Part36
729 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:50:00.97 ID:
iQzL7yso
「――紅鳩」
「はぁう」
抱きしめたまま囁く。
「するから」
飾り気も何も無い言葉。
何を云っても慰めになどならない。罪を重ねる意味しかない
のなら、告げる言葉なんかない。そう思った俺は、結局突き放
したような言い方しか出来なかった。
直後から押し寄せる後悔。なのに紅鳩は嫌な顔ひとつしなか
った。
いつもはあんなに人の話も聞かず、無邪気で無鉄砲な大騒ぎ
ばかりをやらかすくせに、このときは一言の問い返しもしなか
った。
紅鳩はただ黙って俺の腕の中で一瞬だけふわりと解ける
「……はい」
緊張した蚊の鳴くような小さな声で云うと、紅鳩は抱えてい
た巨大な絹の枕を脇に手放す。伏せた視線のまま、俺の隣で身
を硬くする。
紅鳩の頬が赤い。
俺の顔を見上げないように伏せた視線。恥ずかしいし、辛い
のか。
問い返さない所を見ると、おそらくそれなりの知識はあるの
だろう。女官に教えられたものなのだろうか。本や噂で知った
ものか。
730 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:50:21.06 ID:
iQzL7yso
俺はそんな紅鳩の額に再びキスをする。鼻先をくすぐるのは
紅鳩の前髪。お陽様の光を吸い込んだ紅鳩の魂。僅かに篭る甘
い香りは優しくて、俺は余計に罪悪感をえぐられる。
髪の生え際を彷徨う俺の唇がくすぐったいのか、紅鳩の呼吸
が不規則に浅くなる。
軽く閉じたまぶたの上、柔らかい毛先の仔熊耳、頬、首筋。
キスが辿り終わる頃、俺は巨大な寝台の中央で紅鳩を押し倒
していた。
上気した表情で紅鳩は俺を見上げてくる。緊張しているため
か身体は縮こまっていたが、紅鳩は必死に俺に身をゆだねよう
としていた。
紅鳩は紅鳩の役目を必死に果たそうとしているのだと思うと、
悲しいような悔しいような得体の知れない黒い感情が俺の腹腔
を重く満たす。
「紅鳩……」
首筋を撫でていた指先を下に向かわせる。
「はい、れいせぇ様」
信じるような視線の紅鳩が一瞬身体を跳ねさせる。指先は小
さい肩を越えて、すべらかな胸に届く。薄い紗の夜着を通して
火照ったような温度と、薄いけれど僅かな柔らかさを秘めた胸
の感触が伝わる。
731 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:50:37.34 ID:
iQzL7yso
「紅鳩……」
繰り返し名前を囁きながら、俺は小さな真珠のボタンを外す。
ひとつ、ひとつ、もうひとつ。
「……はぃ」
大人しくされるがままになる紅鳩の小さな返事。
あらわになった胸の稜線は信じられないほど滑らかで、優し
い褐色の磁器のようにさえ見えた。青白い月の光に浮かび上が
る幼い肌の艶やかな質感を傷をつけるのが怖くて、貴重品に触
れる細心さで指先を触れさせる。
こぼれる吐息。
堪えるような僅かな乱れ。
それが心配で名を呼ぶ。
「紅鳩?」
「は……いっ……」
答えは短く乱れ始める呼吸の浅さを恥じるよう。それが俺の
唇を誘う。
「はゆっ……ぅ……はっ……ぁっ……」
膨らみとはいえない優しさを丁寧に唇で辿る。触れているだ
けで暴走しかけている紅鳩の鼓動が伝わる。
小さな胸の内側にあるのが信じられないほど力強い鼓動の音
が切ない。
732 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:50:47.64 ID:
iQzL7yso
何度も繰り返すたびに、紅鳩の小さな声が濡れていく。
次第に甘くなる吐息。出来る限り優しくしてあげたい。
幼い紅鳩にとっては辛い経験にしかならないとしても、僅か
でも罪滅ぼしをしたい。その願いが丹念さになって表れたのか
もしれない。
紅鳩の赤く実った乳首に辿りついた時には、紅鳩の瞳は潤ん
で湿った吐息を漏らすようになっていた。
「……」
俺は一呼吸おくと紅鳩の残りの衣服も脱がそうと、身を離し
た。
熱に浮かされたような瞳で見上げる紅鳩の視線と絡み合う。
その瞬間、紅鳩の表情が歪んだ。
「やだぁっ」
――ぎゅっ!!
