Part10
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/05(土) 23:12:13.90 ID:5kaffl9OP
――冬越しの村、村はずれの館、玄関
メイド長「日も傾いております、お気をつけを」
魔王「近くに隊商をまたせてあるのだろう?」
青年商人「“隊商”ね。ははは」
魔王「それがお互いのためだとしよう。わたしも
警戒はしていた。お互い様だ」
青年商人「まったく、今日は驚きの連続だ」
魔王「心臓に悪い」
青年商人「そうそう。……二番目に強い、と
おっしゃいましたね。一番はなんなのです?」
魔王「知れておる。愛情だ」
辣腕会計「――それは」
青年商人「あははははは。ああ! すごい!
素晴らしいな。一日に二回も、こんな気持ちに
させられるとはっ!」
魔王「子供でも知っておることだ」
青年商人「たしかに! 私はあなたに言いました。
二つの道で迷っていると。 あなたを殺すことはすっかり諦めましたからね。
これはもう……求婚するしかありません」
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/05(土) 23:16:11.13 ID:5kaffl9OP
魔王「そ、そ、そ、それはなんだっ!?」
青年商人「なんだって。結婚の申し込みですよ」
魔王「なんて軽率なことを言うんだ。恥を知れ!」
青年商人「おやおや。貴女があまりにも明晰な
思考をなさるんで、世間並みのたしなみを
忘れてしまっていました。
たしかに。持参金も贈り物も無しに求婚するなんて
先走りすぎましたね」
魔王「わ、わ、わたしには、その」
青年商人「いえいえ。
このようなことは腰をすえて取り組むタイプですからね。
粘り強さは決断力とともに商人の重要な武器なのです」
魔王「いやっ。いくら時間をかけられてもそんな事はっ」
青年商人「では、またお会いしましょう!
次は都か、船の上か。契約は急ぎお届けします。
愛しの君よ。……そう呼ぶのはかまいませんかね?」
魔王「だ、ダメダメだーっ!!」
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:03:26.96 ID:Lbanm5QNP
――冬越しの村、村はずれの館、小さな部屋
メイド妹「〜♪ 〜♪」
メイド姉「ご機嫌だね」
メイド妹「うんっ。みがくの楽しいねー」
メイド姉「そうね。こんなにあったかくて、
きちんとした仕事があって。幸せね」
きゅっきゅっ
メイド妹「そうだよねー。去年の秋は、毎日、
夜が来るのがこわかったもんねっ」
メイド姉「うん」
メイド妹「あたしねー。今度は、せーれー様の本で
勉強するんだよー」
メイド姉「そうなの? がんばってるね」
メイド妹「おねーちゃんもやった?」
メイド姉「やったわよ、結構難しい単語があるわよ?」
817 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:10:38.23 ID:Lbanm5QNP
メイド妹「大丈夫だよぉ。
ちゃんとした言葉を覚えるとモテモ? えっと……」
メイド姉「『殿方に好意を持っていただける』でしょ?」
メイド妹「うん、そうそう。それ!
眼鏡のおねーさんがいってた」
メイド姉「メイド長様は、面倒見が良いから」/
メイド妹「怖いよ? すぐ怒るよ」
メイド姉「怒ってないよ。叱っているだけ。
本当はとっても優しい人だよ?」
メイド妹「そうかなぁ? お尻叩かれたとき、
ひりひりして椅子に座れなくなったもん」
メイド姉「拾い食いなんかするからです」
メイド妹「昔はおねーちゃんもやってたくせに」
メイド姉「ご飯ちゃんと食べさせてもらってるでしょ?」
メイド妹「うんっ」
メイド姉「じゃ、恥ずかしいことは、しないの」
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:14:40.19 ID:Lbanm5QNP
メイド妹「おねーちゃんは、年越し祭はどうするの?」
メイド姉「どうするって?」
メイド妹「村の真ん中で、踊るらしいよ?」
メイド姉「だれが?」
メイド妹「村の男の子と、女の子、たくさん」
メイド姉「私は良いわ」
メイド妹「そーなの?」
メイド姉「メイドの仕事があるもの」
メイド妹「でも、踊って来ていいって、
眼鏡のおねーさんがいってたよ?」
メイド姉「そう……」
メイド妹「当主のお姉ちゃんも、元気ないね。
勇者のおにいちゃん、帰ってくればいいのにね」
メイド姉「そうね。――そうだ」
メイド妹「?」
メイド姉「年越しの祭には、何かプレゼントを用意
しましょうね。館のみんなに」
メイド妹「そうだねっ!」
