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勇者「魔王は一体どこにいる?」
Part1


勇者「魔王は一体どこにいる?」
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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:15:40.66 ID:3lewGuBR0
勇者「・・・・・」
門番「止まれ!ここは始まりの国王様の城である」
門番「身分の無い物を通す事は出来ん」
門番「何か身分を示す物はあるか?」
勇者「怪しい物では御座いません。これを・・・」ガサゴソ
門番「・・・これは勇者の証?しばし待たれよ」
門番「衛兵!見張っておけ!」
衛兵1「ハッ!!」
衛兵2「ハ〜イ!!」
-------------------------
衛兵1「こんな貧乏臭い格好してるのが勇者か?」ジロジロ
衛兵2「人は見かけに寄らないっていうけどね〜ウフフ」
衛兵2「あまり失礼の無い様にした方が良いかも〜・・」
衛兵1「軽装に帯剣だけで勇者には見えんが・・」
衛兵1「よく顔を見せろ!フードを下ろせ!」
勇者「は!失礼しました」スルリ
衛兵1「なっ・・女か?いや男のようだな」
衛兵2「あれ〜?割と良いかも〜ウフフ」
衛兵2「これで勇者なら女は放って置かないね・・・なんてね〜」
衛兵1「こんなヤサ男に何が出来る!!」
---数分後---
タッタッタ バタン
門番「衛兵!客人を通せ」
門番「失礼は無かっただろうな?」
衛兵1「ハッ」ギクリ
衛兵2「ハ〜イ」ニヤニヤ
門番「ささっ勇者殿付いて参られよ」
門番「衛兵から失礼はありませんでしたでしょうか?」
勇者「いえ問題ありません」
勇者「衛兵の仕事をしっかりこなして居ました」
門番「いやはや失礼をお詫びします」
ザワザワザワザワ
門番「隊長お連れ致しました」
隊長「ご苦労!門番は戻って良いぞ」
門番「あい分かりました。失礼します」スタ
隊長「これはこれは勇者殿」
隊長「私は始まりの国衛兵隊の隊長を勤めている隊長と申す」
隊長「よくぞ始まりの国へ参られた。歓迎いたします」
隊長「国王様は謁見の間に居られる。これよりご案内いたします」
隊長「・・がその前に失礼とは存じますが持ち物を預からせて頂きます」チラリ
勇者「・・分かりました」カチャリ ドサ
隊長「精鋭兵!勇者殿の持ち物を保管しておけ」
精鋭兵「ハッ」
隊長「勇者殿・・では参りましょう」
ザワサワユウシャラシイゾザワザワ
隊長「静まれ!道を開けよ」

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:16:46.90 ID:3lewGuBR0
---謁見の間---
隊長「執政殿!勇者殿をお連れしました」
執政「国王様。見えた様です」
国王「うむ。通せ」
執政「勇者殿。国王の面前へ。隊長は外で待て」
隊長「ハッ」ビシ
国王「よい。隊長も同席せよ」
隊長「ハッ」
国王「勇者よ近こう寄れ・・・」
勇者「はい」スタスタ スッ
国王「よくぞ始まりの国へ参られた」
国王「勇者の所存は聞いておる。ゆっくり休んで行かれるが良い」
勇者「はい。本日、始まりの国王様に謁見に来たのには訳があります」
国王「申せ・・・」
勇者「終わりの国の事でございます」
国王「やはりその事か」
勇者「旅の道中、噂を聞きまして」
勇者「かの国は魔王軍に3日で飲まれたとの事」
国王「ほう!!3日とな?かような軍国が・・のぅ」フフ
国王「終わりの国が戦争状態になってもう長いが・・・飲まれたとはのぅ・・」
勇者「はい魔王軍は軍力を増強しさらに伸びつつある様です」
勇者「これは噂に過ぎませんが・・」
勇者「気になるので終わりの国へ出向こうと考えております」
国王「ふむ、それは良い考えだ」
国王「いよいよ勇者が旅立つという訳か」
国王「国を挙げて支援せねばならんなハハ」ニヤ
国王「出来る限りの支援は約束しよう」
国王「執政!良きに謀らえ。勇者の扱いわかっておるな?」
執政「かしこまりました」
国王「して・・・勇者よ」
国王「そなたが勇者に選ばれて2年だったか・・成果を聞かせよ」
勇者「はい」
勇者「辺境の村より選出されて最初の1年は武術の訓練をしておりました」
勇者「師匠は退役した終わりの国衛兵隊長だと聞いています」
勇者「訓練を終えた後、師匠は故郷へ帰ると申していました」
勇者「その後の消息は聞いておりません」
勇者「残りの1年は、武術の実践と仲間を探す為に放浪に出ておりますが」
勇者「未だ仲間は得ておりませぬ」
勇者「放浪の折に終わりの国の噂を聞きここに参った訳で御座います」
国王「ふむ・・まだ成果は出て居らん様だな」
国王「まぁいたしかたない」
国王「隊長よ!」
隊長「ハッ」スチャ
国王「確か近く武闘会があったな?」
隊長「ハイ!明後日に御座います」
国王「そうだったか・・」
国王「勇者よ我が国の武闘会で腕を試してみてはどうか?」
国王「良き仲間が見つかるやもしれん」
勇者「・・・」タラリ
隊長「・・・」ニヤ
国王「隊長よ。勇者を任せた。失礼無き用心得よ」
国王「執政!勇者に武器と金貨を与えよ」
国王「後に魔王軍対策本会議を開く。各官僚を招集せよ」
国王「勇者には我が城での全行動を許可する」
国王「勇者・・ごゆるりとして行かれよ。下がってよい」フフ
勇者「ありがとう御座います」スクッ
隊長「付いて参られよ」スタスタ

