Part84
791 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:16:51.62 ID:F.ztGjEP
――鉄の国、職人街、裏路地
勇者「何処にいたんだよ、お前っ」
女魔法使い「……用事があった」
勇者「なんのっ」
女魔法使い「……入稿?」
勇者「訳判らないよ」
女魔法使い「……すぅ。……くぅ」
勇者「寝るな」 がくがくっ
女魔法使い「……はっ」
勇者「起きたか?」
女魔法使い こくり
勇者「なんだかなぁ」
女魔法使い「……勇者は」
勇者「うん」
女魔法使い「ごきげん?」
勇者「ぼちぼち」
女魔法使い「……へへ」
勇者「女魔法使いは、ご機嫌か?」
女魔法使い「……。ふつう」
勇者「そっか。ご機嫌になるといいな」
798 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:19:37.57 ID:F.ztGjEP
女魔法使い「……」
勇者「?」
女魔法使い「……」ぽけぇ
勇者「女魔法使いは、普段なにしてるのさ」
明星雲雀「ピィピィピィ! ご主人は長い長い間
苦しい修行ぴっ! ピィピィ! なにするですかご主人っ」
女魔法使い「……タツタバード」ぼひゅん
勇者「それ、相棒か?」
女魔法使い「……目覚まし時計」
勇者「目覚ましあっても起きないじゃないか」
女魔法使い「……鳴らなかったって言い訳できる」
勇者「お前賢いな!」
女魔法使い こくり
勇者「……」
女魔法使い「……」
勇者「なんかあるのか?」
女魔法使い こくり
勇者「困り事か?」
女魔法使い「……ある意味、そう」
802 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:25:46.31 ID:F.ztGjEP
勇者「話、聞くぞ」
女魔法使い「……経済的な均衡状態、また発展状態を
作り出すためには、該当する経済レイヤに対して
政治および技術レイヤから健全な影響が無くてはならない。
またこの健全な影響が充分に経済機構に行き渡るためには
一定の時間が必要とされる。
一方、政治、技術により不健全な影響を受けた周辺レイヤの
ひずみは、そのまま外交や政治そのもののレイヤに逆照射し
他の分野や領域をもまきこんだ引き攣れを見せる。
これらの引き攣れは、
軽度のものであれば時間と共に拡散していくが、
重度のものである場合たわみを反発材料として、
主に軍事的レイヤにてその緊張を解放しようとする」
勇者「……?」
女魔法使い「軍事的な衝突は、周辺レイヤに大きな爪痕を残す。
技術レイヤには比較的ダメージが少ない。
なぜならば知識とは本質的に無形であり破壊不可能だから。
戦争により技術が発展するというのは、
必要によって技術が発展するという点と
技術が破壊不可能だから戦争によって消費されにくいという
二点から導き出される結論。
しかし、軍事的衝突は、政治レイヤ、経済レイヤには
深いダメージを残すことがままある。
また、これらの軍事的抗争は政治および技術レイヤから、
経済レイヤへの転換を、大きく後退させる。
なぜなら“財”と言う形で蓄積されたドライブフォースを
無為に消費してしまうから。
文化レイヤにおいては、民族的鬱屈から回復不能なまでの
ダメージを受けることすらあり得る。
ゆえに軍事レイヤに何らかのアクションを行なわせる
ことなく滑らかに周辺レイヤを発展させるべき。
――これが魔王の出した回答」
勇者「……」
804 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:28:22.78 ID:F.ztGjEP
勇者「どういうことだ?」
女魔法使い「“優れた問いは、優れた答えに勝る”」
勇者「……」
女魔法使い「“なぜ、勇者と魔王という特別な存在が
この世界には1人ずつ存在するのか?” たとえば魔王が2人で勇者は居ないであるとか、
その逆であるとか。また勇者が3人いて、
魔王は2人であるとかいう状況は、なぜ無いのか?」
勇者「へ?」
女魔法使い「そのような状況は歴史上
かつて一回も記録されていない」
勇者「……なぜ」
女魔法使い「“なぜ勇者と魔王は戦うのか?”」
勇者「俺たちは戦ってなんか居ない」
女魔法使い「……このような例は今回が初めてで
今までは常に戦ってきた。
今回は特殊な例外と考えた方がいい」
勇者「話が見えてこないぞ」
女魔法使い「……」
勇者「おい、魔法使い」
806 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:30:16.04 ID:F.ztGjEP
女魔法使い「勇者と魔王の近似」
勇者「え?」
女魔法使い「魔界における勇者が、魔王。
人間界における魔王が、勇者。
模倣子を造り出す経路が違うけれど、
本質的には同じもの。
同じものが、二つ。
なぜ二つしかないのか?