しがみつく紅鳩。
「これじゃ、ダメだよぅ」
紅鳩は混乱したように想いの高ぶった声を押し出す。震える
言葉の激しさと、抱きつく細い腕の力強さに俺は驚いてしまう。
紅鳩はがむしゃらな力で俺の胸に抱きついて、柔らかな髪を
乱すように頭部をこすりつけてくる。
733 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:51:06.82 ID:
iQzL7yso
「――紅鳩?」
「紅鳩は、れいせぇ様にさわってもらって嬉しい。れいせぇ様
に口付けされて、嬉しいよっ。でも、れいせぇ様はひとりぼっ
ちだよぅ」
「……」
「れいせぇ様が一人ぼっちなのは嫌。そんなの、紅鳩はいらな
いもん」
――そんな事はない。
そう云おうとした。
だがその言葉は喉に粘りついたように出てこない。
「れいせぇ様が一人ぼっちなのは嫌なんだもの。それなら、紅
鳩は、――紅鳩が寂しいほうがずっといいのだものっ」
華奢な身体の生み出す力は高が知れていた。紅鳩がいくらし
がみつこうと俺がその気になれば組み伏せることも引き剥がす
ことも簡単に出来ただろう。
だが紅鳩の必死さが、むずがる子供のようながむしゃらさが、
俺の身体を固まらせていた。
紅鳩は幼いと思っていた。
でも思い出してみれば、いつでも笑っていた紅鳩が子供らし
い我侭をいうのを俺は聞いたことがない。無理な要求をして周
囲を困らせているのを、俺は見たことがないのだ。
734 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:51:28.91 ID:
iQzL7yso
「紅鳩は嫌だもん……」
華奢な肩が俺の腕の中で震えている。
拙い言葉で必死に伝えようとするもどかしさが俺の腕の中に
ある。
「そんな事はないんだよ」
絡み付くものを振り切って押し出した言葉はひび割れていた。
紅鳩を安心させようと抱きしめた腕も頼りなかった。――自分
で聞いても説得力なんかありはしない。
だから容易く見抜かれてしまっていたのだ。
「れいせぇ様……」
見上げてくる紅鳩の視線にも、もう弱さはなかった。いや、
初めから無かったのかもしれない。
「れいせぇ様。――泣きそうな顔をしてる」
「――っ」
紅鳩はいつだってそうだった真っ直ぐなひたむきさで俺を貫く。
「紅鳩は寂しかったよ。……れいせぇ様は優しいけれど、やっ
ぱり紅鳩は遠いところから来た獣牙だから、れいせぇ様のこと
判ってあげられないのかなと思ったの。れいせぇ様の好きな人
は、雪加(セッカ)様みたいな胸の大きい人かなとか。瑠璃鶲
(ルリビタキ)様みたいに可愛くてキレイな人かな、とか……」
まだところどころでつかえる帝国公用語で紅鳩は必死に語る。
735 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:51:48.62 ID:
iQzL7yso
「れいせぇ様と一緒にいると、優しい気持ち。れいせぇ様を見
てると頑張りたいと思うの。でも、紅鳩はれいせぇ様の役には
あんまり立ってない。――お稽古も、勉強も、あんまり出来ま
ないし……」
自分でも判りにくいとは思っているのだろう。
だから紅鳩は拙い言葉で必死に繰り返す。
そんな事はない。
ちゃんと伝わっているのに。
「だから、れいせぇ様にくち……づけ、して貰えて」
必死に説明しようとしている紅鳩が茹蛸のように染まる。
困惑したような羞恥の表情。それさえも素直な紅鳩のままで。
「口付けしてもらえて嬉しかったの。れいせぇ様になら何でも
してあげたい。いっぱいぎゅーってされたいし、いっぱいぎゅ
ーってしたいの。……本当はヒミツのこともいっぱいしたいの。
そうしたらどんなにか幸せなの」
紅鳩の困ったような悲しいような表情。
ずっと見てきたはずなのに何にも判っていなかった。
ずっと一緒にいたのに何も伝えていなかった。
