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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part16



159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:33:09.80 ID:8ktDVXvH0
---宿屋---
カランコロン
店主「ようこそ旅人のお方。休んで行かれますか?」
騎士「あぁ2人部屋を3つ頼むよ」
店主「承知いたしました」
騎士「それにしても戦争中なのにみんな普通にお店開いてるんだね」
店主「・・はい困っておりまして・・一週間ほどまえから時折ドラゴンが飛来するようになったんです」
騎士「一週間?・・」
店主「毎日ドラゴンが来ているんですがまだ被害は出ておりません」
騎士「え!?じゃぁドラゴンは何をしに?」
店主「終わりの国の砲撃が激しくて近づけないのでは無いでしょうか」
騎士「はぁ・・ここは安全なのかな?」
店主「王国からは建屋内に入っていれば安全だと聞かされています」
騎士「情報ありがとう・・部屋はどこかな?」
店主「こちらになります・・・この部屋は勇者様ご一行が使われていた部屋ですよ」
騎士「!!!!!勇者がこの宿屋に?」
店主「はい・・1ヶ月前までここに泊まっておられました」
魔女「その勇者の事を詳しく聞かせてくれんか?・・」
店主「どこに旅立たれたかは聞いておりません」
魔女「勇者一行の特徴とか知っている限り教えておくれ・・」

160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:34:16.93 ID:8ktDVXvH0
大柄で無口な勇者様
おしゃべりな女戦士様
中背で無口な賢者様
真面目そうな戦士様

161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:34:50.02 ID:8ktDVXvH0
魔女「・・その無口な賢者様は青い目をしておらんかったかの?」
店主「はいよく覚えていますよ。澄み切った青い目をした賢者さまでした」
魔女「おおおぉぉぉ間違いない・・・わらわの愛しの人じゃ・・」
騎士「賢者?」
魔女「他人からの呼び名などどうでも良いのじゃ・・わらわの愛しの人に変わりは無い」
店主「その方がどうか致しましたか?」
魔女「・・もっと良く聞かせておくれ」
店主「その賢者様はまだ若い青年でいつもその窓際で空を眺めていました」
魔女「こ、この窓か?おおぅ温もりは残っておらんか・・」ポロ
店主「そういえば!記念に絵師に描いてもらった絵がございます・・こちらです」
魔女「!!この青年じゃな?・・わらわには分かる」
店主「その通りでございます・・お知り合いでしたか?」
魔女「こ、この部屋はわらわに使わせておくれ」
騎士「魔女とエルフの娘はこの部屋で良いね・・」
魔女「店主・・忙しい所すまんが賢者様の話をもっと教えてくださらんか?」
僧侶「わたしがお店の番をしててあげるよ〜」
店主「あぁ・・かまいませんよ。好青年でしたのでよく覚えています」
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162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:35:31.32 ID:8ktDVXvH0
---夜---
僧侶「魔女があそこの窓から離れなくなったみた〜い」
商人「・・そうなんだ。ここに勇者一行が居たなんてね」
騎士「みてごらんエルフの娘の格好」
商人「うん。良いねシルバーボウに銀のアクセサリー」
盗賊「銀には浄化の作用があるというが本当か?」
商人「さぁね・・でも銀の装飾のロングボウなんて珍しいね」
僧侶「私のもみて〜ウフフ銀のロザリオ〜」
騎士「そういえばゾンビが出るとかいう噂も聞いたな」
商人「銀の装備が役に立つかもね」
盗賊「そろそろ休もう」
商人「明日からもう少し情報集めていみるよ・・勇者の行き先も気になるし」

163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:36:20.22 ID:8ktDVXvH0
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シトシト シトシト
魔女「・・・はぁ・・・」
魔女「!!!」---窓の曇りに何か---
---『愛』---
エルフの娘「・・・・」
魔女「愛しの人は『愛』を問うておる・・うぅぅぅ」ポロポロ
エルフの娘「魔女様・・・」

