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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part15



136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 22:45:39.96 ID:tpGhukMg0
---翌日---
トントン
騎士「僕だよ・・空けてもらって良いかい?」
カチャリ
騎士「魔女・・エルフの娘はどうだい?」
魔女「大分落ちついたがの・・・しばらくはショックが抜けんじゃろぅ」
騎士「うん・・エルフの娘・・何か欲しいものは無いかい?」
エルフの娘「・・・・・」
魔女「極度の人間嫌いになってしもうた様じゃ・・そっとしておいておやり」
騎士「エルフは確か・・清潔な物しか身に付けなかったよね?新しい着る物を買ってくるよ」
魔女「そうじゃのぅ・・木の芽や果物も採ってきておくれ・・森への感謝を忘れるなよ?」
騎士「感謝ってどうすれば良いのかな?」
魔女「沢山取りすぎてはイカン・・少しづつ摘めば良い」
騎士「わかった・・夕方には戻るからゆっくりしてて」

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 23:11:17.39 ID:tpGhukMg0
---森---
騎士「僧侶!ちゃんと付いて来てる?」
僧侶「ちゃんと後ろにいるよ〜ウフフ」
騎士「木の実見つけたら教えてね」
僧侶「なかなか見つからないね〜」
騎士「木の芽は結構あるんだけどね」
僧侶「エルフってさ〜お肉とか食べないのかなぁ?」
騎士「少しは食べるらしいけど生きた肉だけっていう話だよ」
僧侶「そうなんだ〜・・どういえば気球にいる間も何も食べてなかったね」
騎士「あ!アレはリンゴかな?」
僧侶「おお〜やっと見つかったね」
騎士「よし!一個だけ持って帰ろう」
僧侶「リンゴさんに感謝しないとね〜」
騎士「じゃぁ・・次は着替えを見に行こう」
僧侶「わたしが選ぶ〜〜♪」
騎士「植物製の清潔なやつを選んでね」
僧侶「え?どうして?」
騎士「エルフは匂いとか気にするらしい」
僧侶「匂い?」
騎士「うん染料の匂いとかも嗅ぎ分けるから無色が良いかな」
僧侶「なんかめんどくさいね〜」
騎士「でもソレがエルフの自尊心にもなってると思う」
僧侶「そっか〜繊細なんだねエルフって」
騎士「人間よりもずっと賢くて繊細なんだってさ」
僧侶「ねぇ・・わたしっておバカさんかなぁ?」
騎士「どうして?」
僧侶「昨日海賊さんに『お前バカか?』って何回も言われたの〜」
騎士「・・・まぁ大丈夫だよ」
僧侶「ねぇ・・今言葉に詰まってない?」
騎士「つ、詰まってないよ」
僧侶「なんか詰まってる〜でもまぁいっか〜ウフフ」

138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 23:11:50.45 ID:tpGhukMg0
---宿屋---
コンコン
騎士「戻ったよ」
カチャリ
魔女「早かったのぅ」
騎士「ほら・・着替えと食事を持ってきたよ」
僧侶「私も入って良い〜?ウフフ」
騎士「僕は向こうの部屋に行ってるから・・じゃあね」バタン
---少しは元気出るかな---

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 21:09:30.11 ID:zASxF9xd0
---数日後酒場---
盗賊「よう!騎士・・探したぜ」
騎士「あぁ盗賊か」
盗賊「2人でお楽しみ中悪いんだが邪魔するぜ」
僧侶「ウフフ〜みんなで楽しく飲もう〜なんてね〜」
盗賊「おう!マスター一杯頼む」
騎士「それで何か分かった事が?」
盗賊「いやな・・例の海図の事なんだが・・あまり期待した航路は無かったようだ」
騎士「期待した?」
盗賊「あぁ・・商人は裏航路があると読んでたみたいだが」
騎士「ん〜よくわかんないな」
盗賊「始まりの国と海賊の癒着は前から分かってたんだが積荷の運搬先がよく分からないんだ」
騎士「・・それで裏航路があると?」
盗賊「海図に描いてたのは普通の航路と幽霊船の出現場所しか無かった」
騎士「幽霊船ねぇ・・」
盗賊「まぁ海賊も幽霊船には関わりたくないんだろう」