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:17:36.75 ID:3lewGuBR0
---衛兵宿舎隊長の部屋---
隊長「お前が勇者とはねぇ・・」ファサ
勇者「やっぱり女だったんだね。兜越しじゃ分かりにくい」
隊長「何かおかしいか?」
勇者「ぃやまぁ声でそうなのかなと」
隊長「フン国王の前ではガチガチだったクセに」
勇者「王族は慣れてないんだ」
隊長「さて?どうする?勇者・・殿」
勇者「ん?なんか嫌味っぽいな」
隊長「私はまだお前を勇者とは認めて無い」
隊長「でも勇者の面倒を任された」
隊長「これはどういう状況か分かるか?」
勇者「なるほどそれで話し方が違う訳か」
勇者「最初は勇者に対してガチガチだったって事ね」
隊長「ちがっ!」
隊長「フン!失礼致しました勇者殿!明後日は武闘会ですがこれから如何致しましょう!」
勇者「ハハ普通で良いよ」
勇者「僕より10歳くらい上って感じかな?」
隊長「・・・」ギロリ
??コンコン
隊長「誰だ」
??「荷物をお持ちしました」
??「勇者殿の荷物と執政より預かり物を届けに参りました」
隊長「入れ」
??カチャリ
精鋭兵「こちらになります」ドサ
精鋭兵「それから隊長殿へ執政殿からの書状を預かって来ました」パサ
隊長「ご苦労!下がってよい」
隊長「それから要らぬ噂は立てぬ様にしろ」ギロ
精鋭兵「ハッハイ」バタン タッタッタ
隊長「・・ということだ勇者。開けてみろ」
勇者「これは・・」ガサリ スラーン
勇者「ロングソードか・・後は」ジャラリ
隊長「汎用武器と金貨一袋・・気前の良い事だ」
隊長「装備は自分で買えって事だな」
隊長「王様は勇者の扱いを分かっているらしい」フフ
隊長「適当に金を用意してさっさと旅立てという事だろうな」
勇者「それでもありがたいよ」
隊長「さてどうする?」
勇者「武闘会の事を少し聞きたい。正直自信が無い」
隊長「武闘会参加者は国中の猛者が・・・そうだな50人程集う」
隊長「トーナメントで8人選出するまでは規定の装備にて行う」
隊長「8人が揃った後の装備は自前で構わない。ここからが本番だ」
隊長「最後まで勝ち残れば金貨と従士の称号を得る」
隊長「因みに私は既に従士だ。武闘会には審判として参加する」
勇者「勝ち抜き戦ということは体力勝負か・・」
隊長「フフ楽しみね」
隊長「自前の装備で闘う場合死ぬ事もあるから気をつける事ね」
勇者「装備が心もとないな」
隊長「そのようだ」ジロジロ
勇者「よし!防具屋に案内してくれないか?」

