Part6
184 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 11:15:14.55 ID:
1IBD/bxU0
やばい。猿くらった。
ばいばいもんきー。さるげっちゅ。
ついでなのでご飯食べてくる。
空腹なのにシチュー談義とか
最早ド許せぬ。きゃつら最微塵までくだいてくれるわ。
保守してくれた人に代わらぬ感謝とママレードを。
ペンチはさ。何で人気出たか俺もわからねぇ。
付き合うならメンヘラよりも皇族だよなー。
186 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 11:35:37.78 ID:9EheykzsO
新三六歌仙だと式子内親王って影薄そうだよな
195 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 12:36:54.54 ID:
1IBD/bxU0
男「ワーテルゾーイ。
ベルギー北西部ヘント地方の伝統的家庭料理で、
若どりを煮込んで、煮汁に卵黄入りの生クリームを
加えてとろみをつけるシチュー」
式子内親王「ベルギーってどこ?」
男「オランダの横」
式子内親王「横かー。これ作って届けてくれないかなぁ」
男「ちょと遠いんじゃね?」
式子内親王「これも美味しそうだよ?」
男「ああ、うまそうな。卵黄いりってところがそそる」
式子内親王「男は作れるの?」
男「横にレシピのってるしな」
式子内親王「うわーい」むきゅっ
男「侮れないな『世界シチュー大全』っ」
式子内親王「侮れないねっ異国の文化侵略だねっ」
男「侵略されてますか」
式子内親王「うん。主におなかが」
男「……」
式子内親王「……」
男「だよね」
式子内親王「ですよねー」
196 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 12:43:23.31 ID:
1IBD/bxU0
ぺらりっ。
男「チリコンカルネ。
おお、チリコンカルネかっ。
牛肉と豆をチリパウダーで煮込んだ、
代表的なアメリカの料理の一つ。かつてメキシコ領だった
アメリカ南西部の料理で、料理名もスペイン語」
式子内親王「食べたことあるの?」
男「これはあるぞ。比較的有名だしな」
式子内親王「ど、どんなのっ?」
男「ピリッとした味の豆入り煮込み料理だ」
式子内親王「うわぁ……」
男「赤茶色のスープでマメがどっさり入ってる」
式子内親王「美味しそうだな。美味しいよね?」
男「美味いな」
式子内親王「うっわぁ。うらやましいな。
ねたましいな。これは不敬罪にあたるわねっ!
投獄するしか……」
男「目がまじだ」
式子内親王「食べたい、食べたい、たべたーいっ」
男「わーったわーた。そのうちなっ」
式子内親王「ん。今度ね。約束だっ!」
197 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 12:48:28.68 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「ふぅっ」
男「堪能したか?」
式子内親王「堪能した! すごいよ。『世界シチュー大全』っ」
男「うむ。まさかこれほどの破壊力を有するとは……」
式子内親王「おとこーおとこーっ」
男「どうした?」
式子内親王「大変だよ。我が日本の空腹艦隊が壊滅だよっ」
男「なに!?」
式子内親王「世界全土からの一斉射撃で全ての艦艇が
大破、もしくは撃沈よっ。もう戦闘能力は皆無なの。
このままゆっくり飢え死にしそうな気分だよぅ」
男「戦力差は?」
式子内親王「一対四万八千くらいっ」
男「泣きそうじゃね?」
式子内親王「遅いね。わたしなんかもう泣いてるしっ」
男「さすが皇族」
式子内親王「えへん。電光石火です!」
男「食べちゃうか?」
式子内親王「食べちゃおう!」
198 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 12:52:23.11 ID:Cv7/n0jZO
ガチャピン「食べちゃうぞ!!」
199 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 12:53:25.26 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「しちゅーっしちゅーっ」
