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式子内親王「寒い〜。絶対布団から出ないからねっ」
Part5


144 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:37:23.10 ID:1IBD/bxU0
神無月十八日
ゆらゆらと揺れる天秤の上のような気分で毎日が続きます。
とても困ったこと。とてもまずい事をしている。
絶対に秘密にしなくてはいけないのだけど
こっそりと逢引を重ねているのが幸せでたまらないのです。
男がバイトに行っている間も男の事を想うのです。
自分の中にこんなに憧れに似た強い気持ちがあるのが驚き。
このままでは馬鹿になってしまう!!
確かに道に外れる恋をしているかもしれないが
わたしはこれでも才女で鳴らした式子内親王なのだ。
あまり馬鹿になるわけにはいかない。
馬鹿になったら男にだって嫌われてしまうのです。
これからはクールな知的女性でいくのだ!!

145 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:37:50.78 ID:l/j724Hy0
オチが見えないところに惹かれるぜ・・・
とにかく支援

146 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:41:55.82 ID:1IBD/bxU0
男「ないしんのー」
式子内親王「つーん」
男「?」
式子内親王「つーん」
男「熱出たのか?」
式子内親王「違っ」
男「ふむ? まぁいいか。梨むけたぞ」
式子内親王「っ! ぅぅ。ぅ。つ、つーん」
男「なんだよそれ」
式子内親王「クールな才女皇族っ」
男「そうなのか?」
式子内親王「そうなのよ」
男「判ったから、梨を食うぞ」
式子内親王「わたし才女?」
男「うん、才女、才女」
式子内親王「じゃ食べる」
男「おう」

148 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:46:33.74 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「しゃくしゃく♪」
男「もぐもぐ」
式子内親王「甘くて瑞々しくて、美味しいっ」
男「お前梨好きだもんな」
式子内親王「うん、大好きっ」
男「……」にこっ
式子内親王「はっ! ま、ま、まずい。これではわたしの
 知的才女のイメージがっ。食べ物をもらって喜ぶ
 腹ペコキャラだと誤解されかねないわっ!」
男「理解だろ」
式子内親王「うう、こんな梨なんて。梨なんてーっ」
男「おいおい」
式子内親王「しゃく♪ 美味しいわ〜っ」
男「……」
式子内親王「でも美味しいのは男と一緒に食べるから!」
男「そっか。んなら……嬉しいけどよ」
式子内親王「やっぱ男の一人もいない恋愛歌人は
 役立たずねっ。妄想だけでは出会えないこのリアルさよっ」
男「腐はなおらないんだなー」

151 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 05:55:48.74 ID:l/j724Hy0
しづのをだまき
まきまき保守

152 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 06:04:33.45 ID:R6gyoo+mO
くそっ 追い付いてしまったorz
このスレいとをかし

158 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 08:58:26.68 ID:1IBD/bxU0
うぃ。目が覚めました。おはよう。
30分くらいで再開します〜。
保守してくれた人、大感謝。
あんがとん。

159 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:00:52.84 ID:cdSgonVJO
源氏物語は明らかにエロゲ

160 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:23:59.63 ID:1IBD/bxU0
神無月二十日
玉の緒よ絶えねば絶えね長らへば 忍ぶることの弱まりもぞする

161 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:29:33.02 ID:1IBD/bxU0
男「うっわ。最悪だな」
ぴかっ!!……ゴゴーン
男「近いし、全身びしょびしょだ。
 10月になっても台風とはね〜まいるねこれは」
がちゃん
男「ただいまー。ないしんのー」
式子内親王「おかえりなさい」
男「やられたー。途中で降られたよ〜」
式子内親王「雨でびっしょりだー」
男「うん。お風呂はいる。スイッチ入れて」
式子内親王「うん」
とてとてとて
男「おーい、ないしんのー」
式子内親王「なーにー」
男「からだ冷えてる。このままはいるー」
式子内親王「わかったー」

162 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:33:53.27 ID:1IBD/bxU0
じゃぷーん。
男「うっわ、暖まるな。生き返る〜」
男「ふぅ〜」
男「あったけぇー」
男「んー。あいつとももう二十日かー。
 最初はどうなることかと思ったけど、このごろは
 なんか……いいよな」
男「今日はなに作ってやろうかな。部屋の掃除してるかな?
 まぁ、いっか。してやれば。あいつ寒がりだからなぁ。
 今日なんか布団の中でずっと寝てたんじゃないかな」
男「にんじんとたまねぎと……。今日はベーコンで
 作るかな。こんどラヴィオリ入りのもつくるか」
ざざーん。きゅっきゅ。
男「あいつ、本当に美味そうにくうからな。
 皇族なのですよっ。なんていってもスプーン完全装備だし」
男「ま。その辺が愛しいんだけどな」

163 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:39:26.62 ID:1IBD/bxU0
神無月二十二日
今日は男と一緒にシチューを作った。
男は別に良いよ、座ってて、といったのだが
あれはどうもわたしを軽んじているきらいがあるのです。
たとえ男の恋人になったとはいえわたしは内親王!
卑しくも皇族です。
シチューライスのひとつくらい作れないでどうするのですか。
このあいだVipをよんでたら
「料理の出来な女は死ねばいいと思うやつの数→」
なんてスレが立っていたことはこの際一切関係がなく
わたしのプライドの問題であると言い切れます。

