Part2
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:13:06.82 ID:
v7up61JP0
男「仕方ないなぁ」
あね「よろしくお願いしますー」
男「あんまし動くなよ」
あね「うん」
男「……」(ふとももふにふによりは気が楽か)
かりかり
あね「はぅ〜」
男「なんだその声は」
あね「耳掃除されると声が出るよね」
男「なんだそれは」
あね「温泉に入ったときみたいなものだよ」
男「ああ、そうか」
あね「うん」
かりかり
あね「ぅぅーぅ」
男「痛いのか?」
あね「ううん、逆だよ。気持ちいいよ」
男「そうか」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:13:19.96 ID:
v7up61JP0
かりかり
あね「はぁぅん」
男「……」
あね「おとくん、じょうず、だよねぇ」
男「……そか」
あね「お姉ちゃん、あたま、とけそう……」
男(なんて声だしやがりますかこのアホ姉はっ)
あね「はぁぅぅ」
男「えーっと」
あね「なに?」
男「そのう。声を」
かりっ
あね「ひゃぅっ」
男「!?」
あね「奥がぞくぞくして気持ちいいよー」
男「黙れ駄姉」
あね「えーっ!?」
男「耳掃除中止」
あね「ええーーーっ!!??」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:16:31.07 ID:
v7up61JP0
>>19
ありがてぇけど、今日に限って姉スレ大豊作なんだぜっ
くそ、妹が多いから立てたのにっ
いぎぎぎぎぎぎg
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:21:01.60 ID:
v7up61JP0
――弁当タイム
あね「――というような訳なのよ」
姉友「ほんとに駄目姉ね」
あね「なーっ!」
姉友「つまり、食後に弟を拉致、耳掃除を敢行するも
苦痛を与えてしまい作戦を断念。
その後、弟から手本を示されてその気持ちよさに
めろめろになって、だらしない姿を見られたために
放棄されたと」
あね「それは表現がひどいよう」
姉友「ちがうの?」
あね「違いません」
姉友「姉の包容力がまったくもって無いわね。
駅前で配られているサラ金のティッシュよりも
うすっぺらい扱いよ」
あね「ううう、そんなに云わなくても」
姉友「で、その後は?」
あね「その後?」
姉友「夜のその後とか、今朝の弟さんとか」
あね「別にいつもどおりだよ」
姉友「……」
あね「普通に挨拶したり、朝ごはん食べて、いってきまーすって」
姉友「ふむ」
あね「?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:21:48.64 ID:
v7up61JP0
姉友「見えたわ」
あね「え? え?」
姉友「キーワードは『日常』よ」
あね「日常?」
姉友「昨今の加熱する異常なまでの妹ブームは
もはやファンタジーといっても良いほどの非日常を
生み出し続けているのよ。
そこに対するアンチテーゼとしての姉存在は
日常の中での柔らかい、しかし確固とした萌えを
構築しなければならない。これはそのための示唆なのよ」
あね「難しいよぅ」
姉友「つまり日常にこそあなたの優位性があるのよ」
あね「ほんと!?」
姉友「ええ、たとえば夕ご飯の買出しとかにね」
あね「友ちゃん!」(信頼の視線)
姉友(こんなにちょろくて良いんだろうか、この娘)
姉友「具体的にはこんな感じよ……」
あね「ふむふむ」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:24:38.53 ID:4xcCwiqi0
スレタイからは想像出来ないぞ、これ(埋もれた良作的な意味で
もっとやれ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:24:41.11 ID:
v7up61JP0
――生鮮食品売り場
あね「ごめんね、荷物持ちさせて」
男「いや、いいよ。授業終ってたし」
あね「彼女とのデート邪魔しちゃったかな」
男「居ないの知ってるでしょ」
あね(にこにこ)
男「?」
あね「ぶりてり〜♪ ぶりてり〜♪」
男「ご機嫌だね」
あね「おとくんとお買い物だもん」
男「夕食の買出しでしょ」
あね「それでもだよ」
男「家事の手伝いくらいいつでもやるよ。二人なんだし」
あね「おとくん優しい〜」ぎゅっ
男「!」
あね「?」
男「……離れて。持ちにくい」
あね「あ!」
男「何だよ」
あね「ブリテリとブリティッシュ作戦と似てるよねっ!」
男「似てないよ」
あね「そうかなぁ」
男「ヲタ知識は良いから離れてよ」
あね「むぅ」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:27:04.78 ID:
v7up61JP0
>>26
このくそやろうありがとうございます
しかし俺は何を立てても埋もれた良作どまりなんだぜ。
ヒットエンドランじゃなくてホームランをだしたいんだぜ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:27:53.98 ID:
v7up61JP0
ガサゴソ
男「――? 何見てるの」
あね「えっとね、メモ」
男(買出しの覚書かな?)