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:18:18.06 ID:3lewGuBR0
---防具屋---
店主「いらっしゃいま・・あら隊長様お久しぶりです」
隊長「あぁ変わってないね商売はどうだ?」
店主「明日の武闘会のおかげで飛ぶように売れています」ニッコリ
隊長「それは良かった」
店主「ところで今日は何の御用時で?」
店主「???こちらの方は?」
勇者「僕はゆ・・」グイ
隊長「客人の装備を見繕いに来たんだ。見てやってくれないか?」
隊長(面倒を起こすな。おとなしくしてろ)
店主「分かりました。予算はどのくらいでしょう?」
勇者「この袋にある分でお願いします」ジャラリ
店主「ではサイズを測りますので上着を脱いでください」
勇者 ガサゴソ スルリ スルッ ドサ
隊長「・・・お、お前その体・・」
店主「顔に反してすごい体つきしてますね・・着やせするんですね。そして傷だらけ。」
勇者「ハハまぁ旅が長かったので・・」
店主「この店にあるのはプレートメイルが一番良い防具ですがどうしましょう?」
勇者「重い装備は長旅には向かないんだ。軽いのでお願い」
店主「では急所だけスケールにして後はレザーにしましょう」
勇者「それで良いよ」
店主「突き攻撃にはご用心下さい。守備力が足りませんので・・」
店主「では、少しお待ちください」
隊長「そんな装備で良いのか?武闘会はそんなに甘くないぞ」
勇者「僕はただの腕試しのつもりだよ。本気で勝つ相手は違うところに居るんだ」
隊長「フフ言う」---勇者の末路も知らずに---
店主「丁度良いサイズが有りました。試着してみてください」
勇者 グイ ズル ギュッギュ
勇者「お?なかなか良いね。あと・・目立たないように羽織る物ないかな?」
店主「デザートクロークが割りと地味になります」
勇者「それで良いよ。ありがとう」ジャラ
店主「金貨が多い様です」
勇者「お釣りはいいよ。ありがとう」
隊長「気前は良いが装備が貧乏臭いのは変わらんな」フフリ
店主「ありがとう御座いました。隊長様ごきげんよう」ノシ
---城門---
門番「隊長がみえたぞ!門を開けよ!」
衛兵1「ハッ」
衛兵2「ハ〜イ」
ガラリゴロリガラリゴロリ ガタン
隊長「ご苦労」スタスタ
隊長「そういえばお前達も明日武闘会に出るんだったな」
衛兵1「ハッがんばります!」チラ
衛兵2「ハイー」チラ アレ?
隊長「こちらの客人も出るそうだ。精進せよ」
勇者「よろしくお願いします」ペコ
衛兵1「アッーーー」
衛兵2「アツーーー」
隊長「では・・」スタスタ
-----------------------------
衛兵1「ぐぬぬあのヤサ男」
衛兵2「ねぇねぇ割と良い装備に変わってたみたいだよ〜?」
衛兵1「年は俺よりいくばくか下に見えるが・・」
衛兵2「なに張り合うつもり〜?止めたほうが良いと思うな〜」
---勇者が武闘会に参加する噂はあっという間に広がった---

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/02(土) 20:18:58.87 ID:3lewGuBR0
---武闘会場当日---
ザワザワ
勇者が出るんだってさー
ザワザワ
どんな奴?
ザワザワ
誰か知ってるか?
ザワザワ
多分あいつだよ
ザワザワ
ほらあのでかい奴
ザワザワ
あっちも強そうだよ
ザワザワ
女だっていう噂
ザワザワ
今回の勇者は女か?
ザワザワ
あの檻に入ってるのは何だ?
ザワザワ
囚人じゃないか?
ザワザワ
魔物だって噂
ザワザワ
なんか見たこと有る気が
ザワザワ
・・でどれが勇者?
ザワザワ
勝てば勇者だよ
ザワザワ
〜〜〜
司会「・・・が来賓として列席しておられます。盛大な拍手をお願いします」パチパチパチ
司会「では選手の皆さんは抽選札を受け取り控え室にお戻りください」
司会「ルールを説明します」
司会「抽選番号1〜12はAブロック13〜24はBブロック25〜36はCブロック残りはDブロック」
司会「ブロック毎に各上位3名を選出しABCDブロック代表の12名から再度上位三名を選出します」
司会「その後敗者復活戦を行います」
司会「尚、敗者復活戦のルールは後ほど説明します・・・」
---控え室---
勇者「34番かぁ・・えーとCブロックかな」
僧侶「あ!いたいた」
闘士「む!!」
勇者「??誰かな?」
闘士「忘れたとは言わさんぞ」ジロリ
勇者「その声は衛兵1かな」
勇者「そして衛兵2」
僧侶「あったりー」
僧侶「私は16番Bブロック」
闘士「1番・・Aブロック」
僧侶「なんか1番ってかっこわる〜いウフフ」
闘士「うるさい!」
僧侶「勝ち上がるまでは当たらないみたいね。ざんね〜んウフフ」
闘士「ヤサ男には負けんからな」
勇者「ん〜良いのか悪いのか・・勝ち残ると死人が出るとか脅されたからなぁ」
闘士「隊長だな?死人が出たのは隊長が優勝した時だ」
僧侶「そうね〜ここ5年くらい?は死んだ人見たこと無い〜ウフフ」
勇者「そうなんだ」
闘士「だが手加減はせん!」ブンブン ブーン
僧侶「おちつけーあ!隊長!」
闘士 ナヌ シャキーン ビシ!
僧侶「なんてね〜ばっかみた〜いウフフ」
闘士「僧侶!頼むって・・」
僧侶「でも皆強そうだね〜剣士さんいっぱ〜いウフフ」
カツカツカツ バタン
審判「試合の前に各自使用する武器を選んでおくように!!」
審判「武器庫で選んだら会場前に集合。そこで身体検査を行う」
ヒソヒソアレタイチョージャナイ?ヒソヒソ
勇者「そういえば魔法を使いそうな選手は居ないなぁ」
僧侶「そうだね〜。始まりの国じゃ珍しいからウフフ」
闘士「魔法なぞ必要ない!力こそすべて!」ブンブン ブーン
審判「早く行かないと武器がなくなるぞ!」
勇者「え?」
僧侶「あれえ〜?置いてかれちゃった〜?ズル〜イ」
闘士「僧侶行くぞ!ヤサ男に構ってる暇はないぞ!」ドスドス