Part7
224 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 03:49:23.76 ID:
bYbY9aRN0
――男のアパート。お風呂。
ちゃぷん、ちゃぽん。
かぽーん。
末姫「もう、うわさはききましたか?
そしてその目でぇたしかめましたか〜♪」
ましたか〜♪
末姫「お風呂は木霊つきなのですっ」
末姫「どっきりするほどきれいな瞳ぃ
びっくりするほど〜あふれるロマン〜♪」
るロマン〜♪
ぷくぷくぷく。
末姫「今日はお掃除して、食器を磨いて、
うどんを食べて、猫と遊んで、野菜を調べて
ウマウマを踊って、カレーも食べたのです♪」
227 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:23:16.91 ID:
bYbY9aRN0
ちゃぷん、ちゃぽん。
末姫「話題独占♪ 人気独占♪ 大正時代の〜
チャーミング・レディぃぃ〜♪」
末姫「しかもこの後、兄様と遊ぶのです。
何が良いかな。歌とか歌うのが良いかな。
コンビニまでお散歩に行くのかな。
ウマウマでも良いです。あ、そうだ」
ぷくぷくぷく。
末姫「プリンがあるのでした♪」
末姫「はぁいはぁいはぁい♪
はいからさんが通る♪
やさしい心をふりまきながら〜」
末姫「やっぱち地上はいいなぁ。
地上の音楽は良いなぁ。
人間って、いいなぁ……。
毎日毎日こんなに楽しくて、すごいのです」
#またサルだったよ……
228 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/09/20(土) 04:27:03.98 ID:d4cnUZtz0
日本の食品メーカーは偉大だった
カレールーは世界に通用する
229 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:28:01.02 ID:
bYbY9aRN0
――男のアパート。居間。
末姫「あがりましたぁ♪」
男「ご機嫌だね」
末姫「はいです♪」
男「こら。水滴ぽたぽただぞ」
末姫「ごめんなさいっ」
男「もしゃもしゃしてやる」
末姫「はいです」ちょこん
くしゃくしゃ、もふもふ。
末姫「兄様にタオルで髪の毛拭いてもらうの、
気持ちいいです♪」
男「あんまし動くな」
末姫「……」ぎゅーっ
男「いや、そんなに緊張しなくても良いけど」
末姫「難しいです」
231 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:32:45.32 ID:
bYbY9aRN0
ふきふき、もふもふっ
男「よし、こんなものかな」
末姫「もう良いですか?」
男「櫛もする」
末姫「はいです♪」
するん、するん。
ギニャー!! ギギギギ! バツン! ドギャー!
末姫「兄様。このTVはなんですか?」
男「いや、見てたんだよ」
末姫「このお婆様は何でこんなに元気なんですか?」
男「悪魔の毒々おばあちゃんだからじゃない?」
ギャー!! 助けてぇ! ウギギ、ドブ、ゾブン!!
末姫「……えーっと」
男「??」
末姫「人間はこんなに暴れたりするですか?」
男「いや、これはほら。映画だから。
つまり、お話だから」
末姫「はう」
232 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:39:03.84 ID:
bYbY9aRN0
ギニャー!! バツン! ゴロン! ブシャー!
