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魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」
Part25


81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:15:05.98 ID:I7KnzzEP
 
結局は貴様とて雌ではないか。
 我が力、比類無き魔力、無敵の肉体、鉄をも引き裂く
 戦の力を求めてこのしとねに入ったのであろう?
 良かろう、くれてやる。我にその心を明け渡せっ。
魔王「馬鹿も休み休み云え。……わたしは……売約済みだ」
 
ふはははは!
 そうか、魔王。新しき魔王よ!
 好いた男でも出来たのか。まさに女だな。
 だがしかし、貴様が如何に愛そうと
 その愛ごとに勇者は粉々に引き裂くぞ?
 お前が魔王である限り、勇者がお前を討ちに来る!
 それを避けるために、
 お前は結局我が力を求めねばならんのだっ。
魔王「時代遅れの旧弊な老害め。
 殺すの、殺されるの。それだけかっ。
 その問題は……すでに解決しているわっ」
 
だがしかし、この闇にいる間、
 主導権は我にある。
 がはははは! 波に揺られる木の葉のような貴様が
 いつまで己を保てるかなっ。がはははは!
魔王「ごふぅっ……ああ……これは……
 流石に……げふっ、げふぅっ……」

82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/10(木) 17:17:00.71 ID:I7KnzzEP
 
苦しかろう! 身を任せるが良い。
 我が力、大地を砕く無類の能力を与えてやろうっ。
魔王「ふふっ」
 
何がおかしいっ。新参の魔王よっ。
魔王「あはは……げふっ。げふっ、ごふっんっ。
 これじゃ、ゆうしゃに……見せられない……
 嫌われて……しまうなぁ……」
魔王「可愛くない……し、色気も……
 ないのに……。
 せめて……清潔に……してないと……」
 
何を余裕ぶった態度を! 冥府の波動を受け入れるが良い!
 魔王など、所詮は代々続く“器”にすぎぬのにっ。
魔王「……なら……“器”の残滓が……偉そうにほざくな
 ……ごふっ。げふんっ……内蔵が……よじれ……
 はは。
 知っておるか……?」
 
墜ちろっ! 墜ちろっ! 貴様に魂などないのだっ!
魔王「……ゆうしゃの、くろかみは
 ……もふもふ、なのだぞ?
 ああ、あったかい。
 いつまでも、触って……いたい……な……」

87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:28:22.55 ID:I7KnzzEP
――冬の国、王宮前広場
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
執事「すごい人の数だな」
将官「ええ、付近の村からも人が詰めかけているようです」
執事「何も起きなければよいが……」
将官「警備を増やしましょう」
執事「そうしてくれ」
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
  
押すな、押すな。みろ、あの台の上か?
  あれが王か? いやよく見ろ、俺たちの王はあんな
  貧相じゃない。じゃぁ、使者とか云うやつか?
  
まさか本当に学士様が異端なのか? そんなことはないよな。
  学士様に限ってそんなことがあるはずが……
  
あ! 見ろ! 王が、王がお出ましになったぞ!
冬寂王「……諸君、大儀である」
使者「王よ。約束どおり、捕縛したのだろうな?」

89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/10(木) 17:29:41.38 ID:I7KnzzEP
冬寂王「引き渡そう」すっ
 
ザッザッザ
治安兵士「……こちらへどうぞ」
メイド姉「……」
  
学士様! あれは学士様だよ! 間違いないっ!
  そうだ、俺の息子も、あの学士様に畑のことを教えて貰った。
  だぁよ。うちの豚だって学士様に見て貰っただぁ。
  
病気の姉ちゃんを見て貰ったのに……。学士様行っちゃうの?
  学士様が異端だって、そんな! 精霊様、お慈悲をっ!
使者「ふむふむ。うむ、間違いないな?
 替え玉を使おうとしても無駄だ。こちらには学士の
 顔を知っている人間だって用意しているのだからな。
 だがこれは間違いなく本人のようだ」
冬寂王「ご異存無いか?」
使者「如何にも。召し捕らえよっ!」
審問僧兵「はっ!」 ビシィ!
審問僧兵「抵抗するなっ!」 ドスンッ
メイド姉「……くふっ」

93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/10(木) 17:32:26.91 ID:I7KnzzEP
冬寂王「……っ」めらっ
使者「さて、冬寂王、女騎士殿。
 教会はあなた方の協力を感謝しますよ。
 このような異端の女と関係性が無かったことが判り、
 これは両者にとって誠に重畳であると申せましょうな」
冬寂王「痛み入る」
女騎士「……ああ」
使者「ふっ。殊勝な態度ですな。それでよいのです。
 南部諸王国にとって中央との関係をこじらせ
 良いことなど一つもないのですからね。
 我らは魔族の驚異の前に、強固かつ永続的に
 手を組む必要があるのです。
 そうでしょう、王よ?」
冬寂王「……っ」ぎりっ
女騎士「……」
使者「ふっ」 くるっ
使者「捕縛士、その異端者を打ち据えよ。
 外套をはげっ! 手かせをはめて王都まで連行するぞ」
審問僧兵「はっ!」 ビシィ!

