Part3
56 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:24:08.11 ID:
e5xLxTZ40
男「そんなわけで、姫はもう一回
お風呂へいってきてざっと汗流してきて」
末姫「はいなのです」
男「おれは着替え用意してご飯作っておくから」
末姫「わーい♪ わかりました!」
とてててて。
男(なんだか本当に子供なんだなぁ、あいつ)
末姫「兄様、兄様!」
男「なーにー?」
末姫「兄様も一緒に入りませんかー?
お風呂はすごく素敵な発明ですよー?」
男「本当に女と引き合わせても大丈夫なのかなぁ」
末姫「姫はお手々で水鉄砲出来るようになったんですよー」
男「……」
末姫「その威力はマクロスキャノン並みですよー♪」
男「君はがんばって任務を遂行したまえ」
57 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:25:39.59 ID:
e5xLxTZ40
――男の自宅アパート。末姫の風呂上り。
末姫「ちょこん」
男「よし、じっと座ってること」
末姫「はいです」
ふきふき、もふもふっ
男「姫は髪の毛細いなぁ」
末姫「そうですか?」
男「うん。タオルでくしゃくしゃすっから、
目をつむってろな?」
末姫「はいです」
くしゃくしゃ、もふもふ。
男「色もな、綺麗なセルリアンだ」
末姫「せるりあんってなんですか?」
男「海の青だよ」
末姫「海の色ですか! 海は綺麗です」
男「そうな。海辺の街に生まれて、普段は考えないけど。
海は格好よくて綺麗だよな」
末姫「はいです!」
58 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:27:37.71 ID:
e5xLxTZ40
ふきふき、もふもふっ
男「よし、こんなものかな」
末姫「はいです、もう良いですか?」
男「ちょっとまて。梳かしてやるから」
末姫「はいです? 櫛ですか?」
男「そうだよ」
末姫「兄様は櫛もってるんですか?」
男「普通持ってる」
末姫「そうですか!? 姫は持ってませんでした。
姉様たちのを借りてたんです。
姫はまだ十五になってないので櫛をもてなかったんです」
男「へー」
するん。するん。
末姫「五姉様のは黒珊瑚、四姉様のは白珊瑚の櫛なんです。
貸してくださいってお願いするけれど、断られちゃうんです。
だから使ったことがないんです。
困っていると、いつも三姉様が夕焼け茜色の櫛を
貸してくれました。三姉様は怖いんですけれど、
いつも貸してくれるんです」
60 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:32:40.27 ID:
e5xLxTZ40
>>59
うわぁん。すまねぇ。
みたらなんか誤字とか変なトコとかあって
最初から始めちまったよぅ。
でも、すげぇ感謝。
フライング土下座。
ぢゃなくて、ママレードサンド(´∇`)やる!
>>支援してくれた人
感謝。一人だと寂しい。
サルになると補陀落渡海したくなる。
61 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:34:42.39 ID:Raaw4ZNG0
もうちょいゆっくり投下してくれてもいいんだぜ
62 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:35:07.24 ID:
e5xLxTZ40
するん。するん。
男「姉妹仲は良かったんだな」
末姫「はいです」
男「なんだなんだ。ホームシックか?」
末姫「仲は良かったですけど
姫は見にきたかったです」
男「日本か?」
末姫「えっと、はい。――アニソン♪」
男「マニアめ」
するん。するん。
末姫「だってアニソンはロボット格好よいです。
ドラゴンボールもセーラームーンも好きですっ」
男「はいはい、判ったから興奮してじたばたしないの」
末姫「はいです」
63 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:38:32.22 ID:
e5xLxTZ40
男「まぁ、幸いうちは、パソあるしな。
あんまり変なところ行かなきゃ
あれで音楽を聴いたり勉強すれば良いさ」
末姫「変なところ?」
男「まぁ、ネットの世界にはいろいろあるのだ」
末姫「おうちのパソコンは
古くていけない場所が沢山ありました」
男(それはいわゆるチャイルドロックなんじゃねぇかな)
末姫「そういえば今日すごいHPを見つけました!」
男「ん、どんなところ?」