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:18:24.98 ID:Lbanm5QNP
――冬越しの村、村はずれの館、当主の部屋
魔王「えー『試験場の数を増やしたく思う。
追加の人員の手配をお願いしたい。
対価は西方貨幣で支払う用意あり』と」
メイド長「……」さらさら
魔王「これは蜜蝋で封をしてくれ」
メイド長「かしこまりました」
魔王「んー。これは?」
メイド長「狩人さんからの手紙ですよ」
魔王「おー。そうか、そうか。望遠鏡を渡したんだった」
メイド長「ええ」
魔王「なになに。使用するに便利、極めて快適か」
メイド長「役立っているようですね」
魔王「精度が低いかと思ったが、固定観測でないなら
かえって手ごろのようだな」
メイド長「はい」
魔王「よし、では返信だ。『素早い報告、うれしく思う。
森番の仕事、大変かと思うが、当家では付近の地図測量に
興味あり。相談したきことがあるので、一度ご来訪願う』
これで、よしっと」
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:23:28.21 ID:Lbanm5QNP
メイド長「こちらもお願いします」
魔王「これは、うん。修道会からの報告か」
メイド長「あらあら、まぁまぁ」
魔王「馬鈴薯の収穫は順調に増加しているらしいな」
メイド長「そのようですね」
魔王「だが、土壌実験によれば
そろそろ栄養枯渇の兆候が出るはずだ。
そうなると抵抗力が低下して虫害が出やすくなる」
メイド長「ふむ……」
魔王「この件では修道会へ、再度警告が必要だな」
メイド長「お手紙にしますか?」
魔王「いや、次行ったときでよかろう。
覚え書きに追加しておいてくれ」
メイド長「かしこまりました」さらさら
魔王「どうだ『紙』は」
メイド長「羊皮紙よりずっと書きやすいですね」
魔王「早いところ量産体制を整えないとな」
メイド長「作るのは簡単ですけれど、
たくさん作るとなるとまた別問題ですからね……」
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:27:54.45 ID:Lbanm5QNP
魔王「うわ、なんだこの束は!?」
メイド長「そちらの束は、『同盟』からですよ。
納品書、請求書、支払い所、明細書……」
魔王「あー。銅、鏡、ガラス、海砂?
それに胡椒に、絹に、釘なんていうものもあるな」
メイド長「みんなまおー様が購入リストに入れたんですよ」
魔王「判っておる。
ちょっと思い出せなかっただけだ。
必要としているのは誰か判っているか?」
メイド長「それはまぁ、帳簿につけてありますが」
魔王「んー。しっちゃかめっちゃかだな、これは」
メイド長「まさかここまで仕事量が増えるとは」
魔王「しかたない。メイド姉にやらせよう」
メイド長「彼女にですか?」
魔王「無理か?」
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:31:42.53 ID:Lbanm5QNP
メイド長「……いえ」
魔王「……」
メイド長「大丈夫です。彼女なら出来ます」
魔王「そうか」 にこっ
「では、この書類整理は、今日からあやつの仕事だ」
メイド長「悪のメイド軍団が結成できそうな勢いですね」
魔王「どうかしたのか?」
メイド長「いえいえなんでも。……そうだ、
お茶でも入れましょうか? 丁度、聖王都から
オレンジの香りの葉がとどいたんですよ」
魔王「うむ、疲れた」
メイド長「でしょう」
魔王「私は疲れたのだぞ」
メイド長「そんなにつっぷして。どうしたんですか?」
魔王「むー」
830 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:34:56.75 ID:Lbanm5QNP
メイド長「膨れているんですか?」
魔王「もう秋だぞ」
メイド長「そうですねぇ、実りの季節です。
栗がおいしいですねぇ。今年のベーコンも出来が良いようで」
魔王「秋なのに」
メイド長「はい?」
魔王「半年も音沙汰無しだぞ」
メイド長「あらあら、まぁまぁ」
魔王「ちょっと応えにくい会話だとすぐその決め台詞で
流そうとするのは止めにしたらどうだ」
メイド長「これはメイドの特殊技能なんです」
魔王「連絡くらいくれても良いではないかっ!!」
メイド長「来てるじゃないですか」
魔王「そんなもの、妖精族を助けただの、
鬼腕族を討伐しただの、そんなことばかりではないか」
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:39:54.63 ID:Lbanm5QNP