男「じゃん!」
ふわぁっ。
式子内親王「良い匂い! 本日は?」
男「白菜と鶏のクリーム煮でございます」
式子内親王「ごはーんっ!」
男「ははーっ」
式子内親王「苦しぅないぞ。よそってよそって!」
男「任せろ」
式子内親王「いっただきまーっす!」
男「どうぞ&いただきます」
式子内親王「美味しい♪」
男「おう」
式子内親王「もっきゅもっきゅ」
男「もぐもぐ」
式子内親王「もっきゅもっきゅ♪」
男「もぐもぐ」
式子内親王「美味しいよぅ」
男「いや。涙ぐむほどじゃない」
200 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 12:57:46.63 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「あのさ、おとこー」
男「もぐもぐ。なに?」
式子内親王「えへへへ〜」にぱ
男「うわ。だらしない顔」
式子内親王「なにを云うのよっ。わたしは
凛々しい美少女皇族☆リリカルエンペラーよ」
男「エンプレスじゃねぇの?」
式子内親王「……そうとも言うかしらね」
男「で、なによ」
式子内親王「なんでもない。えへへ」
男「へんなやつ」
式子内親王「ごちそうさま♪」
男「おそまつさまでしたっ」
式子内親王「男。男っ」
男「なに?」
式子内親王「今晩は手をつないで眠るっ」
男「なんでまた」
式子内親王「だってソレはやったことないし」
男「……またなんか携帯小説とかに影響受けてね?」
式子内親王「えへへ〜」
男「それくらいなら、いつでも引き受けるんだけどさ」
201 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/10(金) 12:58:00.70 ID:SqdU4H6kO
内親王と見ると眞子内親王を連想して射精してしまう
202 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:04:13.64 ID:
1IBD/bxU0
神無月 末日
うかうかと幸せになってしまいました。
うっかりと幸せになってしまいました。
男とくっついていると暖かくて優しくて憧れて
触れたくて確かめたくて確かめてもらいたくて
とてもじゃないけれど抵抗できませんでした。
楽しい食事、幸せな日々、溢れるような書物、新しい知識。
いつもとぼけてる表情で、優しくしてくれる男。
自由な、世界。
どこにでもいける、なんにでもなれる、世界。
ごめんなさい。
どう詫びても足りません。
なにを捧げてもいいから謝りたい。
でも、それでも。
触れてもらいたかったのです。
――もう、神無月が残って、いません。
203 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:08:26.13 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「えっと……」
式子内親王「そーっと。そーっと」
男「ZZZzzz……」
式子内親王「荷物はまとめてあるし。
他は何かあったっけ。パンツも入れた。
服も入れた。香水も入れた。おとこにもらったもの……。
あ、そだ。熊のほうの歯ブラシも」
こそこそ
男「ZZZzzz……」
式子内親王「これで、いいかな。いいよね。
……雷、近づいてきちゃったかな。
まだ、かな」
男「すぅーっ。すぅーっ」
式子内親王「うっわ、男可愛いなぁ! 可愛いなぁ!
むぅーって顔してるなぁ。いいなぁ。いいなぁ
ずっと
――ずっと見ていたいなぁ」
男「んぅ……」
204 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:12:05.06 ID:cdSgonVJO
鬱の向こうに幸せがあると信じてる
205 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:13:44.52 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「ごめんね……」なで
男「ZZZzzz……」
式子内親王「いや、その。ほら、最初はさ。
皇族パワーでひれ伏せさせて突っ走る予定でさ。
それこそ『玉の緒よ絶えねば絶えね』の精神で、
もう内緒で秘密で完璧隠蔽でさー」
男「すぅー……」
式子内親王「そういう。なんての?