末姫「『双子のメガネ先生おっぱい実習授業』です!!」
男「ぺちっ」
末姫「あうっ!」
男「履歴をあさってはいけません!!」
64 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:40:32.01 ID:
e5xLxTZ40
末姫「うー。うー」
男「なにか?」
末姫「兄様、おでこ痛いです」
男「デコピンで済んで感謝したまえ」
するん。するん。
末姫「よく判らないのです」
男「判らないでよろしい」
末姫「むー」
男「詮索無用」
するん。するん。
男「よし出来た!」
末姫「出来たですか?」
男「ばっちり。髪の毛さらさら。風にたなびくキューティクルだ」
末姫「わーい♪」くるくる
男「どうだ」
末姫「髪の毛つやつやです♪」
男「んじゃ、ご飯にするか!」
末姫「はいなのです♪」
65 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:42:06.62 ID:
e5xLxTZ40
――男の自宅アパート。食卓。
男「じゃーん!」
末姫「わぁ!」
男「本日の夜ご飯は秋刀魚でぃーす!」
末姫「秋刀魚大好きです!」
男「お、知ってるのか?」
末姫「美味しいです!」
男「じゃいただきます」
末姫「いただきます!」
男「もぐもぐ」
末姫「もきゅもきゅ」
男「今年は大豊作らしいぜー」
末姫「大豊作?」
男「あー。いっぱい取れるってことさ」
末姫「秋刀魚さんは今年は子沢山だったのですね!」
男「そういうことだな!」
66 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/09/18(木) 19:42:35.84 ID:HIzZvl7X0
風にたなびくキューティクルの場面は絵が浮かんでくる
67 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:43:54.46 ID:
e5xLxTZ40
男「もぐもぐ」
末姫「もきゅもきゅ♪」
男「もぐもぐ」
末姫「はぅはぅ♪」にこー
男「秋刀魚はどうだ?」
末姫「美味しいです♪」
男「そっちの故郷でもやっぱり
大根おろしとかで食うのか?」
末姫「生でが多かったです。たまに茹でたりです」
男「茹でるのか?」
末姫「サラダにします」
男「世界って広いな」
末姫「はうはう♪」
男「もぐもぐ」
末姫「表面がパリパリして美味しいです。はむはむ」
男「脂のとこにレモンをさーっと絞ってだな」
末姫「はいです!」
男「もぐもぐ」
末姫「もきゅもきゅ」
68 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:45:48.67 ID:
e5xLxTZ40
男「ごちそーさま」
末姫「ご馳走様です!」
男「西瓜食うか!」
末姫「はいです!」
しゃく、しゃくっ。
男「明日さ」
末姫「はいです?」
男「一緒にお出かけって行ってたじゃないか」
末姫「はいです」
男「俺の友達も来るからさ」
末姫「友達!」きらきら
男「どうした?」
末姫「友達といったら友達ですか?」
男「そうだよ」
末姫「親友ですか!?」
男「うーん。そうかな、そうかもな」
末姫「スグルとテリーマンみたいな感じですか?」
男「こいつほんとマニアックだな」
69 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:47:26.08 ID:
e5xLxTZ40
末姫「楽しみです!」
男「男のやつと、女のやつで、二人だよ」
末姫「二人です♪」
男「そうそう。ちょっと灰汁が強いけれど、
そんなに悪いやつじゃぁない、多分。
男のほうが安全度は高い」
末姫「女さんは危険なのですか?」
男「危険じゃないんだが、なんというか」
末姫「?」
男「すぐ判るよ」
末姫「はいです?」
幼馴「もう登場してるのだー♪」ばーん!
末姫「!!」
男「『お邪魔します』くらいは言えよ」
幼馴「何よう、私と男くんの仲じゃない」
男「どんな関係だよ」
幼馴「イングランドとアイルランドのような?」
男「酒場で血まみれで喧嘩する仲かよっ」
幼馴「友情は血であがなうのよ」
71 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:50:36.90 ID:
e5xLxTZ40
男「まぁいいや。コイツが幼馴。
さっき話した友達の女のほう」
末姫「はいです! あの、末姫です。
よろしくお願いします」にこーっ
幼馴(ドスっ!)
男「ぐはっ、腹にっ」
幼馴(小声で)「ちょっと何よ、あんた。
ばりばりの美少女じゃない! 本物ですよ!?
