Part3
118 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:27:21.61 ID:
oMUn57MG0
男「しかしなんとゆーか」
(なれなれしくしなければ
……これからも図書室に来ても良いです)
男「あれってのは、Yesなのか? 遠まわしなNoなのか?」
男「……」
男「怖い考えになってしまった」
男「いやいや。いやいやいや! 違いますよ?
あの冷血宰相である先輩と言葉を交わせる数少ない
一年生の俺ですよ? そんなNoだなんてとんでもないですよ?」
男「『はんっ。お前のような団子虫以下の小僧は
呼吸する音も押し隠して図書室の端っこのほうで
生息しておくだけなら見過ごしておいてやらんこともないっ』
いやいやいやいや! ち、ちがいますよ!?
そんなに冷たい意思表示ではないですよ?
先輩はもっと暖かくて優しい癒し系キャラですよ?」
男「『はたしてそうかなっ!?』」
男「ううう。涙が出てきそうなんすけど」
男「帰るか」
121 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:34:58.98 ID:
oMUn57MG0
……休み時間
男「……いやいやいや」
友男「あー」
男「ち、ちがいますよ? 俺はそんな
惰弱なファイターじゃないっすよ? いえいえ、とんでもない」
友男「あー」
男「『来たな船虫小僧ッ。さっさと呼吸を止めて
窓際のカーテンの裏でわしゃわしゃする作業に戻れっ!』
ひーやーめーてーっ」
友男「コイツ本当に大丈夫違うんじゃないか」
男「こっちはいまやさぐれてるんだよ」
友男「そうなのか?」
男「おう。戦況は厳しいんだよ」
友男「そのわりには、なんかにやけてね?」
男「ふざけるな。国家存亡の危機だ」
友男「あ、お前の先輩だ」
男「えっ?」
友男「嘘だぴょん」
122 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:39:01.84 ID:W9NO/CRi0
私は・・・こういう男の子と女の子は・・・嫌いじゃ・・・無いです
123 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:40:23.46 ID:/PlW+2V70
ぼーくーたちーはーみんなー
いーつーでもーそうーですー
124 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:43:23.13 ID:
oMUn57MG0
男「お前な。今俺はナイーヴなんだよ」
友男「場末の酔っ払いみたいなこと言ってるよ」
男「キワキワなんだよ」
友男「あ、先輩」
男「嘘つくなって、あ。ほんとだ」
友男「ほらな?」
男「うん」
友男「お」
男 ぺこり
先輩 ぺこり
すたすたすたすた
友男「へー。お前はともかく、向うもこの距離で
気がついたりしてくれちゃうわけだ」
男「……たまたまだよ」
友男「まぁな」
男(なんか、最近の俺はダメだ。なんでかなー。
この程度のことが何でこんなに嬉しいかな)
125 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:46:17.15 ID:
oMUn57MG0
うっし。
切りが良いのでここで書き溜め休憩してくるです。
ポンチss読んでくれた人に感謝!
もまえらに感謝のママレードサンドやるっ!
126 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 07:47:58.47 ID:rT4XWv6mO
実際こういう女って美人でもめんどくさい
楽しく会話できる普通の顔の女子の方が好き
127 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:49:04.96 ID:YkU7FFVqO
1乙
昨日のペンチストーカーも面白かったがこれはこれでいいな。
128 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 07:49:38.02 ID:TL1cSC8q0
>>125
待ってるぜ
>>126
こういうのは落とすまでが楽しいっていう典型じゃね?
129 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:51:19.67 ID:mNCW909KO
こういう空気好き
ほ
130 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:52:18.39 ID:iP7qxfNNO
追い付いたら終わってた
ペンチも良かったけどこれもいいな
131 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 07:54:46.14 ID:KGeL+giCO
>>1
休憩ゆっくりな
wktk待ってるぜ
132 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 07:58:50.12 ID:TzJRf0DTO
これはおもしろい
絶対最後まで見るもんね
133 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 08:04:08.20 ID:wxaNI7vHO
乙!
今から仕事だけど、帰ってきてからの楽しみにしてるぜ!
136 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 08:12:10.72 ID:rT4XWv6mO
>>128
確かに遊びとして落とすのはいいかも……
でもこういう人を好きになるときっと大変だろうと思う
137 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 08:14:47.98 ID:aL5+g6TcO
どう見ても先輩側は極度なテレですよね。
139 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 08:24:53.94 ID:2EgseJhRO
保守はどのくらいの間隔でやればいいの?
