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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part10



63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:51:13.61 ID:3lewGuBR0
僧侶「騎士遅いな〜〜どこに行ったんだろ〜」
魔女「僧侶・・離れるでない囲まれておる」
僧侶「え?」
シュシュシュン ストスト
??「動くな!」
僧侶「あ!!騎士が・・」
シュシュシュン ストスト
エルフの娘「動くなと言っている!人間がこの森に何をしに来た!」
僧侶「え?あ・・」
魔女(20人は要るよ・・)ヒソ
僧侶「あの・・その・・気球が落ちてしまって・・」
エルフの娘「動物達が怯えている!なぜ火を付けた!」
魔女「すまんのぅ・・悪気は無かったんじゃ」
僧侶「騎士は?騎士は大丈夫?」ソワソワ
エルフの娘「・・・寝てもらっただけだ!死んではいない!」
魔女「わしらををどうするつもりかね?」
エルフの娘「ものども出て来い!」
スッ スッ スッ ガサリ
僧侶「あわわわわわ・・」ゴクリ
エルフの娘「連れて行く!ものども捕らえろ!」
魔女(ここは従った方がよい・・おとなしくしておれ)ヒソ
僧侶「いや!いた!いた〜い」
魔女「手柔らかにたのむぞよ」
エルフの娘「暴れるな人間!いくぞ!」
僧侶「ふぇ〜ん・・」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:51:46.08 ID:3lewGuBR0
---牢屋---
ピチョン ピチョン
騎士「う、ううん・・ハッ!?ここは?」ガバッ
魔女「起きたか・・えらく強い睡眠薬だったようじゃの」
僧侶「ふぇ〜ん」シクシク
騎士「みんなエルフに捕まったか・・つつつ頭がクラクラする」フラ
魔女「薬が切れるまでおとなしくしておれ・・怪我をするでな」
騎士「二人とも大丈夫かい?怪我はないかい?」」
魔女「僧侶のおかげで怪我はしておらん・・しかし・・」
騎士「うん?」
魔女「僧侶の詠唱の速さは関心するのぅ・・怪我をした直後に回復魔法が間に合っておる」
僧侶「シクシク・・ウフフ〜」にまー
騎士「あぁ・・才能かな」
僧侶「わたし達どうなるかなぁ〜?」
魔女「どうもなりゃ〜せん・・エルフは殺生を好まん」
騎士「そうだと良いが・・」
魔女「人間よりも賢く気高い生き物じゃからの・・人間が手を出さぬと分かれば話は通じる筈じゃ」
僧侶「騎士はどうして捕まったの〜?」
騎士「僕は不意に矢を受けて・・振り返ったらエルフが居た。何か言われたけど気が遠くなって覚えてない」
僧侶「武器持って行ってなかったもんね」
騎士「あぁ迂闊だった」
魔女「それが良かったのかも知れん・・武器を抜いたら蜂の巣じゃったろう」
僧侶「20人くらいのエルフに囲まれてたの」
騎士「そうだったのか・・ぜんぜん気が付かなかった」
僧侶「エルフさんに理由を説明したら許してくれるかな〜?」
魔女「さぁ・・それはわからんのぅ・・しばらくは閉じ込められるかものぅ」
騎士「・・この牢は閉じ込めておくにしては造りがしっかりしてないような・・」
魔女「逃げてもすぐつかまるじゃろうて・・ここはエルフの森のど真ん中じゃ」
騎士「走って逃げても出るのに何週間もかかる・・・か」
魔女「[ピーーー]気はないじゃろうからここに居たほうが良いと思うがな・・」
僧侶「魔女さんはエルフの事をよく知ってるんだね〜どうしてかな〜?」
魔女「エルフはかつて魔王を共に滅ぼした仲間じゃよ・・・人間の仲間であるかは別として」
騎士「そんな歴史があったんだ」
魔女「エルフの寿命は200年程かのぅ・・まだ生きているやもしれんが」
僧侶「魔女さんも200歳以上だよね〜?でも見えな〜いウフフ」
魔女「わらわは219歳じゃ・・エルフよりも長生きじゃのぅフフ」
騎士「話し方だけ直せば今の若い子と全然変わらないかな」
魔女「話し方がおかしいのはそなたらの方じゃろう?わらわは普通にしゃべっておる」
僧侶「自分の事を『わらわ』とは言わないよ〜」
魔女「わらわは王族の生まれじゃ・・・今はもう無いがの・・」