すごいよ、すごすぎ! 星みっつよ」
男「訳わかんねーよ」
末姫「あ、あの」おろおろ
男「なんでもないんだ、末姫」
幼馴「そうそう、平気だからね。姫ちゃん」にこ
末姫「はいです♪ 兄様のおうちでお世話になってます。
日本はとても素敵で楽しいです♪」
幼馴(ドスっ!)
男「鳩尾っ、って、おま」
幼馴(小声で)「『兄様』ってなによ、あんた!
『兄様』って誰が突っ込み入れなくても
私が突っ込み入れなくてどうするってのよ!!」
男「貫き手は勘弁してください、マジで」
72 :
VIPがお送りします: [sage] 2008/09/18(木) 19:50:46.67 ID:HIzZvl7X0
ノ`Д')ノシヾ(゚∀゚*) ベチベチベチ
こんな仲か
73 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:56:40.83 ID:
e5xLxTZ40
男「だいたい何でお前がいるんだよ」
幼馴「遊びにきたの」
男「どうせ明日遊ぶだろうが」
幼馴「どうせ明日も遊ぶから
今日からでもいいかなって」
男「電話でもかけてこいっての!」
幼馴「うひひ〜」にこっ
末姫「うへへ〜♪」にぱっ
男「真似しなくていいんだからな?」
末姫「はいです?」
男「もういいや。言い合うのも面倒だ」
幼馴「扱いが悪いぞぅ」ぷんぷん
男「すわって西瓜食えよ」
末姫「どうぞです」
幼馴「ありがとう。いや、姫ちゃん可愛いね!」
末姫「あ、ありがとうです。初めて云われました」
幼馴「美少女ですよ! うん。
お姉さんが保障しましょう!」なでなで
男「もぐもぐ」
74 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:58:12.72 ID:
e5xLxTZ40
幼馴「ふーん。じゃぁ姫ちゃんは随分南から来たんだ」
末姫「はいです。珊瑚の綺麗な青い海からです」
幼馴「でも、お肌真っ白ね」
末姫「?」
男「もぐもぐ」
幼馴「日焼けしないのね、ってことね」
末姫「五姉さまは綺麗な日焼けしてます。
私はあんまりおうちから出なかったのです」
幼馴「そっか。姉妹沢山なの?」
男「もぐもぐ」
末姫「私を入れて、七人なのです。お姉さまたちは
すごーく美人なのです♪」
幼馴「うわぁ。この娘に美人って言われるってどうなのかな。
私のプライドはもはやジンバブエドル並なんですけど」
男「もぐもぐ」
末姫「お姉様も美人です」にぱぁ
幼馴「うっわ。ね。嬉しい! うわぁん、可愛い!」
男「もぐもぐ」
幼馴「ちょっと男くんは話聞くくらいはしなさい!」
75 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 20:00:57.60 ID:
e5xLxTZ40
男「お前ら西瓜食えよ」
末姫「美味しいです♪」しゃく
幼馴「甘いわね、美味しい〜」
男「そうだろ。西瓜に失礼だ。ちゃんと食え」
末姫「姫はこの食べ物は初めてです♪」
幼馴「へー! 夏の風物詩だもんね」
男「もぐもぐ」
末姫「もきゅもきゅ♪ こくん」
幼馴「あっ」
末姫「はいです?」
幼馴「もしかして、姫ちゃん。
西瓜の種、飲んじゃった?」
末姫「……? はいです」
幼馴「この黒いのは、西瓜の種なのよ。
つまり、西瓜の赤ちゃんなの」
76 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 20:01:59.71 ID:
e5xLxTZ40
幼馴「それを飲み込むとね、
西瓜の種はおなかの中で正体を表すの」
末姫「へ? へ?」
幼馴「姫ちゃんのこのすべすべおなかの中にたどり着いた
西瓜の種はやがて芽を出し、根を張り、成長して……」
末姫「へ? えぇ!?」
幼馴「身体中の穴という穴から緑の蔓を伸ばして
姫ちゃんのからだを貫き! 養分にしながら
成長をするのだ。異形の食人植物としてッ!!!」
末姫「ひぇ! うわあぁぁーーん!?」
男(ぽかり!)
