Part112
397 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 07:55:18.29 ID:VaDFVbYP
光の少年兵「え、あ……あ。ああっ……」
奏楽子弟「うん? 耳?」 ぴこぴこ
光の少年兵 こくこく
奏楽子弟「私は森歌族……。君たちの云う、魔族なの」
光の少年兵「なっ!? ぐっ」
奏楽子弟「ほらほら、無理しなくて良いよ。
多分、腕折れちゃってるよ。じっとしていた方がいい」
ゴォォン!!
光の農奴兵「ああ、じっとしていた方がいい」
光の少年兵「え? あ……。たくさん」
光の農奴兵「ああ」 こくり
光の傷病兵「逃げ出して、もう戦え無くて集まっているんだ」
光の少年兵「そんな……」
奏楽子弟「ごめんね、こんな水しかあげられないのだけど」
光の農奴兵「いや、その……。感謝する。ほら、坊主、飲め」
光の少年兵「でも魔族の……」
奏楽子弟「魔族でも水ぐらい飲むよ」
光の少年兵 じぃっ
奏楽子弟 かちゃかちゃ
光の少年兵「なんなんだ、それは。ぶ、武器かっ」
光の農奴兵「楽器だよ。この人は、歌人なんだそうだ」
光の傷病兵「吟遊詩人だよ」
光の少年兵「え?」
奏楽子弟「水と同じ。魔族も歌うの。
……歌うしかできない時には特にね」
399 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 07:56:29.88 ID:VaDFVbYP
ゴォォン!!
パラパラパラ……
光の農奴兵「近いな」
光の傷病兵「……もう、帰りてぇよ」
光の農奴兵「なぁ、なんでこんなところに来ちゃったんだろう」
光の傷病兵「そりゃ精霊様が求めたから……」
光の少年兵「僕たちは栄光ある光の子って云われてやってきたのに。
いやなのにっ。戦争なんて……偉い人だけでやればいいのにっ!」
奏楽子弟「……」かちゃかちゃ
ズドォォン!
光の農奴兵「仕方ない」
光の傷病兵「俺たちは何も出来ないんだ。
農奴なんだ。拒否権なんて無いんだ。
云うことを聞かなきゃならなかった。そうでなきゃ飢えていた。
仕方なかったんだ。仕方ないじゃないかっ」
光の少年兵「……っ」
奏楽子弟「いずこに……♪」
光の少年兵「え?」
奏楽子弟
――何処に行きたまいしか、小さき手のひら振りし我が友よ
何処に行きたまいしか、頬染める幼なじみの我が君よ。
今は遠き我が村よ。
遠く、遠く、砂塵の果てにて思う。
401 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 07:58:27.19 ID:VaDFVbYP
光の農奴兵「……綺麗な、声だぁ」
光の傷病兵「……」
奏楽子弟「どこに行っちゃったの? 昔の故郷は。
……っていう歌」
光の農奴兵「それは」
光の傷病兵「……」
光の少年兵「そんな事なんで云えるんですかっ」
奏楽子弟「その、小さいの」
光の少年兵「え、あ? ……こ、これ」
奏楽子弟「それはね。小さな子供の手袋だよ。
多分この家に住んでいたんだろうね。
魔族にも、赤ちゃんだって小さな子供だって沢山いるんだよ。
この手袋のサイズは、紋様族かな。
紋様族の子供は、賢くて可愛いんだよ。
あの路地を走って遊んでいたんだと思うな。
日が暮れて、夕ご飯が出来るまで」
光の少年兵「……っ」
奏楽子弟「誰も悪くないよ。戦争だから。
すごく怒りたくても、私は怒らないよ。
同じくらい痛かったし怖かったのを、知ってるから」
光の農奴兵「……すまねぇ」
奏楽子弟「ううん。――でも、ね。
やめるためには、誰かが頑張らないと。
私は魂の血を流すよ。
だって血は流せない。必要だとしても。
この手に剣は握れないから。
ううん、握らない。そう決めたの。
殺すのも殺されるのも、絶対にしないの」
光の少年兵「――っ!」
402 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 08:02:22.85 ID:VaDFVbYP
奏楽子弟「それに……。
あなたたちに、殺させたりもさせたくない」
光の農奴兵「なんで、魔族なのに、なんで……そんなに」
奏楽子弟「関係ないよ」 にこっ
奏楽子弟「わたし達は、同じでしょ?