末姫「何でこのお婆様は
こんなになってしまったんでしょう」
男「えーっと。魔女の呪いかなんかじゃないかなぁ。
前半見てないからよく判らないけれど」
末姫「魔女さんですか」
男「うん、こう皺くちゃの老婆町外れで
毒毒モンスターを作ってるようなイメージ?」
末姫「魔女さんは眼鏡を掛けた優等生タイプです」
男「そなの?」
末姫「はいです♪」
男「そっか」
末姫「それにすごく優しいのです。
お願い事をかなえてくれる上に、全ての魔法には
クーリングオフ制度がついていて安心なのです♪」
男「ほほう」
末姫「えーっと、だと思います。――きっと。
そんな事を、どこかで、聞いたような?」
男「……プリンたべよか?」
末姫「はいです♪」
233 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:43:19.73 ID:
bYbY9aRN0
――魔女の家。
魔女「ぇくちっ」
黒猫「可愛いくしゃみだ」
魔女「――。噂された」
黒猫「そうか」
魔女「呪うか」
黒猫「噂されたくらいで呪ってはいけない」
魔女「まぶたの裏にかみそりの刃を突っ込むか」
黒猫「その危険思想を引っ込めるべきと思う」
魔女「ちぇ」
黒猫「拙者、主人を間違えたような気もする」
魔女「逃がさない」
黒猫「にゃ、にゃーん」
魔女「今晩はおなか伸ばして撫でる」
黒猫「今晩も、であろう。ぎにゃー!?」
234 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:48:42.44 ID:
bYbY9aRN0
――男のアパート。居間。
末姫「美味しいです♪」
男「ぷりん、好きか?」
末姫「はいです♪」
男「ふむ」
末姫「冷たくて、ぷるぷるしてて」
男「うん」
末姫「甘くて美味しいです♪」にぱ
男「そうだな」
末姫「お歌も、ようつーべも、カラオケも、
新しいパンツも、ねこさんも、カレーも
ぷりんも、大好きです♪
姉様も、友のお兄ちゃんも大好き♪」にこにこ
男「そっか」
末姫「兄様も大好きです♪」ぎゅーっ
男「ん。俺も末姫のこと好きだぞ」にこっ
末姫「わーい♪」くるくる
男「ちびっこだなぁ」
末姫「チビじゃありませんっ」
男「食べ終わったら布団引くぞ〜」
236 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:53:43.56 ID:
bYbY9aRN0
――海の宮殿、末姫の部屋 in夢の回想
JesusbleibetmeineFreude,
MeinesHerzensTrostundSaft♪
末姫(誰ですの? ……すごく甘い声)
JesuswehretallemLeide,
EristmeinesLebensKraft♪
末姫(透明で、艶やかで、甘くて、泣きたくなる声……)
MeinerAugenLustundSonne……
二姉「――。起こしちゃったかな。ごめんね、末姫」
末姫「二姉様……」
二姉「しーっ」
末姫「明かりもつけないで、どうされたんですの?」
二姉「ちょっと居させてよ。朝帰りでさ、ほら。
末姫の部屋だけは離れてるから。
廊下を通るとばれちゃうしね」
237 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 04:58:02.78 ID:
bYbY9aRN0
末姫「はいです」
二姉「ん? どしたのかな。寝ててもいいよ?」
末姫「二姉様、甘い匂いします」
二姉「ああ。これは香水」
末姫「香水?」
二姉「良い香りでしょ。こうゆうのつけて、
男の気を引くわけなのよ。効果は抜群よ」
末姫「二姉様はとても美人だから」
二姉「ありがと」にこっ
末姫「それにお胸も大きいです」
二姉「あらあら。末姫もとうとう
おませなことを言うようになったのね」くすっ
末姫「それは四姉様が」
二姉「ふふふ。いいわ」なで
末姫「おでこ……」
二姉「ん?」
末姫「ひんやりで気持ちよいです」
二姉「そうね」
238 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 05:07:29.66 ID:
bYbY9aRN0
末姫「……」
二姉「……」なでなで
末姫「姉さまはデートでしたか?」
二姉「そうね。翠色の小さな熱帯魚に囲まれてね」
末姫「羨ましいです。
姫は、ここ以外殆どどこにも行ったことがないです」
二姉「私たちは神話執行者だから。
……宮殿から出ないほうが正しいの。
一姉さんだって三姉さんだって
めったに出かけないでしょう?」
末姫「でも、二姉様は」
二姉「私は落ちこぼれ。
男を引っ掛けて遊びまわる遊び人の次女なのよ」
末姫「……」
二姉「……」なでなで
末姫「二姉様」
二姉「なに?」
239 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 05:17:23.85 ID:
bYbY9aRN0
末姫「デートって、ううん。
男の人を、誰かを好きになるって云う気持ちって
どんな感じですか?」
二姉「――」
末姫「嬉しいですか? 楽しいですか?」
二姉「……。そうね」にこっ
末姫「?」
二姉「嬉しいし、楽しいかな。
わくわくして、どきどきして、何かをしたくなって
居ても立ってもいられなくなる。
自分でも何か出来るような気がして、
何かしてあげたくてたまらなくなって
相手を喜ばせてあげたい気持ちになるかな」
末姫「二姉様……」
二姉「どうしたの?」
末姫「末姫は、姉様たちのために
色々してあげたいけれどそれとは違うんですか?」
二姉「違うし、同じでもあるんだけどね」
末姫「判りません」
240 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 05:21:51.36 ID:
bYbY9aRN0
二姉「もっと強くてキラキラした気持ちだから。
誰かが好きになったら判るわよ」
末姫「そうでしょうか?
