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式子内親王「寒い〜。絶対布団から出ないからねっ」
Part4


114 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 02:40:01.52 ID:1IBD/bxU0
男「あーそうだ」
式子内親王「なに?」
男「これやるよ」ぽいっ
式子内親王「?」
男「香水だよ」
式子内親王「香水? 香を水に移したものだったよね」
男「うん」
ふわっ
式子内親王「あ。これ……」
男「うん」
式子内親王「伽羅だ」
男「そう」
式子内親王「あ、あなたっ。こ、こ、これどうしたのよっ!
 はや、はやっ」
男「え? え?」
式子内親王「どこから盗んできたのよ、こんな高価なものっ!
 正倉院の宝物庫からでも盗んできたの!? まさか殺し
 までしたんじゃないでしょうねっ!!」
男「違うっての!」

115 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 02:44:31.52 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「そ、そっか。この時代じゃそこまで高価で
 貴重な宝物でもないわけね?」
男「まぁそうだな」
式子内親王「でも……。うん、ありがとうね。
 懐かしい。沈香なんてかっこいい贈り物だよっ」
男「お、素直に感謝された」
式子内親王「失礼なっ。わたし皇族なのよっ!
 しかるべき時に謝意を示す言葉くらい覚えてるわっ」
男「気に入ってくれりゃいいよ」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「ちょっと、つけてみよかな」
男「うん、いんじゃね?」
式子内親王「う、うん。じゃ……」
男「……」
式子内親王「……こうかな」
男「ちょこっとで良いらしいぜ?」
式子内親王「ん。判った」

116 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 02:49:30.62 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「どうかな? 甘くて落ち着く匂いだよねっ!」
男「えーと」
式子内親王「わっかんないかなぁ」
男「面目ない」
式子内親王「んー。もっとこっちこっち」
男「いや、良いから」
式子内親王「いいから、じゃないよ。確認しなきゃっ。
 ほら、ここのね、首筋にね。いま髪かきあげるからね?」
ふわり。
男「っ!」
式子内親王「判った?」
男「お、おう」
式子内親王「すごいよね。有難うねっ!」
男「おう」
式子内親王「?」
男「なんでもない」
式子内親王「いやいや。見直しましたよ、男を!
 こんなさりげない必殺プレゼントを持っているとは
 まるで殺人ウィルスのように危険だよねっ」
男「どんなだよっ!」

117 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 02:52:06.46 ID:BOFUlfHa0
ちょww式子内親王ってwwwww
あ〜百人一首やりて〜〜〜

118 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 02:55:50.77 ID:ylfHJMSaO
このスレは宮内庁が監視しています。

120 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:19:56.74 ID:1IBD/bxU0
うわ。猿ーでした! 面目ない。
俺、もしかして読者置いてけぼり? 趣味全開かっ?
いわゆるひとつのダメSSか? あいごー。
不人気SSスレで申し訳ないっ。
素直に腹筋スレを立てるべきだったかとか思いながらも
最早ここまで来たら趣味全開じゃないと一歩も進めんぜよ。
もうちょいがんばるぽ orz

121 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:24:58.73 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「これはさすがに何かお返しをしないとね」
男「いや、いーから」
式子内親王「むー。なによ。
 わたしの好意がいやだというの?」
男「ないしんのーの好意は
 たいてい迷惑な結果を生むからなー」
式子内親王「失礼な男ね。なにが欲しいの? 地位? 金?」
男「お前持ってるのかよ」
式子内親王「……えー」
男「だから気にするなって」
式子内親王「そういうわけには行かないわ。
 これでもわたしは皇族なのよっ」
男「まったく無駄にプライドが高いんだから」
式子内親王「とは云ってもねぇ。あっちの時代なら
 金子でも衣冠でも授けてあげられるんだけど……」
男「だからいいっての」
式子内親王「む!」
男「?」
式子内親王「む。来たっ。これよっ!!」

122 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:25:00.27 ID:l/j724Hy0
まだ前半しか読んでないが
すげえ面白い・・・
興奮しながら期待age