164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:36:55.05 ID:8ktDVXvH0
---翌日---
魔女「よく見てみぃ・・窓から見えるのは空だけじゃなく城も見えるじゃろぅ」
騎士「本当だ・・城に突き出している6本の塔が良く見える」
盗賊「どれ・・見せてみろ・・・ん?塔の天辺にあるのは大砲か?」
騎士「良く見えないな」
ドタドタ ドタドタ
店主「ドラゴンがまた来たらしいよ!宿屋から出ないでおくれ!」
商人「え?ちょっと僕にも見せて!」
盗賊「どこだ?」
騎士「雲の上だ・・切れ目からチラチラ見える」
ギャオース
商人「うわ!でかい・・」
騎士「・・あれは僕が見た奴に似てる」
商人「親ドラゴンに違いないね」
盗賊「おい!見ろ!対空砲火が始まるぞ」
ゴゥ ゴゥ ドドーン
盗賊「・・ありゃ大砲じゃねぇ!魔法か何かだ!」
商人「読めた・・・・」
魔女「あれは魔法ではない・・ブレスじゃ」
盗賊「ドラゴンのブレスを大砲から撃ってるのか?」
ゴゥ ゴゥ ドドーン

165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:37:35.24 ID:8ktDVXvH0
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商人「みんな聞いて欲しい・・これは多分の話だけど・・あの大砲の中には子ドラゴンが入ってると思う」
騎士「・・・・」
商人「ドラゴンは魔法に反応して反射的にブレスを吐くんだ・・それを利用してると思う」
僧侶「ドラゴンさんかわいそ〜う」
エルフの娘「・・・・」
商人「親ドラゴンが攻撃できないのはきっとその為さ・・子を人質にされてる」
騎士「どうする?」
商人「昨日すこし聞いた話しだとここの地下墓地と囚人の監獄が繋がっているらしい」
騎士「それで?」
商人「監獄は城へと繋がっている筈・・真実を確かめたい」
盗賊「城に潜入するのはいくらなんでも危なすぎる!」
商人「分かっているよ・・・だから全員で・・」
エルフの娘「私は行く!!」
騎士「!!?エルフの娘?・・」
魔女「エルフの娘は感じておるのじゃよ・・ドラゴンもエルフも元の素性は同じ」
騎士「よし!今日行ってみよう」
商人「ごめんよ・・ドラゴンの件については真相が知りたい・・僕にも責任があると思う」
盗賊「失敗すると追われるぞ?」
商人「僕もエルフの娘を見て少し変わったみたいだ」
エルフの娘「・・・」
商人「ドラゴンもエルフもトロールも・・みんな心があるようだ。今まではただの魔物だと思ってたけど・・」
魔女「そうじゃ・・生きとし生けるもの皆心があり通ずる事が出きる・・人間だけは例外もあるがのぅ」
盗賊「分かった・・とりあえず合法で地下墓地に入る方法を探そう」

166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:38:09.80 ID:8ktDVXvH0
---冒険者ギルド---
マスター「ここは冒険者ギルドです。仕事をお探しですか?」
騎士「地下墓地のゾンビ・・」
マスター「え?地下墓地ですか・・?大変危険な仕事になりますが・・」
騎士「仕事あるんですね?」
マスター「は、はいゾンビを掃討するのですが成功した人はおりません」
盗賊「ところでそのゾンビは何処から来たんだ?」
マスター「随分前から地下墓地の死者が動き出すという事がありまして・・」
騎士「ゾンビは何か悪さを?」
マスター「たまに這い出してきて町中を荒らすのです」
騎士「わかったよ」
マスター「1ヶ月程前にも勇者様一行が地下墓地に入ったようですが掃討はできませんでした」
盗賊「ほう・・面白い」
マスター「地下墓地入り口には鉄の柵がありますので見張りにこの手紙を渡してください」パサ
騎士「地下墓地は何処にあるのかな?」
マスター「町外れに大きな鉄の柵で覆われた階段がありますので行けば分かるかと」
騎士「ありがとう!行ってみるよ」