164 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:45:20.35 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「わ。わわっ」
男「ころころ転がさないで」
式子内親王「ジャガイモが逃げたのよっ」
男「本当に不器用な」
式子内親王「……屈辱的だわっ」
男「包丁は危ないから、こっちのピーラー使って」
式子内親王「ぴらー?」
男「皮むきだよ。こうやって持って」
式子内親王「ふむふむ」
しゃぁー。
男「こすると皮がむける」
式子内親王「おーっ!」
男「理解?」
式子内親王「うんうんっ。わたしにもやらせなさいっ」
男「ほい」
しゃぁー。
式子内親王「おお、剥けた!」
男「その調子」

165 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:49:27.84 ID:1IBD/bxU0
男「じゃこのにんじんの皮剥いて」
式子内親王「わかったわ。この美少女内親王に任せなさいっ」
男「俺はこっちのジャガイモ剥くからな」
しゃー。
式子内親王「おっ」
しゃー。
式子内親王「おおっ」
しゃー。
男「どうだ」
式子内親王「絶好調ね」
しゃー。
式子内親王「楽しい〜。無駄にいっぱい剥ける!」
男「あほですか」 ぽかりっ
式子内親王「むぅむぅっ! なんでぶつのよっ!」
男「君の食べてきたシチューにはこんな薄膜作りの
 にんじんが入ってましたかっ」
式子内親王「うう。全部やっちゃった……」

166 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:53:51.89 ID:1IBD/bxU0
男「で、肉を炒めながら入れて」
式子内親王「海老とか?」
男「魚介は火を通しすぎると身が固くなることが
 多いので、後入れでやる」
式子内親王「勉強になるわね」
男「んで、野菜も一緒に入れる、と」
式子内親王「野菜も。ほほう」
男「ここで弱火に」
式子内親王「弱火に」
男「コンソメの元投入」
式子内親王「こそめね。わかった」
男「で、お湯を入れる」
式子内親王「お湯ね。じゅる」
男「悪を取りつつ牛乳もいれる」
式子内親王「牛乳。じゅる」
男「そんでシチューのもと」
式子内親王「じゅるじゅる」
男「いいからよだれを拭け」
式子内親王「はっ!?」

167 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 09:55:14.87 ID:BYcze4zxO
>>1
前も途中まで読ませてもらったよ
最初、デジャブかと思った
素直に言う。おもしろいよ

168 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:00:27.59 ID:1IBD/bxU0
神無月二十五日
本日は男がおやすみだった。
ので!
いっしょに二人でDVDを見まくることにっ。
男とくっついているのは、好きです。
かなり好きです。
シチューとどちらか選ぶとすると迷うくらいです。
体全部が暖かい海になって、男に触れたところから
こぼれて流れ込んで行きます。
潮騒というのは好きな人に触れたときの心臓の名です。
うわぁー。
なんかとても恥ずかしく、やるせなく、まどろっこしい。
この気持ちをそのまま取り出して
男に見せられればいいのにっ。
わたしばかりめろめろで困ってしまいます。

169 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:04:37.14 ID:1IBD/bxU0
>>167
感謝。タイトルでもうちょっと人呼び込めたら
よかったかもだけど(新ジャンル「皇族」とかさ)
ドマイナースレに迷い込んだと思って勘弁を!
過疎スレっぽい感じだから反応嬉しいよ!
ママレードサンドをやるっ。

170 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:09:34.77 ID:1IBD/bxU0
男「なーなー」
式子内親王「はい?」
男「えっと」
式子内親王「わたしは気持ちいいよ?」
男「むー」
式子内親王「男に膝抱っこされて布団に包まって
 しがみついてるのは幸せっ」にぱっ
男「うー」
式子内親王「なによ? わたしが重いというのですか」
男「いや、そうじゃないけど」
式子内親王「じゃなによ」
男「お前、布団の中はいつも下着なの?」
式子内親王「うん」
男「……」
式子内親王「やなの?」
男「えっと」
式子内親王「ふーん」すりすり
男「〜っ!?」
式子内親王「わたしは男に抱っこされるの好き。
 抱っこしてくれてるなら、ずっと恩返しする」
男「え、えっと」

171 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:14:17.58 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「♪」すりすりっ
男「あの」
式子内親王「なに?」すりっ
男「式子さん」
式子内親王「はい」
男「DVDがみれません」
式子内親王「そうだった!」
男「そういうのは、えー。暗くなってからしましょう」
式子内親王「やです」
男「うわー」
式子内親王「わたし皇族なのよっ。庶民として
 わ、わ……わたしの彼としてすりすりさせなさいっ」
男「ううう」
式子内親王「♪すりすりっ」
男「うー」
式子内親王「だって男、暖かくて大きな湯たんぽみたいで
 気持ちよいんだもん」
男「ないしんのー」
式子内親王「えへへへ〜」むぎゅーっ