140 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 08:26:10.54 ID:JRLmnUklO
あ…ペンチの人か
ペンチとは違った感慨深さがあるな
これは期待
141 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 08:30:05.48 ID:aL5+g6TcO
まとめに載るとか、のらないとかそんなんじゃない。
とりあえず完結まで見届ける。
142 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 08:46:49.23 ID:zL6cVFkdO
追いつきついでに保守
脳内では完全に千早で再生されてます
143 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/10/07(火) 08:47:45.53 ID:v+MOr+wmO
ドキドキが止まらん
144 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 08:49:11.07 ID:KplQjH0n0
こんな先輩が欲しい。身近に本を読む女の子って長門とかかがみしかいないからな
145 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 08:56:48.33 ID:WNINqGwA0
>>144
逝くな
支援保守
149 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:01:16.05 ID:
oMUn57MG0
――放課後、図書室
男「こんちわ〜」
先輩「……こんにちは」
男「ちゃんと静かにしてますです」
先輩「……ご自由に」
ぺらっ。ぱらっ。
男「……」
先輩「……」
ぺらっ。……ぱら。
男「……」
先輩「……」
ぱらりっ。
男(先輩、髪の毛さらさらやね)
先輩「……」
150 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:06:17.28 ID:
oMUn57MG0
男(いや、やばいね。西日に透けてさ。
金色みたいじゃん。細い髪の毛がきらきらしちゃってさ。
ちっこい猫の毛先みたいなのな)
先輩「……」じぃ
男「……あぅ」
先輩「……」ぷいっ
ぺらっ。……ぱら。
男(い、いかんいかんっ。邪念を捨てろ!!
相手は手だれの殺人者! 邪念を持てばたちどころに
察知されるぞ!!
『はんっ。おい船虫。いまわたしの髪の毛を見てたな?
いっただろう、べたべたするなと。こっちを見たお前の
目玉をえぐって犬に食わせてやるっ!』
ひー。やめてーっ!!)
先輩「……」
男(そうだ! 俺は純粋な気持ちで先輩に告白をしたのだ!
今は仮採用期間だと思え! ここでボロを出すわけにはいかん!
確かに先輩はスタイルが良い。隠れ巨乳といってもいいだろう。
太ももなんかもミルクみたいに真っ白でむちゃくちゃ好みだっ)
151 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:10:27.25 ID:
oMUn57MG0
男(いつも困ったみたいな怒ったみたいな表情をしているのも
精神的にはかなり追い詰められるものの、
決してキライじゃないなっ。
先輩の困ったようなあの表情、好きだな。
困らせたい気分になっちゃうのが微妙に困るんだけど。
実際にはそんなこと出来ないしな……。
つか、笑ってほしい。
出来れば俺向けで。俺向け? っていうか。独占したいな。
独占か。
いいな、それ。
激しく良いな! 笑顔独占っ!!
いまは一個も無いけどな! 資格なし!!
『はんっ。船虫小僧。お前ごときがわたしの笑顔だと?
図書委員会備品の力仕事雑用奴隷の下級生が何か
大それた事を考えているとは思ったがよりによって
笑顔だと!? わたしの冷凍凝視でタルタロスにおとしてやる!』
ひー。やめてーっ!!)
先輩「……」じぃっ
男「す、すいませんっ」
先輩「?」
男「いえ、なんでもないです」
154 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:14:38.22 ID:97x1GmZX0
男の混乱っぷりがベネ
156 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:15:50.51 ID:
oMUn57MG0
先輩「飴を持っています」
男「はい?」
先輩「一個あげます」
男「……えと。ありがとうございます」
先輩「どうぞ」
ころん
男「……」
先輩「……」
ぺらっ。ぱらっ。
男「……」
先輩「……」
ぺらっ。……ぱら。
男「……」
先輩「……」
ぱらりっ。
男(なんか。いっか。……これで良い気がする)
157 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:19:59.60 ID:
oMUn57MG0
ただいまっすー。
保守してくれて有難うございます。昼飯まで
だらんだらんと書きまするー。
158 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:23:56.66 ID:xI+qhU4UO
仕事の合間の癒やしに読ませてもらってるよ、ありがとう
159 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:24:04.61 ID:
oMUn57MG0
――放課後
男「あ。先輩」
先輩「こんにちは」
男「図書室ですか」
先輩「今日はいけません」
男「そうですか」
先輩「……」
男「……」
先輩「今日は」
男「?」
先輩「注文してあった、図書の補修テープが届きます」
男「補修テープ?」
先輩「想定が破損した書籍を治すのに用いる、
大きな透明のビニールテープです。駅前の林檎堂に
届いています」
男「んじゃ一緒に取り行きますよ」
先輩「……」じっ
男「うう(にらまれてるわけじゃないと判っても
これはなれないぞ。凝視攻撃恐るべし!)」
先輩「……」
男(何か考えてる。悩んでるのか?)
161 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:27:51.05 ID:76prl7LjO
装丁の範囲内です
162 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:29:28.11 ID:
oMUn57MG0
先輩「ではお願いします」
男「了解っ」
先輩「今から行けますか?」
男「いけます」
先輩「では」
すたすたすたすた
男(おお! ついにこのすたすたを追いかけて
歩ける日が来たぞ! グラシアス!!)