自分でもうっかり見過ごしたりしないでしょうか?
姫はどじなので心配です」
二姉「好きになったらね」
末姫「はい」
二姉「その人に『好き』っていうたびに、
胸の中に満月で照らされた南の島の波がやってくるの。
浜辺いっぱいに押し寄せて、洗い流して、
くるくる渦を巻いて、溢れてしまうの。
だから判るわよ」
末姫「はいです……」
二姉「他の色ーんな気持ちも学んじゃうんだけどね」
末姫「はう?」
二姉「まぁそれはいいの。
好きになった後の話だからね」
末姫「??」
二姉「末姫も、いつかそういう相手と出会えたらいいわね」
末姫「はいです」
242 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 05:25:58.72 ID:
bYbY9aRN0
だめだ。さすがに眠い。
書きすぎた。切りもいいので、休憩します
支援してくれた人ありがとね。
サル怖くてろくにレスも出来なかったけど
居ないと続けられなかった。感謝。
起きてスレがあったら続くっ。
243 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 05:30:21.24 ID:cQ2ieXcq0
乙ー
また頑張ってくれるの期待してるぜー
244 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 05:42:55.39 ID:Eg/A2nsw0
カレーが美味そう過ぎて死ぬ…腹減った
245 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 06:41:30.88 ID:VttP8rWq0
乙ー。起きてる時間はチェックして保守するよ
251 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/09/20(土) 09:41:25.83 ID:jL+RBbcv0
いつぞやのハンバーグの人かな?
257 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 11:58:18.46 ID:Tv+a4e0AO
ぽーにょぽにょぽにょさかなの…
あれ?誰か家に入ってきたようだ。
264 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 14:40:38.23 ID:
bYbY9aRN0
生き返った。
復活した。ハラヘッタ。再開するー。
保守あんがとなー。ママレードサンド(´∇`)つ やる
パヤオ「ほら見ろ。ポニョ売れたじゃねェか」
うわーん。まだ見てないのにー。
265 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 14:42:55.77 ID:27mSSB+30
ポニョ見てえ
266 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 14:49:30.83 ID:
bYbY9aRN0
――男のアパート。お風呂。
きゅっきゅっ。
ごしごし。
末姫「心うきうきっでもさりげなく♪
あなたの腕にっつかまれば〜♪」
末姫「お風呂、磨きっ。楽しいなっ」
末姫「肩にこぼーれる、不思議なフィーリン♪
キュンと♪ ハートを♪ 痛くする♪」
きゅっきゅっ。
ごしごし。
末姫「お風呂っ。掃除っ。ぴっかぴかっ」
末姫「そうね、女の子♪ いくつになっても〜♪
恋した人の、プリティ・ベイビー♪」
末姫「好きな人、なのです」
267 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 14:54:51.96 ID:
bYbY9aRN0
きゅっきゅっ。
ごしごし。
(兄様も大好きです♪)
末姫「云っちゃいますか?
云ってしまいますかっ。
今は誰もいませんよ、
絶好の実験タイムですよっ」どきどき
末姫「に、に、兄様
だ、だ大好きですっ♪」
末姫「云ってしまいましたっ。云いましたです!
