚人「な、何も・・・無い」
僧侶「ねぇ!!あれ!!」
盗賊「うぉ!黒焦げの亡骸・・4体」
商人「騎士のグレートソードとエルフの娘のシルバーボウが無い」
盗賊「・・そうだな・・商人すこし壁にもたれててくれ」ヨッコラ
僧侶「心配だなぁ〜」ソワソワ
盗賊「囚人と僧侶も周辺を探してみてくれ」
僧侶「は〜い」

256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 21:55:06.29 ID:9Eh22IcD0
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盗賊「・・・何も無い・・魔物さえ居ない・・どうなってる!?」
僧侶「騎士達どこ〜?」
囚人「・・・まさかキマイラはもう完成しているのか?」ボソ
商人「お、おかしいね・・まさか魔王のまやかしだったりハハ」
囚人「そんな筈は無い・・確かに昔ここでエルフの血を使ってキマイラを・・」
盗賊「魔王城の外もよく探してみよう!!」
商人「そうだね・・」

257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 23:18:51.92 ID:9Eh22IcD0
---魔王城前---
ヒュ〜 ヒュ〜
商人「僧侶・・僕の為にすまないね・・」
僧侶「いいの〜気にしないで〜」
商人「それにしても盗賊と囚人遅いね」
僧侶「風が出てきた〜気球をロープで良く縛っておかないと・・」
商人「・・そうだね飛ばされると厄介だ」
僧侶「ねぇ・・わたし気になってる事があるの・・」
商人「なにかな?」
僧侶「・・ううん何でもない・・気のせいだと思う」
盗賊「お〜い!!」
僧侶!あ!!帰ってきた〜見つかった〜?」
盗賊「ハァハァ・・ダメだ・・どこにもいねぇ」
僧侶「魔王城の下のほうはどうなってるの〜?」
盗賊「ちょっとした森になってる・・見たことない魔物がわんさか居る」
僧侶「あそこに見える小屋には行ってみた〜?」
盗賊「あぁ・・行ってみたが誰もいねぇ・・囚人は帰って来てないのか?」
僧侶「まだ〜」
商人「もうすぐ日が暮れる・・」
盗賊「今日はここで野営だな・・どうやら下に居る魔物は階段を上がれない様だ」

258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 23:19:30.58 ID:9Eh22IcD0
----------------
盗賊「おぉ囚人!どうだった!?」
囚人「海辺を探してみたが誰も・・・だがこの杖を見つけた」
僧侶「魔女の杖!!どうして海辺に・・」
囚人「さぁ?・・・他に沢山の足跡もあった」
商人「何か・・つじつまが合わないな・・」ブツブツ
盗賊「この島には俺たちしか居ないみたいだな・・神隠しにあったようだ・・」
僧侶「!!!!!神隠し!!!!!!」
商人「!!?」
僧侶「魔女は神隠しができるの・・・」
商人「ハッ!!そういう事か!!」
盗賊「んん?」
商人「これはかもしれないという話だ・・」

1:騎士達がここに来た時にはもう誰も居なかった

2:4体の黒焦げの亡骸を見て勇者を救うのが遅かったと考えた

3:魔女が3人分の若さを3日分吸って過去に戻った

4:3日前に海辺で争った後・・捕らえられた

5:その後幽霊船に乗せられ連れ去られた

259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 23:20:02.63 ID:9Eh22IcD0
僧侶「魔女は自分の命も吸えるのかなぁ・・」
商人「さぁ・・それは本人じゃないと分からないなぁ」
僧侶「わたしが気になってた事はね・・幽霊船とすれ違った時変な耳鳴りが聞こえたの・・」
盗賊「そういえばそうだな・・」
僧侶「何かの合図だったのかもしれないって・・」
盗賊「明日もう一日この島を探して見つからなかったら幽霊船を探そう」
商人「そうだね・・」

