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末姫「……ひもじぃです」
Part10


382 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:04:22.55 ID:pdtnIq000
〜♪ 〜〜♪
幼馴「ばんわーっす!」
末姫「兄様っ。友のお兄ちゃん♪」
友「うわー。ちゃんと着れたんだ!」
幼馴「信用しなさいよ。どうよ。どうよ。
 姫ちゃん浴衣最高っしょ?」
友「うん。可愛いよ。似合う似合う!」
幼馴「姫ちゃん連れてったら
 母さん狂喜乱舞しちゃってさ。
 あっちが似合うとかこっちが良いとか
 話してくれないんだもん参るなぁ」
友「あはははっ」
男「良かったな、可愛いぞ。末姫」
末姫「えへへ〜」
幼馴「良かったねー! 良い子だ」
男「女も似合うぞ」
幼馴「あ、ありがと。なにいってんのよ!」
友「去年は僕、女ちゃんの浴衣見そこねちゃったしね」
末姫「良い匂いです」
幼馴「ソースね。私にまっかせなさーいっ♪」

383 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:10:15.71 ID:pdtnIq000
末姫「わぁーっ。わぁーっ」
友「あんまり走ると危ないよー」
幼馴「今年も盛大ね〜」
男「ずいぶん屋台も出てるな」
末姫「兄様、兄様っ。これはなんですかっ」
男「じゃがバターだよ」
幼馴「缶にはいったアホみたいな量のバターが良いのよね」
友「身も蓋もないなぁ」
末姫「これはなんですか? ぴょろぴょろしてます」
友「カメレオン棒だ」
幼馴「巻いた紙くっつけただけの棒よ。
 まったく子供だましね」
男「お前中学のとき
 あれで三日も遊んだくせに何云ってんだ」
友「あの時はひどかったね……。
 ぼくずっと後頭部つつかれてたよ」

384 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:17:11.10 ID:pdtnIq000
末姫「これはなんですか?」
友「それはスーパーボール。
 ゴムで出来てて良く弾むんだよ」
幼馴「男が体育館の水道の蛇口全部に一個ずつ詰めて
 水道管破裂したかと思うぐらいポンプが爆発したもんね」
友「あの時はひどかったね……。
 僕犯人だと思われて職員室でお説教されたよ」
男「少年時代の話だ」
末姫「これキラキラ綺麗です!」
幼馴「ああ、それはおはじき。女の子の定番玩具ね」
男「普通の女は先生の椅子のキャスター部分に接着して
 滑って転ばせたりはしないけどな」
友「あの時はひどかったね……。
 僕関係ないのにぶつかって捻挫したもん」
末姫「じゅる」
友「?」
幼馴「イカ焼きね。初手はこれでいきましょう。
 おじさん、三っつ頂戴なぁ」

385 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:23:50.18 ID:pdtnIq000
男「何で三っつなんだよ」
幼馴「私と姫ちゃんは半分こなの」
男「ふむ。やっとカロリーを気にするようになったか」
幼馴「半分こずつなら、色んな種類を
 いっぱい食べられるもんねー♪」
末姫「はいです♪」
男「……」
友「……」
幼馴「さぁ、つぎはタコ焼き屋さんだぞーっ」
末姫「タコが入ってたらLOTOチャンスなのですっ」
幼馴「甘いわね。そういうのは素人に任せておきなさい」
末姫「はう?」
幼馴「私たち祭の玄人はね。確実にタコの入っている
 屋台を狙うのよ。つまり狩人」
男「なにが玄人だよ。ただの地元民じゃねぇか」
末姫「すごいです!」
幼馴「つまり仕手戦なのよ。確定よ。
 うひひ〜。タコの入っていないたこ焼きなど
 観光客が食えばいいわ〜♪」
友「今は普通にタコ入ってるよねぇ」

387 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:29:55.57 ID:pdtnIq000
幼馴「うへへ」
末姫「えへへー」
男「お前らご機嫌だな」
幼馴「当たり前じゃない」
末姫「美味しいです♪」
友「よかったね」
幼馴「いやぁ。やっぱり祭の本懐は買い食いね!」
末姫「あむあむ」
幼馴「そろそろ甘いものも挟みたいわね」
男「何か俺たちって影うすくね?」
友「もう慣れたよ」
末姫「姉様、あれはなんですか?」
幼馴「おお。あれはチョコバナナね。食べたい?
 あれにしようか。甘いんだよ」
末姫「プッチンプリンみたいですか?」
幼馴「うーん。似た感じかな」