大砲の音が怖くて、ぶるぶる震えて隠れている。
それでも、どんなに怖くても、もう戦争はやめようって。
そう考えてる。……だから一緒だよ」
光の傷病兵「……ひっく。……ずずっ」
光の少年兵「ごめん……なさい……」
〜♪
奏楽子弟
――何処に行きたまいしか、小さき手のひら振りし我が友よ
何処に行きたまいしか、頬染める幼なじみの我が君よ。
今は遠き我が村よ。
遠く、遠く、砂塵の果てにて思う。
――茜射す陽に照らされし、黄金の麦畑。
風走る度に、波をうつすかぐわしき麦の穂よ。
今は遠き我がふるさとよ。
遠く、遠く、凍える白夜にて思う。
――故郷を守ることもなく、
今はその声は風に埋もれ、草に隠れ、雪の舞に見失い
伝える言葉無く、指先も枯れ果ててなお鮮やかに
――何処に行きたまいしか、小さき手のひら振りし我が友よ
何処に行きたまいしか、頬染める幼なじみの我が君よ。
何処に行きたまいしか、黄金の髪揺らす甘き約束よ。
421 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:25:26.54 ID:VaDFVbYP
――光の塔、その道程
ギィン!! キィンッ!!
女騎士「ぐっ!」
大主教「もう終わりか、修道会女騎士よっ。ふはははっ」
ギィン!!
女騎士「させるかっ! “聖歌六連”っ!」
大主教「“光壁三連”っ!」
ギュン!ギュン!ギュン!ギュン!ギュン!ギュン!!
女騎士「っ!」
大主教「どうした、速度が落ちたぞ?」
女騎士(これほどとはっ。魔王の力とは。
本来の魔王の力とはこれほどのものだったのか。
これじゃ全開の時の勇者の速度と力そのもの。
いや、それ以上じゃないかっ)
大主教「この両手は動かぬが、
もとより我は剣士でもなければ
武芸者でもない。一介の聖職者に過ぎぬ。
両手が動かずとも、我が祈りは万物を斬り刻む」
女騎士「黙れ! だれが聖職者なのだっ。
聖職者を愚弄するなっ!
貴様には精霊に使える敬意の一辺も感じない。
その気持ち悪い玉と魔王の力で
貴様は光の精霊を愚弄しているだけだっ!」
大主教「ここまで来たならば知っていよう?」
ギィン! ギリギリギリ!!
大主教「その魔王すらも精霊の願いが生み出したと云うことを」
女騎士「……っ」
423 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:27:41.98 ID:VaDFVbYP
大主教「その通り!! その通りなのだよっ。
すべては炎の娘の願いから始まったもの。
あの無垢な娘の救世の祈りから。――であればこそっ!」
ギィン! キィン!!
女騎士(くっ。押されるっ!?
ただの斬撃祈祷がこれほどに重いっ)
大主教「なればこそ、この汚濁に満ちた世も! 戦乱も!
嘆きの苦しみも裏切りも欲望もこざかしい浅知恵もっ!
全てはあの娘の願ったものなのだっ!
全ては“精霊の許したもの”。全ては“聖なるもの”っ」
ごごごごっ
大主教「“電光呪”っ!」
女騎士「っ!? “光壁”っ!
か、重なれっ! “光壁双盾”っ」
ズガァァーン!!
大主教「ふふふふっ」
女騎士「これは、24音呪っ!? まさか貴様っ」
大主教「そのとおり。勇者の力だ……。
神聖術式で捕縛した勇者の力を借り受けたまで。
使いこなすには至らないがな」
女騎士「下衆がっ!」かぁっ!