あね「おとくん、明日の朝ごはんは美味しいもの作ってあげるよ」
男「ほほう」
あね「ラタトゥユだよ」
男「ラタトゥユですか」
あね「うんっ! 美味しいよ!」
男「食べたことあるの?」
あね「ううん、ないよ?」
男「……」
あね「ラタトゥユ〜♪」
男「つかぬ事をお伺いしますが
なんでまた食べたことが無いのに美味しいと
判るわけですか一体」
あね「だって台本に」
男「台本?」
あね「いや、あの……レシピにね?」
男「……?」
あね「ズッキーニいれるんだよ。
お姉ちゃんはズッキーニ料理するの初めてだよ」
男「くっ。いいから、俺が作るからっ!」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:28:50.13 ID:
v7up61JP0
――朝ごはん
男「こんなもの、か? いい時間だな」
ごそごそ
男「姉ちゃん、姉ちゃん。朝だぞ」
あね「……すぅー。……すぅー」
男「姉ちゃん。朝ごはん作ったぞ」
あね「……んー。おいしいー?」
男「美味しいぞ」
あね「おとくんはえらいぞーう」
男「……」
あね「……すぅー。……すぅー」
男「寝るなよっ」
あね「うがっ!」
男「変な声出すな」
あね「だって、おとくんが鼻つまんだっ!」
男「起きないからだ」
あね「姉虐待だーっ」
男「顔洗ってきて」
あね「うーっ。可愛くない」
男「はいどうぞ」
あね「いただきまーっす」
男「りんごジュースな」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:34:37.45 ID:
v7up61JP0
あね「もぐもぐ」
男「もぐもぐ」
あね「この煮込み美味しいねー」
男「ラタトゥユ」
あね「あ、そうだった。ラタトゥユだ」
男「……ふぅ」
あね「トマト味なんだね、しんなりしてて美味しい」
男「まだあるから、弁当に入れてやるよ」
あね「ありがとうっ」
男「いつも姉ちゃんが作ってるんだ、気にするな」
あね「でも、やっぱおとくんは上手だね」
男「修行の身だからな」
あね「学校はどう?」
男「ぼちぼち」
あね「調専(※1)だから女の子花盛り?」
男「たいしていないよ。それに男のほうが真面目」
あね「そうなんだー」
男「そっちはどうなのさ?」
あね「んっとね学食が美味しいよー。安いし。
でもね、お弁当のほうが好きだなぁ。
あと、近所に美味しいパン屋さんが出来たよ」
男「大学ってそういう場所なのかなぁ」
※1:調専……調理師専門学校。料理の学校。
姉は普通の大学。二人は上京して姉弟暮らし。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:42:22.55 ID:TT91m8kT0
「大戦略姉」に見えた
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:42:47.80 ID:
v7up61JP0
――弁当タイム
あね「――というような結果でしたー」
姉友「何浮かれてるのよ」
あね「だってこのラタトゥユ美味しいよ?」
姉友「よこしなさい」ガシッ
もぐもぐもぐもぐもぐごっくんっ!!