167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:38:36.71 ID:8ktDVXvH0
---地下墓地入り口---
見張り「おい!ここは立ち入り禁止だぞ!」
騎士「・・この手紙を」パサ
見張り「・・・お前達本当にゾンビ掃討に行くのか?」
騎士「あぁ腕試しだよ」
見張り「まぁ死なないようにな・・ほれ!これは柵から出るときの鍵だ」ポイ
騎士「がんばるよ・・」パス
見張り「柵は2重になってる。一枚目は俺が開ける。2枚目はその鍵で開けろ」
騎士「分かった」
ガチャリ キーー

168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:39:04.21 ID:8ktDVXvH0
---地下墓地---
騎士「僕が先頭を行く。僧侶は僕の後ろに付いてきて」
僧侶「は〜い」
騎士「盗賊は商人と魔女とエルフの娘を守る形で後方に」
盗賊「おう!お前も気をつけろよ!」

169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:39:37.93 ID:8ktDVXvH0
ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ
盗賊「何か聞こえるな・・見ろ!死体が動いてる」
騎士「やってみる!」ダダダ ザクン!!
ゾンビはダメージを受けた
盗賊「ハハ真っ二つか・・まて!・・まだ動いてる」
僧侶「え〜〜どうして動いてるの〜〜?」
盗賊「他にも居るぞ!気をつけろ!」
騎士「ハァ!!」
ザクン ザクン ザクン
盗賊「ど、どうなってる!?」
騎士「ダメだ・・手足首全部切り落としても向かってくる!!・・」
魔女「爆炎魔法!」ゴゥ ゴゴーン メラメラ
ゾンビはダメージを受けた
騎士「・・・全然効いていない!僧侶!何か手は無いか?」
僧侶「ぎ、銀のロザリオ〜!!」スチャ
ゾンビ「ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ」
僧侶「あれ〜〜?何も起こらない〜どうしてかなぁ・・」
騎士「回復魔法をゾンビにやってみてくれ」
僧侶「は〜い回復魔法!」ボワー
ゾンビは回復した
盗賊「だ、だめだ普通に傷口が塞がっていく」
騎士「クソッ!」ザクン ザクン ザクン
ゾンビはダメージを受けた
騎士「だめだ!走り抜けよう!」タッタッタ

170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/09(土) 23:40:26.48 ID:8ktDVXvH0
魔女「ゾンビの足が遅いのが救いじゃのぅ・・」
盗賊「次の奴は様子が違うぞ!」
騎士「あ・れは・・囚人か?囚人服を着てる
ゾンビ「ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ」
盗賊「いやゾンビに変わりは無い!来るぞ!」
ゾンビ「ガガガガァ!」ブンブン
騎士はヒラリと身をかわした
騎士「ハッ」ザクン!
ゾンビはダメージを受けた
盗賊「こりゃダメだな・・真っ二つになっても向かってきやがる・・」
商人「・・・これはもしかして」
盗賊「なんだ商人!何か知ってるのか!?」
商人「ドラゴンの涙の副作用・・」
盗賊「あれは万能薬じゃねぇのか?」
商人「生きてる人には万能薬・・死んでる人にも生体活動が起きるのかもしれない」
盗賊「ど、どうすれば良い!?」
商人「心臓を浄化するしか・・」
騎士「エルフの娘!頼む!銀の矢で心臓を!」
エルフの娘「・・・」ギリリ シュン! ドス
ゾンビ「ガガガガガ・・」
盗賊「・・・だめか?」
騎士「いや・・ゆっくり死んでいく」
ゾンビ「グガ・・・・・・」ドサリ
僧侶「倒した・・のかな?」
魔女「僧侶や祈りを捧げておやり・・」
”生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
”生きとし生けるものに悟りの光が現れますように
魔女「死しても尚生かされ続けておる・・さぞ苦しかろう」
商人「・・・ここのゾンビはどうやら人為的に造られてる・・」
騎士「先に進もう」