騎士「王族・・・」
カツカツカツ
エルフの娘「起きたようね・・・長老が呼んでいる」
僧侶「あ・・さっきのエルフ・・・・綺麗」
エルフの娘「人間から見ればエルフはみんなそういう風に見えるのよ・・・言われて嫌な気はしないけど」ファサ
魔女「ここから出ても良いのか?」
カチャン パタ
エルフの娘「さぁ早く出て。変なマネはしないように」
騎士「あぁ・・ありがとう」ヨッコラ
エルフの娘「しっかり狙ってて!」
エルフの男「・・わかってるよ」
僧侶「よいしょっと」
魔女「・・・・」ノソ
エルフの娘「あなた達が変な事を起こさないように弓が狙っているのを忘れないで・・・」
騎士「あぁ何もしないよ」
エルフの娘「では後ろを付いてきて」
スタスタ トコトコ

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:52:12.96 ID:3lewGuBR0
---エルフの村---
騎士「ここが・・エルフの里・・・」
僧侶「夜の筈なのに明る〜いウフフ」
魔女「草木を少しづつ光らせておるんじゃ・・エルフは火を嫌うでのぅ」
エルフの娘「・・・・・」
僧侶「すごく幻想的・・・この風景を見るとわたし達人間が住む町は・・」
エルフの娘「汚れている」
魔女「草木や花は心を持っておる・・・そして命を運ぶ。われら人間はそれを少し軽んじておるな」
エルフの娘「・・・・・」
---長老の家---
トントン
エルフの娘「長老様・・参りました」
長老「おぉその声はエルフの娘だな?早く入れ」
カチャ パタン
エルフの娘「森の奥深くに入った人間3名を連れて来ました」
長老「旅人の方・・手荒なまねをして済まなかった。気球が落ちてしまったのだろう?」
騎士「はい・・騒がせてしまってすいません・・」
長老「森の浅いところでは人間達がエルフ狩りをやっていてな・・小競り合いが絶えんのだ」
騎士「はぁ・・僕たちはそんなつもりでは・・」
長老「わかっているが・・他の者に示しが付かんのも理解してくれ」
騎士「それで・・僕たちはこれからどういう処遇に?」
僧侶「ふぇ〜ん」
魔女「これ泣くでない・・黙っておれ」
長老「!?」ガバ
騎士「??」
長老「エルフの娘・・手を貸してくれ」ヨッコラ
エルフの娘「はい。長老様起き上がるとお体に・・」
長老「かまわん・・もう目が見えんから人間を少し触ってみたい」
さわわ さわわ さわわ
長老「!!これは驚いた・・・・・魔女・・あの歌を歌ってくれんか?」
魔女「♪ラ--ララ--♪ラー」
長老「久しぶりだな・・・魔女よ・・あの時のままだな」
魔女「やはり・・・共に闘った仲間であったようじゃな・・・老いたのぅ」
長老「まだアヤツを待ち続けているのか?」
魔女「愛しき人を待ち続けておる」
長老「・・・悲しき定め・・・これエルフの娘!早よう縄を解け!」
エルフの娘「はい!」スル スル スル
騎士「ありがとう」
僧侶「良かった〜」
魔女「・・・」
長老「わしは既に目が見えん・・・魔女よ・・・もう少し触らせておくれ」
魔女「・・・・・」
さわわ さわわ さわわ
長老「本当にあの時のままだ・・・時の番人となって愛しき人を待つのはどうか?つらいか?」
魔女「愛しい限り・・・かつての廃墟も今では花畑へと変わったよ・・毎日わらわが植えた」
長老「その深い愛は・・・人間の成せる所だ・・・そして今どうしてエルフの森へ?」
魔女「わらわの愛しき勇者は今この時代に生まれておる・・・」
長老「詳しく話しを聞かせてもらえんか?」
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66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:52:41.92 ID:3lewGuBR0
長老「ふむ・・・」
長老「愛を求め彷徨う・・・人間の真理・・・またしかし魔王の呪いに囚われたのも人間」
騎士「魔王の呪い?」
長老「200年前、魔王が滅ぶ間際に呪いをかけていった」
魔女「そうじゃ・・わらわの愛はその呪いに阻まれておるのじゃ」
長老「そなたが愛しき人に会う事こそ呪いを振り払う術であると?」