96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/10(木) 17:35:04.28 ID:I7KnzzEP
執事(堪えてください、若。
 すまぬ、罪も無き少女よ……。
 このような責めをおわせた世よ、呪われてあれ……)
審問僧兵「這いつくばれっ。枷をっ!」
メイド姉「……」キッ
使者「これは反抗的な。まさに異端者の目。
 何か申し開きでも?
 精霊の教えに背く悪魔の使いが、ですが」
  
学士様……。学士様、嘘だよな? 異端だなんてそんな。
  あんなに皮膚が裂けて、血が流れて……。精霊様……。
  お姉ちゃんは何でぶたれてるの? わるいことしたの?  もうそんな。おら見てらんねぇだ。
メイド姉「わたしは……。
 わたしは、魂持つ者として皆さんに語らなければならない
 ことがあります」
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
メイド姉「……わたしは。
 わたしは、農奴の子として生まれました」
  
学士様が!? そ、そうなのかやっ!?
  おらたちといっしょの農奴だって!?

99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/09/10(木) 17:38:03.42 ID:I7KnzzEP
メイド姉「農奴の生活は苦しいものです……。
 もちろん地域や地主、貴族などによって違うのでしょうが
 少なくともわたしが過ごした幼少期のそれは苦しいものでした。
 わたしは七人の兄弟姉妹の三番目として生まれました。
 ある兄は農作業中、腕を折り、
 そのまま衰弱して捨て置かれました。
 ある姉は、ある晩地主に招かれ、帰りませんでした」
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
メイド姉「冬の良く晴れた朝、
 一番下の弟は、とうとう目を覚ましませんでした。
 疱瘡にかかった姉妹も居ます。わたしは何も出来ませんでした。
 生き残ったのは、わたしと二つ下の妹くらいのものです……。
  あるとき逃げ出したわたし達に転機が訪れ
 それは運命の輝きを持っていましたが
 わたしはずっと悩んでいました」
メイド姉「ずっと……」
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
メイド姉「運命は暖かく、わたしに優しくしてくれました。
 あんなにも優しい言葉を聞いたのは初めてです。
 ――安心しろ、と。何とかしてやる、と」

103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:42:06.78 ID:I7KnzzEP
メイド姉「しかし、みなさん。
 貴族の皆さんっ。兵士の皆さんっ。
 開拓民のみなさんっ。そして農奴の皆さんっ。
 わたしはそれを拒否しなければなりません。
 あんなに恩のある、優しくしてくれた手なのに。
 優しくしてくれたのに。
 優しくしてくれたからこそ。
 拒まねばなりませんっ」
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
メイド姉「わたしは、“人間”だからですっ。
 わたしにはまだ自信がありません。この身体の中には
 卑しい農奴の血が流れているじゃないかと、
 そうあざ笑うわたしも確かに胸の内にいます。
  しかしだからこそ、だとしてもわたしは“人間”だと
 云いきらねばなりません。なぜなら自らをそう呼ぶことが
 “人間”である最初の条件だとわたしは思うからです」
メイド姉「夏の日差しに頬を照らされるとき
 目をつぶってもその恵みが判るように、
 胸の内側に暖かさを感じたことがありませんか?
 たわいのない優しさに幸せを感じることはありませんか?
 それは皆さんが、光の精霊の愛し子で、人間である証明です」

104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:44:51.05 ID:I7KnzzEP
使者「い、異端めっ!」 ビシィッ!
メイド姉「異端かどうかなど、問題にもしていませんっ。
 わたしは人間として、冬越し村の恵みを受けたものとして
 仲間に話しかけているのですっ!!」 きっ
メイド姉「みなさんっ。
 望むこと、願うこと、考えること、働き続けることを
 止めては、いけませんっ。
 精霊様は……精霊様はその奇跡を持って人間に生命を
 あたえてくださり、その大地の恵みを持って財産を与えて
 くださり、その魂のかけらを持ってわたし達に自由を
 与えてくださいました」
  
自由――?
メイド姉「そうです。それはより善き行いをする自由。
 より善き者になろうとする自由です。
 精霊様は、まったき善として人間を作らずに、
 毎日、ちょっとずつがんばるという
 自由を与えてくださった。それが――喜びだから」
メイド姉「だから、楽だからと手放さないでくださいっ。
 精霊様のくださった贈り物は、
 たとえ王でも!
 たとえ教会であっても!
 犯すことのない神聖な一人一人の宝物なのですっ!」