大主教「呼気が乱れているぞ。はははっ!」
女騎士「黙れ! 黙れぇ!! “嵐速瞬動祈祷”っ!」
大主教「“加速呪”――っ!?」
ギキィン!!
女騎士(届いっ……て、ない!?)
大主教「見えるかな」
女騎士「なっ。それは……。なんだ、その霧はっ」
424 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:30:16.35 ID:VaDFVbYP
大主教「知らないのか? 判るまいな。
歴代の魔王でさえその身に纏うことは叶わなかった
超越者の証し……“やみのころも”。
全ての攻撃を遮断し、我を守る物質化現象を果たした
“魔王達の霊の結晶そのもの”だ」
女騎士「五月蠅いっ!」
ガッ! ガッ! ザシュ!!
大主教「……くく」
ズガッ!!
女騎士「っ!」
大主教「……どうした?」
女騎士「ならば……。“錬聖祈祷”っ!」
大主教「攻撃力の強化と、光の属性付与か」
女騎士「闇の力であれば、弱点は自ずと明白だっ!」
大主教「良かろう」
ゴッ! ジャギィィィン!
女騎士「そんな……」
大主教「狙いは悪くはないが、
そもそもの攻撃力が足りなすぎるようだな。
弱点を突いてさえ、かすり傷もつけられぬ。
あの老人と同じとは、修道会の麒麟児も所詮この程度か」
女騎士「――老人っ? 弓兵かっ。
あいつをどうしたんだっ!?」
大主教「殺したぞ?」
女騎士「っ!?」
大主教「ああ。そう言えば、一緒に旅をした仲間だったのだな。
足を貫いても手向かってきたので、腕を引きちぎってやった。
奇怪な技で我が腕を麻痺させてきたので、
臓物を踏みつぶしてやったよ。
最後の最後まで悲鳴を上げぬ頑迷な老人だったがな」
425 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:40:34.16 ID:VaDFVbYP
女騎士「きさまっ。貴様ぁ!! 何を、お前はっ!!」
大主教「“後は任せましたよ、お転婆姫”とかなんとか、
最後まで強がりをぬかしてなっ。
凡夫には所詮判らぬようだ。この力の圧倒的な差がっ。
“風剣呪”っ! “雷撃呪”っ!」
ビシィッ!! ドギャン!!
女騎士「“光壁”っ! “光壁”っ」
大主教「どうした、退がるだけかっ! はぁっ!」
ドゴォンッ!
女騎士(爺さんが、死んだ!? 死んだなんて……っ)
大主教「器用に跳ね回る」
ドゴォンッ!
女騎士「“光壁”っ! “光壁”っ! 弾け光の壁っ!」
大主教「確かに防御術は精霊の御技の中核。
修道会の術式は我が教会のものとは多少違うようだが、
干渉力も発動速度も申し分はない。
流石修道会の首座をしめる光の術士にして騎士。
その防御術があれば、我が攻撃をしのぐことも、
あるいは可能かも知れぬなぁ……。
だが何回しのぐ? 何回しのげる?」
女騎士「限りなど無いっ!」
大主教「その言葉を試してみようではないかっ」
ゴォン! ヒュバッ!! ザシャァン!!
426 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:42:19.49 ID:VaDFVbYP
女騎士(あの爺さんがっ。爺さんがっ!
勝算も無しに“任せる”なんて云うはずがない。
あるんだっ。
糸よりも細くても、何か、隙があるっ。
あるはずだっ、探すんだっ。
私は勇者の剣。
私は勇者の騎士っ。
こいつを、この怪物を勇者の元に行かせは、しないっ。
あの変態の、馬鹿で、あほで、すけべでっ。
それでも、それでもわたしを導いてくれた
爺さんをっ。任せる、と言ったならっ)
大主教「それっ! “斬撃祈祷六連”っ!」
ギン!ギン!ギン!ギン!ギン!ギン!