メイド長「無事で、活躍されているんですよ」
魔王「勇者なのだぞ。こうしている間にもあっさり
美人が自慢の村娘とか……
いや、歌姫族のハーピーあたりと
いちゃいちゃしているかもしれんではないかっ!?」
メイド長「そうですか? 勇者様は童貞ですからね。
童貞って言うのは変なところで義理堅くて夢見がち
ですから、きっと大丈夫ですよ」
魔王「ちっとも安心できんではないかっ」
メイド長「そんなにいらいらしていると、
眉間のしわが取れなくなってしまいますよ?」
魔王「ううう、そんなことになったら勇者に噛みついてやる」
メイド長「さぁさ。談話室の暖炉が暖められています。
今日はこのあたりにして、甘い紅茶をおいれしますから。 そちらの方でお待ちになっていてください」
魔王「しかしな」
メイド長「これ以上書類と根をつめていては
それこそお身体を悪くしてしまいますよ?」
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:45:30.54 ID:Lbanm5QNP
魔王「むぅ。判った。お茶を頼む」
メイド長「かしこまりました。まおー様♪」
がちゃん。
とっとっとっ……
メイド長「なーんて。……魔王様はおっしゃってますが?」
勇者「うわ、ばればれですね」
メイド長「メイドの勘です」
勇者「毎回ばれてるなぁ」
メイド長「今回のお手紙は?」
勇者「ここで書いていきます」
メイド長「では、こちらにもお茶をお持ちしましょう」
勇者「すんません」
メイド長「いえいえ。メイドの仕事ですから」
勇者「さってと、インク壷と〜羊皮紙あっかな
これでいーか」
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:50:51.46 ID:Lbanm5QNP
――冬越しの村、村はずれの館、当主の部屋
ガチャリ
メイド長「おじゃまします。いかがですか?」
勇者「あ、報告は書き終えました」
メイド長「そうですか。……こちらはお茶と
簡単な夜食になります。今回は馬鈴薯が
ことのほかよく出来ておりますよ。
これはクリームで甘く煮たものなのですが」
勇者「旨そうっすねー」
メイド長「……」
勇者「わ、熱っ。んまっ! 今回はぁ火竜族と
なんとか手打ちで、でもそのためには『開門都市』
をなんとか奪還しなきゃならなくてですね」
メイド長「……勇者様」
勇者「ん?」
メイド長「やはり今回も?」
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 02:53:59.28 ID:Lbanm5QNP
勇者「あー。うん」
メイド長「魔王様を避けてますよね?」
勇者「うー」
メイド長「避けてらっしゃいますよね?」
勇者「うー、うん」
メイド長「……使用人の分際で差し出がましいかと思い
今まで訊ねずに参りましたが、埒が明きません。
魔王様には内緒にしておきますから
何か問題があるのなら相談くださいませ」
勇者「うん……」
メイド長「煮えきらない態度ですね。
あれですか。酒場の鳥娘に言い寄られたり
半透明のスライム娘に告白されたり
爆乳自慢の牛娘に婿宣言されたりしたんですか?」
勇者「うがっ!」
メイド長「どうなんですか?」
勇者「そのう、そういうのがないとは言いませんが」
850 :以下、名無しにかわりましてV
IPがお送りします :2009/09/06(日) 03:01:16.21 ID:Lbanm5QNP
メイド長「大体転移呪文があるのなら 毎日は無理でも、毎週程度には帰ってこられますよね?」
勇者「うん」
メイド長「魔王様がそれに気が付かないくらい
お間抜けで今回は助かっていますが……」
勇者「うん……」
メイド長「どういうことなのですか?」
勇者「いや、その。さ」
メイド長「はい?」
勇者「……魔王が、あんまりにも俺に頼らないから」
メイド長「……」
勇者「最初にさ、あの魔王の間で『我のものになれ』
なんていわれてさ『まだ見ぬもの』なんていわれたからさ」
メイド長「……」
勇者「てっきり、勇者の力で、魔族の反乱分子を
粛清してさ、たとえばゲートを閉じちゃったりして
そうやって戦争を終わらせると思ってたんだよ」
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 03:05:27.68 ID:Lbanm5QNP
勇者「そういう意味で、勇者の力が欲しいのだと」
メイド長「……」
勇者「なのに、あいつ、俺の戦闘能力は当てにしないでさ、
それどころか、戦わないように戦わないようにしてさ」
メイド長「はい」
勇者「なんかまるで俺のことが大事みたいに
……好きみたいにさ。するから」
メイド長「……」
勇者「だって所有契約だろう?