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 21:09:56.66 ID:zASxF9xd0
騎士「それでこれからの予定は?」
盗賊「!!あぁ・・そうだ勇者の情報も少し入った」
騎士「!!おぉ」
盗賊「3ヶ月前までここに居たらしい・・終わりの国へ向かったそうだ」
僧侶「なんか近づいてるね〜魔女に報告しなきゃ・・ウフフ」
盗賊「5日後に商船が終わりの国に出航するからみんなでそれに乗る」
騎士「商人の目的は?」
盗賊「この間のドラゴンが何の為に運ばれたのか調査したいらしい」
騎士「そうか・・みんな利害が一致してる訳か」
僧侶「・・でもエルフの娘はどうするの〜?」
騎士「本当は森へ返してあげたいけど・・一人で帰すのは危険だなぁ」
盗賊「しばらくは同行するのが安全ではあるが・・」
騎士「魔女に相談してみるよ」
盗賊「それが良い」
僧侶「終わりの国ってどんな所〜?」
盗賊「要塞都市だ・・ここよりは住みにくい」
騎士「確か・・魔王軍と戦争中だとか?」
盗賊「うむ・・魔物の襲撃をよく受けているらしいが・・目の当りにした事は無い」
僧侶「危なくないの〜?」
盗賊「今まで何度も行ってるが危険な目には会ってないな」
騎士「・・・ドラゴン・・か」

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 21:10:26.25 ID:zASxF9xd0
---宿屋---
魔女「おおおおおぉぉ・・それはまことか?愛しき人に近づいておる・・」
騎士「5日後に船で終わりの国へ向かう」
エルフの娘「・・・・・」
騎士「それで・・エルフの娘・・本当は君を森へ帰してあげたいんだけど」
エルフの娘「・・・・・」
騎士「君を一人にはしたくないんだ・・その・・しばらくは一緒に来てもらえないか?」
僧侶「私からもおねが〜い」
騎士「もう君を危ない目には会わせたくないんだ・・一緒の方が安全だし」
エルフの娘「・・・・・」
騎士「必ず森へ返してあげる・・これは約束だ」
エルフの娘「・・私は魔女様の愛の行方を確かめる・・」
僧侶「やったぁ♪」
騎士「おぉありがとう!!」
魔女「エルフの娘や・・わらわの為に本当にすまんのぅ・・」
騎士「そうだ!!すぐ近くに小さな森があるんだ・・明日少し外に出てみないか?」
エルフの娘「・・・・・」
僧侶「いこ〜いこ〜明日良い天気になると良いね〜ウフフ」

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 21:10:59.13 ID:zASxF9xd0
---翌日森---
チュン チュン ピヨ
僧侶「ねぇ見て見て〜森の中に居るエルフの娘ってさ〜すごく綺麗〜」
騎士「・・そうだね」
僧侶「天使みたいだね・・・でもなんかもの悲しそう」
魔女「森の声を聞いているのじゃよ・・鳥や蜜蜂達は噂を運んでくるでのぅ・・」
僧侶「わたしも聞いてみたいな〜・・・」
チュン チュン ピヨ
魔女「耳を澄ませば聞こえてくるぞよ?」
僧侶「なんて言ってるの〜?」
魔女「・・・何か騒いでおるな・・わらわにはそれくらいの事しか分からん」
僧侶「すご〜い鳥たちがエルフの娘を囲んでる〜」
騎士「・・鳥達もエルフの娘の心を知っている様だ・・・あれは励ましている」
魔女「そうじゃのぅ・・」
僧侶「ねぇ〜帰りにさぁ・・道沿いの教会に寄っていってみようよ〜」
騎士「あぁ・・行ってみようか」

