Part2
30 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 18:56:46.38 ID:
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じゃーじゃー。ふきふき
男「カレーは好きか?」
末姫「はいです!」
男「うむ。今日のカレーは『星の王子様カレー』だ」
末姫「星の王子様カレー?」
男「うむ。カレー坂の登竜門ともいえるカレーだな」
末姫「そうなのですか」
男「アンパンマンカレーなどが更に格下として存在するが、
カレーとカレー風味シチューを一緒にされては困る」
末姫「はうはう」
男「よし、お前は今日、カレー坂の一段目を踏み出した!
カレー称号『星の王子様』を与えよう!!」
末姫「!?」
男「はげめよっ!」
末姫「はいですっ」
31 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 18:58:40.42 ID:
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男「明日は今日のカレーの残り食べれば良いからな」
末姫「はいです。お留守番ちゃんとしますです」
男「おう。えらいぞ。
でも、もうちょっと気を抜いても良いからな」
末姫「いっぱい寝ました」にこー
男「うむ」
末姫「窓のところに猫さんが来ました」
男「いつもいるんだ」
末姫「明日もきますか?」
男「うん、そだな」
末姫「猫さん可愛いです」
男「うん」
末姫「一緒にカレー食べていいですか?」
男「それはいじめだからやめておけ」
33 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 18:59:58.45 ID:
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男「さーって、寝るかー」
末姫「はいですー」
ぱちん!
末姫「えへへ」もそもそ
男「何もそもそしてるんだ?」
末姫「布団が嬉しいのです」
男「そうなのか?」
末姫「そうなのです」
男「変なやつ」
末姫「えへへ」にこー
男「明日留守番したら、明後日はお休みだからどっか行くぞ」
末姫「お外ですか?」
男「うん」
末姫「楽しみです!」
男「うむ」
末姫「ホムステイは素敵なことです!」
男「そっか」にこ
末姫「……おやすみなさいです」
男「お休みさん」
34 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:02:09.82 ID:
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――人魚の宮殿、六畳間in夢の回想
三姉「そろったかー? んじゃ食うぞ〜」
五姉「いただきまーっす」
四姉「いただきまーっす」
末姫「いただきますっ」
三姉「おう、召し上がれ!」
五姉「もぐもぐ」
四姉「もぐーもぐー」
末姫「もきゅもきゅ」
三姉「ん。……今日も美味いな」
五姉「メニューは同じだけどね」
四姉「わたしは好きだよ。海草サラダ」
末姫「美味しいです」
三姉「ホタテもあるんだ。食え、食え。ちびすけども」
五姉「ボクはチビじゃないっ」
四姉「わたしもです(もぐもぐ)」
末姫「当然わた」
五姉・四姉「あなたは」「お前は」「「チビ!」」
末姫「ううう」
35 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:03:08.30 ID:
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三姉「まぁまぁ。チビスケがチビなのは
別に今始まったことじゃない」
五姉「まぁねー」
四姉「もぐもぐ」
末姫「むー」
三姉「一杯たべな?
望みは薄いが胸がでかくなるかもしれないぜ?
二姉みたいにな」
五姉「二姉は?」
四姉「どうせデートですわ」
三姉「ああ。なんかそんな事いってたな。
南洋のシーフォークのボンボンとだとか」
四姉「あらあら。また乗り換えたんですね」
五姉「節操ないなぁ」
四姉「乗り換え可能なくらいモテる。ということですわ」
36 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:04:56.79 ID:
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末姫「二姉様はおむねが大きいからです」しょぼん
三姉「無駄にな」
五姉「いや、あれは暴力だね」
四姉「殿方はそういうのが好きなんですよ。
五姉ちゃんも育成したほうが良いですわ」
五姉「双子のあんただってまったく同じサイズだろうっ」
四姉「私のほうが綺麗なピンクですわ」
末姫「あ、あううう」
三姉「ほらほら、甘い泡イチゴやっから!
