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魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」
Part52


757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 12:24:04.91 ID:0Bi87sEP
ぱさり……
勇者「……」
火竜大公「黒騎士殿っ」
鬼呼族の姫巫女「魔王殿の様態はどうなのだ!?」
勇者「……一両日が峠だ」
東の砦将「っ!」
鬼呼族の姫巫女「何かいりようなものはないか?
 氷か? 薬草か? いま本拠に最高の癒し手を
 呼びに行かせておる」
勇者「……いや、お二方には世話になった。
 望める限りの援助の手をさしのべて貰って、感謝の言葉もない。
 いまはメイド長がついているが……。
 奥には入らないでくれ。
 ――壊死が、ひどい」
副官「そんな……」
勇者「……魔王が倒れたら、次の魔王の選出はどうなる?」
火竜大公「今はそれどころでは」
勇者「教えてくれ」
紋様の長「……星が魔王の候補者を選びます。
 候補者は身体のどこかに刻印が現われる。
 刻印がくっきりと大きいほどに魔王になる素質が高いと
 一般には言われています。
 事実、歴代の魔王は濃い刻印を持っている」

758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 12:25:40.85 ID:0Bi87sEP
鬼呼族の姫巫女「刻印を持つ者は多くの場合複数現われる。
 と云っても、二人から三人だが。
 現魔王が即位した時は、例外的に刻印を持つ者が多かった。
 あのときは確か……」
紋様の長「六人でした」
鬼呼族の姫巫女「刻印を持つ者が一人であれば、その者が魔王だ。
 複数であれば、魔王を決めるための継承候補者戦を行う。
 魔王本人、もしくは従者を代理に立てての勝ち抜き試合だ。
 この勝者を持って魔王とする」
勇者「……そうか」
ざっざっざっ
火竜大公「どこへ行く、黒騎士殿っ」
東の砦将「おいっ!」
勇者「魔王の意に沿いに行く」
火竜大公「何を!? どこへじゃ」
勇者「……戦いを止めるには時を移す訳にはいかない。
 魔王の命を燃やす時は黄金の一粒より貴重だ」
副官「そんな……」
鬼呼族の姫巫女「黒騎士殿」
紋様の長 ざっ
鬼呼族の姫巫女「鬼呼族の長としてわたしはここに留まろう。
 結果をうけあえぬは断腸の想いなれど癒しの祈り手と共に
 最善を尽くしましょう」
勇者「感謝する」
ばさっ!

759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 12:26:33.82 ID:0Bi87sEP
――地下世界(魔界)、鵬水湖の畔、天幕の街
ひゅん、しゅばっ!
 たったったったっ、たったったったっ。
勇者「夢魔鶫っ」
夢魔鶫「御身の側に」
勇者「足跡は?」
夢魔鶫「申し訳ありません、たどれませんでした」
勇者「位置の把握は出来たか」
夢魔鶫「北東の丘の一つです」
勇者「案内しろっ。“加速呪”っ」
ひゅん、しゅばっ!
――。 ――――。
夢魔鶫「こちらです」
勇者「……ここから狙撃したのか」
妖精女王「黒騎士様」
勇者「こちらにいたのか」
妖精女王「はい。妖精族は氏族をもって都市を封鎖しています。
 もっともわたしたちの戦力では、封鎖と云うよりも
 監視に過ぎませんが……」
勇者「それで良い」

760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 12:27:26.96 ID:0Bi87sEP
妖精女王「魔王様は……?」
勇者「危険だ」
妖精女王「……」
勇者「そのまま監視を続けてくれ。変事があれば報告を頼む」
夢魔鶫「主上」
勇者「どうした?」
夢魔鶫「逃走経路を探索した結果、複数の形跡を発見。
 おそらく犯人は、数人から十人程度の組織で行動中です。
 互いに移動の痕跡を消しあいながら移動している様子」
妖精女王「集団なのですね」
勇者「そいつには聞きたいことがある、色々とな」
妖精女王「はい」
夢魔鶫「主上、おかしな痕跡を発見しました」
勇者「……なんだ」
妖精女王「何もないではありませんか」
勇者「これは……戦闘か?」
夢魔鶫「判りません」
妖精女王「妖精族の魔力でも、何かあったかどうか
 かろうじて感じることが出来る程度ですが……」
勇者「“影の中の一矢”。……爺さんか」