魔女「わらわはただひたすらに愛しい人に会いたい・・・」
長老「なんと悲しく愛おしい」ポロリ
魔女「・・・そなたは若さは要らぬか?」
長老「わしはエルフの定命をまっとうする・・・それが定め」
魔女「わらわ達人間は愛を知る定め・・・わらわは未だ愛の結末を知らぬ」
長老「ふむ・・それを阻む魔王の呪いを払いに行くのだな」
長老「人間よ・・難しい話は分からんと思うが・・」
長老「これから起こる真実を確かめ愛を取り戻せ・・・」
---魔女と長老の会話は良く理解できなかった---
---でも魔女の過ごした200年の重みは理解できた---
---『人間は愛を知る定め』この言葉の意味する所は---
長老「人間よ・・」
騎士「は、はい」
長老「勇者を探す旅の最中足を止めて済まなかった」
騎士「いえ・・・そんな」
長老「勇者の定めは魔王と戦う定め・・・魔女と共に勇者を探し呪いを払うのだ」
騎士「はい・・・」
長老「定めからは逃れられん・・勇者が居る以上必ず魔王も居る」
騎士「・・・」---魔王は居る?---
長老「魔女を勇者へ導いておくれよ」
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長老「これエルフの娘よ・・・」
エルフの娘「はい長老様」
長老「旅人を森から出るまで見送りに行って来なさい」
エルフの娘「はい・・・」
長老「それから人間よ・・このエルフのオーブを持って行かれよ」
長老「そのオーブにはエルフの心が記されている」
長老「これから未来にエルフに会うことが有れば聴かせてやると良い」
騎士「ありがとうございます」
長老「今晩はここで休んでおゆき・・・」
騎士「お世話になります」
長老「・・・魔女・・あの歌をもう少し聴かせておくれ」
魔女「♪ラ--ララ--♪ラー」
僧侶「♪ラ--ララ--♪ラー」

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 00:16:45.19 ID:Ct4jHmc70
---翌朝気球---
ゴーーーーーー ボウボウ
騎士「何から何までありがとうございました」
エルフの男「良いんだよ。手荒な真似をしたお返しさ」
エルフの娘「エルフの男!オーブを忘れないで!」
エルフの男「あぁそうだった・・・騎士これを」
騎士「ありがとう」
エルフの男「長老の心がそのオーブでよく分かったよ」
エルフの娘「それが無いとエルフが人間に協力する事は無いから無くさないで」
騎士「わかったよ」
魔女「では愛しき人を探しに行くぞよ」ノソ
僧侶「しゅっぱーつ」ヒョイ
騎士「西へ!!」ギシ
エルフの娘「じゃぁ森の端まで案内に行ってくる」ギシ
エルフの男「気をつけて・・・エルフ狩りには十分注意だよ」
エルフの娘「わかってるよ・・もう子供じゃない」
エルフの男「綱を離すぞ!!」
フワフワ フワ
僧侶「またね〜〜ウフフ」ノシノシ
ゴーーーーーーー ボボボ

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 00:17:46.55 ID:Ct4jHmc70
---気球4日目---
ヒョーゥ ギシ
騎士「森を上から見るのは初めてかい?」
エルフの娘「あぁ・・・何もかもが小さくて・・驚いた」
僧侶「私も初めは同じこと思ったよ〜ウフフ」
騎士「君はエルフの中でも若い方なのかい?」
エルフの娘「私はまだエルフの村の中では若くて経験が少ない」
僧侶「気になる気になる〜」
エルフの娘「まだ22年だ・・・人間とほとんど変わらない」
騎士「まだ若いエルフをよくエルフ狩りがある危険な所所へ行かせたもんだね・・」
エルフの娘「馬鹿にするな・・これでも弓の腕は村では上の方なんだ」
僧侶「へぇ〜〜すご〜い」
騎士「4連撃ちとか?」
エルフの娘「それはエルフの弓使いなら誰でも出来る」
騎士「そうなんだ」
エルフの娘「私の場合はロングボウを使ったピンホールショットを4連で撃つ」
騎士「なるほど・・それで昨日は毒の回りの速い内腿に毒矢を撃たれた訳だ」
エルフの娘「ふふふ」
僧侶「ねぇねぇあの雲を見て?」
騎士「ん?」
僧侶「なんか天気が悪くなりそう〜」
エルフの娘「ここから西に行く場合は天気が変わりやすいから少し高度を上げた方が良いと思う」