喧嘩しちゃダメだぞ。まったくお前らと来たら」
五姉「もぐもぐ」
四姉「もきゅ」
末姫「あむあむ♪」
三姉「末姫は美味しそうに食うなぁ」
末姫「はいっ♪ 美味しいです」
五姉「それはそうと。一姉と六姉はどこいったの?」
四姉「そういえば」
三姉「ああ。今日は六姉のデビューだからな」
末姫「!!」
37 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:06:12.05 ID:
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五姉「ああ。六姉も十五歳かぁ」
四姉「そんな季節ですねぇ」
末姫「デビューです。羨ましいです!」
三姉「まぁ、ほれ。六姉も引っ込み思案だから。
海面に出ても歌も歌えないで帰ってくるのは
目に見えてるじゃん」
五姉「ああー」
四姉「そうですわね」
三姉「だから、一姉が案内してさ。
今日は海面社会科見学ってわけ」
四姉「そうでしたの」
末姫「羨ましいです。どこに行ったのでしょうか。
西の島へ行ったんでしょうか?
それとも北の海でしょうか?」
38 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:07:17.54 ID:
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三姉「なんか、東の島国って言ってたよ」
五姉「へー」
末姫「そ、そ、それって日本ですか!? 日本なのですか!?」
三姉「な、なんだよ。突然目をキラキラさせて」
末姫「日本って言えばアニソンの聖地ですよ!
全世界の優れた歌曲の95%を作り出す歌謡大国ですよ!」
三姉「へー」
末姫「アニソンは心の歌謡にして地球の至宝なのです。
足元にからみつく〜赤い波を蹴って〜♪
マシンが叫ぶぅ〜狂った朝の、光にも似たぁぁああぁ♪」
三姉「なんか物騒な歌だなぁ」
末姫「これは日本の大人なら誰でも聞いただけで
涙ぐむ国宝級の歌なんですよ!?」
五姉「それは知らなかったな」
四姉「人間の歌なんて関係ありませんわ」
39 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:08:13.43 ID:
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末姫「うわぁん。羨ましいです! 妬ましいです!
私も日本にいっていっぱいいっぱいアニソンを
聞きたいです! キャラオケーというものにも
行きたいです!!」
五姉「キャラオッケって何だ?」
四姉「たしか個人用の楽団だとか」
三姉「へぇ! 個人で楽団もてるのか。
人間ってのも随分歌にいれこむんだな」
末姫「いいなぁ、いいなぁ。凄いですっ」
五姉「そんなにいいものかぁ、地上って」
末姫「だって、だって五姉様だって四姉様だって、
地上は良いって云ってたじゃありませんか」
40 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:09:24.60 ID:
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五姉「あー。そりゃな。モノによっては、ってことだよ。
南の果ての果てのさ。
トロリと油を流したようにゆったりした海に、
熱くて大粒の雨を運ぶスコールがやってきて、
暗い夜空を稲妻が切り裂くんだ。
そういうのは海の底ではちょっとお目にかかれない
すげー格好よさだとは思うな」
四姉「北の凍える寒いほどの海の白い流氷に腰をかけて
古い古い子守唄を歌うと、ぬいぐるみみたいな
白熊の親子がやってきて耳を傾けてくれますの。
オーロラに照らされた独唱会ですわ。
澄んだ鐘のような響きを立てて氷河が崩れると
それがオーロラに木霊して幾重もの輪唱になりますの。
そういうのは確かに素敵ですわね」
41 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:10:09.26 ID:
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末姫「うわぁん、うらやましいです!」
五姉「でも、ボクらは人間にはそんなに興味はないぞ?」
四姉「二本足で歩くなんて気持ち悪いですわ」
末姫「えぇー。そうですか? 良いと思うんですけど」
三姉「……」
五姉「だってあいつらってば猿から進化したんだよ?