ちゃんと言葉に出来なかったのは俺のほうだ。
736 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 06:51:59.09 ID:
iQzL7yso
「……だけど、それでれいせぇ様が寂しくなるのだったら、紅
鳩はいらない。ぎゅーも、ちゅぅも、嬉しいけど……幸せだけ
ど。紅鳩はいらない。れいせぇ様が寂しいなら、やっぱり紅鳩
も……」
紅鳩の目じりから、必死に堪えてきた涙の粒が落ちる。
震える声を必死に立て直して、それでも涙は耐え切れないの
か、ぽろぽろと落ちるのも構わずに、紅鳩は息を吸って言葉を
続ける。
「それは」
紅鳩が、泣き笑いをしながら俺を見上げている。
故郷を離れたこの幼い姫が、帝国の都で始めて云った、もし
かしたら最後になるかもしれない、取るに足りない、ささやか
な、でも勇気を振り絞った……。
「紅鳩が独りぼっちになるよりも、ずっと寂しいの」
夜の帳で囁かれる、一生に一度のわがまま。
737 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:25:27.09 ID:
iQzL7yso
//9
今なら判る。
内侍長が何故俺をこの部屋に戻らせたのか。
俺に何を期待していたのか。俺が本当にしなきゃならないの
は何なのか。
ごめんなさい。
俺はやっぱり馬鹿だった。
馬鹿だったし甘えていた。
みんなに迷惑をかけないとこんなに簡単な事も判らないほど
愚か者だった。一番最初に判らなきゃならないことが、最後ま
で判らない阿呆だった。
自分がされるのはあんなに嫌だった、肩書きや立場で見られ
ること。『東宮』に縛られて俺を見てくれないのが寂しいとい
うことを、俺自身が他人にしていた。
『南域からやってきた人身御供の許婚』として、紅鳩を遠ざ
けていた。
紅鳩はいつだって俺を見ていてくれていたのに。
紅鳩は自分を殺してでも俺の見つめる先を追ってくれていた
のに。
738 :
パー速民がお送りします: [] 2009/04/02(木) 07:27:34.66 ID:
iQzL7yso
「……紅鳩」
流れる涙をぬぐいもせずに、紅鳩は何かを堪えるように口を
引き結んでいる。
「お前さ、俺のトコに来いよ」
挑むような怯えるような強い視線が俺にすがっている。
「……正直、いつポカしちまうか判らない東宮なんだけどさ。
もしかしたらエらい大騒ぎとか、大事件で野垂れ死にしちゃう
かもしれないけどさ。俺のトコに来いよ」
問いかけるような表情で紅鳩は待っている。
「俺はかなり……いや。すごく馬鹿だから。苦労ばっかりかけ
ちゃうかもだけどさ」
俺の言葉を待ってくれている。今までだってずっと待ってい
てくれたんだ。
「忙しいし要領悪いから、あんまり構ってあげられないかもし
れないけどさ。それでも寂しくないように頑張るからさ。俺の
トコに来ちゃえよ」
紅鳩がうなずく。
泣き出す寸前の表情で、うなずく。
「だから。俺のお嫁さんになって、ずっと一緒にいようぜ」
「はいっ。れいせぇ様っ」
涙で崩れた、それでも輝くような笑顔の紅鳩を強く抱きしめ
る。
その身体を独り占めするように。紅鳩の中から不安も寂しさ
もなくなればいいと願って。俺一人のものにするという覚悟を
込めて抱きしめる。
739 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:27:55.76 ID:
iQzL7yso
その責任の重さと、喜びに頭がくらくらする。
こんな小さな女の子を幸せにしたいという願いと責任は、
帝国の東宮になったときのそれと殆ど同じ程で、俺はそれに不
安を覚えると共に、なんだそんなものかと安堵した。
紅鳩を幸せにするのなんて帝国を幸せにするのと同じことだ
ったんだ。
俺がびびってた罪の重さはこんなものだったんだ。
「れいせぇ様、いいニヨイ……」
腕の中の紅鳩はくねるように身じろぎをすると、俺の胸の中
