Part1
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:51:58.56 ID:
v7up61JP0
――雑誌を見て
【今時代は】ほしいのはどっち?【妹全盛!】
街の声「やっぱり妹だってー」
街の声「小さいし、可愛いし、甘えてくるし」
街の声「やきもち焼いたりするとむた可愛い」
街の声「強気でもよし、受け気味でもよし、隙が無い」
あね「っていわれてるんだよ!? どうしよう?」
姉友「いいから、お弁当食べなさいよ」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:52:22.41 ID:
v7up61JP0
――弁当タイム
あね「一家に一人は欲しいねって言われてるらしいのよ」
姉友「へぇ。なんか不毛な流行ねー」
あね「そうかなぁ」
姉友「ときめく様な話でも無いでしょうに」
あね「そんなことないよー。家族仲がいいのはいいことだよっ」
姉友「そりゃあね」
あね「一緒に暮らしてるんだもん。仲良しが楽しいよ」
姉友「あんたら二人で上京してきたんだっけ」
あね「うん。弟と二人だよ」
姉友「だからって居もしない妹にライバル心燃やしても」
あね「ライバル心ってわけじゃ」
姉友「じゃコンプレックス感じても」
あね「……う」
姉友「あんた、萌え成分足りてないからね」
あね「なーっ!?」
姉友「女力欠乏症」
あね「……ぐぐぐ」
姉友「箸を握り締めるそのポーズがダメだわね」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:52:59.95 ID:
v7up61JP0
あね「そんなことないよ! 弟はちゃんと気を使ってくれるよ」
姉友「へぇ、どんな?」
あね「え、えーっと」
姉友「……」
あね「えーっと」
姉友「……」
あね「買い物に行ったとき重い袋持ってくれるよっ」
姉友「……」
あね「あと、食事終ったとき『ごちそうさま』って」
姉友「……」
あね「『風呂先入ってきていいぜ』とかもっ」
姉友「……」
あね「それからそれから」
姉友「あんたね。所帯臭い」
あね「なーっ」
姉友「あえていうと味噌汁臭い」
あね「!?」
姉友「ときめきとは程遠いわね」
あね「……ぐぐぐ」
姉友「妹というイメージある可憐さや儚さや守って
あげたいトコとか小悪魔チックなとことか
背伸びしちゃってて可愛い感じとかが無いわね。ぜんぜん」
あね「……うう」
姉友「でもま、それが普通だから。気にしちゃだめだよ」
あね「そ、そうかなぁ……」
姉友「家族なんてそんなもんでしょ」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:53:29.08 ID:DUUf2sHr0
なんでVIPでしようと思ったのかが不思議
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:53:50.63 ID:
v7up61JP0
――晩御飯
男「もぐもぐ」
あね「もぐもぐ」
男「ごくん」
あね「もぐもぐ」
男「そこの醤油とって」
あね「あのさ」
男「なに?」
あね「もしかしておとくんも、妹欲しい?」
男「なんで?」
あね「いや、男はみんな妹が欲しいんだ、って学校で」
男「んー」
あね「どう?」
男「いらないなー」
あね「なして、なして?」
男「うちは姉ちゃんいるし。いままで妹いなかったしさ。
急に出てこられても、不自然じゃん?」
あね「そうかなぁー」
男「いーんだよ」
あね「そう?」
男「普通でいーんだよ」
あね「そか」
男「うん」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:54:13.71 ID:gp8nw8830
大脱走姉
に見えた
何故か期待してた
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:54:23.13 ID:
v7up61JP0
――弟は風呂へ
男「ふぅぅーっ」
男「やっぱ風呂はいいなぁ」
カポーン
男「それにしても姉ちゃんのアレはなんだかなー」
男「……」
カポーン
男「まぁ、いいか」
男「姉ちゃんが大作戦状態なのはいつものことだ」
カポーン
男「熱いな、うむ。極楽極楽」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:54:47.14 ID:
v7up61JP0
――リビングにて
あね「とは言ってもなぁ。なんであたし人気無いのかなぁ」