それって信じられないよー。絶対に変!」
四姉「そうですわ」
末姫「うー」
三姉「私は昔、人間の歌を聴いたことがあるよ」
末姫「えっ!? どんな歌ですか? どこでですか!?」
三姉「随分と昔だよ。あちこちほっつき歩いて
色んなものを見ていた頃さ。どこだか忘れちまったけれど
人間の作った港町をね。眺めていたのさ」
五姉「初耳だ」
四姉「ですわ」
43 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:12:03.84 ID:
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三姉「夜だった。星が沢山出ていた。星ってわかるか?」
末姫(ふるふる)
三姉「空……頭の上のほうさ。そこには水がなくて
世界の果てまで広がる大きな泡の中の様なものなんだ。
その遥かな上のほうに海ほたるみたいな光が
無数に浮かんでいるんだよ。
手を伸ばしても届かないけれど
一つ一つが磨いた金貨のようにピカピカしているんだ。
それが綺麗でさ。私は海に浮かんで眺めていた。
港町にも星があるんだ。いっぱい群れてピカピカしてね。
人間は地上の星の群れを街と呼ぶらしい。
その一個が、海のほうまで近づいてきた。
うごく星は人間だったり車ってやつだったりする」
44 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:12:42.39 ID:
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五姉「それで?」
四姉「どうしたんですの?」
三姉「別にどうもしないよ。あたしは浮かんでいた。
そうしたら歌が聞こえ始めたんだ。その車からね」
FateiskindShebringstothosewholove♪
ThesweetfulfillmentofTheirsecretlonging♪
末姫(ああ……)
五姉「んで、んで?」
三姉「あたしはすぐに覚えて、歌ったよ。
一緒に歌った。人間の星と歌ったよ」
四姉「どうなったんですの?」
末姫「どうなったんですか?」
三姉「いや。それで終わりさ」
五姉「ぇー」
四姉「つまんないです」
三姉「たいした話じゃぁないのさ」
45 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:14:04.14 ID:
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――学校、昼休み
幼馴「やっほーぅ」
男「おす」
幼馴「うり、うり。元気がないぞぅ、男」
男「普通だ。お前が無駄に元気なだけ」
幼馴「そんなことはないよぅ」
男「そうだっての」
幼馴「うっわー! 卵サンド発見! 略奪っ!」ぱくっ
男「おまえなー」
幼馴「もにゅもにゅ♪」
男「……お前な」
幼馴「不機嫌な顔しないでよー。
せっかく幼馴染の私が来てあげたんだからさぁ。
親友じゃない?」
男「それと卵サンドがどう関係するんだ」
幼馴「親友の維持コストだよー」
男「なんか釈然としねぇ」
幼馴「うひひ。そういえばロリコンになったんだって?」
男「ぶふっ」
46 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:15:06.30 ID:
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男「な、なんだ!? そりゃー!」
幼馴「あんたが10歳くらいの美少女連れて
コンビニ来てたってうばちーが云ってたよ?」
男「うわ」
幼馴「どうよ、どうよ。どうなのよ。
新しい彼女? まさか援助交際? にくたいかんけー?」
男「女が肉体関係とかいうな。生々しい」
幼馴「なによぅ。お姉さんに教えなさいよぅ」
男「膨れたってダメだ」
幼馴「むきー。教えれー!」ぽかぽか
男「……なんでこういうことに。とはは」
幼馴「ほらー。あたしのブルーベリーサンドあげるから
早いところ親友様に白状しちゃいなさいよ」
男「……。んー。ホームステイだよ」
幼馴「ホームステイ? だってあんた一人暮らしじゃない」
男「あー。まぁ親戚のところで預かるはずだったのが
巡り巡ってウチに来たんだよ」
幼馴「ふぅーん」
男「もぐもぐ」
49 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:16:25.82 ID:
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幼馴「可愛い? その娘」
男「小さいな」もきゅもきゅ
幼馴「小さい、かー。どうよ? もう揉んだの?」
男「あーのーなー。まだ三日目だぞ。
それに俺はロリじゃありません。
心細い外国からの訪問者に手を出すほど鬼畜でもありません」
幼馴「いやーん。あれだよね、あれだよね
なれない外国滞在で心細さに震える少女。
大丈夫だよ。僕が守ってあげるからね」
男「始まったよ」
幼馴「大事なものだからこそ籠の中に閉じ込めたい。
逃げ出してもいいんだぜ、俺のことが嫌いなら。
お前を傷つけたい。俺の事が忘れられないように」
男「お前、その腐れ趣味どうにかならんの?」
幼馴「はっ」きょろきょろ
男「ん?」
幼馴「いや。この趣味だけは男くん以外には内緒。
気付かれた様子は無いようね」
男「疲れるやつ」
50 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:17:28.78 ID:
e5xLxTZ40
幼馴「でもさー」もきゅ
男「ん?」
幼馴「年頃の娘さんの世話って大変じゃない?
