Part20
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 20:49:05.09 ID:I63MLpWkP
魔王「さて、そんな風に重要な教育だが、
重大な欠点というか、弱点がある。判るか?」
勇者「なんだろう? なぁ?」
メイド姉「判りませんね……」
魔王「それは、速度が遅いと云うことだ。
一人の人間が持つ知識を他の一人に伝えるのには
莫大な時間がかかる。
しかも、同時に多数の人間に伝えるのには限界がある。
もし仮に、一人の教師が自分と同等の生徒一人を
育てるのに一生の時間がかかるならば、
知識を持っている人間は増えないことになるではないか」
勇者「あー。まぁ、云われてみればそうだなぁ」
メイド姉「でも、知識は尊い物ですからそれも仕方ないの
ではないでしょうか? 当主様を学べば学ぶほど、
追いつける気がしませんし……」
魔王「それもまた、勝手に思い込んだ限界だ」
勇者「そう、なのか?」
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 20:53:49.16 ID:I63MLpWkP
――鉄の国、職人街、大型工房
がちゃり
職人長「やぁ。これは学士様! 長旅、お疲れになったでしょう!」
魔王「世話になっているな、職人長」
職人長「いやなんの! この年齢になって
まだこんなに面白い仕事をくださるなんて、
みなの意気も上がっておりますよ」
メイド姉「広い工房ですね!」
職人長「ああ、あまり歩き回ると危険ですよ、お嬢さん」
プシュー!!
職人長「熱い蒸気なども使っていますからね!」
メイド姉「はいっ」
職人長「さて、お疲れでしょう。お茶でも入れますので、
裏の屋敷の方にでも……」
魔王「いや、結構。何よりも、まずは試作品を見たい」
職人長「あははは。冬の国で話したときと
その性急さは変わりませんなぁ! さぁ、お連れ様も
こちらへどうぞ。専用の倉庫を設けたのですよ」
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 20:57:58.44 ID:I63MLpWkP
魔王「これか!」
勇者「でかいなぁ!」
メイド姉「これは、なんですか……?
脱穀機に似ているような、もっと大きなような……」
職人長「外側は仮組ですから、
どうしても大きくなってしまいました。
もっとも本体は小さい物です。巨大に見えるのは、
ある種の棚というか、倉庫ですね」
勇者「倉庫?」
職人長「いらっしゃい」
カツン、カツン、カツン
メイド姉「引き出しと、棚がすごい数ですね」
職人長「これが入っているんですよ」 コロンッ
勇者「これは、印章?」
メイド姉「ハンコですか?」
職人長「ええ、『活字』と呼んでいます」
魔王「これが、私たちの新しい武器さ」
職人長「活版印刷機と名付けました」
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:03:57.87 ID:I63MLpWkP
――冬越しの村、魔王の屋敷、深夜の廊下
女騎士「……」じぃぃっ
魔王「……」じぃっ
女騎士「な、なんで、こ、こんなところにっ」
魔王「それはこちらの台詞だ」
女騎士「いや、その洗面所はどこかなぁと」
魔王「洗面所は廊下の反対だ」
女騎士「大体、魔王は何でこんな所に?」
魔王「そっ、それはだな」
女騎士「それは?」
魔王「ええい、なんだ!
女騎士のその白いふりふりの寝間着は!
これは、き、き、絹ではないかっ!!??」
女騎士「いいではないか、人が何を着ようとっ!」
魔王「良くはないぞっ。そんなもの」
女騎士「それを言うなら、魔王は何で枕を抱えているんだっ」
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:10:37.74 ID:I63MLpWkP
魔王「……それはその」じりじり
女騎士「そこ、ドアににじり寄るんじゃない」
魔王「べつにそんなことはしていない」
女騎士「勇者の部屋にこんな夜更けに行くつもりなのか?」
魔王「か、かまわないではないか。夜の茶会だ」
女騎士「それならこっちだって夜のお茶会決行だっ」
魔王「どこの世界に絹の寝間着で男の部屋に
尋ねるお茶会があるのだ! この馬鹿!」
女騎士「枕持参でお茶会と言い切る馬鹿よりは
まだましな馬鹿だ!」
魔王「うむ。あー、こほん。女騎士」
女騎士「なに?」
魔王「わたしは女騎士を人間界で
ほとんど唯一の友達だと思っている……」
女騎士「……うん、そうだね。魔王」
魔王「だから見逃してくれ」
女騎士「それはダメ」
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:15:46.92 ID:I63MLpWkP
魔王「後生だ。事情があるのだ」
女騎士「こっちだって事情があるの」
魔王「どんな?」
女騎士「これだっ」 ばっ!