うん。……自分ひとりの気持ちで持って帰る
つもりだったんだけどさっ」
男「ん。……くふぅ。ZZZzzz……」
式子内親王「面目ない。いや、わたしはあれなの。
正規の才媛として上手い具合にバランス取ってる
つもりだったんだけど、気持ちのほうがね。
ちょっとね。
わがままでさ。触れたくてさ」
男「すぅー……」
206 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:18:44.37 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「いやもう。だって触れちゃったら
告白したいじゃない。させちゃったけどさ。
気持ちが確認できたらちゅーとかもしたいでしょ。
ちゅーしたらもっと好きになっちゃうじゃない。
うん。
こまってたのだ。
ごめんね。
わたし酷いよね。ほんとうに、ごめ
んなっ
ごめんな、さいっ」
ぽたぽた
男「…………」
式子内親王「ごめんなさい。ごめんなさい」
ぽたぽた
男「それはさすがに聞き捨てならないな」
式子内親王「おとこ……」
男「しかも黙っていくつもりかよ。ひでぇなー」
式子内親王「ごめっ……さいっ」
ぽたぽた
207 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:24:56.31 ID:
1IBD/bxU0
男「……」
式子内親王「ひどいよねっ。うん、酷い。
わたしだったら許さない。八つ裂きにして、串刺しにして
黄泉ツ平坂まで追っていくかもしれない。
だから、男に何されても良い。
ううん、ほんとは……。
男の手にかかれば帰らなくてもすむかも、とか。
そういう。
酷いことも考えてる」
男「どうしても帰らなきゃダメなのか?」
式子内親王「……うん」
男「こっちはイヤか?」
式子内親王「……ちがうっ」
男「じゃぁさ」
式子内親王「もう、神無月が終るから。
あのね。
加茂の賀茂別雷命が出雲から帰ってくるの。
わたしは斎院だったけれど、幼くて、好奇心でいっぱいで
いつもいつも憧れて、憧れて……
どうしても院の外、世界の外が見たくて
……賀茂別雷命の雷鳴に飛び乗ったの」
男「……」
208 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:31:19.04 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「賀茂別雷命が加茂に帰るから、
私もここにはいられない。たぶん、来たときみたいに
消えて、飛ばされるの」
男「……」
ピカッ! ――――ごごーん
男「っ!」
式子内親王「ね。……あれがお迎え」
男「お前……」
式子内親王「いや。ごめんねっ。ほんとうにっ。
いっぱい色んなものをもらって優しくされたのに
何のお返しも出来ないダメな居候でした。
その……。まぁ皇族なんてこんなものなのよっ。
でも庶民なんだからその辺は手加減して許して。
じゃなくて、許しなさいっ。勅命ですっ」
男「式子」
式子内親王「何か本当に夢見たいな毎日で
かなり幸せだったわよ。恋愛マエストロとしてのわたしの
美貌とテクニックも格段の進歩を遂げたこと」
男「あほ式子」
式子内親王「なによ、ばかっ」
男「無理やりな勢いつけんな」
210 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:37:25.62 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「〜〜っ!」
男「つけんな」
式子内親王「くっ。……うぐっ」
男「……」
式子内親王「うぐっ……。うっ……ううっ」
男「……」
ピカッ! ――――ごごーん
式子内親王「ううぅーっ。うぅーっ。
うぅーっ。ううううっ。……ず、ずるい。
いやだよ。
ほんとはおとこといたいっ。
辛いよぅ。怖いよぅ。
こんなのやだぁ。うーっ。ううっ」
男「……」
式子内親王「だって、まだ、なんにもっ。
いっぱい、いっぱい約束っしたのにっ。
ずるいよぅ。そんなのずるいよぅ」
男「……」
211 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:45:36.54 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「だって、まだ何にもしてないっ。
おとこと一緒にお風呂に入ってないよっ
夕焼けの散歩もしてないよっ
雪見だって、花見だってしてないっ
花火ってなんなのよっ向日葵なんて見てないよっ
アイリッシュシチューもワーテルゾーイも食べてないよっ」
男「……っ」
ピカッ! ――――ごごーん
式子内親王「まだ。まだ、後朝の歌だってもらってないよ」
男「……うん」
ピカッ! ――――ごごーん
式子内親王「好き」
男「大好き」
式子内親王「ずっと想ってても、いい?」
男「こっちは勝手にそうさせてもらうから」
式子内親王「ずっと歌う。ずっと、ずっとっ!!」
ピカッ! ズ、ドンッ!!