108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:47:57.60 ID:I7KnzzEP
使者「異端めっ! その口を閉じろっ」 ビシィッ!
メイド姉「閉じませんっ。
 わたしは“人間”ですっ。
 もうわたしはその宝物を捨てたりしないっ。
 もう虫には戻りませんっ。たとえその宝を持つのが辛く、
 苦しくても、あの冥い微睡みには戻りはしないっ。
 光があるからっ。
 優しくして貰ったからっ!」
使者「この異端の売女めに石を投げろ! 何をしているのだ。
 民草たちよ、この者のに石を投げ、その口を閉じさせよっ!
 石を投げない者は全て背教者だっ!!」
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
メイド姉「投げようと思うなら投げなさいっ。
 この狭く冷たい世界の中で、家族を守り、自分を守るために
 石を投げることが必要なこともあるでしょう。
 わたしはそれを責めたりしないっ。
 むしろ同じ人間として誇りに思うっ。
 あなたが石を投げて救われる人がいるなら、
 救われた方が良いのですっ。
 その判断の自由もまた人間のもの。
 その人の心が流す血と同じだけの血をわたしは流しますっ」きっ
冬寂王「……っ」ぎりっ

111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:50:17.69 ID:I7KnzzEP
メイド姉「しかし、他人に言われたからっ
 命令されたからと云う理由で石を投げるというのならばっ!
 その人は虫ですっ。
 己の意志を持たない、精霊様に与えられた大切な贈り物を
 他人に譲り渡して、考えることを止めた虫ですっ。
 それがどんなに安逸な道であっても、
 宝物を譲り渡した者は虫になるのですっ。
  わたしは虫を軽蔑しますっ。
 わたしは虫にはならないっ。
 わたしは“人間”だからっ」
 
こつん。
  こつんっ!
   ごつん、どつんっ! どんっ!
使者「止めよ! 石を投げるのはこの汚れた女にだっ!
 能のない農民風情がっ! 貴様らも、貴様らも全て背教徒だ!!
 何をしている冬寂王! この場にいる民衆全てを取り押さえよっ!
 捕縛士っ! もはや異端は明白だっ。
 その娘っ! 即刻首を切り落とせぇっ!」
  
あ、ああっ。学士様が。学士様の言葉がっ。
 
ざわざわざわ、ざわざわざわ
メイド姉(ごめんなさい。勇者様……。
 勇者様が任せておけって云ってくださったのに……。
 わたし、出来ませんでした。
 メイド長様。一度も呼べなかったけれど……
 先生って呼んでも、許してくれますか?)

117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 17:58:47.27 ID:I7KnzzEP
 
ギィンッ!
冬寂王「それには及ばない」
女騎士「……」 びゅんっ! 「立てるか?」
メイド姉「あ……あ……」
使者「な、何をする気だ!? お前達っ」
冬寂王「わたしは、この国の王だっ!」
使者「っ!」
冬寂王「だがしかし、その前に一人の“人間”でもある。
 わたしは中央に繋がれた犬の国の王子として過ごしてきて、
 判っていたつもりであったが、いつの間にか心まで虫に
 なっていたようだ。
 ……このような娘に教えられるとは。
 己が不明を恥じるばかりだ。
 そして我が国の民の心に
 このような誇りが育っていようとはな」
  
冬寂王! 冬寂王! 冬寂王!
  王様、王様だ! それに姫騎士将軍だぁ!!!
女騎士「わたしは光の精霊のしもべの一人として、使者殿。
 そなたの立ち居振る舞いが恥ずかしい。
 そして中央の教会の為したことも、だ。
 精霊様は仰られた。“あなたは罪を治めなければならない”と。
 罪を犯す自由もまた人間に与えた上で……」

119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 18:01:25.04 ID:I7KnzzEP
使者「な、何を言い始めるのだ、貴公達!?」
冬寂王「我が冬の国は、紅の学士に正式なる保護を与える」
女騎士「湖畔修道会は、紅の学士を聖人として認める」
使者「っ!?」
 
うわぁぁぁ!!!
  
王様が、王様が学士様をお守りくださった!
  やはり学士様は異端なんかじゃなかっただなや!
  修道会の人が言ってくれだな! 聖人さまって!
  そうだなや、学士様は。おら達の学士様は聖人さまだなや!
 
かえれ! かえれ! 使者は、国へ帰れっ!
  