俺はあいつのものだしあいつは俺のものだ。
気に入らなかったら命をとられてもいいんだ。
そういう契約じゃないか」
メイド長「そうですね」
勇者「それなのにさー。あいつさ。挙動不審だし
言い訳も説明も過剰だし、おっかなびっくりだしさ」
メイド長「……」
勇者「……上手く言葉にならねぇや」
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 03:08:45.40 ID:Lbanm5QNP
メイド長「魔王様は、勇者様のことを――」
勇者「判ってるんだ。
そこまで馬鹿じゃない。
相手の好意が信じられないから、
自分の好意を与えられないだなんて
そんな腰抜けの言い訳じみたことを言うつもりはないんだ」
メイド長「では、なぜ?」
勇者「だって、俺、死んじゃうしさ」
メイド長「……」
勇者「今回のことがどう転ぼうがどう成功しようが
それでも俺は人間だから、魔王よりも先に死んじゃうしさ」
メイド長「それはっ」
勇者「そんな俺が魔王と想いを重ねるって
それはなんだかすげぇ不実な気もするんだよ」
メイド長「そんなことはありません」
勇者「そうかなぁ」
856 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 03:12:06.98 ID:Lbanm5QNP
勇者「そりゃ、まぁ。本当かもしれないよ?
終わりがない関係はないけれど
終わるために出会うわけじゃないからさ」
メイド長「……」
勇者「でも、なんだかなぁ」
勇者「俺、最後のときに、魔王の困ったような
泣きそうな顔ばっかり思い出す気がするんだよ」
メイド長「そんな」
勇者「これもびびってるっていうのかなぁ。
でも、魔王がそういう顔すると思うとつらい。
勇者って言うのはさ、
もしかしたら幸せになっちゃいけない職業なのかも
しれないって。そう思うんだよ」
メイド長「……」
勇者「今の俺は、あんまり勇者って感じじゃないなっ!」
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 03:15:40.56 ID:Lbanm5QNP
メイド長「メイド如きに口を挟める問題でも
ないのでしょうが、一つだけ」
勇者「うん」
メイド長「勇者様は、魔王様のもの。
勇者様のすべては魔王様の、我が主の所有物」
勇者「ああ、そうだ」
メイド長「そのことをお忘れなきよう」
勇者「うん」
メイド長「だとすれば、
勇者様の感じるためらいも思いやりも、
押し殺している願いや
憧れるような希望も、
触れたいという祈りも。
言葉にならない、魔王様への気持ちさえ。
それらもすべて魔王様のもの」
勇者「……」
メイド長「それをお忘れなきように」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 15:07:28.99 ID:Lbanm5QNP
――冬の国、王宮
王子「ああ、けったくそわるい」
執事「はぁ」
王子「むかつくぜ」
執事「諸王国会議でございますか」
王子「……」
執事「聖王都がまたなにか?」
王子「どんぱちやれってさ」
執事「……さようでございますか」
王子「あらかた知ってるんだろう?」
執事「それはまぁ。洒落で諜報部を設置しているわけでもなく」
王子「要するに……」
執事「武勲と」
王子「そうだ」
執事「昨年来、魔族の侵攻は緩やかなままですからな。
このままでは人間の世界を守るという錦の御旗の価値が
ゆらぐと、そんなことを考える人もいるのでしょう」
王子「魔族の邪悪さと恐怖、人間の勝利をアピールしないと
支援するための募金もままならない、と。
遠回しにそう通達して来やがった」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 15:13:33.14 ID:Lbanm5QNP
執事「聖鍵遠征軍の話はでましたか?」
王子「諸王国側からはな。
だが、中央の連中はその気はないさ。
どんなに言いつくろったって、
過去の聖鍵遠征軍は失敗だったんだ。
あれだけの軍隊と物資をつぎ込んで
得られたのは魔界側の都市の一個や二個。
そもそも聖鍵遠征軍のお題目であるところの
“魔王城を落として世界に平和をもたらす”事を
中央の連中だって望んじゃいない。
戦争が無くなったらまた内輪もめだ」
執事「……」
王子「しかし、それは俺たちもおなじなんだけどな。
戦争がなければ金が送られてこない。
小遣いをもらって殺し屋をやっている。
国ぐるみで傭兵の真似ごとだ。情けない話だ」
執事「若……」
王子「しかしなぁ。今回ばかりは」
執事「会議はどうなりました?」