123 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:30:14.04 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「閃きましたっ。私の財産! それはこの
 美貌と才気、そして鍛え抜かれた知性」
男「どうかなぁ」
式子内親王「そして恋愛マエストロとしての高名!」
男「あー」
式子内親王「わたし自らが恋愛相談に乗ってあげるわっ」
男「いらね」
式子内親王「うりうり。どうなの? 気になる娘の
 一人でも二人でも三人でもいないの?
 私に相談すればどんな悩みでも一発撃沈よ?」
男「恋愛経験皆無じゃねぇか、お前」
式子内親王「気になるスイートハニーがいないなら
 将来の彼女のために時代を超えたアドバイスを送るわよ?
 男だって年頃もいいとこなんだから。むしろそろそろ
 結婚してて当たり前でしょ?」
男「850年前と一緒にすんなよ」
式子内親王「男は素材は悪くないんだから、
 もうちょっと磨くところを磨けばイイ線いくよ?」
男「……」

124 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:34:59.62 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「ふふふふ。さくっと白状しちゃって
 この恋愛☆天使まじぇすてぃっく内親王に
 どかんと白紙委任しちゃいなさいっ」
男「怖っ」
式子内親王「なになに? 大体年齢は12歳くらいで
 つるんとした幼女が良いの? おうけーおうけー。
 平安じゃむしろ当たり前だからっ!」
男「うっさい」
式子内親王「……っ。そんなこといわないでさっ。
 そんなに怖い顔しないで。内親王に相談してみなさいよ。
 インド人だってびっくりよ」
男「余計なお世話」
式子内親王「余計なお世話ってことないでしょっ。
 せっかく私が恩返ししようとしてるのにっ」
男「それが余計なお世話なんだよ。誰も頼んで無いだろっ」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「あ、あのねっ」
男「うるさいっ。この話題終了っ」
式子内親王「……」
男「いまから寝ます。準備しなさい」

126 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:39:37.47 ID:1IBD/bxU0
――。
――――。
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「寝ちゃった?」
男「……まだ」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「あのね、さっきのはね」
男「だいたいさ」
式子内親王「うん……」
男「俺がそんなにがっついて見えるのかよ」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「そんなの判かんないよ。
 ……男の人と付き合ったことないんだもの」
男「恋愛のプロフェッショナル、迷える子羊の導き手じゃ
 なかったのかよ。ないしんのー」
式子内親王「うー」

127 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:43:02.02 ID:l/j724Hy0
追いついた
支援
今の展開でもすごく面白いけど、現在進行形で書いているなら
登場人物に三番目の人をくわえると、話がダレないよ

128 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:44:15.26 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「じゃさ。じゃさっ」
男「暗い中で騒ぐなって」
式子内親王「後朝の歌はどうなのよ?」
男「きぬ、ぎぬの、うた?」
式子内親王「そうよ。重要でしょ。男の器量が問われるわよ」
男「なんだそれ。そんなの知らないぞ」
式子内親王「なにって。あるでしょ? 後朝の朝に」
男「きぬぎぬのあさ、ってなんだよ」
式子内親王「それは、そのぅっ。ほら、あれよ。
 男の人が……。その、好きな女の人のトコにね。
 夜にね。その……尋ねていってね……。んっと」
男「ああ。夜のデートか」
式子内親王「そうそう! 夜のデートよっ!」
男「夜這いだろ、つまり。えろえろか」
式子内親王「っ! なんであなたはそういうことに
 剛速球なのよっ。馬鹿っ。あほあほっ!」
男「蹴るなよ。暴れ動物っ」
式子内親王「ふーっ。ふーっ」
男「で、何の話なんだ?」

129 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:49:14.28 ID:/uuZnOazO
まあまあ可愛いな
遊んで欲しくてすりよってくる子猫と同レベルぐらい