144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 21:11:45.05 ID:zASxF9xd0
---教会---
司祭「生けとし生きるのもみな神の子。わが教会にどんな御用かな?」
僧侶「お祈りに来ました〜」
”私が幸せでありますように
”私の悩み苦しみがなくなりますように
”私の願いごとが叶えられますように
”私に悟りの光が現れますように
”私の親しい人々が幸せでありますように
”私の親しい人々の悩み苦しみがなくなりますように
”私の親しい人々の願いごとが叶えられますように
”私の親しい人々に悟りの光が現れますように
”生きとし生けるものが幸せでありますように
”生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
”生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように
”生きとし生けるものに悟りの光が現れますように
司祭「慈悲の祈りは心を癒す力。迷える者は祈りを捧げ心を癒して行くと良い」
エルフの娘「・・・・・」
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司祭「その癒しこそ諸々の罪を清め祓う術であると心得よ」
僧侶「は〜い」
司祭「・・・・・」

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 22:22:18.82 ID:zASxF9xd0
---数日後商船---
ザザー ザザー
僧侶「わ〜いお船だぁ♪」
盗賊「さぁ乗った乗ったぁ!!」
商人「この船は僕達以外は数人しか乗ってないからくつろいでもらって良いよ」
騎士「エルフの娘・・大丈夫かい?魔女から手を離さないでね」
エルフの娘「・・・・・」
商人「あと5分で出発するよ」
騎士「盗賊!?もし海賊船に襲われたらどうなる?」
盗賊「ハッハそれは心配ない。海賊船よりもこの船は早い」
商人「そうだよ。まぁその分甲板も狭いし荷物も少ないんだけどね」
僧侶「ねぇ?終わりの国まではどれくらいで着くの〜?」
商人「7日くらいかな。まぁゆっくりしてもらって良いよ」
騎士「あ!気球も積んでるんだ・・」
商人「まぁね・・逃げ道はいつも用意する様にしてるんだ」
騎士「逃げ道・・って」
商人「万が一だよハハ心配しなくても良い」
盗賊「さぁ!!碇を上げるぞ!!」
僧侶「出発!!しんこ〜〜う」

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 22:22:52.24 ID:zASxF9xd0
---商船3日目---
商人「・・・という事だよ」
騎士「じゃぁ今まで運んだ物を組み立てたとすると?」
商人「始まりの国は巨大な拘束具、終わりの国は大砲、機械の国は恐らくロボット」
騎士「戦争の為・・かな?魔王軍との」
商人「それが少し変なんだ・・・終わりの国は魔王軍と戦争中と言われているけど」
騎士「けど?」
商人「それを見たという人が極端に少ない・・というか居ない」
騎士「勇者達が食い止めている・・とか?」
商人「その勇者達も帰ってきた人が居ない・・おかしいと思わないかい?」
騎士「・・・」
商人「だから僕は本当はどうなのか知りたいんだ」
騎士「魔王城に行けば・・分かる・・か」
商人「でもその前に知りたいのがドラゴンの事だよ。確かにドラゴンは終わりの国へ送られてる」
騎士「謎ばかりだね」
商人「同じ様に捕えられたエルフ達もどうなってるのかが分からない」
騎士「エルフ達は始まりの国に送られてるんだっけ?」
商人「全部を把握してる訳じゃないけど・・多分そうだと思う」

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 22:23:21.28 ID:zASxF9xd0
僧侶「ねぇねぇ!!船の下に何か居る〜〜!!」
盗賊「なに!?」
商人「え!?」
ドタドタ ドタドタ
盗賊「あれは!!・・・・」
商人「クラーケン!!これはまずいかも・・」
盗賊「気球の準備をしてくる!!」ダダダ
魔女「・・・慌てんでも大丈夫じゃ・・エルフの娘が落ちついておる」
エルフの娘「・・・・・」
商人「海賊船は良くクラーケンに襲われてるって・・」
僧侶「船の下を行ったり来たりしてる〜〜」
盗賊「この船を襲う気は・・無い・・のか?」ゴソゴソ
騎士「魔女の言う通り少し様子を見よう」

148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 22:23:54.01 ID:zASxF9xd0
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商人「去っていった・・・これはもしかして・・」ブツブツ
僧侶「あ〜また始まった〜ブツブツた〜いむ!ウフフ」
盗賊「まぁ何も無くてよかったな」
騎士「エルフの娘すごいな・・クラーケンの心も読めるのかい?」
エルフの娘「・・・・・」
魔女「エルフの娘では無くクラーケンがエルフの心を読んでると思うがのぅ」
商人「そうか!!だから始まりの国は自国の船じゃなく海賊船で運搬しているんだ・・」ブツブツ
盗賊「商人!うるさいから向こうで考え事してくれ!」
商人「わ、わかった。すこし考えてくる」
騎士「ハハなんかいつもの雰囲気だねハハ」

