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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part18



196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:08:32.85 ID:F8mhqKxG0
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騎士「・・・まだ商人の具合は良くないのかい?」
僧侶「うん・・食事しても吐いちゃうみた〜い」
盗賊「早く陸に上げて休ませてやらんとな・・」
騎士「そんなに心臓の調子が良くないのか・・」
盗賊「・・数年の命と言われてもう数年経ってる・・いつ逝ってもおかしく無い」
騎士「そんな風には見えなかった」
盗賊「本当は走る事すら出来ん」
騎士「でも監獄まで一緒に・・」
盗賊「まぁ・・やせ我慢だな」

197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:09:00.56 ID:F8mhqKxG0
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騎士「お〜い!!陸が見えたぞ〜!!」
盗賊「・・ありゃ無人島だ・・港町まで後3日って所だ」
騎士「目印になってるんだ」
盗賊「夜になるとあそこに灯台が灯る」
僧侶「じゃぁ無人島じゃないね〜変なの〜ウフフ」
盗賊「おぁ!!商人!!立てる様になったのか?」
商人「あぁ・・もう大丈夫だよ」フラフラ
盗賊「無理すんな!!食事は出来るか?」
商人「すこし食べようと思う」
盗賊「精の付くもの用意してくれぇ!」
僧侶「恐い顔のお魚さんはいっぱいあるよ〜」
盗賊「それで良い。丸ごと鍋にしてくれ」

198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:09:31.95 ID:F8mhqKxG0
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僧侶「ねぇ〜〜まだ着かないの〜〜?もう飽きたよぅ」
盗賊「今日の夕暮れには港町に着く筈だ」
騎士「港町かぁ・・つい何ヶ月か前に来た筈なのに随分経った気がする・・」
僧侶「港町はねぇ・・私が通った教会があるんだよ〜ウフフ」
騎士「ハハじゃぁ昔の僧侶に会えるかもしれないな」
僧侶「うん!!でもね・・4〜5年前ならまだ来てないと思う〜」
騎士「そうか・・残念だ・・その頃は何してたんだい?」
僧侶「まだ孤児院だったかな〜」
盗賊「うはは俺も孤児院だ」
騎士「みんな帰る場所が無いのか・・」
僧侶「あ!!陸が見えてきた〜」
盗賊「下船の準備をしとけー!」

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:10:02.09 ID:F8mhqKxG0
---港町---
盗賊「騎士!お前は先に行って宿屋を取っといてくれ!俺は商人をおぶって後から行く」
騎士「あぁ・・」
僧侶「わ〜い帰ってきたぁ〜ウフフ」
魔女「のん気じゃのぅ・・わらわの愛しい人を探すぞぃ」
盗賊「もうすぐ日が暮れるから早く行け!」
騎士「僧侶!宿屋まで案内してよ」
僧侶「は〜い」

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:10:40.98 ID:F8mhqKxG0
---宿屋---
カランコロン
店主「旅人のお方今日はお疲れでしょう。休んで行かれますか?」
僧侶「宿屋のおばさん!久しぶりぃ〜ウフフ」
店主「・・・はて??会ったことがありましたかねぇ?」
僧侶「あぁ・・そっか・・忘れてた。7人分のお部屋おねが〜い」
店主「では4人部屋を2つでよろしいですか?」
僧侶「ごちそうもよろしくね〜ウフフ」
店主「・・ではお部屋までご案内します。こちらへ・・」

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:11:21.05 ID:F8mhqKxG0
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盗賊「・・・さぁこれを飲め。栄養剤と増血剤だ」
商人「ありがとう盗賊」ゴクリ
盗賊「すっかり痩せちまったな・・」
商人「大丈夫だよ。おかげで頭は冴えてるよ」
騎士「情報収集は僕が行ってくるよ・・取り合えず酒場かな」
盗賊「あぁ頼む」
僧侶「私も行くうぅぅぅ」
魔女「わらわも着いて行くぞよ・・・エルフの娘もな」
盗賊「美女3人連れてモテモテだな?」
騎士「囚人はどうする?行くかい?」
囚人「・・俺の顔は始まりの国衛兵隊に見つかると厄介だぞ?」
騎士「わかった・・酒を持って帰るよ」
囚人「クックック酒で酔える体か実験か・・それも良い」
騎士「じゃぁ行ってくる」