女騎士「“光壁四華”っ! がはっ! ぐぅっ」
ドゴォン! ばさっ
女騎士(見つけるんだ。……魔法使いを。
あの思いを……。裏切る、訳には……。
いかない。……騎士、なんだ……ぞ……)
大主教「ふっ。四つ防ぐのが精一杯のようだな」
女騎士(そ……れ……)
大主教「もはや座興も終わらせよう。“斬撃祈祷六連”!!」
女騎士「それ、だ……」
ふわっ
大主教「!?」
428 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:44:05.14 ID:VaDFVbYP
女騎士「はぁ……はぁ……」
大主教「なにを……!?」
女騎士「さぁ……」
大主教「“斬撃祈祷六連”っ!!」
ふわりっ ひゅかっ
女騎士(この怪物の、大主教の弱点は……
戦闘経験の少なさ。……っく。
圧倒的な力を持ってはいても、戦闘の回数自体は、少ない。
そして、その経験の元になってるのは、おそらく……
爺さんとの戦い。
……爺さんは、勝て無いと判っていた。
判っていたから、勝とうとはしなかった……。
“自らの敗北を持って、こいつに仕込んだ”
“間違った戦闘経験という毒の入った餌を”)
大主教「何をしたっ!? その動きはなんだっ」
女騎士「偶然だ……。はぁっ……はぁっ」
大主教「瀕死の女がっ」
女騎士(この方法でも、時間稼ぎに過ぎない。
動きには隙がある。
爺さんが仕込んだ罠の戦闘経験のせいで
この化け物の攻撃にはリズムが“ありすぎる”。
それに攻撃はどれも強力だが、真っ正直で、直線。
だけど……。
私の攻撃じゃ、通じない。
あの黒い霧も、おそらく精霊祈祷の光の壁も越えれない。
わたしの使える“光壁”はこいつだって使える。
その上再生能力まで……。
あれがもし勇者の力のコピーなら致命傷以外は
全て回復しかねない……)
429 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:53:06.86 ID:VaDFVbYP
大主教「この衣を引きはがせるのは勇者のみっ。
そして勇者が力を失った現在、
我の力を阻めるものは存在しないっ!」
ガキィッ! ギィン!
女騎士「その力で何を目指すっ!? 過ぎたる力でっ」
大主教「我は“次”へ向かうのだっ」
女騎士「次――?」
ギィン! ギキィン! ガッ!
女騎士「っ!」
大主教「そうだ。“次”だ。“次なる輪廻”だっ。
この世界はもはや収斂の最後の段階にあるっ。
これが逆転することはあり得ぬ。
生きようが死のうが構わぬではないか。
どうせ全て“無かったこと”になるのだっ。
思い出さえ残らぬ。思い出す存在も全ていなくなるのだからっ」
ギィン! ガッ! バシィィ! ヒュバッ!
大主教「我はこの世界には未練はない。
全てが滅びる時まで共にするほどの愛着も感じてはいないっ。
我は“次なる輪廻”へと旅立つ。精霊の力をもってなっ。
そして次の世界こそが終末点だ。
全ての旅の終わり。――それこそが“喜びの野”っ!!
なぜなら今や魔王と勇者の二つの力を兼ね備えた
そして“ただの人間”である我の能力は全てを越え
精霊さえも思うがままにする権能を手に入れるからだっ。
あの聖骸の熱量を取り込んだ我は“次なる輪廻”にて
光の精霊の地位を手に入れるっ!
否! 光の精霊として“喜びの野”へと降り立つっ。
そして、二度と世界を繰り返したりはしない。
人は愚かで、醜く、度し難いっ。
繰り返して救う価値などはないのだ。
ただそこには永遠に続く我の箱庭さえあればよいっ!」
430 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 18:55:04.44 ID:VaDFVbYP
女騎士「魔王の力を弄び、出した答えが……っ」
大主教「女騎士っ! 跪き、命乞いをせよっ!」
女騎士「だれがっ!」
大主教「戯けがっ」
ビキィィ!
女騎士(これはっ……!)