魔王「なになに? 『我が君への永久の忠誠を誓って』?
これは女物のハンカチではないか……。
え? ええっ!?」
女騎士「そうだ、あんの火竜公女だ。
こっちがなんやかやの仕事で忙殺されていると思って、
こんな粉かけるとは喧嘩を売るにもほどがある」ゴゴゴ
魔王「確かに……」ゴゴゴ
女騎士「そういう訳なので、今宵の私は退くに退けん。
愛剣・神性惨殺も血に飢えている」
魔王「どんな事情だ! こちらだって、残り数日のっ」
女騎士「?」
魔王「いや、なんでもない。とにかく、こちらも退けないっ」
メイド長「それでは私めが」
魔王・女騎士「え?」
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:24:27.59 ID:I63MLpWkP
魔王・女騎士「えぇっ!?」
メイド長「夜伽でしょう?
そんなことでもめるなんてはしたないですわ。
不肖、私がお務めさせて頂きます。
それで角が立たないでしょう?」
魔王「なんて事を云うんだメイド長!?」
女騎士「まったくだ、なんて横暴なんだ! 恥を知れっ!」
メイド長「だいたい未経験者の相手なのですから
そんなにぴりぴりした気持ちで居てどうします?
成功もおぼつきませんよ。
こんな時こそ包容力と寛容の精神が必要なのです。
閨房で殿方を甘えさせられなければ一人前とはいえますまい」
魔王「それは、そうかもしれんが……」
女騎士「たしかに婦女としてはずべきであった」
メイド長「ではちゃっちゃと済ませてきますので、
そこで待っててくださいますね」
魔王「それとこれとを一緒にするなぁ!」
女騎士「それは騎士として諾とは云えないぞ!!」
メイド長「では、廊下でなんか騒がないで
お二人で。いえ、三人で仲良くしてください」 にこりっ
がちゃ! ポポイッ!
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:29:42.50 ID:I63MLpWkP
――冬越しの村、魔王の屋敷、勇者の部屋
ごろごろごろ、ズテン!
魔王・女騎士「ふぎゃっ!!」
勇者「……なにやってるんだ? お前ら」
女騎士「いや、その。こ、これはな! 事情があるんだ」
魔王「うむ、話せば長い事ながら深くやむにやまれぬ事情が
あるのだ知っての通り世界情勢は混迷を極め我らが立場も
また深い迷夢の中と言って良いというこの時期にだな」
女騎士「他人の錯乱を目にするとちょっと落ち着くな」
魔王「つまり、今後の展望と展開を踏まえた思索の果てに
光明を見いだすべき勇者と我らが腹を割って話すことこ
そが今もっとも求められていることなのではないか?
たしかにぷにぷにと云われるリスクはあるのだが、
我らはそろそろ次のステップを踏むべきなのではないかと」
勇者「落ち着け」 スコン!
魔王「ぐっ!」
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:34:04.82 ID:I63MLpWkP
勇者「で、要約するとどういう事なんだ」
魔王「……」ちらっ
女騎士「……」ちらっ
勇者「アイコンタクトとってんじゃねぇよ」
魔王「ではタイムだ」
勇者「は?」
魔王「あちらで作戦会議をするから、聞くなよ?」
勇者「はぁぁー?」
こそこそっ
女騎士「作戦ってどんな作戦があるんだ」
魔王「これでも私は話し合いの魔王なのだ。
交渉は我が領域。話し合いで決着をつけよう」
女騎士「どんな?」
魔王「上は私で下が女騎士でどうだろう」
女騎士「どこの変態なのだっ。魔王はっ!?」
勇者「ひまだなぁ」
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:38:10.54 ID:I63MLpWkP
魔王「変態とは何だ? ベッドの上下だ」
女騎士「そ、そうか。済まない、誤解した」
魔王「それでいいか?」
女騎士「ちょっとまって、勇者は?」
魔王「ベッドの上に決まってる」
女騎士「私だけ下じゃないか、どこのいじめだ!」
魔王「だめか、ではタイムシェアリングはどうだ?」
女騎士「たいむしえあ? なにそれ?」
魔王「時間によって案件を共有するのだ」
女騎士「マシそうな提案ね」
魔王「生産性向上のための基礎知識だ」
女騎士「で、具体的には?」
魔王「勇者のベッドを陽のある間は女騎士が、
陽が落ちてからは私が使う」
女騎士「魔王だけ勇者つきではないかっ!?」
勇者「なんか小腹へってきたし」
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:46:44.50 ID:I63MLpWkP
――冬越しの村、魔王の屋敷、勇者の部屋
勇者「なんだこの状況は。何が起きてるんだ!?」
魔王「交渉とは妥協の婉曲な表現でもある。
その現実の哀しい写し絵だ」
女騎士「私だって不本意だ。しかし、しかたない。
“パンが一つ無いときは半分で感謝しなければならない”
そうお祖母ちゃんも云っていた」
勇者「すげぇ粗末な扱いだよなぁ、俺」
魔王「何を言うんだ! 両手に女を抱えて!!