日本語とかどうなの?」
男「ああ、べつにな。よく出来た娘でさー。
目を離しても別に平気だしさ。
知識に偏りはあるけれど、日本語はほぼ完璧だよ」
幼馴「そっかー。事前勉強したのかな?」
男「そうじゃね?」(相当マニアックな勉強だけど)
幼馴「もきゅもきゅ」
男「もぐもぐ」
幼馴「あのさ」
男「うん」
幼馴「カレー食べさせた?」
男「うん」
幼馴「どう?」
男「まだ『星の王子様』」
幼馴「そっか」
51 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:18:23.41 ID:
e5xLxTZ40
幼馴「うばちーが美少女って断言してたもんなぁ。
わくわくだよ。どんなのか興味あるよう」
男「はー」
幼馴「幼馴染でもあり親友でもある男くんが
高校卒業を待たずに甘酸っぱい同棲生活に突入っ。
そこには明らかに禁断と背徳の愛が存在していることは
確実なわけでしょ!?」
男「ないよ」
幼馴「ちぇ。つまんない」
男「つまんなくても良いの」
幼馴「だってさー。もきゅもきゅ」
男「日曜買い物行くぞ。生活用品とか」
幼馴「ふーん」
男「お前も一緒に見物に来ればいいじゃねぇか」
幼馴「へ?」
52 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:19:17.12 ID:
e5xLxTZ40
男「どーせ俺の家のトイレ関係用品とか水周りとか、
お前の権力範囲じゃん。一緒に来て一緒に選べば
荷物運ぶの一回で住むし、お前はウチの居候見れるよ」
幼馴「え、いーの? そうゆうの普通、隠したがらない?」
男「なんで?」
幼馴「えっ? いや、なんでだろ」
男「隠すなんて面倒な」
幼馴「もきゅもきゅ」
男「もぐもぐ」
幼馴「どんな娘?」
男「うーん。何を話せばいいのさ?」
幼馴「なんでもだよー。食事時の雑談だしさ。
一緒に買い物行くならちょっとは
知っておきたいじゃない?」
53 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:20:38.26 ID:
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男「歌がうまいな」
幼馴「へー? どんなの歌うの? お国の歌?
英語かな、聞いて判るかな??」
男「聞けばすぐ判るよ」
幼馴「そかそか、それで?」
男「仔犬のようなやつだなぁ。何でも美味しく食べて
元気が良くて、風呂も好きらしいな」
幼馴「ふむふむ」
男「で、よく寝る」
幼馴「うっわ。そういえば一つ屋根の下だ!
木漏れ日が気層の光となって差し込む目覚め!
男がうっすらとまぶたを開くと
そこには桜色の唇をした美少女がッ」
男「とまれ」ごちん
幼馴「痛っ。むー。暴力反対」
男「露見の可能性を摘んでやったんだ」
幼馴「むー。むー」ぷんすか
男「まぁ、そんな感じ」
幼馴「判ったよー」
男「日曜にな。昼ごろに来い」
54 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:21:56.43 ID:
e5xLxTZ40
――夕方。男の自宅アパート
かちゃり
男「たっだいまぁ」
末姫「おかえりなさーいですっ」
男「おっす、元気いいな」
末姫「はいです!」
男「今日は何してた?」
末姫「拭き掃除をして、よーつべで魔女っ娘メグを
聞いて、猫さんを待って、猫さんと一緒にお散歩しました」
男「そっか。カレーは食べたか?」
末姫「食べました!」
男「お風呂も入ったか?」
末姫「入りました!」
男「そっか。うむ、全部こなしてるな。
ただ、まー。さすがに服はがばがばだなー」
末姫「兄様のは大きすぎます」
男「Tシャツがパジャマくらいにしか見えないな」
末姫「はいです♪」
55 :
VIPがお送りします: [] 2008/09/18(木) 19:23:08.81 ID:
e5xLxTZ40
男「なんか楽しいのか?」
末姫「姫は他の服を着た経験が少ないのです。
海……故郷では、服の種類が多くないのです」
男「ふーん」
末姫「このTシャツは大きいのです」
男「まぁな。夏だから良いようなものを」
とてててて♪
末姫「こうやって走ると、
お尻のところがはたはたして風で膨らむのです♪」
男「ぽかっ」
末姫「あうっ!」
男「それはダメ」
末姫「は、はう?」
男(たしか、もう1サイズ小さい
長袖シャツあっただろう、探すか)
男「えーっと、会議の結果。
このTシャツは禁止になりました」
末姫「えー? そうなのですか!?」