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/13(水) 23:20:44.69 ID:9Eh22IcD0
---翌日---
盗賊「やっぱり誰一人居ない・・」
僧侶「幽霊船かなぁ?」
商人「その可能性が高そうだね・・」
囚人「それほど大きく無いこの島で隠れる所などそうあるまい・・」
僧侶「心配だなぁ・・」
商人「よし!書置きを残して幽霊船を追いかけよう」
盗賊「書置き?」
商人「まだこの島に居るとしても次落ち合う場所だけ書置きで残す」
盗賊「落ち合う場所ねぇ・・」
僧侶「良い場所知ってるよ〜ウフフ」
商人「どこかな?」
僧侶「魔女の塔」
商人「良いね」
僧侶「じゃぁわたしが書くね〜」
”騎士へ
”魔女の塔で待ってる
盗賊「よし!日が暮れる前にここを出発しよう」
商人「僕は少し気球で横になる・・心臓が苦しい」
盗賊「ほら!!乗ったぁ!!」
ボーーーーーー ボーーーーーー フワフワ

261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:01:13.48 ID:SM18JlvJ0
---気球---
ビュー ビュー
盗賊「・・・だめだ・・現在位置が分からなくなった」
僧侶「商人の容態がだんだん悪くなってきたよ〜ぅ・・」
盗賊「まだ陸地は見えねぇのか!?」
囚人「遠くにかすかに見える気がするが一向に近づかんな」
盗賊「風が強すぎる・・高度を下げよう」
囚人「これは幽霊船どころか陸地にたどり着くか危ういな」
盗賊「・・やっぱり気球で海上を飛ぶのは船旅より危険だ・・風の流され具合がさっぱり分からん」
商人「ハァ・・ハァ・・」
僧侶「ねぇ・・・もし気球の調子が悪くなったらどうなるのかなぁ・・」
盗賊「祈れ」
僧侶「息止める練習したほうが良いかなぁ・・」
盗賊「・・・ムダだ・・・」
囚人「羅針盤は無いのか?」
盗賊「船と一緒に沈んだ・・・太陽と星しか目印が無い」
囚人「食料は残りどれくらいだ?」
盗賊「食料は十分だが水と塩が足りない・・・特に商人には塩が必要だ」
僧侶「どうして商人に塩が必要なの〜?」
盗賊「普通の水だと心臓に負担が大きい・・だから塩水を飲ませる」
商人「ハァ・・ハァ・・」

262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:01:42.89 ID:SM18JlvJ0
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僧侶「!!あそこに見えるのって船じゃない!?」
盗賊「おぉ・・こりゃ助かった」
僧侶「海賊船じゃないと良いね」
盗賊「いや・・海賊の旗が見えんな・・多分商船だ」
僧侶「乗せてもらえるかなぁ」
盗賊「乗せてもらえんでも水と塩が調達出来れば良い」
僧侶「船に近づける〜?」
盗賊「船の方が早いからワンチャンスだな・・気球に弓を撃たれんと良いが・・」
囚人「もし撃たれたら船を奪えば良い」
盗賊「そんなに上手くいくとは思わんがな・・」
僧侶「あ!船に乗ってる人がこっちに気がついた!なんか慌しい感じ〜」
盗賊「そりゃそうだろう・・海賊と思われてるに違いない」
囚人「白旗出すぞ・・」

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:02:14.66 ID:SM18JlvJ0
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盗賊「お〜〜〜〜〜い!!助けてくれぇ!!」
船長「どうした〜〜!!」
盗賊「船が沈んで遭難したんだ〜〜!!気球を引っ張ってくれぇ〜〜!!」
船長「ロープを垂らせ〜〜!!」
盗賊「投げるぞ〜〜!!」ポイ
船長「よ〜し!掴まえた〜!!」グイ グイ ギュ
盗賊「この船はどこに行くんだ〜?」
船長「機械の国へ向かってる〜!!良いのか〜?」
盗賊「頼む〜!!ひとまず陸に上がりたい〜!!」
船長「あと3日で付く〜!!」
盗賊「もう一つ頼みがある〜!!水と塩を少し分けて欲しい〜!!」
船長「構わ〜ん!!一人降りてこ〜い!!」
盗賊「今行く〜!!」
僧侶「どうやって行くの〜?」
盗賊「ロープをつたって行く・・俺一人で良い」

264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:02:44.19 ID:SM18JlvJ0
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スルスルスルスル ズダッ
盗賊「船長!助かった・・恩に着る」
船長「この海域は風が強い・・気球じゃ一生陸に辿り付けんぞ」
盗賊「あぁ・・そのようだ」
船長「ところで・・気球には何人乗ってるんだ?」
盗賊「4人だ・・そのうち1人が病人だ」
船長「ロープを手繰って気球を寄せておきな・・水と塩を持ってきてやる」
盗賊「ありがてぇ・・」