173 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:19:05.82 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「ん〜。わう」すりすり
式子内親王「えへへへ〜」むぎゅーっ
男「……」
式子内親王「ふふふーん」すりすり。かぷっ
男「うー」
式子内親王「あったかーいっ」
男「えーっと。ないしんのー?」
式子内親王「なに」
男「そんなことしてると、さわり倒すよ?」
式子内親王「ダメです」
男「え?」
式子内親王「男は触っちゃダメ。わたしが一方的に
 すりすりするのです」
男「なんで?」
式子内親王「わたしが皇族で男は庶民だからっ」
男「……」
式子内親王「やっほー。ぱわーいずじゃすてぃすっ!」すりっ

174 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:24:21.11 ID:1IBD/bxU0
男「ううー。一方的にずるいぞっ」
式子内親王「いいのです。……すりすり気持ちよいから」
男「だから、俺にも分け与えろって」
式子内親王「ダメ……。ダメだからね、絶対」
男「うー」
式子内親王「だぁめ。――触わっちゃ、だめ」すりすりっ
男「……くぅ」
式子内親王「男のくびすじ発見♪」かぷっ
男「ないしんのうっ」
式子内親王「かぷかぷっ♪」
男「触るからなっ」
式子内親王「だぁめ。禁止。……勅命だからねっ」
男「うー」
式子内親王「でも香り吸い込んでいいよ。
 ――もらった伽羅の香りだよ? わたしが男の
 ものだって云う、証拠だよ?」
男「ううー」
式子内親王「沢山ぎゅーってしてあげる」すりすりっ
男「うわぁーっ。何か腹立つーっ」
式子内親王「これでいいのですっ!」むぎゅっ

175 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:26:49.45 ID:8skMMBHtO
ないしんのーカワユス

176 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:28:32.67 ID:1IBD/bxU0
男「すぅーっ。すぅーっ」
式子内親王「男は、寝ちゃったかな」
男「……Zzzz」
式子内親王「寝ちゃったか」
男「……Zzzz」
式子内親王「寝顔は可愛いな。おっきな犬みたいで」
男「んぅ……」
式子内親王「ぷくくくくっ。可愛い〜DVD途中なのにっ」
――。
――――。
式子内親王「雨も強くなってきたけど、男とお布団で
 丸くなって……幸せだな」
男「……Zzzz」
――お料理は得意よ、専門にやれるくらい。
 お裁縫もお掃除も習ったのよ。
 ただ……人にしてあげる機会がなくて
式子内親王「この娘は、料理できるんだなぁ。いいなぁ
 わたしも出来ないわけじゃないけど、わたしの育った
 ところは、ガスコンロなんてなかったもんね」

177 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:33:37.59 ID:1IBD/bxU0
男「……Zzzz」
式子内親王「ん」なでなで
――Life isn't always what one likes.Is it?
男「んぅ……」
式子内親王「それはね。そうだよね。そんなものだよ」
男「……Zzzz」
式子内親王「なにごとも思うに任せぬやるせなさ
 我が手にゆわうかみかたちさえ」
式子内親王「……」
男「すぅーっ。すぅーっ」
――ローマです! 無論ローマです。
 今回の訪問は永遠に〜
男「すぅーっ。すぅーっ」
式子内親王「……」なで、なで
男「んぅぅ。……Zzzz」
式子内親王「わたしはこのひとが大好きだな」にこ

178 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:38:36.26 ID:1IBD/bxU0
神無月二十八日
雨です。
今週はずっと降るらしいです。
お外にお出かけとかはしないので、今日は
家の中で男と一緒に本を読みました。
昨日図書館で借りてきた本です。
いや、それにしても図書館はびっくりです。
父様の書庫にも匹敵します。
そんな書庫が自転車でいける範囲に四つもあるそうです。
未来、恐るべし。
皇族や貴族だけじゃなくて
男も女も子供も含めた庶民がみんな読み書きが出来て
漢字も平仮名も判って、自由に操れて、書物に
接することが出来るのです。
ここは本当に自由な世界です。
そりゃね。シチューなんて素晴らしいものも
発見されるに決まってますっ!

180 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:44:46.80 ID:1IBD/bxU0
男「アイリッシュ・シチュー。
 羊の国・アイルランドの、マトンとじゃがいものシチュー。
 気候条件のきびしいアイルランドに生きた
 先人達が生み出した料理」
式子内親王「お、美味しいのかなっ?」
男「写真が載ってるぞ」
式子内親王「すごいね。この黄色いのはジャガイモかな?」
男「ジャガイモを鍋に敷き詰めるみたいだな」
式子内親王「ほくほくするかな?」
男「うん、しそうだ」
式子内親王「むぅー」
男「羊は使ったことがないけれど、見る限り、
 相当柔らかくなるまで煮込むみたいだな」
式子内親王「美味しそう!」
男「だなー」
ぺらりっ。

181 :VIPがお送りします: [sage] 2008/10/10(金) 10:47:12.17 ID:q7tTatB7O
つペンチ

182 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 10:59:08.23 ID:Cv7/n0jZO
ラブラブすぎて
涙が出てくる支援