770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:08:29.97 ID:0Bi87sEP
――地下世界(魔界)、鵬水湖の畔、天幕の街外縁
羽妖精「イタ?」
羽妖精「イナイー」
羽妖精「ミタ?」
羽妖精「ミナイー」
羽妖精「デモ」
羽妖精「デモ」
羽妖精「ナンカ、キタ」
羽妖精「兵隊ダヨ、兵隊ガイルヨ」
羽妖精「息ヲ潜メテイルヨ」
羽妖精「隠レテイルヨ」
羽妖精「ゴ注進ダー!」
羽妖精「女王様ニゴ注進ダー!」
羽妖精「黒騎士様ト魔王様ガ危ナイヨ」
羽妖精「危険ダヨー!」
羽妖精「ゴ注進ダー!」
羽妖精「女王様ニゴ注進ダー!」
羽妖精「谷間ニハ兵隊ガ潜ンデイルンダッテ!」

771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:10:26.07 ID:0Bi87sEP
――地下世界(魔界)、鵬水湖の畔、蒼魔族の天幕
蒼魔王「黒旗がたなびいたか」
蒼魔武官「どうやら魔王の命脈は尽きたようですな」
蒼魔王「ふっ。あのような惰弱な魔王、
 どうあってもその命の炎は揺らめいていたのだ。
 我らが提案に乗り引退しておれば命ながらえたものを。
 しょせん、女に戦は出来ぬ」
蒼魔武官「真にその通りで」
ざっざっざっ
蒼魔上級将軍「王よ」ざっ
蒼魔王「おお。上級将軍、よくぞまいったな。
 魔王は死んだぞ。……どこの誰だかは判らんが
 まったく見事なタイミングの事件よな」
蒼魔武官「将軍、お早いおつきで」
蒼魔王「して、王子は?」
刻印の蒼魔王子「父上。僕も一緒ですよ」
蒼魔王「おお! 健勝であったか?
 我が息子にして世継ぎの皇子よ!」
刻印の蒼魔王子「はははっ。おかげさまでね」
蒼魔上級将軍「刻印の確認、済ませてございます」
蒼魔王「していかに?」
刻印の蒼魔王子「ふっ。この両目こそがその証」キィンッ

772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:11:56.60 ID:0Bi87sEP
蒼魔上級将軍「二つの瞳に表れた刻印、これこそ魔王の証。
 しかもその強さたるや、歴代屈指かと」
紋章官「……蒼魔王子に称えあれ。ひゅっ」
蒼魔王「慶事である。わが治世もここに完結を見たか。
 刻印の王子を得た年に、魔王が死ぬ。
 これも魔界の神が蒼魔の一族を嘉したもうあかし!」
刻印の蒼魔王子「何時までも王子じゃ格好もつかないさ」
蒼魔王「……どういうことだ?」
刻印の蒼魔王子「将軍、頼むよ」
蒼魔上級将軍「はっ。御身がために」
紋章官「……」ニタニタ
蒼魔王「なっ! なにをっ!?」
蒼魔上級将軍「相馬族の繁栄のため、心安んじられよ、陛下」
蒼魔王「なっ! な、なっ! 貴様ぁっ!?」
ザッシュ!!
 ――ゴトン。
刻印の蒼魔王子「ふん」
蒼魔上級将軍「終わりましたな。刻印王よ」
刻印の蒼魔王子「刻印王か……。
 悪くはないが、別の称号が待っている」
蒼魔上級将軍「さようでございます、我が主よ」
刻印の蒼魔王子「魔王はこの僕が継ごう。
 ふっふっふっふ。はぁーっはっはっはっはっは!!」