なぜ同じものなのか?
特異点的存在とは一体何を目的として“ある”のか?」
勇者「そんなのに答えなんてあるのかよっ」
女魔法使い「答えは常にある。
人によって同一とは限らないけれど」
勇者「なんでなんだよ」
女魔法使い「……」
勇者「……いや、聞いたらまずい気もする」
女魔法使い「教える」
勇者「ちょっとたんま」
女魔法使い「またない」
勇者「だからっ」
女魔法使い「2人の勇者、もしくは2人の魔王は
有る存在の二つの終端、切り口だから」
807 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:31:28.40 ID:F.ztGjEP
勇者「切り口……?」
女魔法使い「そう。特異点が二つあると言うことはあり得ない。
この世界にそれが二つも存在する確率はあまりにも低すぎる。
両者は二つの特異点ですらない。
一つの特異点。
現世においてそれが二つの存在として見えている」
勇者「わかんないぞ」
女魔法使い「いわば、ひも。
ひもの右端が、勇者。
ひもの左端が、魔王。
――これが答え。
常に両者がセットで存在し、2人にも3人にも増えず
一つの時代にあつらえたように対峙する理由。
そして同時に戦う理由でもある。
二つの端子が接触した時から、このひもは収斂を開始する。
端子同士が接続し、ひもは円環となり、世界が完成する。
世界を縛るひもは、世界ごと小さくなり、世界と共に
“始まり直す”」
勇者「はぁ!?」
女魔法使い「炎のカリクティスの古から続いてきた
あのやりきれない伝説の正体がこれ」
809 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:35:37.14 ID:F.ztGjEP
勇者「……頭がついていかない」
女魔法使い「今の世の魔王はそのあまりある力を
戦闘には全く用いなかった。
どのような奇跡か判らないが、
歴代魔王を継承するという魔王の模倣子相続システムから
自由だったゆえに、別の道を夢見た。
もしかしたら、夢見た故に自由だったのかも知れない。
そしてその能力を、世界の拡張に当てた。
また、偶然か必然か、勇者も魔王を殺害して良しとせずに
その拡張に力を貸した。
拡張は技術や経済から始まったが、やがて次々と
隣接レイヤに波及し、政治、外交、文化、
はては伝承の域にまで影響を与えようとしている。
端子同士がたどのような形であれ接触した今、
収斂力は作動している。にもかかわらず、
魔王と勇者は世界を拡張させようとする。
この拡張する速度と縮退する速度が均衡して
世界は停止しかけようとしている。
魔王の出した答えは間違っては居ない。
けれど、それを実行するためには、
この世界は根本的な病理を抱え込んでいる」
勇者「病理? 停止?」
女魔法使い「そう。それは罪ではなく、病理。
そのために現実的な事象はおそらく次々と立ち現れる。
助長系の歪みもその一つ」
勇者「何か、起きるのか」
女魔法使い こくり
勇者「ひどいことか?」
女魔法使い「……おそらく全員死ぬ」
勇者「……っ!」
女魔法使い「……」
817 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/03(土) 23:41:20.28 ID:F.ztGjEP
勇者「嘘、じゃないんだよな?」
女魔法使い「……」
勇者「どうしたらいい? 解決策はあるんだろうっ」
女魔法使い「……」
勇者「おい、魔法使い」がくがくっ
女魔法使い ぐらんぐらん
勇者「おいっ」
女魔法使い「機構上の要素のひとつが、
機構を変更することは出来ない。
現象とは機構が許容する状況の一切片にすぎないから。
――それが従来の答え、でも」
勇者「なんだよっ」
女魔法使い「……」
勇者「何でもするから言ってくれよっ!」
女魔法使い「絶対?」
勇者「絶対する」
女魔法使い「……」
勇者「頼むよ。お願いだ。……お願いだからさっ」
女魔法使い「……勇者は、いつもずるい」
勇者「え?」
女魔法使い「…………」ぎゅっ
勇者「魔法使い……?」
女魔法使い「そのときが来たら、躊躇っては、いけない」