149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 22:34:49.84 ID:zASxF9xd0
---商船 夜---
魔女「また黄昏ておるのか?・・今日は満月が綺麗じゃのぅ」
エルフの娘「・・・・・」
魔女「慈悲の祈りは心を癒す力じゃ。満月に祈るのもよかろう」
エルフの娘「・・・・・」
魔女「祈りは魔法にも通じておる。そなたにも魔法の才はあるはずじゃ」
エルフの娘「・・・・・」
魔女「まだエルフにしては若いじゃろうが、癒しの祈りくらいは出きるじゃろうて」
エルフの娘「・・・・・」
ザザー ザザー

150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 23:13:48.84 ID:zASxF9xd0
---終わりの国---
盗賊「お〜い!見えてきたぞ〜!」
騎士「本当だ・・あれ?でも様子が変じゃないか?」
商人「!!戦争・・・・・か?」
盗賊「空に向かって何か撃ってる・・・すごい数だ」
騎士「城の上空に・・ドラゴン?・・なにか飛んでる」
盗賊「近づくのは危ないな・・ここでしばらく様子を見よう」
騎士「上空で回ってるドラゴンは1匹みたいだね」
盗賊「それにしても城から何を撃ってるんだ?」
騎士「上空のドラゴンは攻めきれない様だね」
盗賊「対空砲火ってやつか?・・・にしてもすげぇ・・どんだけ弾あるんだ?」
騎士「陸の方はどうなってるんだろう」
盗賊「見えねぇな・・もうすこし近づくか」
騎士「ドラゴンは退却したみたいだ」
騎士「陸で戦闘は無かった感じ・・かな」
盗賊「・・入港できるんか・・な」
商人「すこし様子を見てから入港してみよう」

151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 23:42:14.02 ID:zASxF9xd0
---数時間後---
盗賊「よっし!!停船した」
商人「みんな船で待ってて。下船許可をもらってくる」
僧侶「なんかさ〜さっきまでドラゴン来てたのにあんまり慌ててないね〜」
騎士「そうだね・・なんか変な雰囲気だね」
盗賊「ん〜なんか話が違うな・・・戦争慣れってやつか?」
騎士「エルフの娘!ちょっとおいで」
エルフの娘「・・・・・」
騎士「はい!これ金貨!これで好きな物を買うと良い。ここは銀製品が沢山あるらしいよ」ジャラリ
僧侶「わたしもちょ〜〜〜〜だ〜〜い」
騎士「後であげるよ。エルフは銀を好むって聞いたことがあってね・・魔女はエルフから離れないでね」
僧侶「わたしも銀製品ほしいほしいほしいほしいほしい〜〜」
騎士「分かってるって」
商人「お〜い許可が出たからみんな降りて良いよ」
盗賊「おう!」
商人「僕と盗賊は積荷を降ろして取引先に持っていくから4人は先に宿屋に行ってて」
騎士「分かった・・買い物しながら宿屋に行くよ」

152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/08(金) 23:42:49.57 ID:zASxF9xd0
---街道---
騎士「ドラゴンのせいかな?人がまばらだ」
僧侶「でも露店はやってるみたい〜ウフフ」
騎士「遠くに行かないように買い物をして良いよ」
魔女「わらわとエルフの娘も少し見てくるぞよ」
騎士「うん。後をついていくよ」
(もう何日目だ?毎回避難するのウンザリだよ)
(さすが王国の大砲はドラゴンも寄せ付けんな)
(でも不吉だねぇゾンビも出るし)
(地下墓地のゾンビが手に負えないらしいぞ)
僧侶「わたしこれに決めた〜〜♪銀のロザリオ」
魔女「これとこれと・・これをおくれ・・・・ほれつけてみぃ」
エルフの娘「・・・・」
騎士「もう買い物は終わったのかい?」
僧侶「まだああああああああ」
騎士「フフ」