776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:30:45.41 ID:0Bi87sEP
――地下世界(魔界)、鵬水湖の畔、忽鄰塔の大天幕
蒼魔上級将軍「さて、お集まり頂いたのは他でもない。
 不幸な事件により魔王殿が身罷られたのは
 我らにとって大きな傷手。
 この窮地を脱するために、
 氏族の長の知恵を借りねばならぬかと思い、お招きした次第」
碧鋼大将「……」ぎろっ
火竜大公「お前は誰だ。それに蒼魔王はどこにいるのだ」
蒼魔上級将軍「これは失礼をした、
 わたしは蒼魔一族の兵を束ねる上級将軍。
 蒼魔一族はこのほど新しい族長を迎えた。
 今回のお招きは、新しい族長の紹介もかねていると
 思っていただければ、これ幸い」
鬼呼族の姫巫女「新しい、族長じゃと?」
蒼魔の刻印王「この僕だ。蒼魔王の世継ぎの長子に当たる。
 蒼魔王は昨晩、急な発作で世を去った。
 僕は父からの後継指名を受けて王として学ぶべきを
 学んできた身だ。この継承は蒼魔一族の支持も受けている。
 ――以後、お見知りおき願おう」
銀虎公「……そうかい。血の匂いがしねぇでもないが」
巨人伯「一族の……きめごと……」
火竜大公「ふっ、そうだな」
鬼呼族の姫巫女「氏族の内側には干渉しないのが我らが習い。
 それが蒼魔族の下した決断ならばしかたなかろう」

777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:32:01.62 ID:0Bi87sEP
紋様の長「だが“魔王亡き後の”とは?」
蒼魔の刻印王「魔王殿が身罷られたことは
 諸卿らもご存じのことと思うが、その後の対応策についてだ」
銀虎公「対応策も何も……」
鬼呼族の姫巫女「次期魔王決定については
 星回りが決めることであろう」
蒼魔の刻印王「しかし、その時期が問題だ。
 わが蒼魔族がかねてから再三主張してきたように、
 今われらが魔界は人間界との戦時下にある。
 停戦とも交戦とも結論が出ぬままに
 魔王だけがこの世を去った。
 次期魔王を得ぬままに時を浪費しては、
 これは魔界の存亡に関わる」
勇者「……」
紋様の長「そう言われれば、そうではありますね」
碧鋼大将「では、どうせよと若長はいうのだ?」
火竜大公「魔王不在で忽鄰塔を続行すると?」
蒼魔の刻印王「それが必要であれば」
銀虎公「この九名で物事を決しようというのかい」
蒼魔の刻印王「ひとつ諸卿に報告すべき事がある。
 それは僕のこの両目に、刻印があると云うことだ」

778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:33:41.64 ID:0Bi87sEP
碧鋼大将「両目……に!?」
鬼呼族の姫巫女「まさか……」
妖精女王「かつて“魔眼”と恐れられた魔王でさえ、
 刻印は右目のみだったと云うのに」
東の砦長「どういうこったい?」
蒼魔の刻印王「そうだ。僕はほぼ確実に、次の魔王だ。
 いや、現魔王が死んでいる今、
 ほぼ魔王であると云ってもおかしくはない。
 蒼魔族が確認している限り、現時点で他の候補者は、
 存在しない」
銀虎公「そうなのか!?」
碧鋼大将「そのようなことが……」
勇者「……っ」
紋様の長「考えてみれば、先代の六人は多い候補者でした」
蒼魔の刻印王「ふふふふっ。
 そのような影響が、今代で出たのかも知れないな」
巨人伯「魔王……決まった……か……」
火竜大公(蒼魔族め……。何が魔族のためだ。
 魔王廃位とはこのような心算あっての。
 ……いわば保証付きの要求だったか)
鬼呼族の姫巫女「だが、しかし現在は候補者だ」
妖精女王「ええ、そうです。けして魔王ではない」