830 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 00:09:36.62 ID:TQ3NwHwP
――鉄の国、職人街、ギルド会館
魔王「よっし。終わったぞっ!」くるっ
メイド長「どうです? 成果は」
魔王「これで女騎士のリクエストに
応えられる性能を確保できそうだ。射程は3倍になるだろう。
戦争なんて出来るなら未然に防ぎたいが
もし衝突があるのなら最小限の損害でやり過ごしたい。
敵も。そして味方もだ」
メイド長「そうですね」
魔王「勇者は何処だろう? いや。
この場合は勇者を捜す前に仕立屋に行くべきか?」
メイド長「あらあらまぁまぁ」
魔王「いや。別に特別な意味はないんだぞ?」ぱたぱた
メイド長「そう言うことにしておきましょうね」
女魔法使い ぼへぇ
魔王「うわっ。……お、女魔法使いではないか」
女魔法使い「……」こくり
メイド長「古城民宿以来ですね」
女魔法使い「……図書館族、勢揃い」
メイド長「……」
832 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 00:11:50.64 ID:TQ3NwHwP
魔王「今まで何処に?」
女魔法使い「……山ごもり」
メイド長「?」
魔王「……ふぅ」
女魔法使い こくり
メイド長「どうしたんです?」
魔王「我ら図書館族は、こうして触れあう機会は滅多にない。
そもそも個体数が少ないし、現世界に出て活動するのは
滅多にいない。研究室と書架を往復する連中が殆どだ。
触れあうことは、珍しい。
わたしとメイド長が例外なんだ。
……だから」
女魔法使い「……」
魔王「何があったのだ?」
女魔法使い「……二つある。
まず『天塔』の場所を知りたい」
メイド長「てんとう?」
魔王「……」
女魔法使い「魔王であれば知っているはず。
それが口伝なのか記憶転写なのかは判らないけれど。
歴代魔王は全て、その場所を知っている。
確証はないけれど、全ての伝承はそれを示唆している。
勇者の首を捧げる祭壇の場所として」
魔王「もう一つは?」
女魔法使い「勇者は旅に出た。あなたと全てを救うために。
あなたも、あなたの勤めを果たすべき時がきた」
953 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 21:25:46.50 ID:TQ3NwHwP
――冬越し村、魔王の屋敷、客間
女騎士「お風呂よし、髪の毛よし、肌のお手入れも一応よし」
女騎士「……」
女騎士「よ、よっし」
ぱしぱしっ!
女騎士「気合入ったぞ」
女騎士「……入ったぞ?」
女騎士「うむ。……これはなんだ。いざとなると不安だな。
後から後から弱気な気分がわいてくる……。
ええい、湖畔修道会の最終兵器ともあろう私がどうしたことだ」
女騎士「……」
そぉっ。――なでなで。
女騎士(……やはり、これかな)
女騎士 しょんぼり
女騎士「こればかりはなぁ……。魔王の4分の1も無い。
いや、あるのだ。無いわけではない。無いのでは、けしてない
つまりゼロではない。小さいだけだ。
ほ、ほらな? なでれば膨らんでるのは判るぞっ。
ちゃんとあるではないか!」
女騎士「……」
女騎士「虚しいな」
956 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 21:28:10.25 ID:TQ3NwHwP
女騎士「相手がアレでさえなければ、
もうちょっと気負わないで済んだのだろうが……」
女騎士(いや、ちがうか。――同じだな。
相手は問題ではない。自分の気持ちの持ちようだ)
女騎士(……そういえば、老子は何をくれたんだ?
馬作戦は“こうかは ばつぐん”だったからな)
がさごそ、しゅるる
女騎士「ぱんつか。……まぁ、そんなことだろうと思っていた。
老師に格上げされても変態は変態なのだしな。
……つまり、役に立つ変態と云うことだな。
ん? こっちは絹の靴下か? 高価そうではあるが」
もそもそ
女騎士(あれ? ……上手く履けないな)
もそもそ
女騎士「なんか変だぞ」
もそもそ
女騎士(……これは、もともとこういうものなのか?