265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:03:20.98 ID:SM18JlvJ0
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盗賊「さぁ商人!薄い塩水だ・・飲め・・それと痛み止めももらって来た」
商人「ありがとう・・」
僧侶「心臓痛いの〜?」
盗賊「痛いのは心臓じゃなく頭の方だろ・・血が少なくて常時酸欠状態だ」
商人「あぁ・・これで少し横になれば大分良くなると思う」
僧侶「囚人の体よりめんどくさい体なんだね〜ウフフ」
商人「ハハハそうかも知れないね」
囚人「しかし機械の国とは・・えらく遠くへ流されたな」
商人「そうだね・・船を調達しないとね」
盗賊「機械の国にはコネクションが無いのがな・・」
商人「うん・・困ったね」
盗賊「まぁ着いてから考えよう」

266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:28:15.98 ID:SM18JlvJ0
---機械の国---
僧侶「うわあぁぁ〜すご〜〜〜い!!大きな船がい〜っぱい!!」
商人「機械の国の船はほとんど鉄で出来てるんだよ」
僧侶「え!?あの船全部鉄で出来てるの〜?どうして沈まないの〜?」
商人「さぁね詳しくは分からない」
僧侶「でもさ〜帆が無いのにどうやって進むのかなぁ〜?」
商人「魔石を使ってスクリューという物を回して動いているらしい」
盗賊「めちゃくちゃ遅いがな・・」
商人「帆が無い分風の影響無しで確実に進むみたい・・遅いけど」

267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 21:28:47.38 ID:SM18JlvJ0
---宿屋---
盗賊「今日はこの宿屋に泊まろう」
僧侶「久しぶりのふかふかのベット〜♪・・・でも騎士が居ない」シュン
盗賊「ごちそうでも食べてゆっくり休もう」
僧侶「なんかね〜食欲出ないの〜先に休むね〜」ノシ
盗賊「じゃぁ俺たちだけで食おう!!」
囚人「俺は酒場で飲んでくる・・夜に戻る」
商人「じゃぁみんなまた明日」

268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/15(金) 22:18:23.80 ID:SM18JlvJ0
---翌日---
盗賊「昨日の晩に商人と相談したんだが・・今後の事だ」
僧侶「どうするの〜?」
盗賊「機械の国はコネクションが無いから金の調達が難しい」
僧侶「うん」
盗賊「だから船を借りる事が出来ない」
僧侶「・・・」
盗賊「明日俺と囚人の2人で中立の国まで民間船で行く。そして中立の国で商船を調達して戻ってくる」
僧侶「どれくらい掛かるの〜?」
盗賊「片道2週間って所だ。往復で1ヶ月は掛かる。その間商人と僧侶は機械の国で静養していて欲しい」
僧侶「・・・」
盗賊「騎士が心配な気持ちはわかる。だが船が無いとどうにもならない。それから商人には静養が必要だ」
商人「僧侶すまない・・」
僧侶「ううん・・良いの・・騎士と魔女とエルフの娘の3人ならきっと大丈夫」
商人「僕ももう少し良くなったらここで情報収集するよ」
盗賊「お前は寝てろ」
商人「でも気になる事がいくつかあるんだ」
盗賊「闇商人であることはくれぐれもばれない様に頼む」
商人「わかってるよ・・」

269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/16(土) 21:40:01.43 ID:yetLMmSY0
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商人「・・・じゃぁ気をつけて」
盗賊「おう!お前も体休めておけ」
僧侶「出来るだけ早く帰ってきてね〜・・・」
盗賊「あぁ判ってる!!僧侶もあんまり心配するな」
僧侶「・・うん」
盗賊「囚人!行くぞ!早く乗れぇ!」
囚人「・・・」
盗賊「じゃぁな!!・・僧侶!孤独死すんなよ?ぬはは」
僧侶「・・・わたしはかわいそうなウサギさん・・なんてね〜」
囚人「船が出るぞ」
---みんな離ればれになってゆく・・さみしぃよぅ---
商人「僧侶?この先に教会があるんだ」
僧侶「本当に?わたしみんなの無事をお祈りしてくる〜」
商人「行っておいで・・僕は宿屋で休んでるよ」
僧侶「は〜い」
---わたしの愛する人が無事でありますように---
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