まさか、勇者。……ふ、ふ、不満なのか」
女騎士「火竜のなんとかの方が良いって
云うんじゃないでしょうね!?」
勇者「いや、そうじゃなくてっ」
魔王「ぷ、ぷにぷにだからダメなのか!? 駄肉だからか!?
勇者は私の所有契約なのだぞ」むぎゅっむぎゅっ
女騎士「胸がないとだめなのかっ!?
そんな腐った肉がいいのか?
乙女の最上級は清らかさだぞっ。
神に捧げられた純潔の方がいいに決まってるっ」すりすり
勇者「ううう、なんでだよう。なんでこうなんだよ」
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 21:52:09.48 ID:I63MLpWkP
魔王「むぅ。このままではメイド長のいうとおりだ」
女騎士「……腹立たしいけど、そうだな」
魔王「一次休戦だ」
女騎士「心得た」
勇者「いつも俺の頭越しに会談がまとまるよ」
魔王「頭越しではないぞ? こうやって耳元で横になっている」
女騎士「うむ、肩に頭をもたせかけているだけだ」
勇者「……」びくびく
魔王「勇者は緊張しているのか?」
女騎士「自分の寝床なんだからそんなことはないだろう」
勇者(緊張してるよっ! しないわけないだろがっ!?)
魔王「まあ落ち着け」
女騎士「うん、戦場では冷静が生死を分けるぞ」
勇者(絶体絶命だ!)
魔王「暖かいなぁ! もふもふだ!」
女騎士「うむ、意外なほどに寝心地が良いな」
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 22:02:03.90 ID:I63MLpWkP
勇者「……すー……すー」
魔王「寝たのか? 勇者」
女騎士「かもしれないな。疲れているのだろうし」
勇者(寝れるかっ。この状況下で寝れる童貞が居たら
俺が全部雷撃魔法で電気椅子にしてやるわっ!!)
魔王「勇者の髪は、もふもふだ」
女騎士「うん、大きな犬みたいだね」
魔王「この髪を触るのが好きなのだ。
勇者の髪を整えているのはわたしなのだぞ?」
女騎士「わたしの方が付き合いは長いから。そんなの知ってる」
勇者「……すー……すー」
勇者(だ、だめだ。寝たふりをするしかない。
精神を鎮めるんだ!! 高まれ俺の魂!)
魔王「……」
女騎士「……」なで、なで
魔王「なぁ、女騎士」
女騎士「なに?」
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 22:08:26.33 ID:I63MLpWkP
魔王「わたしは、来週にでも魔界へ帰る」
女騎士「へ?」
勇者(え?)
魔王「いや、なに。魔王の免許更新のようなものでな」
女騎士「免許? 免状みたいなもの?」
魔王「そうだ」
女騎士「そっか……。すぐ帰ってくるの?」
魔王「いや、どうかな。早くて数ヶ月はかかると思う」
女騎士「何かあるの? 魔王……躊躇ってるよね?」
魔王「いや迷いはない。仕方ないことだ。
魔王というのは、何というか……。
魔王以外には上手く説明できないこともあってな。
代々の魔王の墓があるんだが、そこへ詣らないといけない」
女騎士「……」
魔王「それに、魔界にはたくさんの氏族があるが、
それらの多くは人間界侵攻に賛成なのだ。
今戦争が小康状態なのは、魔王であるわたしが
勇者と相打ちになり怪我の療養をしているという話に
なっている事が大きい。
そろそろ姿を見せて、魔族の心をまとめなければ、
かえって暴走した一部の氏族が勝手に戦争を再開する
かもしれない」
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 22:21:00.90 ID:I63MLpWkP
女騎士「でも、それなら……」
勇者(……)
魔王「ん?」 女騎士「魔王は、魔界で戦争賛成派のまっただ中に
取り残されることになるんじゃないのか?
それはすごく危険なように聞こえる」
勇者(……)
魔王「わたしの専門は経済、すなわち交渉だ。
そこまで酷いことにはならないさ。だいたい金も
食料も無しで戦争を続けられる生き物なんて居ないよ」
女騎士「しかし誰か連れてった方が良いだろう?