なんだか半分しか履けてないような、ずり落ちてるような。
ろーれぐ? 何だその解説は。
張り付いているようで……。は、は、は……)
かちゃ
女騎士「はしたないではないかぁっ!」
魔王「……」
女騎士「ひゃっ!?」
957 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 21:29:29.42 ID:TQ3NwHwP
魔王「……」
女騎士「まっ。魔王。お邪魔しているぞ、早かったな」
魔王「……うん」
女騎士「どうした?」
魔王「うん」
女騎士「……?」
魔王「今日は、中止だ」
女騎士「何かあったのか?」
魔王「勇者は、お出かけしてしまった。
……どうやら、タイムリミットらしい」
女騎士「?」
魔王「チャンスを逸してしまったらしい」
女騎士「どういうことだ?」
魔王「私にも良く判らない。
でも、今のこの流れを変えるために、
勇者は何かを知って、それをするために旅に出た。
……女魔法使いが教えてくれたんだ」
女騎士「……」
魔王「……勇者は、だから、いないんだ」
女騎士「……」
魔王「置いて行かれてしまった」
女騎士「……」
魔王「私は、置いて行かれてしまった」
女騎士「……」
958 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 21:31:00.91 ID:TQ3NwHwP
魔王「……」つぅ……
女騎士「魔王」ぎゅっ
魔王「女騎士?」
女騎士「面倒くさい事を考えてはダメだ。魔王」
魔王「……」
女騎士「勇者はちゃんと帰ってくる。きっと大丈夫。
わたしは。ははっ。……自慢にもならないけれど、
置いていかれるのは二度目だぞ?
でも、大丈夫。勇者はちゃんと戻ってくる。
だってあのときよりも勇者は優しいし、強いじゃないか」
魔王「……」
女騎士「戻ってきた時に女が増えていたらそれはそれで
拷問をしなければいけないけれど……ちゃんと帰ってくる」
魔王「……そうだろうか」ぽたっ。ぽたっ。
女騎士「きっとそうだ。だって勇者は守るために行ったのだろう?
帰ってくるために出かけたのだろう? だから、あの日とは違う」
魔王「……」
女騎士「それよりも、勇者を助けなきゃ」
魔王「助ける?」
女騎士「そうだよ。……きっと何かが起きているのだろう?
そうじゃなくても、勇者の代わりをしなければならない。
普段仕事をしないように見えて、
いなくなると困ってしまうのが勇者なんだ。
勇者の代わりをするのは、魔王と私しかいないだろう?」
魔王「……」
960 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 21:33:58.75 ID:TQ3NwHwP
女騎士「蔓穂ヶ原の戦いが終って、
ほっとしたけれど……。
ずっとどこかで感じていた。
ああ、少しも終っていないな、って」
魔王「……」
女騎士「これで私たちの戦争は終わり。
もしかしたら中央が魔界へ攻め入って、
後は魔界で戦争になるかもしれないけれど、
それは私には関係ない……
なんて、考えなかったわけじゃないけれど
そんなことはないよね。
勇者は絶対にそんなところで諦めたりはしない。
そんなところで諦める勇者なら好きにならなかったと思う」
魔王「……」こくり
女騎士「だから、たぶん勇者は、そういうのもこういうのも、
全部どうにかしにいったんだよ。
いまならなんとなく感じる。
本当はあの日にもそれを感じられていれば良かったけれど……。
勇者はきっと魔王と私に、ここは任せて出かけたんだ」
魔王「そう、なのかな……」
女騎士「きっとそう」
魔王「私のやる事は、まだあるのだな……」
女騎士「もちろん」
魔王「……うん」
女騎士「気合入れないとな!」
魔王「う、うん。判った」
女騎士「よっし。じゃぁ、今日のところは解散しよう」
魔王「あ、女騎士」
女騎士「なに?」くるっ
魔王「それでも、そのぅ。云いずらいけれど……
そのぱんつはさすがに小さすぎると思う」
970 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/10/04(日) 22:12:46.10 ID:TQ3NwHwP
――冬の国、王宮前広場、領事館
冬寂王「ここか?」
従僕「ここですよー! 僕は何回も来ているんです」
将官「ほほう」
大工頭領「おう、坊主!」
従僕「こんにちはー!」
冬寂王「どうかね、調子は」
大工頭領「こいつは、王様じゃありやせんか!
いいんですかい!?
こんな所におつきの兵隊も連れないでのこのこ出歩いて」
将官「失敬な。わたしがいます」
商人子弟「まぁ、止めてもお忍びで出て行っちゃう王様ですからね」
冬寂王「ははは! 良いのだ。
ここは我が愛する冬の国。その中心ではないか。
この街を安全に歩けないようでは、わたしには所詮
王としての器がないのだ」
大工頭領「はっはっはっは! そう言われちゃかなわねぇ」
商人子弟「工事の様子を視察に来たんですよ」
大工頭領「そうかいそうかい。おろ!」
羽妖精侍女 ぱたぱた、ぺこり
大工「うわぁ!」
人夫「へぇ〜」
大工頭領「こいつがもしかして」
冬寂王「こいつなんて云ってはいけないよ」
羽妖精侍女「羽妖精デス。コノ領事館ニ住ミマスデスヨ」