先輩「……」
男「……」
かちゃかちゃ
男「先輩、自転車か何かです?」
先輩「いえ。電車通学なので」
男「じゃぁ、ゆっくり歩きで」
先輩「ええ」
てとてと。てとてと。
男「……」
先輩「……」
男「他の人は行かないんですかね?」
先輩「他の人?」
163 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:32:15.61 ID:dq8Welkl0
うひょー
こういうの好きだな
164 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:36:21.82 ID:
oMUn57MG0
男「他の図書委員ってことですけど」
先輩「あまり、活発な委員会ではないので」
男「そっすか」
先輩「はい」
男(委員会だから、活発だとか
そうじゃないとかじゃないよなー。
さぼりまくりか? まぁ美化も似たようなものだけど)
先輩「……」
てとてと。てとてと。
男「そのおかげでデートみたいに歩けて嬉しいですけどね」
ぴたっ
男(や。や、やばいっ!? つい思った事をそのまんま
云っちったっ。こ、これは地雷か!?
まだ間合いじゃなかったかっ!?
これはどう考えてもなれなれしい発言に該当する気がするぅ。
う、終った。おれ終ったか!?
オレ終了のお知らせ。蛍の光で高速ヘッドバンキング中っ)
先輩「……」くるっ
男(やばいっ。怒ってる〜っ)
165 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:37:14.82 ID:GOeckSolO
先輩が好きだった俺にとっちゃ叶わなかった理想の生活を見せられているようだ
166 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:41:34.53 ID:
oMUn57MG0
男(怒ってるっていうか、困っているって云うか、ううう。口がへの字にっ)
先輩「先輩をからかってはいけません」ぷいっ
すたすたすた
男「ごめんなさいっ」
先輩「……」
てとてと。てとてと。
男「……」
先輩「……」
てとてと。てとてと。
先輩「……」
男(空気が重い。重すぎる)
てとてと。てとてと。
先輩「お手伝いの」
男「はい?」
先輩「ご褒美に、飴を一個あげます」
男「……」
先輩「いりませんか?」
男「もらっておきます」
ころん
169 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:45:47.70 ID:
oMUn57MG0
>>165
VipのSSはサービス精神と憧れと善意の嫌がらせで出来ているって
トーマス・マンが云ってた。大丈夫、書いてる俺が死にたい気分になることはある。
170 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:47:29.00 ID:GOeckSolO
>>169
全て書き上げるまで貴様の死は許されないものと思え
171 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:52:24.21 ID:
oMUn57MG0
――画材店「林檎堂」
先輩「ここです」
男「ほう」
先輩「初めてですか?」
男「ええ、初めてっす。大きいですね」
先輩「学校で使う文房具や美術の画材なんかも扱っています」
男「ほうほう」
先輩「教科書や指定参考書もあるはずです」
男「おお。ほんとだ。上履きとかもあるぞ」
先輩「はい」
男「でかいですね〜。結構。他の学校のもあるんだ」
先輩「地区のものは全て扱っているはずです」
男「うわ。おれ、これ使ってました。小学校の教科書!」
先輩「わたしも同じものでした」
男「この解説のイルカの顔によく落書きしてました!」
先輩「本は大切に扱ってください」
男「……はい。反省します」
172 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:55:24.70 ID:I8V+vdOs0
こういうの大好きです
173 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 10:57:47.66 ID:
oMUn57MG0
先輩「もっとも……」
男「?」
先輩「自分の本に書き込んで、それで内容が
頭にきちんと入るなら、本は嫌がったりしないと思います」
男「そうですかね」
先輩「きっと。はい」
男「……」
先輩「?」じぃっ
男「いえ、なんでもっ」
男(あんな言葉が、ちょっと嬉しいとか。
そんなの照れくさすぎて口が裂けても云えねっす)
先輩「ついでなので、私物のノートも買おうかと思います
すみませんが……」
男「ああ、気にしないで下さい。
ここ、けっこう見てて面白いし」
先輩「はい」
177 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 11:02:53.13 ID:
oMUn57MG0
男「いや、まじで色々あるのな」
男「うっは、練り消しだよ。でっけー!
あ、美術用か? 子供の頃はこれで遊んだなぁ」
男「こっちは折り紙か。ほんと色々あるな、ここ」
男「紙粘土って色々種類があるんだなぁ。
ん? 口に入れても安全? 子供用か?
いまは色々大変だなぁ……。こっちは画用紙か」
男「ふむふむ」
男「で、こっちは上履きとか体操着だな。おお。
うちのもあるぞ。他の学校と比べてもさほど悪くないな」
男「!?」
男「こっ。これはっ!?」
178 :
VIPがお送りします: [] 2008/10/07(火) 11:04:39.25 ID:eFXhOkXH0
ブ、ブルマ?!スク水!?