130 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:50:14.57 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「えっと、だから、ちょっと特別な
 『夜のデート』を終えた朝が後朝の朝なのよ。
 で、その朝に男が女に送る和歌が、後朝の歌よっ」
男「ふむ」
式子内親王「これの出来が男のランクを表すわけよっ。
 腕の中に抱きしめた愛しい女性っ!
 ついに溶け合った二人の体温っ。
 紫雲たなびく桃源の野に遊んだ二人を引き裂く朝の光っ。
 夜の帳で交わしたとろける蜜のような睦言。
 その余韻醒めやらぬ前の追撃安価よ!!」
男「最後の行で台無しだぞ、お前」
式子内親王「それがつまり、後朝の歌なの」
男「判った判った」
式子内親王「判った? んじゃ作って」
男「へ?」
式子内親王「作・る・のっ。じゃなきゃ採点できないでしょっ」
男「何でそんなもん作るんだよっ」
式子内親王「男は和歌作る経験がないから、
 後朝の歌で苦労するでしょ?
 今のうちに作っておけば安心じゃない」

131 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:54:34.97 ID:1IBD/bxU0
男「あんな。そもそもそんな習慣は現代にはないの」
式子内親王「……そんなの」
男「?」
式子内親王「そんなの、知ってるわよっ。馬鹿っ。
 でもしょうがないでしょっ。今のわたしには
 他に出来そうな恩返しがないんだからっ」
男「……」
式子内親王「こんなことしか出来ないんだから
 あなたも付き合うくらいはしなさいよっ」
男「ったく。はぁ〜」
式子内親王「……」
男「だいたいさ、それって好きな女を抱いて
 嬉しい気持ちを歌うんだろ?」
式子内親王「そうね。もう一度会いたい、とか。
 夢のような時間でした、とか。
 そういうのがメインテーマね」
男「百歩ゆずって、いまは無いような習慣の和歌を
 作るってのはいいよ。でもさ、好きな相手もいないのに
 そういうの作るって違くねぇか?」

132 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 03:59:32.36 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「君待つと閨へもいらぬ真木の戸に
 いたくなふけそ山の端の月――」
式子内親王「ううう」
式子内親王「自分の心臓の音がばれちゃいそう」
男「……そだな」
式子内親王「こんなに緊張したのは宮入り以来よ」
男「俺も同じだ」
式子内親王「覚悟完了?」
男「うん」
式子内親王「判ったの?」
男「判った」
式子内親王「本当に判ったのっ?」
男「俺も内親王の事、好きだ。後朝の歌、作らせてくれ」
式子内親王「内親王じゃない。式子って呼ぶことっ」
男「了解」

133 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:04:01.46 ID:CgPDG62HO
俺が2番目に好きな歌を詠んだ人

134 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:05:34.16 ID:1IBD/bxU0
ごそごそ、ごそ。
式子内親王「んぅ。ふふふっ。男のお布団侵入!」
男「うわ、ひゃっこい。」
式子内親王「ごめんね。体温低いのよ。わたし」
男「まぁなぁ。最初っからだもんな」
式子内親王「うん。自分でもちょっと困る。
 えっと……だから。あのさ」
男「なんだ?」ぎゅっ
式子内親王「あ……」
男「どした?」
式子内親王「ううん。こうされたかっただけ」
男「そっか」
式子内親王「男……。背中、なでなでしてる」
男「うん。してるよ」
式子内親王「手つきがやらしい」
男「あんなっ。こういうのは仕方ないだろっ」
式子内親王「ふふふふ」

135 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:09:41.16 ID:1IBD/bxU0
男「えっとさ。……今更云うのもあれだけど」
式子内親王「なに?」
男「いいのか? お前。ほらさ、曲がりなりにも
 斎院っていうのとか、それに……皇族なんだろ」
式子内親王「うん」
男「……」
式子内親王「でも良い。やめる」
男「そんなあっさりと」
式子内親王「男のものになりたいの。
 神様のものだった身体も、父様のものだった名前も、
 皆のものだったこの心も。
 全部、
 ぜんぶ男のものになりたい」
男「――」
式子内親王「男に抱きしめられて、男を抱きしめて。
 押し広げられて、持ち上げられて、波にさらわれて
 風に打ち上げられて、月まで、星まで届きたい」
男「……。うん」
式子内親王「大好き」
男「大好きだ」