男「あほ親王っ! 馬鹿っこの勝手者っ。
一人で、一人で勝手にっ。なんだよ、こんなのっ」
212 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 13:49:52.39 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王(のりこ(しょくし・しきし)ないしんのう)
1149〜1201
平安時代末期の皇族。女流歌人。後白河天皇の第三皇女。
賀茂斎院。萱斎院、大炊御門斎院などとも呼ばれた。
法号承如法。新三十六歌仙の一。
艶麗でありながら閑寂さをも併せもつ独自の歌の世界を持つ
新古今和歌集の代表的な歌人の一人。
四季の歌と特に恋歌に秀作が多く、自らを内に閉じこめるような
深沈とした憂愁のさまや、夢と現実との狭間にある曖昧な様子や
感傷的な追憶を詠んだ優れた歌を多く残した。
運命に対して弱い自分を守ろうとする
凛乎とした強さが歌のうちにあることなどから、
その生涯や恋愛についてさまざまな推測が成されるが、
いずれも推測のうちを出ない。
四千首もの歌を残し、彼女の歌は百人一首などで現代でも愛されている。
その優美な恋の歌とはうらはらに
その生涯で一度も結婚はしなかった。
218 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 14:11:33.49 ID:
1IBD/bxU0
――補稿
尋ぬべき道こそなけれ人しれず心は慣れて行きかへれども
(あの人のもとへ訪ねてゆける道はないのだ。
誰にも知られぬまま、私の心だけは何度も行き来して、
通い慣れてしまったのだけれども……)
式子内親王「……あ」
ちゅんちゅんっ
式子内親王「うわぁ。かっこわるっ。
また泣いてますよ、わたしっ。だっさー。
なんですかね。男のこと思い出してさ。
ずっとめそめそしちゃってさ。うわ、ださっ。
それでも皇族ですかってのねっ!」
ちゅんちゅんっ
式子内親王「それでも……さ。明け方の薄い夢にはさ
おとこの暖かい体温とか残っててさ。
うわぁ、我ながらもう嫌になっちゃうよ。
なんでこんなに好きかな。
何で夢の中だと、毎回毎回、あんなに悲しいかな〜」
221 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 14:15:58.35 ID:
1IBD/bxU0
式子内親王「なんかめそめそしてさぁ。おとこ……。
もう貰った伽羅の香だって薄れちゃったよ……。忘れたくないよ……」
男「あんなんでよければまた買ってやるぞ?」
式子内親王「……へ?」
男「よぅ」
式子内親王「……」
男「シチュー食うか? 色々作れるようになったぞ」
式子内親王「な、な、な、なっ」
男「お前、また雷の音と一緒にぶったおれてたんだ」
式子内親王「ど、ど、ど、どっ」
男「また神無月になったからじゃね?」
式子内親王「わ、わた、わたし皇族なのよっ!?」
男「知ってる」
式子内親王「賀茂神社のアイドル斎院なのよっ!?」
男「パニック状態だな」
式子内親王「う。ううっ。おとこだっ! おとこだぁっ!!」
男「そうだよ。叩くなよっ。馬鹿だなっ
いいか、ちゃんと後朝の歌だって考えた。
賀茂神社にそれで追撃かましてやったんだぜ。
聞けよ? あー。それはなっ……」
おわりっ。
223 :VIPがお送りします [age] :2008/10/10(金) 14:20:41.28 ID:Ups2HsNMO
後日談とか読みたいでござる
このスレここで終わらせるのはもったいないでござる
224 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/10(金) 14:21:31.86 ID:cdSgonVJO
>>1乙すぎてなでなでしたい
そして甘すぎる。誰か渋い茶をくれ
225 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/10(金) 14:25:00.13 ID:7h8/eGR70
>>1乙
これは神無月の雷が鳴る日にはwktkしておけということだな
226 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 14:30:53.05 ID:
1IBD/bxU0
あんがとなー。保守とか、支援とか。
今回ばかりは本当に乙が目にしみるぜ。
ドマイナでいった報いか、途中で心が折れそうだったぜw
いいんだよっおれが内親王好きだからっ。
尚侍(ないしのかみ)によるエロ家庭教師モノと
どっちにしようか迷ったってのは内親王には内緒だ。
次やるならもっと気楽なのやりてぇっす。
じゃねー。皆にママレードサンドの祝福を!
227 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 14:32:48.97 ID:Cv7/n0jZO
脳内EDが流れたのは初めてだ
>>1すっごく乙
228 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 14:33:24.33 ID:pAAf4eDD0
今晩はシチュー食う。決定。