の居心地のいい場所を見つけて収まりこむ。
すっぽりと俺の胸の中に嵌まるなめらかな身体の温かさと壊
れやすさ。でもそこに宿る想いの力強さに、眩暈を覚えるよう
な嬉しさが湧き上がる。
紅鳩だ。
俺の腕の中に、あの小さな紅鳩がいる。
「馬鹿いうな。紅鳩のほうがいい匂いだ」
俺は照れくさくて、紅鳩をぎゅっと抱きしめたままその髪の
毛に顔をうずめる。紅鳩の動物的で柔らかな甘い香りがする。
「はやぁ……。あ。……ダメ。ダメっ。れいせぇ様っ」
腕の中の紅鳩がじたばたと暴れる。
「なんでさ」
740 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:28:11.04 ID:
iQzL7yso
「はぁぅ……」
曖昧にうめく紅鳩。それが楽しくて、俺はすんすんとその香
りを吸い込む。
紅鳩は何が恥ずかしいのか身をよじり逃げ出そうとし続けた
が、視線を合わせるのも気恥ずかしくて俺は紅鳩を抱きしめた
ままその香りを嗅ぎ続けた。
「う。……うぅ〜。れいせぇ様ぁ、意地悪〜」
「なんでだよ」
しばらく二人で抱きしめあったままじゃれあい続けると、さ
すがに諦めたのか、紅鳩がぐったりともたれてくる。
疲れたのだろうと腕の力を緩めても、脱力したようにしがみ
ついてくる。
「……うぅ〜。お月様が」
「うん。月が?」
「丸いの」
それはそうだ。満月だからな。
先ほど見上げた窓の外の月を思い出す。今もこの部屋の窓か
らは差し込む月光。月影は長くなり、夜もかなりふけていると
思われた。
「あぁぅ〜。……あの。……うぅ」
見るも哀れなほど真っ赤になった紅鳩は、上目遣いに俺をち
らりと見ると、やはり恥ずかしがって俺の胸に顔を埋めてしま
う。
紅鳩ってこんなに可愛かったのか。
腕の中でもじもじと身体を動かす紅鳩が愛しくて優しく背を
撫でる。
741 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:28:27.00 ID:
iQzL7yso
「はぁぅ。はぅ〜っ。……れいせぇ様ぁ」
やっぱり目線だけあげて、隠れながらこちらを伺う紅鳩。
「だから、何?」
気になった俺は尋ねる。
紅鳩は真っ赤に茹だった顔を埋めて、視線だけで見上げなが
ら俺の手を掴むと、そろそろと自分の背中から腰へとおろして
ゆく。
贅肉のないすべすべの背中を越えると、かぼちゃのように膨
らんだ寝巻きの下穿き。その裾をするりとめくりあげて、紅鳩
の小さな手は俺を案内する。
「はぁぅ〜。……うぅー」
可愛らしいお尻の狭間。つるんとした卵のようなさわり心地
を越えると、ふわりと漂う甘い香りが強くなる。
――って!
俺の体温が跳ね上がる。
柔らかな紅鳩が抱きしめた俺の腕の中で、俺に体重をかけて
くてんとなる。切なそうに揺らめかせる腰の奥、誘われた指先
は紅鳩の太ももの付け根に触れて、くちゅりと濡れる。
「うっ。ひゃうっ! ……〜っ!」
ぎゅっとしがみつく紅鳩。
俺の指先にはあふれるほどの蜜が絡みつく。まるでお漏らし
をしたみたいな、熱くて蕩けた粘液。――紅鳩の甘い香りの正
体。
自分より頭二つは小さく片手でも抱きしめられそうな少女の
ぬるみきった秘所に触れるのは背筋をしごかれるような背徳感
を持っていた。
742 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:28:39.85 ID:
iQzL7yso
――うぅ〜。お月様が丸いの。
その背徳感の中で、紅鳩の恥ずかしがる言葉を思い出す。俺
の胸に隠れるように顔を埋めたまま切なそうにもじもじと腰を
動かす仕草。……その意味するところに俺はようやく思い当た
る。
「紅鳩。もしかしてお前……。サカリの時期なの、か?」
紅鳩は俺の言葉に一瞬怯えたように萎縮するが、俺にしがみ
ついたままこくこくと頷く。いつからこんな風になってたんだ?