779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:35:30.99 ID:0Bi87sEP
蒼魔の刻印王「それは判っている。僕とて若輩の身。
 諸卿らに支持して頂くまでは、
 努々、魔王であるなどとは思い上がるまい」
碧鋼大将「ふむ」
巨人伯「では……どうしたい……」
蒼魔の刻印王「蒼魔族の長として、魔王の候補者として、
 諸卿らに云いたいのは以下のようなことだ。
 まず第一に今は非常事態であり、
 魔王の空位は望ましくはないと云うこと」
銀虎公「それはそうだろうな」
蒼魔の刻印王「第二に前魔王の葬儀を行うべきだと云うこと。
 と、同時に魔王殺害の犯人も探させなくてはならぬ。
 この責任者を決める必要があるであろう」
火竜大公「ふむ、もっともな話ではあるな」
蒼魔の刻印王「蒼魔族としては、この暗殺事件の犯人は
 人間だと考える」
東の砦長「憶測だっ!」だんっ!
蒼魔の刻印王「もちろん現時点では何の証拠もない。
 魔族が犯人である可能性も十分に考慮に入れつつ
 犯人を捜さねばならないだろう。
 だが少なくとも、これは魔族の内部分裂を誘う卑劣な
 やり口であることには違いない。
 この犯人は厳しく追跡し、捕らえなければならぬ」
碧鋼大将「人間か……」
銀虎公「奴らのやりそうな事だ。はんっ!」

780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:37:35.10 ID:0Bi87sEP
蒼魔の刻印王「第三に、僕はいつまで待てばよいのか?
 と云うことだ。第一にも云ったように今は時間が惜しい。
 確かに星によって刻印が押される者が今後出るかも
 知れないが、継承候補者戦の時期を決めるのは
 八大氏族、いまや九大氏族となったか。
 その族長の持ち回りであったはず。
 その決定をお願いしたい」
鬼呼族の姫巫女「次は、どの氏族が主催を行う予定だったか?」
妖精女王「先代はわたし達でした」
紋様の長「で、あるなら、我ら人魔か」
蒼魔の刻印王「どうか決定を下して頂きたい」
碧鋼大将「……」
火竜大公「……ぐぐっ」
鬼呼族の姫巫女「如何にする?」
紋様の長「……」
蒼魔上級将軍「紋様の長。ご裁可を」
紋様の長「……今は危急の時であると。
 その言葉はわかります。
 またいたずらに長引かせれば魔族全体の和が乱れるでしょうね。
 わたし達には今すぐにでも新しい魔王が必要です。
  どれだけの時が必要か。
 これは難しい問題ですが……。
 時をおく危険の方が大きいでしょう。
  明朝。――明朝をもって継承候補者戦を行います。
 その時までに刻印を持つ継承候補者が他に名乗り出ない場合、
 魔王として、蒼魔の新王を頂くことになります」

781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 13:39:05.22 ID:0Bi87sEP
蒼魔の刻印王「……黒騎士殿」
勇者「……何用か?」
蒼魔の刻印王「御身は魔王の片腕。
 その身体をつつむ漆黒の鎧兜は、
 かつて剣の魔王と呼ばれた覇王を包んでいたもの」
勇者「……」
東の砦長「黒騎士……」
蒼魔の刻印王「魔王殿が身罷られたことには
 深い哀悼の念を覚えるが、御身はわれらが魔界最強の騎士。
 悪逆なる人間の侵攻に立ちはだかる最後の砦。
 なにとぞご自愛くださり、
 我と共にこの魔界の柱石となることを願う」
蒼魔上級将軍「我が君と当代無双の誉れ高い黒騎士殿!
 これで魔族の軍は世に並び立つことのない
 最強のものとなりましょうなっ!
 ふはーっはっはっはっは」
巨人伯「……」
火竜大公「はしゃぐな、若造が」
蒼魔の刻印王「これは我が族のものが失礼をいたしました。
 申し訳ございませぬ、ご老公どの……」
火竜大公「ふんっ」ばふっ
鬼呼族の姫巫女「このままでは……。また戦火が」
妖精女王「戦になってしまうのですか……」

810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 14:56:48.06 ID:0Bi87sEP
――地下世界(魔界)、天幕で作られた街
――明朝。
銀虎公「日が昇るな」
巨人伯「朝……だ……」
火竜大公「ふんっ」
妖精女王「誰も、来ませんね」
鬼呼族の姫巫女「この期間では難しいだろう」
蒼魔の刻印王「……」
  東の砦将「黒騎士、そんなもの。脱いじまえ」
  副官「そうですよ」
  勇者「こんなもんでも、魔王に貰ったもんでな」
蒼魔上級将軍「今朝の太陽も、碧の美しい輝きだな」
銀虎公「誕生の朝か」
碧鋼大将「……刻限だ」
紋様の長「良いでしょう。仕方ありませぬ。
 蒼魔の新王よ、前に。」
蒼魔の刻印王 ざっ