388 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:34:47.27 ID:pdtnIq000
末姫「美味しいです!!」
幼馴「でしょー。このカラースプレーの
 安っぽいトッピングが良いのよねー」
末姫「あむっあむっ」
幼馴「ん〜。懐かしい味だぁ〜」
男「おいおい、末姫」
末姫「はいです?」
男「くちのまわり、チョコでべとべとだぞ」
末姫「はうっ!?」
幼馴「よしよし。お姉さんが拭いてあげよう!」
友「姉妹みたいだね」
幼馴「まぁね。わたし妹居ないから。
 姫ちゃんはお姉さん増えても問題ないもんねー」
末姫「はいです♪」
友「あはははっ」
幼馴「よし、これで綺麗になった!」
末姫「美味しいですっ」

389 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:39:47.89 ID:pdtnIq000
友「船神輿がはじまったよ」
幼馴「船神輿ってなんです?」
男「船を皆で引くんだよ」
末姫「??」
友「判りづらいかなぁ」
男「んー。あの船を見せびらかしながら
 街の中をぐるぐる回るんだよ」
末姫「なんでです?」
幼馴「新しい服を買ったらダンスして
 見せびらかすようなもんかな」
末姫「判りました!」
友「なんか違うような気もする」
男「おれも違うような気がする」
末姫「子供が乗ってます」
友「うん」
幼馴「町内会の子供ね。お囃子っていって
 笛を吹いてるでしょ」
末姫「はいです」
幼馴「あれは住吉様って言って海の神様用の曲って訳。
 海が安全でお魚いっぱい恵んでくれますようにってトコかな」
末姫「父様です」

390 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:47:50.02 ID:pdtnIq000
友「え?」
末姫「えと。あの。なんでもないです」
友「あの笛の音がさ、古い曲なんだけど
 この辺に住んでる僕らには懐かしいんだよ」
幼馴「まぁね」
末姫「はいです♪ 素敵な曲です!」
どんっ
末姫「あわっ!?」
友「おっとっと、大丈夫」
幼馴「混んできたわね」
男「末姫は小さいからな」
末姫「ちびっこじゃありませんっ」
友「歩行者天国なんてお祭くらいだし」
幼馴「すごい人出よねー」
男「おい末姫」
末姫「はいです?」
男「ほれ」
末姫「つないでもいいですか?
 お手々つなぎます♪」
友「そのほうがいいかもね」

391 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:53:31.43 ID:pdtnIq000
末姫「〜♪」
友「姫ちゃん、ご機嫌だね」
末姫「はいです。兄様とぎゅーです!」
友「あははっ」
男「歩きにくい」ぼそ
幼馴「うりうり。何言ってるのよ。
 こぉーんな可愛い美少女に甘えられちゃって!
 あんた果報者よ。もっと狂喜しなさいよう!」
末姫「〜♪」
友「こうやって見ると、兄妹というか歳の近い父子っていうか」
幼馴「ちがいますですっ!
 姫は兄様のお嫁さんになりたいです〜っ。
 兄様の恋人になりたいのですっ」
友「え」
末姫「姫は、兄様のこと好きですっ。
 一緒にご飯を食べて、一緒に暮らして、
 おうちでお留守番したり散歩したり
 兄様に色んな優しさをもらって
 兄様のことが大好きになりましたです。
 兄様、兄様、姫を恋人にしてくださいですっ♪」
男「お、おま」
末姫「お願いしますですっ」

393 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 17:59:26.33 ID:pdtnIq000
――お祭。歩行者天国。
叔母さん「そういうわけなのよ。女ちゃん。
 おほほほほほ。お母さんにもよろしくね。
 男くんも一人暮らしだからって
 遊んでばかりじゃだめよ。おほほほほ」
男「はい」
幼馴「よろしく伝えます」
――。
――――。
男「うざっ」
幼馴「だよねー。地元のお祭ってのもこれさえなければね」
男「お漏らししてた頃の話とか
 高校生になっても持ち出すのってよ、
 ある種のいぢめじゃね?」
幼馴「ハラスメントだーっ。あははっ」
男「さて、待たせたな。友」
幼馴「ごめんね、姫ちゃーん」
しーん