初めて寝室に紅鳩が迷い込んできたのは、三ヶ月前。あの日も
満月だったのだろうか。
紅鳩は声を殺して浅い呼吸を繰り返すと、まるで消え入りた
いと告げるように俺の胸の中で首筋を縮めて身を隠す。
それでも一度指先が触れてしまった性器がむず痒いのか、ゆ
らゆらと腰を蠢かせている。その幼い媚態に俺は喉が渇ききっ
て、唾を飲み込むことも出来ないほど煽られてしまう。
「つらいか?」
こくりという頷き。
言葉はないけれど、顔を隠すように埋めた胸の中で、その動
きが感じられる。
その仕草の愛らしさに俺のほうの頬も熱くなる。
忍び込ませた指先は、まるで熱い蜂蜜をたっぷりとかけた蕩
けるゼリーのような谷間を彷徨っている。どこまでもなめらか
でどこまでも柔らかな小道を辿ると、信じられないほど熱を持
った小さな蜜孔に辿りつく。
743 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:28:57.54 ID:
iQzL7yso
「ふやぅっ!!」
紅鳩の声が可愛い。
その声に苦痛が混じりこまないように。できれば甘く掠れ果
てるように。俺は指先をその幼い秘裂に往復させる。
ともすると握りつぶしてしまいたくなるような妖しい誘惑を
振り切って、慎重に丁寧に滑らせるのだ。こすりあげるときは
たっぷりと粘液の絡みついたぬるぬるの指の腹全部を使って、
こすりおろすときは指先を触れるか触れないかの感触でくすぐる。
紅鳩がいやいやをするように俺の胸の中に埋めた顔を振る。
呼吸は荒くなり、我慢しきれない甘い呻きが部屋の中の闇に
はじける。
「……すん。…はっ………はぁぅ」
二本の指先で、ゼリーのような柔肉を少しだけ広げてやると、
中に貯まっていた熱いハチミツが指先にどろりとこぼれる。蜜を
受け取って絡めた指先を幼い孔に優しく差し入れる。
火傷しそうなほど煮立った蜜孔に、指先だけの抽送。
「はぅ…。ひゃんっ……ゃ。……ゃ。……ぁんっ」
甘く透き通ってくる紅鳩の小さな声。
その声がもっと聞きたい。
小さな紅鳩を独り占めしたい。そんな気持ちが膨らんで、押
さえが利かなくなる。
俺はとろとろした愛液でぐっしょりと蒸れた下着の中で、指
先が紅鳩が一番可愛い声で鳴いてくれる場所を探り出す。
744 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:29:14.47 ID:
iQzL7yso
「ひゃぁうっ!?」
くるん。
指先がその小さな真珠の頭を撫でると、紅鳩の身体に寒気に
も似た緊張が結露するのが判る。一瞬の痙攣とそれを追いかけ
る淫らな弛緩。
「ひゃぁんっ!!」
くるん、と指先で触れる。
滴り落ちるほどたっぷりと粘液を絡めた指先で、優しいキス
を繰り返す。
「紅鳩」
「ひゃぁうっ!?」
必死に隠れようとする紅鳩に声をかける。喉に絡みついた声
に、俺は自分も紅鳩に負けないくらい興奮してしまっているこ
とに気がつく。
「……紅鳩」
「ひゃぁんっ!! はぅ。……はぁう。れいせぇ様ぁ」
紅鳩は必死に呼吸を整えようとしているが、哀れなほどに報
われていない。潤んだ瞳で見上げてくれる紅鳩が可愛くて想い
が溢れ出る。
「紅鳩のこと、欲しい」
素直に出た言葉に、紅鳩は夢見るような瞳でこくりと頷いて
くれる。
745 :
パー速民がお送りします: [sage] 2009/04/02(木) 07:29:26.47 ID:
iQzL7yso
緊張はしているけれど、その視線には信頼がある。体勢を入
れ替えてシーツに横たえた身体。服も下着も取り去った乳褐色
の身体はどこにも傷ひとつないほどになめらかで、描く描線の
柔らかさに呼吸が止まりそうになる。
「綺麗だよ」
ぽわっと紅鳩の頬が濃く染まる。あわてたように指先で探し
た絹の巨大な枕を抱きしめる。枕の上端から覗いた潤んだ瞳と、
困ったような眉。抱きしめられた枕に隠されて見えない僅かな
膨らみの胸と、すっきりとした腹部。
羞恥のあまり身体を隠しているのに、枕の下端から覗いてい
るのは、力なく広げられた太ももと、その間の桜色に発情した
可愛らしい秘裂。
そのアンバランスさに俺は眩暈がするほど魅せられる。
幼孔からあふれる蜜をすくい、俺は腰をあてがう。
「……初めては痛いと思うけれど」
紅鳩は枕に隠れるように俺を見上げたまま頷く。半分隠れた
ままなのに、俺を必死に見上げてくる。
これ以上は俺のほうがおかしくなりそうだ。紅鳩のいじらし
い仕草に自分でも問題を感じるほど欲情を覚えて俺は突き入れ
る。
うう。変な趣味がついたら紅鳩の責任だ。
「んっ。……はゆぅっ! あっ! あぅっ! うぅっ!」
ぎゅっと目をつぶった紅鳩。口元を枕に押し付け必死に声を
噛み[ピーーー]けれど、衝撃と驚き、そして感じる痛みが声を絞り出
す。
だけど驚愕を感じているのは俺も一緒だった。