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:11:56.55 ID:F8mhqKxG0
---酒場---
マスター「いらっしゃいませ〜4名様ですか?こちらへどうぞ・・」
騎士「いやカウンターで良いよ。マスターと少し話がしたい」
マスター「・・ではこちらへ・・お飲み物は・・」
僧侶「ハチミツ酒〜」
マスター「皆様ハチミツ酒でよろしいですか?」
騎士「あぁ良いよ・・それでマスター」
マスター「はい?」
騎士「勇者の噂を聞いたことは無いかい?」
マスター「ああ!2週間前に始まりの国の武闘会で優勝して王国から船をもらったそうです」
騎士「その船はどこに?」
マスター「3日前まで港に泊まってましたよ」
騎士「3日前?」---入れ違いか---
マスター「今は出航されたのでは無いかと・・いよいよ魔王城へ向かったんじゃないですかねぇ」
魔女「そなたは武闘会を見てはおらんのかえ?」
マスター「見に行きましたよ。上位4人が全員勇者一行で不戦勝でした。ハハ詰まらない試合でしたよ」
騎士「他に何か面白い話は無いかな」
マスター「これは噂ですが海賊王の娘の一人が始まりの国の衛兵隊長に抜擢されたそうです」
騎士「海賊王の娘?」---隊長の事か?---
マスター「始まりの国と海賊の癒着が最近話題になってますねぇ」
騎士「海賊はここら辺で何か悪さを?」
マスター「沖に出るとウヨウヨ海賊船が居て猟師は外に出れないらしいです」
騎士「へぇ・・それは困ったね」
僧侶「ねぇ〜退屈〜飲もうよぉ〜〜ねぇねぇ・・」
騎士「あーわかったわかった・・乾杯しよう」
僧侶「わ〜い♪かんぱ〜〜いウフフ」

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 16:12:40.42 ID:F8mhqKxG0
---宿屋---
盗賊「おう!もう帰ってきたのか・・」
騎士「いぁ僧侶が飲みすぎちゃって・・」
僧侶「ぐがががすぴーぐがががすぴー」
盗賊「うはは・・まぁ旅疲れだろう今日は休め!」
騎士「囚人!!お土産のウォッカだよ。一番キツイのを買ってきた」
囚人「フフ久しぶりの酒だ」
盗賊「ところで何か情報はあったか?」
騎士「勇者は3日前に船で魔王城へ向かったらしい。たぶん幽霊船を探しに・・」
盗賊「入れ違いか・・あと少しだな」
商人「うぅぅ・・明日追いかけよう」
盗賊「おい!もう少し休んでからで良いんじゃねぇか?そう簡単に幽霊船は見つからな・・」
商人「良いんだ・・作戦がある。明日の夜気球を使って出発する」
騎士「夜?」
商人「うん。気球は目立つから夜出発する方が良いよ」
騎士「じゃぁ今日は早めに休むよ」
盗賊「そうだな」
僧侶「ぐがががすぴーぐがががすぴー」

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 20:57:44.44 ID:F8mhqKxG0
---翌日---
僧侶「え〜〜〜〜もう出発しちゃうの〜?」
騎士「あぁ・・仕方が無い・・早く勇者に追いつかないと」
僧侶「シュン」
騎士「夜まで時間があるから教会にだけ行ってこよう!」
僧侶「うん!!ありがとう」
騎士「魔女とエルフの娘も行くかい?」
魔女「わらわとエルフの娘は商人の介抱をしておるよ・・2人でお行き」
エルフの娘「・・」
騎士「わかった・・じゃぁ行ってくる」