うわ、ほんとだ。すごいんだ。
暖かい波が、胸に打ち寄せてきますっ。
ど、どうしよう。
どうすればいいのでしたっけ」おろおろ
末姫「とりあえずスポンジをおろして」
ぽい
末姫「じゃなくて掃除を終らせないと」
268 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 14:59:49.88 ID:
bYbY9aRN0
きゅっきゅっ。
ごしごし。
末姫「わぁ。そうなんだ。そうだったんだ。
兄様のことが好きなんだっ。
うわ、急に恥ずかしいです。
こっ恥ずかしいですっ。
むやみにテンション上昇中!
ハートがウォーミングを越えてバーニングっ!」
末姫「姫としても動揺が隠せません。
隠蔽工作に無理がある鼓動の激しさです」
きゅっきゅっ。
ごしごし。
末姫「――毎日、キス・ミー。いつでもフル・タイム♪
見つめて、ラブ・ミー・スウィート♪」
末姫「キスミー!?」
末姫「そうだ、キスミーですよっ。
さすがの猿飛びの主題歌にあって私に無いもの、
目指すべき次の目標! それが多分キスミーですよ!」
269 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 15:05:28.05 ID:
bYbY9aRN0
末姫「兄様、かぁ」
末姫「――突堤で拾ってもらったんでした」
末姫「遊んでくれて、撫でてくれて、お世話になって。
優しくしてくれて、色んな事を教えてくれて」
末姫「貰うばっかりです。
姫もなんか兄様にしてあげたいけれど」
(何かしてあげたくてたまらなくなって
相手を喜ばせてあげたい気持ちになるかな)
末姫「うわぁ。二姉様の云ったとおりです。
兄様に何かしてあげたいです。
じゃぁやっぱり姫は兄様のことが好きなんです。
いやぁ、そうじゃないかと思ってました。
コナンもびっくり名推理ですよっ」
末姫「うわぁ! 考えがあたふたして
まとまらないですよっ!?」
魔女「取り込み中か?」
末姫「はうっ!」
271 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 15:10:23.03 ID:
bYbY9aRN0
――男のアパート。居間。
魔女「お邪魔する」
末姫「はいです♪」
魔女「――」
末姫「……」
魔女「――」
末姫「……」うずうず
魔女「――」
末姫「いらっしゃいませです、魔女さん」
魔女「どうか」
末姫「楽しいです♪ 今は兄様のおうちのここに
ホームステイしてますっ」
魔女「アニソンは聴けたか」
末姫「たくさん、たくさんですっ♪」
魔女「呪うか」
末姫「呪いませんっ」
272 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 15:14:32.78 ID:
bYbY9aRN0
魔女「脚」
末姫「えっと」
魔女「クーリングオフ」
末姫「はいです」
魔女「今ならまだ人魚の鱗に戻せる」
末姫「人間の脚にするです」
魔女「戻せなくなる」
末姫「はいです」
魔女「人間になるか」
末姫「はいです♪」
魔女「人間に、300年の寿命は、無い」
末姫「はいです」
魔女「地上は騒がしくて、不潔で、恐ろしい場所」
末姫「そんなことは、ないです」
魔女「人魚には、魂は無い」
末姫「……」
魔女「魂が無いものは、地上に長くとどまれない」
末姫「はいです」
273 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 15:16:47.08 ID:27mSSB+30
うわー
いきなり重くなってきたー
274 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/20(土) 15:19:19.13 ID:
bYbY9aRN0
魔女「魂を貰わなければならない。
誰かから、愛する人から分けてもらわないと
十日も持たない」
末姫「兄様がいるです」
魔女「――」
末姫「兄様が分けてくれるです。
判ったんです。兄様のことが大好きです♪
兄様に何かしてあげたいし、兄様の近くにいたいです。
兄様の近くでカレーを食べて、兄様の住処を掃除して
兄様が笑ってる顔をいっぱいいっぱい集めるのです。
兄様の悲しい顔を全部全部掃除するのです♪」
魔女「――」
末姫「人間は怖くて残酷で恐ろしいって
聴いてましたけど、やっぱりそんなことは無いです。
兄様は暖かくて優しいです。
姉様も、友のお兄ちゃんもすごく良くしてくれます。
だから、大丈夫」
魔女「正体をばらしても?」
末姫「きっと」
魔女「――きっと」
末姫「なのです♪」