136 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:14:10.90 ID:1IBD/bxU0
神無月十五日 未明
やってしまった。
やってしまいました。
それだけは絶対してはいけないと思ってたこと。
でもどうしてもどうしてもしてみたかったこと。
男と肌を重ねてしまいましたっ。
好きだったです。
隠してきたけど、八つ当たりしてきたけれど。
一番大好きになってしまっていました。
一緒にいたくて、じゃれたくて、我慢できなくて。
どうしようもないほど破裂して、触れてしまいました。
困ってます。大ピンチです。斎院としても皇族としても
抹消措置レベルの大失態。絶対やってはいけないことなのに。
なのに、幸せです。
幸せすぎておかしくなりそうです。
恥ずかしくて、嬉しくて、からだの中全部が
甘い蜂蜜で満たされたみたいにじんわりと幸せで
こうして日記を書いていても、にやにや笑いが止まりません。
困ったなぁ。
全然困った気分になれなくて困ったなぁ。

137 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:17:31.73 ID:0FfSbj0xO
俺はいつ寝ればいいの?

138 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:18:15.06 ID:1IBD/bxU0
男「たっだいまっと」
式子内親王「おかえり〜っ」
男「ん? なんだ?」
式子内親王「おかえりなさいっ」
男「うん」
式子内親王「……」ぽむぽむ
男「……」
式子内親王「……んっ」ぽむっ
男「それ、なに?」
式子内親王「ここに来なさいってこと」
男「ふむ? まぁ、行くけどさ」
式子内親王「うぇ〜いっ!」だきっ
男「なにすんだ。おまっ」
式子内親王「うへへへへ」ぎゅむっぎゅむっ
男「布団お化けかっ。お前はっ」
式子内親王「おーばーけーだーぞーっ」ぎゅーっ

139 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:23:38.67 ID:1IBD/bxU0
>>137
寝てくれっ。つか俺も眠いっwww
おわりませんよ、うわぁ。
どっかで区切って俺も眠る。
>>127
すまねぇ。三人目出したらハンバーグ並の長さになりそうで
びびって控えた。おれ臆病。あばばば。
支援感謝っ。ひとつママレードサンドでもどぞ。

140 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:27:02.48 ID:0FfSbj0xO
ツンデレなのかしんのー

141 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:28:08.30 ID:1IBD/bxU0
男「ないしんのーは子供ですかっ」
式子内親王「だってこうしたかった」じぃっ
男「う゛」
式子内親王「それにですねっ」
男「なんだよ」
式子内親王「今なら特別サービスで、布団お化けの
 布団の中をこっそり見せるよ?」
男「え?」
式子内親王「(小声)見たい?」
男「……えーっと。うん」
式子内親王「えちぃよ?」
男「う、うん」
式子内親王「ふーふーふーっ」
男「……うう」
式子内親王「ちらりっ♪」
男「うっわ。……ないしんのー。それ犯罪だろ」
式子内親王「ふえ?」

142 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:32:48.70 ID:1IBD/bxU0
式子内親王「そかな。こないだ買ってもらった
 下着なんだけどな。かなり可愛い気がするんだけど」
男「いや、その……黒髪が絡み付いて、えろい」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「あはっ。あは」
男「あはは」
式子内親王「……」
男「……」
式子内親王「いや、ごめんね」
男「こちらこそ」
式子内親王「こほんこほん。おーばーけーだーぞーっ」
男「布団お化けかっ。お前は〜っ」
式子内親王「うへへへ」ぎゅーっぎゅーっ
男「君は子供ですかっ」
式子内親王「……後でもっとしてもいい?」
男「こほんこほんっ」
式子内親王「お化け、えちぃこと要求する」
男「えっと、うん。……します」
式子内親王「うぇ〜いっ!」だきっ
男「〜っ!」

143 :VIPがお送りします: [] 2008/10/10(金) 04:36:49.17 ID:Rbo0YFGxO
いいぞ。うん。いいぞ。