206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 20:58:15.38 ID:F8mhqKxG0
---教会---
僧侶「こっちこっち〜」
騎士「待ってよ・・そんなに慌てなくても」
??「ふむ・・顔を見せてごらん」
??「泣き虫の顔をしておるね」
??「・・・」
??「心を癒すには慈悲の祈りを捧げるんだよ」
??「・・・」
??「ほら・・こうやって」

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 20:58:57.25 ID:F8mhqKxG0
僧侶「!!!?」
騎士「ん?」
僧侶「あ、あれ・・・わたし」
騎士「え?どういう事?3年前じゃなかったっけ?教会に来たのは・・」
僧侶「え?どうして?・・・おかしい・・ここは4〜5年前じゃ?・・」
騎士「何かの間違いじゃ・・」
僧侶「間違い?・・・わたしの?」
騎士「4〜5年前だって言ったのは・・誰だっけ?」
僧侶「森の町の宿屋のおばさん・・」
騎士「・・・1人だけ・・だね・・」
僧侶「もしそれが思い違いだったとしたら・・・」
騎士「今居るのは・・3年前かい?」
僧侶「この後・・司祭様が犬に噛まれて私が回復魔法を・・」

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 20:59:39.39 ID:F8mhqKxG0
ワンワン!
??「これ!どこから入って・・」ガブリ
??「いだだだだ」
??「司祭様?・・・ふぇ〜ん」
??「ほれ大丈夫・・・慈悲の祈りを続けなさい」
??「・・痛いの痛いの飛んで・・」ボワ
??「フフフ良い子だねぇ」
騎士「ま、間違いなさそうだ」
僧侶「わたしたち祝福される・・」
トコトコ
少女「主があなたを祝福し、あなたを守られますように」
騎士「え・・あの」
少女「主が御顔をあなたに照らし、あなたを恵まれますように」
僧侶(チュゥして)ヒソヒソ
少女「主が御顔をあなたに向け、あなたに平安を与えられますように」
チュゥ

209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 21:00:16.29 ID:F8mhqKxG0
司祭「これ!勝手に祝祷してはイカン!!・・す、すいませんまだ見習いでして・・」
少女「シュン・・」
騎士「あ、あぁ気にしないで下さい」
司祭「これ!奥の部屋に入っていなさい」
少女「はぃ」トコトコ
僧侶「・・・・・」
司祭「良かったらお祈りを捧げていって下さい」
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僧侶「・・・あの時のまま・・いざ昔のわたしを目の前にして何も出来なかったょ」
騎士「じゃぁ今からもう一回会いに行こうか?」
僧侶「なんかさ〜そういう気にもなれないな〜どうしてかなぁ?」
騎士「歴史は変えられないって事・・かな」
僧侶「わたしの始めての祝福の祈りがわたしの結婚だったなんて・・」
騎士「え?結婚?」
僧侶「うん!さっきので結婚したよ〜ウフフ」
騎士「いや・・あの・・」
---今が3年前という事はもう勇者達が危ない---

210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 21:00:50.24 ID:F8mhqKxG0
---宿屋---
盗賊「おい!何処行ってた!?気球に荷物積むの手伝え!」
騎士「あぁ悪い!今から手伝うよ」
盗賊「夕暮れまでに全部積みぞ」
騎士「そんなに沢山積むのかい?」
盗賊「食料をな・・長くなるかもしれん」
騎士「気球で?」
盗賊「いや・・商人の作戦では海賊船を一隻奪う・・それからは魔王城まで陸には上がらない」
騎士「奪うって・・少人数で?」
盗賊「きっと上手く行く」
騎士「どういう作戦かな?」
盗賊「それは後で話す!!行くぞ!!」

211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 21:01:21.00 ID:F8mhqKxG0
---気球---
わっせ わっせ
騎士「お、終わったぁ〜ハァハァ」
盗賊「ハハー良い運動になったな!!ハァハァ」
商人「積み終わったみたいだね・・みんな連れてきたよ」
盗賊「おぉ商人!顔色良くなったじゃねぇか!」
商人「まぁね・・・エルフの娘の祈りのお陰かなハハ」
エルフの娘「・・」
盗賊「暗くなるまで気球の中でバーベキューでもしよう!!」
商人「良いね!みんな中に入って!」