171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/10(日) 09:45:23.04 ID:QKXkYdlD0
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騎士「・・みんな大丈夫かい?ハァ・・」
盗賊「ちぃと引っ掻かれた・・つつ」
僧侶「回復魔法!」ボワ
盗賊「おうサンキュ」
騎士「ちょっと数が多すぎる・・」
商人「あそこの鉄の柵は監獄に繋がっていそうだ・・盗賊!見てきて」
盗賊「・・・鍵が向こうから掛けてる・・開錠は難儀だぞ」
商人「やってみてくれ」
盗賊「ちぃと時間かかるぞ・・」
カチャ カチャ

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/10(日) 09:45:54.63 ID:QKXkYdlD0
僧侶「ゾンビが追いかけてくるよ〜」
騎士「エルフの娘!銀の矢を2本貸してくれ」
エルフの娘「・・・」パス
騎士「僧侶!みんなを守ってくれ!僕だけでゾンビを食い止める」
魔女「何をする気じゃ?」
騎士「もう矢が残り少ない・・僕が接近で心臓を突いてくる」
僧侶「あわわ・・ゾンビがいっぱい・・123・・8910」
騎士「タァ!」ダダダ ズン! ズン!
ゾンビは倒れた
ゾンビ「ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ」ブン! ゴス!
騎士はダメージを受けた
騎士「ぐぅ・・なんていう怪力・・仕返しだ!!」ズン! ズン!
ゾンビは倒れた
商人「盗賊!まだか?」
盗賊「焦るな!もう少し・・」カチャ カチャ
僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワ シュルリ
ゾンビはツタに捕らえられ身動きが出来無い
騎士「助かる!ハァ!!」ズン! ズン!
ゾンビは倒れた
僧侶「あわわ・・まだ来るよ〜」
騎士「くそぅ・・きりが無い」
カチャリ
盗賊「開いた!!早くこっちへ・・階段を上がれ!」

173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/10(日) 09:46:36.29 ID:QKXkYdlD0
---監獄---
ピチョン ピチョン
騎士「ふぅ・・助かった・・ゾンビは階段を上がれないみたいだね」
盗賊「そうだな・・でもここが安全かは分からんぞ」
??「グガガガ・・」
騎士「!!?何か聞こえた!静かに」
??「グガガ・・誰か・・要るのか?」
騎士「どこだ??どこにいる?」
??「グガ・・お前たちは誰だ?」
盗賊「あそこの檻の中だ!」

174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/10(日) 18:05:27.60 ID:QKXkYdlD0
盗賊「おい囚人!この監獄が城へ繋がっているか知ってるか?」
囚人「お前たちは誰だ?・・グガ」
盗賊「答えろ!」
囚人「フフお前たち・・ここがどんな場所か知らないようだな・・」
盗賊「ここは監獄だ!それ以外の何でもない!」
囚人「クックック悪い事は言わん・・戻ってゾンビの掃除でもしてろ」
盗賊「答える気は無いようだな・・行くぞ!」
騎士「ちょっと待ってくれ・・この囚人・・似てる」
盗賊「似てる?」
騎士「ドラゴンに食われた囚人・・・かもしれない」
盗賊「なに!?・・・という事は俺たちはこの囚人を助けるって筋書きか?」
騎士「いや・・分からない・・教えて欲しい。囚人はどうしてここに?」
囚人「クックック俺は裏切り者の元衛兵隊長だ・・グァ」
騎士「終わりの国の衛兵隊長?・・・」---退役した衛兵隊長?---
盗賊「なら話は早い・・この監獄の構造を全部知っている筈だ・・答えろ」
囚人「残念だがこの監獄は城へは繋がっていない・・早く戻った方が身の為だ」
盗賊「商人!!・・ということらしい・・どうする?」
商人「・・よし取引だ・・この監獄がどんな場所か教えてくれたら監獄から出してやる」
囚人「フハハ無駄だ・・監獄から出たところで俺はもう死んでいる」
商人「死んでいる?」
囚人「ここに来る間に見てきただろう」
商人「ゾンビ・・・つまりここはゾンビを生む施設・・か?」
囚人「察しが良いな」
商人「ドラゴンの涙を囚人に投薬して実験をやっている・・な」
囚人「クックック・・・お前は・・闇商人だな?」
商人「だったら何だ」
囚人「話してやろう・・お前の罪の重さを思い知らせてやる」