大主教「小器用な動きで回避を繰り返すが、
そのような手妻など何ほどのこともないっ。
我にはそれに対応するだけの膨大な力が、すでにある」
女騎士(まずいっ。これは広域殲滅用のっ……!)
ジリっ! パチパチパチパチ……
大主教「ふふふっ。命乞いをする気になったか?
われを光の主として崇める気になったか?」
女騎士「黙れ。……私は湖畔修道会の騎士。
そして剣を捧げた主は、勇者ただ一人!!
たとえ、全世界が雪を染める黒い煤のごとく汚れていようと、
お前が全てを焦がし尽くすほどの戦力を持っていたとしても
二君に仕えるような剣を私は持っていないっ。
私はっ。
勇者のっ!!
勇者だけのっ!! 守護騎士だっ!!」
ギィィィンン!!!
大主教「よく言った。死ぬが良いっ!!
24音! 集いて唱和せよっ!! “超高域雷撃滅呪”っ!!」
女騎士「〜っ!!」
――ズシャァァァーン!!
434 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 19:51:36.63 ID:VaDFVbYP
――開門都市近郊、遠征軍本陣
ギィン! ドグワァ!!
軍人子弟「後続っ! 立て直すでござるっ!!」
鉄国少尉「あのマスケット部隊を落とさなければ……っ」
ズギュゥゥンっ!
軍人子弟「ライフルの支援があるでござるっ!
カノーネ部隊まで突撃! 四列縦走っ!」
鉄国騎士「大地のためにっ!」 ガシャン!
鉄国騎士「地の果てまでもお供しますぜっ! 卿!」
軍人子弟「はははっ! 行くでござるよっ! 突撃っ!!」
鉄国少尉「くっ!」
ドゥン! ドゥン!! ドゥゥン!!
光の銃兵「く、くるなぁ!! 来ないでくれぇ」
光の銃兵「撃つぞ、撃つんだぞぉ!」
鉄国騎士「やぁぁぁぁ!!」 ガキィン!
鉄国騎士「はぁっ!」
軍人子弟(すでに損害が20を越えたでござるっ……。
だが、もうすこしっ……。あと数百歩で、
カノンにたどり着けるっ)
鉄国少尉「どけぇ!! 我が道を阻むものは、
鉄国少尉が相手になる。退がれぇ!
精霊の名を戦に用いる卑怯者っ!! 恥を知れっ!!」
光の銃兵「ひぃっ! 死にたくないっ」
光の銃兵「俺たちだって死にたくないんだぁ」
ドゥン! ドゥン!!
鉄国少尉「っ!! がふっ!」
435 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :[saga]2009/11/16(月) 19:52:58.45 ID:VaDFVbYP
軍人子弟「少尉っ!!」
鉄国少尉「心配……無用です……」
ギィン! ガギィン!!
鉄国騎士「突撃っ!! 続けっ!」
鉄国騎士「二列、波状にて突貫っ!」
鉄国少尉「今はカノーネをっ!!」
軍人子弟「……ついてくるでござるよっ」
鉄国少尉「ええ。……ええ! どこまでだって!!」
軍人子弟「落馬するなら見捨ててゆくでござるっ」
鉄国少尉「お任せくださいっ。
わたしはまだまだあなたに
学ばなきゃならない事があるんです。
そしてあの素朴な国をいつまでも
守らなきゃならないんですからっ」
ドゥン! ドゥン!! ドゥゥン!!
軍人子弟「道を開けよっ!! 開けるのだっ!!」
ダガダッダガダッダガダッ!
鉄国少尉「護国卿……」
軍人子弟「いつまでもこの下らぬ騒ぎを
続けるつもりでござるかっ! 拙者はっ!!
拙者はもう、うんざりでござるっ!」
ギンッ!!
軍人子弟「焦げた匂いもっ!」
ガギンッ!!
軍人子弟「耳を覆いたくなる悲鳴もっ!!」
ドガァッ!!
軍人子弟「もうお終いにするでござるよっ!!」