212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 21:01:58.56 ID:F8mhqKxG0
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ジュゥジュゥ
商人「食べながら聞いてね」
僧侶「んま〜〜いモグモグ」
商人「結論から言うね。海賊船を一隻奪って勇者よりも先に魔王城へ行く」
騎士「幽霊船は?」
商人「見つけるのに苦労するから魔王城までの案内は囚人にしてもらう」
騎士「海賊船を奪う理由は?」
商人「商船だと魔王城までは辿りつけない。岩礁が多いから少しぶつけると座礁する」
騎士「海賊船ならいけるのかな?」
商人「海賊船の中でも軍船に近いやつを奪う。多少ぶつけても大丈夫だと思う」
騎士「軍船をどうやって奪う?」
商人「気球で軍船の真上から襲撃する。エルフの娘のロングボウが頼りだよ」
騎士「海賊の弓は届かない?」
商人「大丈夫!届かない所から狙い撃ちする。多分20〜30人だ」
騎士「エルフの娘・・出来るのかい?」
エルフの娘「・・」コク
盗賊「ふはは頼もしいな・・俺はむしろ囚人の案内が心配だ」
商人「囚人は一度魔王城まで行ったことがあるから大丈夫・・だと思う」
囚人「魔王城までは海流と風向きが進行方向と逆だ。もし座礁したら気球では行く事が出来ない」
商人「裏航路の海図が無いから座礁するかは運頼み・・」
魔女「運頼みでは困るがのぅ・・愛しい人の命が掛かっておる」
囚人「途中は沈没船が沢山ある・・その間を縫っていけば行けるだろう」
商人「他に質問は?モグモグ」
僧侶「どれくらいかかるの〜?モグモグ」
囚人「1ヶ月は掛からん・・2〜3週だ・・天候による」
僧侶「また船旅かぁ〜モグモグ・・飽きたなぁ〜モグモグ」
商人「海賊船にはお酒も積んでると思うよ」
僧侶「おおおおお〜〜毎日酒盛りだね〜ウフフ」
騎士「ハハ・・控えめに頼むよ」

213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 21:02:33.38 ID:F8mhqKxG0
---深夜---
盗賊「出発するぞ!」
騎士「行こう!」
僧侶「ぐぅ・・すぴー・・ぐぅ・・すぴー」
騎士「エルフの娘は夜目が効くよね?異常があったら教えて欲しい」
エルフの娘「・・」
ボボボボボボボ フワ フワ
騎士「久しぶりの気球・・船より快適だ」
盗賊「そうだな・・空気は美味いし揺れも少ない」
騎士「あと3日で勇者に追いつく・・急がないとね」
盗賊「んむ」

214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/11(月) 21:03:10.31 ID:F8mhqKxG0
---翌朝---
盗賊「おい!起きろ!」
騎士「んあ・・ん〜〜」ノビー
盗賊「下に海賊船が・・1・2・3・・わんさか居るな」
騎士「まだ日の出前だね・・」
盗賊「明るくなる前に狙いを決めたいな・・商人を起こしてくれ」
騎士「あぁ・・商人・・商人・・」
商人「う〜ん・・もう朝か・・海賊船を見つけたのかい?」
盗賊「あぁ沢山居る」
商人「よし!読み通りだよ」
騎士「あそこの小さい船も海賊船かな?・・・離れた所にあるやつ」
商人「どれ?見せて・・・海賊の旗が無いな・・でも軍船だ」
盗賊「すこし寄るか」
商人「うん・・・エルフの娘・・見えるかい?」
エルフの娘「・・」コク
商人「離れた所にあるのは都合が良い・・大砲は見えるかな?」
エルフの娘「・・」フリフリ
商人「大砲の無い軍船かぁ・・・これはラッキーかも知れない」
盗賊「どういう事だ?」
商人「それだけ早いって事だよ・・ここら辺に居るって事は多分海賊船の一つに思う」
盗賊「あれにするか?」
商人「もう少し寄って・・・あとみんなを起こして」