その……。勇者とか。なんならわたしが行こうかっ」
魔王「いや……」なで……
女騎士「……」
魔王「いいんだ。魔王の墓は、冥府殿というのだが、
そこにはどうせわたし以外は誰も入れないのだ。
ついてきて貰うには及ばない。一人で行く」
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/08(火) 22:23:31.94 ID:I63MLpWkP
女騎士「そう……なのか……」
魔王「うん、だから、ちょっとだけ勇者の体温が欲しくてな」
勇者(……)
魔王「駄々をこねてしまった。許されよ」
女騎士「いや……」
魔王「もちろんメイド長はつれてゆく。身を守る程度なら
二人でどうとでもなる」
女騎士「そうか」 ほっ
魔王「こちらの世界のことは、書類を残してゆくし、
馬鈴薯や農業については女騎士も知っての通りだ」
女騎士「うん、修道会に任せて欲しい」
魔王「『同盟』に頼んだニシンも届こう。
そろそろ風車の代金や新型羅針盤の契約料も入ってくるはずだ。
これらの利益管理も『同盟』に依頼してある。
必要なときは相談してくれ」
女騎士「承知した」
魔王「細かいことはみな、メイド姉に教えてある。
そして……。
勇者のことを頼む」
女騎士「わかった。――その命、この剣に賭けて守ろう」
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/09(水) 15:37:01.74 ID:CkBATQ0gP
――冬越し村、魔王の屋敷、執務室
魔王「さて」
メイド姉「はい」
メイド妹「はーい」
魔王「大体飲み込めたか?」
メイド姉「判りました」
メイド妹「よくわかんない」
メイド長「妹は、お姉さんの云うことをちゃんと聞いて
毎日のやることをこなしていくんですよ?」
メイド妹「はーい!」
メイド長「語尾を不必要に伸ばさない」
メイド妹「は、はいっ」
魔王「なに、気負うことはない」
勇者「やはり長引きそうか?」
魔王「メイド長の手の者に調べて貰っているが、
氏族の長の中には頑固者も居るからな。
人間世界が宝の山に見えている者も居るだろうし。
何を考えているやら……。
そんなものは、隣の芝生に過ぎないのだが」
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/09(水) 15:42:05.60 ID:CkBATQ0gP
勇者「やっぱり俺も行くべきじゃないか?」
魔王「一人で行く」
勇者「……」
魔王「そのような顔をするな。
どちらにせよこれは魔王の仕事なんだ。
魔王でなければ出来ないこともする。
約束する、無理はしない」
メイド長「わたしがまおー様のことは守りますわ」
魔王「うん、メイド長が居るからな」
勇者「……」
魔王「それに、この世界のことだって心配だ。
南部諸王国は安定してきたし、農業改革も順調だとは云えるが
聞いた話だと、白夜王国は政情不安定になってきていると
云うじゃないか」
勇者「らしいな」
魔王「わたしがこの世で一番信頼しているのは、勇者だ。
何せわたしの持ち主だからな」
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/09(水) 15:47:53.84 ID:CkBATQ0gP
魔王「だから、この場所に勇者を残していくのは、
心強いことなんだ。
前回は勇者が魔界に行って、わたしは残った。
農業改革や技術指導は、わたしにしか出来なかったからだ。
だが、今回は違う。
開門都市の件で勇者がもうただの戦士じゃないことは判っている。
もう一人のわたしだ。
だから、ここを任せる」
勇者「……判った」
魔王「それから、メイド姉」
メイド姉「はい」
魔王「これを預けよう」
メイド姉「指輪、ですか?」
魔王「ああ、知り合いの地妖精に作らせたんだ。
大したことはないが、姿変えの幻術が仕込んである。
幻術だから声や仕草はどうにもならないが、
わたしの姿になれるぞ」
メイド姉「どういうことでしょう?」
魔王「商人からの代金の受け取りや、尋ねてきた客人
と 会わなければならないときもあろう?
大抵は勇者がうまくやってくれるだろうが、
どうしても必要なときは、この指輪でわたしの替え玉を
やってくれ」
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/09(水) 15:53:26.57 ID:CkBATQ0gP
メイド姉「判りました」
メイド妹「当主のおねーちゃん!」
魔王「ん、なんだ?」
メイド妹「おみやげ。ね♪」にぱ
メイド長「これ!」
魔王「あははは。うん、何か見繕ってこよう」
勇者「……」
メイド姉「無事のお帰りを祈っております」
メイド妹「お祈りしてるー!」
魔王「うむ。早ければ三ヶ月、長くても半年といったところか」
メイド長「おなかを出して寝ちゃいけませんよ?」
メイド姉「いってらっしゃいませ」
メイド妹「いってらっしゃーい♪」
しゅいんっ!