こつんっ!
   ごつん、どつんっ! どんっ!
女騎士「お引き取り願おう、使者殿」
冬寂王「これもまた、お前達の目論見のうちなのであろうが……
 以降は別の形でお目にかかろう。今はお引き取りを」
使者「おっ! 覚えておれっ。この背教の国々めがっ!
 精霊の子たる中央協会に背いて、地上に存在できると
 思わぬ事だなっ!!」

166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 21:10:25.46 ID:I7KnzzEP
――冬の王宮、広間、対策会議
勇者「あー。まったくねっ!」 だむんっ!!
メイド姉「すみません……」
勇者「俺はもー。あいつに言われまくってたから
 丸く収めよう、丸く収めようとしてたのに、
 こんなんだったら
 上級炎熱地獄呪文でぱぁっと焼き馬鈴薯にでもだなぁ!?」
  
メイド妹「おなかへった」
  将官「何かお持ちしましょうか?」
  商人子弟「いいね。ポリッジでも」
  メイド妹「ぽりっじー!? あれ美味しくない」
  将官「では、クルミのパンなどあったはずですから」
冬寂王「面目ない」
女騎士「大丈夫だ、勇者。わたしがついているっ」
氷雪の女王「勇者殿、勇者殿。どうか気を静めて」鉄腕王「がははは。起きちまったことは仕方なかろう!」
勇者「大体なんだ、お前ら! おまえら自分の国
 どうこうしようって言う気があんのかこら!
 しかも何で王族増えてるんだよっ!」
鉄腕王「いや、事態が事態じゃからして。
 あの演説は聴いておったよ。呼ばれてたし」
氷雪の女王「あれは素晴らしいものでした。
 是非国民にも伝えなければ」

171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 21:16:17.31 ID:I7KnzzEP
勇者「だったら余計にどうにかしろよ、じゃなければ怒れよ!」
鉄腕王「とはいえ、事態はもはや異端が
 どうという範囲でもないしのう」
氷雪の女王「ええ」ほぅー
勇者「へ?」
鉄腕王「あんなことを言い切られてはなぁ」
冬寂王「はい」
勇者「……?」
氷雪の女王「いえ、ちゃんと説明せねば。勇者殿は、その……。
 人間界に帰られて日が浅いのでしょうしね。
 つまり、おそらく中央はまだ異端という言いがかりを
 つけてくるとは思うのです。もちろんそれはあくまで言いがかり。
 中央の狙いは我らが結束を脅かし、弱体化することですが……」
冬寂王「つまり、問題の本質は
 “我らが中央にたいして独立するか、否か”
 と云う問題だったわけだ。」
勇者「そんなこたぁ、判ってますよ」
冬寂王「しかしメイド姉くんの演説で、風向きは変わってしまった。
 中央にとっては今までどおりかもしれないが、
 我らにとっては……つまり、南部諸王国にとっては
 “独立を希望する民に、国がどう向き合うか”
 と云う問題になってしまったのだ」

175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 21:22:28.37 ID:I7KnzzEP
勇者「……」
メイド姉「す、す、すみません」
冬寂王「あの演説の衝撃はけして小さくなかった。
 そして燎原の火のごとく勢いを強めて燃えさかるだろう」
将官「現に、近郊では農奴を奴隷扱いしていた地主への
 反乱めいた騒動もいくつか起きているようですし」
女騎士「うむ」
鉄腕王「と、なればわしらとしてもな」
氷雪の女王「ええ」こくり
冬寂王「せめて民と共に歩みたい」
鉄腕王「なーんていっちゃって。
 農民に串刺しにされるのが嫌なだけかもしれないがのっ!」
氷雪の女王「あらあら。我が国ではそんなことは
 起きませんわ。おほほほほほ。ひっく」
勇者「って、あんたらぁ!? 飲んでるじゃないですかっ!」
冬寂王「いやぁ、そう言うこともあるようだな。あはは」
鉄腕王「ごっきゅ、ごっきゅ、ごっきゅ」
氷雪の女王「まぁまぁ、この程度南部諸王国では
 気付け程度の意味合いですわ」 ぽわぁ

180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/10(木) 21:30:22.49 ID:I7KnzzEP
  
メイド妹「美味しい! 美味しいよ、このパン♪」
  将官「美味いですよねぇ」ほくほく
  商人子弟「暖かいところが良いねぇ」
  メイド妹「どうやって、この甘さを出してるのかなぁ」
  将官「干し葡萄だとか云ってましたよ」
勇者「じゃぁ、もうそのっ! そっちの事情はわかったとして!」
冬寂王「ふむふむ」
勇者「これからの方策とか、方針とか、作戦とかを
 かんがえてるのかよ、ちゃんとっ!」
女騎士「勇者」きりっ
勇者「そこっ、一番。女騎士っ」
女騎士「わたしは考えることが苦手だ」 えへんっ
鉄腕王「あはははははは!!」
女騎士「勇者の純潔は、わたしがまもるっ!」きりっ
勇者「誰だこいつに飲ましたの、うわっ。酒くせぇ。
 ……ひーふーみー。4? 5杯かぁ!?」
女騎士「湖畔騎士流戦闘術と、愛剣・惨殺三昧は無敵だっ!」