騎士「わかった」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ ゴーーーーーー

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 00:18:52.17 ID:Ct4jHmc70
---気球5日目---
ヒュー ヒュー
エルフの娘「・・・・・」
魔女「何を黄昏ておるのじゃ?」
エルフの娘「魔女様・・私はこの雲の海を始めて見ました・・」
魔女「うむ・・われら地上に住まう生き物は皆・・この雲の海の下に営みを設けておる」
エルフの娘「同じ地上で住まうもの同士何故争うのでしょう?」
魔女「わらわが生まれた・・200年前の世界ではそのもっと昔の話があっての」
エルフの娘「はい」
魔女「魔王が居なかった時代では地上で住まう物同士の争いは無かったそうじゃ」
エルフの娘「・・・」
魔女「今では魔王は滅びておるのに地上では争いがたえぬ・・」
エルフの娘「・・・その理由を考えていました・・・やはり魔王は復活しているのでは無いかと・・」
魔女「長老は定めの話をしておったな・・」
エルフの娘「はい」
魔女「この時代に勇者が要る以上・・・魔王は滅びたとは言い切れんのかもしれんな・・真実はわからん」
エルフの娘「・・・・・」
魔女「しかし・・人のなんたる小さなことか」
エルフの娘「はい・・いくら弓の名手になったとしても・・それは小さい事のように感じます」
魔女「でもその小さき力が定めを導く力になる事を忘れるでないぞ」
エルフの娘「エルフは森で営む定め・・・」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 00:19:44.39 ID:Ct4jHmc70
---気球6日目---
ヒョーゥ ギシ
僧侶「なんだか暖かくなってきた〜ウフフ」
エルフの娘「もうすぐ森の端に付く・・・」
騎士「うん高度を下げる」
プシュ プシュ 
騎士「安全に降りれる場所を探そうか・・エルフの娘案内して」
エルフの娘「わかった・・あそこの狭間に降りれるか?」
僧侶「エルフの娘ってさぁ〜魔女と話しするときは良い子なんだよね〜」ニヤ
エルフの娘「うるさい!」
騎士「ハハそういえばそうだね」
魔女「エルフは気高い生き物じゃからのぅ・・仕方がなかろう」
騎士「エルフの娘を降ろしたらすぐ気球を上昇させるから今のうちに・・」
僧侶「うん」
騎士「森の案内ありがとう」
僧侶「ありがと〜う。いろんなお話聞けてよかった〜ウフフ」
エルフの娘「いや・・こ、こちらこそ。良い経験させてもらった」
魔女「ほれ何と言うんじゃ?」
エルフの娘「ありがとう・・」
魔女「そうじゃ・・それが争いを無くす一歩目じゃ」
騎士「ハハ」
僧侶「ウフフ」
エルフの娘「ふふ」
フワ フワ ドッスン
エルフの娘「よし!あとはここから半日も西へ行けば砂漠の町だ。みんな気をつけて!」
騎士「うん。エルフの娘も気をつけて」
僧侶「また会おうね〜〜」ノシノシ
騎士「じゃぁ行こう!」グイ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ ゴーーーーーー
フワ フワ フワ
!!!!!!!!!
!! 危ない !!
!!!!!!!!!

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 00:34:00.95 ID:Ct4jHmc70
---数分前---
??「おいアレをみろよ」
??「気球が下りてくるぜ」
??「町に辿り着く前に燃料切れか?」
??「物資ごっそり頂いちまおう」
??「チッなかなか降りてこねぇな」
??「降りる場所探してるんじゃねぇか?」
??「おい!見つかるなよ!」
??「気球が降りたら囲め」
ドッスン
??「シッ」
??(静かにしろ!)
??(おぉすげぇ〜エルフが出てきたぜ)
??(ありゃ高く売れるぞ)
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
??(おぃ気球飛んでっちまう)
??(仕方ねぇエルフだけでも捕まえちまおう)
??(みんな要るか?)
??(行くぞ!!)