あね「あたしのラタトゥユがーっ!?」
姉友「確かに美味しかったわ。ご馳走様」
あね「あ、あたしのお昼が……」
姉友「あんたね。姉が弟に食事作ってもらって
大喜びしてるんじゃないわよ」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:43:14.06 ID:
v7up61JP0
あね「でも……」
姉友「でもじゃないっ。
あたしの高度に洗練された作戦によって日常の基盤である
食事風景の中にラタトゥユという季節感と
女性らしい気配りのあるメニューを加えて
家庭的な癒しで男を餌付けするという構想はどうなったのよ」
あね「だっておとくんのほうが料理上手なんだもん」
姉友「なんだもん、じゃないでしょうが」
あね「うー」
姉友(しかし、ここまで美味いとは。
私の計略に穴があった事も認めなければならないようね)
姉友「まぁ、いいわ」
あね「うん……」
姉友「次の計略はね」
あね「うんっ」
姉友「ずばり、暁の奇襲作戦よ」(ばばーん)
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:44:07.62 ID:
v7up61JP0
あね「暁の奇襲作戦?」
姉友「ふふん」
あね「それって何?」
姉友「つまり、あれよ。朝の目覚ましをしてあげるわけよ」
あね「んー。私のほうが早く起きたらそうしてるけど?」
姉友「そこに軽いハプニングを盛り込むのね」
あね「友ちゃん、目が怖いんですけど」
姉友「窓から斜めに差し込む朝日っ、
部屋を白く照らし出す爽やかな朝の空気の中に
自分をゆすり起こす半裸の姉っ!!
優しい言葉とともに揺れる魅惑の二つのふくらみっ」
あね「と、友ちゃん、は、は、は、半裸って!?」
姉友「なんか適当になさいよ。下着の上にYシャツとか」
あね「Yシャツないよ……」
姉友「弟の着込みなさいよ。そっちのほうがいいから」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:44:19.68 ID:
v7up61JP0
あね「でも、そんなのえっちくさい事したことないよ」
姉友「ったりまえでしょうが。今までの常識を打ち破ってこそ
奇襲作戦は奇襲足りえるのよっ」
あね「友ちゃん、目が怖い」
姉友「とにかく、あんたスタイルだけはいいんだから、
ちょっぴりセクシーな格好で
モーニングコールしてあげればいいのよ」
あね「う、うん」
姉友「あくまで表情はにこやかに爽やかに、優しくが基本だからね」
あね「判ったよう」
姉友「あんたの健闘を期待するわっ」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:45:21.14 ID:I6woErBfO
大作と戦闘する姉か
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:50:01.51 ID:
v7up61JP0
――翌朝、AM6:00
あね「こっそり、こっそり」
あね「……おとくん、おじゃましまーっす」
男「……すぅー。んー」
あね「良く眠ってますねー。おとくん寝顔可愛い」
男「……すー」
あね「ほっぺぷに、ぷに……」
男「……んぅー。うー」
あね「ぷくくく。可愛い〜」
男「……すー」
あね「うう。こんなことやってる場合じゃなかった。
Yシャツを探して奪わなきゃ」
ごそごそ
あね「……んーどこかなぁ、こっちのタンスかなぁ」
ごそごそ
あね「ないなぁ。んー。下着じゃ寒いよぅ」
男「……すー。……すー」
あね「これでいっかな」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:53:38.97 ID:
v7up61JP0
あね「それにしても」
男「……すー。……すー」
あね「まだちょっと時間早いよねぇ」
男「すー」
あね「寒いなぁ。もっと時間ずらせばよかった」
男「すー」
あね「……」
男「すー」
あね「おとくん、暖かそう。
いいなぁ、そんな可愛い寝顔しちゃって……」
男「……んぅーん」
あね「いいよね、すこしだけ。お、おじゃましますよー」
男「すー」
あね「あ。おとくんの布団。ぬくい〜♪ あったかーい♪
気持ち良いよう。あっためてもらってある布団って最高かも」
男「んぅーぅ」
あね(抱きっ)
男「んぅー……。すぅー」
あね「あったかぁーい、なんかとろとろに……なり……そ……」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:59:42.70 ID:
v7up61JP0
チュンチュン、ピチチ
あね「うきゃっ!?」
男「……#」
あね「おとくんっ! お姉ちゃんに何するんですかぁ!」
男「それはこっちの台詞だ、駄姉っ!#」
あね「え? え?」
男「なんで姉ちゃんが、おれのどてら着て俺の布団奪ってんだよ!」
あね「え? え?」
男「俺は床の上で布団無しかよっ!」
あね「え? え?」
男「実力行使で反省を要求する必要があるのかな」
あね「ううう、あの、そのぅ」
男「なーにーかーなー」
あね「ご、ごめんなさーいっ!」
男「……」
あね「せ、戦略的撤退をしますーっ」
男「ちょっとまて、こら駄姉っ!」