811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 14:58:00.13 ID:0Bi87sEP
東の砦将「……」ぎりっ
紋様の長「我、紋様の長は忽鄰塔九大氏族の族長として
 そなたを最終候補者としてみとめる。
 正式に魔王と名乗るは、魔王城、最下層、冥府殿にて
 潔斎の四日を過ごしてからとなろうが、
 そなたはこれより魔王として生きる覚悟有りや?」
蒼魔の刻印王「無論」
紋様の長「魔王の継承者として、その力を引き継ぐや?」
蒼魔の刻印王「謹んで」
紋様の長「では、魔王の略王冠を……」
蒼魔の刻印王「しばらく。紋様の長よ」
紋様の長「なにか?」
蒼魔の刻印王「これより我が右腕として、
 この魔界全てを統べることのなる黒騎士に、
 是非その栄誉をおわけ願いたい」
紋様の長「よかろう。では黒騎士よ」
勇者「……」
紋様の長「黒騎士よ、一歩前に進み、
 この略王冠を新生魔王の額に乗せるよう」

813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 15:04:43.13 ID:0Bi87sEP
東の砦将「黒騎士……」
副官「黒騎士様……」
妖精女王「黒騎士様……」じぃっ
勇者「……」ざっ
蒼魔の刻印王「我が片腕よ。長征の将軍よ。
 魔界最高の騎士にして常勝無敗の黒き死の使いよ。
 我が代の片腕としてそなたを迎えることを嬉しく思う。
 そのことだけでも先代には感謝の気持ちを抑えられぬな。
  この魔界に繁栄をもたらすために、その剣を
 魔王に捧げ、魔王の命により為すべきを為せ」
勇者「御命了承つかまつった。
 我が神聖なる所有の契約により
 我が身命は永世に魔王のもの。
 我が剣は魔王の敵を貫くものなり」
蒼魔の刻印王「……所有?」
東の砦将「黒騎士っ!!」
蒼魔上級将軍「新生魔王に祝福あれ!!」
 うわぁぁぁ!! ばんざい! 魔王ばんざーい!!
蒼魔の将校「魔王ばんざい!!」
蒼魔の侍従「新魔王、蒼魔の魔王万歳っ!!」
紋章官「ヘヒヒッ。ふしゅ。ばんざい! ばんざい!」
――黒点は伊達ではないのですぞ。
ヒュ………………ッ!!!!
シュカッ!

814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/21(月) 15:06:12.33 ID:0Bi87sEP
紋章官/暗殺者「ふしゅーへっひっは……。ごぶっ。
 く、くるじ……脚が、脚がぁ……。ふしゅっ、ふしゅぅ」
執事「静かにわめきなさい。みっともない」
ザシュ!
紋章官/暗殺者「ひげっ! ひぎぃぃ!! ふしゅるしゅる。
 な、なにを、なにをする、じ、爺ぃいしゅ」
蒼魔の刻印王「何者だっ!」
蒼魔上級将軍「我らが家臣に何の狼藉を働くっ!!」
執事「だまらっしゃい!
 儀礼の最中に取り乱すなど王族ともあろう者がはしたない
 若でさえもうちょっとお上品でしたぞ」
東の砦将「あ、あ……あの方は。昔戦場で見たことがあるっ」
勇者「爺さん、遅いぞ。遅すぎだぞ」
執事「にょっほっほっほ。お待たせして申し訳ありません」
火竜大公「何が起きているのだ」
執事「にょっほっほ。これを持っていると確信できる、
 そのチャンスを伺っていたのですよ。
 ほれ……。こいつの懐に」
ごそごそっ
紋章官/暗殺者「それはっ! へぶしゅるしゅるっ!
 その瓶はやめろぉ!!」