幼馴「はうっ!!」
男「いい加減嘘で苛めるのはやめろ」
幼馴「ちぇーっ。可愛い冗談なのに」
末姫「びっくりしました!」
幼馴「びっくりだね!」
男「お前がやったんだろ……」
末姫「西瓜が奇怪な植物だと思いました!」
幼馴「トリフィドカーニバル!」
男「……疲れる」
77 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 20:04:26.00 ID:
e5xLxTZ40
ちりーん。
幼馴「あ。あの風鈴、使ってくれてるんだ」
男「ああ」
末姫「?」
幼馴「あそこのガラスの鈴が、風鈴って云うんだよ」
男「金魚の絵のやつな」
末姫「はいです!」
幼馴「なんか涼しそうな音でしょ?」
末姫「はいです」
幼馴「だから夏には窓のところに下げておくんだよ。
そうすると、夜の風で鳴るんだよ」
男「暑さには気休めだけどな」
幼馴「馬鹿だなぁ。男くんは。それでもいいの」
末姫「とっても綺麗な音です」
幼馴「うん」
末姫「テンダリーぃ♪ 金色の夏の蜃気楼〜♪
SOMEDAY、SOMEDAY♪ 素肌にくちづけてぇ
どーうーぞー恋人と呼ばれる朝に♪」
幼馴「うわ! すごい声だぁ〜!!」
79 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 20:07:10.10 ID:
e5xLxTZ40
男「歌、上手いだろこいつ」
末姫「えへへ」にぱー
幼馴「うんうん、すごいすごーい!
なんかすごい声だねっ。透明でのびのびしてて!
キラキラ上っていくみたいな声だね!!」
男「まったくだな」
末姫「照れるのです」にこにこ
幼馴「で、アニソンなんだ。これは盲点だった!」
男「うん、でも、いい趣味だよな。
姫はこれで日本語も覚えたらしいよ」
末姫「はいです!
アニメで日本語も日本の歌も覚えました。
まだ判らないこといっぱいですけど」
幼馴「そっかー。そう考えるとアニソンもありよね。
海外でも沢山放送してるって言うし」
男「グレンダイザーとかすごかったらしいしな」
末姫「グレンダイザーは海に来るスペイザーが
ちっとも海に来ませんでした」
幼馴「どんだけマニアやね」
80 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 20:08:27.56 ID:
e5xLxTZ40
幼馴「さぁってと。そろそろ帰るね!」
男「おう」
末姫「明日も一緒に遊べるですか?」
幼馴「うんうん。姫ちゃん、一緒に買い物行こうね!」
男「おー。なんか安く服を見繕ってくれ」
幼馴「アウトレット行こうかー」
男「こんな街にそんな小洒落たモンがあるのか」
末姫「アウトレットってなんですか?」
幼馴「安く売ってくれるお店だよ」
男「いろいろな」
末姫「カレーの材料も買うです♪」
幼馴「あははは」
男「笑うなよ。ナイスアイデアだ」
末姫「えへへ」にぱ
幼馴「んじゃ、明日のお昼ごろに来るね。
友君もそれくらいには来るかな」
男「来るだろう、云っておいたから」
末姫「おやすみなさいです♪」
幼馴「おやすみ、姫ちゃん」
男「気をつけて帰れよ」
幼馴「云われなくても。べー、だ♪」
81 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 20:10:43.58 ID:
e5xLxTZ40
――海の宮殿、渡り廊下 in夢の回想
三姉「ただいまーっと」
とててて。
末姫「三姉様っ。お帰りなさい♪」
三姉「おう、ちびすけ。ただいま」にこっ
末姫「チビじゃないです!」
三姉「ははは。何かあったかい? 今日は何してた?」
末姫「何も無いです。いるかさんが
お魚持ってきてくれました。
今日は珊瑚林のお掃除して過ごしました♪」
三姉「お。えらいぞ!」
末姫「えへへ〜」
末姫「海の底の昼さがり〜そっと耳を澄ませてごらん♪
虹色のサンゴ礁の向うから〜♪
きこえてくるよ海の底のオーケストラ!」くるくる
三姉「まったく」にこにこ