394 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 18:03:35.87 ID:pdtnIq000
男「あらら」
幼馴「はぐれちゃったかな。
 うわ、ど、ど、ど、どうしよう」
男「落ち着けよ」
幼馴「だって姫ちゃん小さいよ。初めての場所なのに
 きっと泣いてるよ〜」おろおろ
男「おまえ逆境に弱いよな」
幼馴「姫ちゃんのことでしょ、
 少しは心配しなさいよっ」ぷんぷんっ
男「友が一緒だろ。それにどこに行ったかも想像つくよ」
幼馴「へ?」
男「カラオケ大会のエントリだろ。
 俺たち時間食われちまってたからな。
 エントリ受付に間に合わないかもしれないって
 さっき話してたじゃないか」
幼馴「あ! そっか!!」
男「だからうろたえるなよ」
幼馴「な、なによぅ。
 べつにあたしは取り乱したりしてないっての」
男「どうだか」

395 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 18:08:43.19 ID:pdtnIq000
幼馴「えっと、どうしよ」
男「カラオケ大会は、市役所広場のほうだろ」
幼馴「だっけ?」ごそごそ
男「地図のチラシ持ってるのか」
幼馴「じゃーん。あたし用意の良い女」
男「おまえ結構小心者だしな」
幼馴「うるさいなぁ」
げしげしっ
男「いたっ。うっ」
幼馴「うらうらー。私がちゃんと
 調べてあげるから感謝しなさいよ。
 む! どうやらカラオケ大会は市役所広場ね」
男「だからそう云ってるだろ」
幼馴「行くわよ! 遅れないでついてきなさいっ」
男「俺が云いたい台詞だよ」

396 :VIPがお送りします: [sage] 2008/09/21(日) 18:12:44.18 ID:oDjOvQ4v0
何を歌うかwktk

397 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 18:13:35.81 ID:pdtnIq000
〜♪ 〜〜♪ がやがや。
幼馴「さすがに、すごいね」
男「賑やかだな」
幼馴「一年で一番すごいかもね」
男「ああ」
幼馴「それにしても」
男「?」
幼馴「うりうりぃ。聞いたよ、聞いてしまいましたよ」
男「……」
幼馴「この耳で。熱烈告白っ。らぶらぶお惚気全開!
 あんなかわいい娘に兄様呼ばせている
 鬼畜男が禁断の告白をうける!
 無垢な少女の熱い思慕の視線ですよっ!」
男「……」
幼馴「姫ちゃん小さくて可愛いよね。ね。
 やっぱ家ではちゅっちゅいちゃいちゃしますか?」
男「……」
幼馴「はっ! まさかそれ以上の
 あんなことやこんなことも!? こ、このエロ魔人!
 姉としてそれはちょっと許せませんぞ〜」
男「だまれ」

398 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 18:17:52.80 ID:pdtnIq000
幼馴「なに云ってるのよっ。
 あんな可愛い娘から告白されたんだし。
 らぶらぶちゅっちゅでしょうが!」ぷんぷん
男「あのさ」
幼馴「なによ」
男「お前自分の立場わかってもの言ってるの?」
幼馴「判ってるわよっ」
男「なんだよ」
幼馴「あんたの……。
 あんたの幼馴染で友達で親友よっ!!
 恋人が居ないあんたの可愛い彼女を祝ってるのよ。
 こんちきしょー。判りやがりましたかっ」
男「お前いい加減にしなっ」
幼馴「あたし友達だよね?」
男「……」
幼馴「あたし友達だよね?」ぎゅっ
男「……」
幼馴「あたしたち、ずっと、ずっと、友達だよねっ」
男「……おう」

399 :VIPがお送りします: [] 2008/09/21(日) 18:23:37.68 ID:pdtnIq000
うは。
ここでまさかのスレタイムアップ36時間っ。
とちゅうで規制にひっかかったのが痛すぐる。
もうしわけない。ママレードサンドでごまかせるか?
ごまかせねぇか……。
ちょうどよい切りなんで、書き溜めに戻るぜ。
長くてごめんよ。
自分でもこんなに長いとは思わなかったんだ。