あね「やっぱ、こう、ちんまり可愛いほうがいいのかな」
あね「……こ、こんな」
あね「こんな風に笑って」
あね「『お、お兄ちゃん、だぁい好きっ!』――こ、こうかっ?」
男(何やってるんだあの人は)
あね「こうかなっ? こうかっ!?」
男(鏡の前でクネクネしてるぞ)
あね「上目遣いかっ。この角度がいいのかっ!!??」
男(そうっとしておこう……)
あね「こうかーっ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:55:22.03 ID:
v7up61JP0
――ダイニングキッチンで遭遇
あね「お、お兄ちゃん、だぁい好きっ!」
男「……」
あね「……くっ」
男「……」
あね「だ、だぁい好きっ!」
男「もう今日はいいから早く寝ろよ」
あね「なーっ!?」
男「後かたづけは俺がやるから」
あね「なっ、まっ待てー」
男「なんだよ」
あね「もう一個あるのだ、これだっ」(潤んだ上目遣い)
男「いいから寝ろよ」
あね「なーっ!? ま、待ってよ」
男「少しも待ちません」
あね「お姉ちゃんをないがしろにするのは許しませんよーっ」
男「本日の営業は終了しました」
あね「う、うわーんっ。今に見てなさーいっ」涙ッシュ
男「……何がしたかったんだ」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:57:26.26 ID:
v7up61JP0
――弁当タイム
あね「――というような訳なのよ」
姉友「あんた頭悪いよね」
あね「なーっ!」
姉友「どうしてそう弟に拘泥するのよ」
あね「だって……」
姉友「ブラコンかっちゅー話ですよ」
あね「ううう」
姉友「……まぁいいけどね。でも、あたしから見ると
無愛想でぼんやりした弟さんなんだけどなぁ」
あね「そんなこと無いよっ!」
姉友「そなの?」
あね「うん、おとくんは思いやりがあって優しいし、
すごく頼りになるんだよ。良い子だよっ」
姉友「真正ですよこいつ」(ぼそり)
あね「え?」
姉友「まぁあたしとしては面白ければそれはそれで」
あね「ううう。このままじゃ姉のイゲンは丸つぶれだよう」
姉友「威厳くらい漢字で喋ってから丸つぶれになりなさいよ」
あね「ううう」
姉友「仕方ないわね。知恵を貸すからしゃんとしなさい」
あね「ほんと!?」
姉友「ええ、そのコロッケで手を打つわ」
あね「友ちゃん!」(信頼の視線)
姉友(こんなにちょろくて良いんだろうか、こいつ)
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:58:27.31 ID:
v7up61JP0
姉友「そもそもあんたは妹じゃないってことよ」
あね「ふむふむ」
姉友「妹じゃないアンタが妹プレイしてもそれは偽者っ」
あね「っ!?」
姉友「いわばフェイク、ダミー、パチモン!
それはつまりエノレメスとかプラ夕のバッグと一緒!」
あね「??」
姉友「――チュロQとかガンガルみたいなものよ」
あね「そ、そうか!! そうだよねっ」
姉友「……」
あね「やっぱり友ちゃんは賢いなぁ」
姉友(この娘はほんとうに侮れないわね)
あね「で、どうしたらいいかなぁ」
姉友「そうね……姉本来の魅力。これに尽きるわね。
優しさ、包容力、慈しみ。これよっ」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 18:59:27.10 ID:
v7up61JP0
あね「難しいかも」
姉友「そうね……。抽象的な作戦じゃ効果が望めないわね」
あね「どうしよう……」
姉友「――耳掃除、これね」
あね「耳掃除なの?」
姉友「膝枕での耳掃除には
男性諸氏の満たされぬ欲求が詰まっているのよっ。
柔らかい太ももの上で癒されながらのコミュニケーションは
きゃんきゃんうるさく吠え立てるだけの妹には決して出来ない
慈しみのいわば姉ワールドっ!」
あね「そ、そうなんだっ!」
姉友「がんばってきなさいね」
あね「やってみる!」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:01:06.91 ID:
v7up61JP0
――食後
男「姉ちゃん、ソファーで何ごそごそやってんだ?」
あね「あ、おとくん。ちょっとここに来なさい」
男「なんだよ。姉ちゃんも麦茶飲むのか?」
あね「そうじゃなくて、こっちこっち」(ぽむぽむ)
男「隣に行けばいいのか?」
あね「今日はおねえちゃんがおとくんの耳掃除をしてあげます」
男「いやいいよ」
あね「即答っ!?」
男「遠慮するよ」
あね「重ねてっ!?」
男「だって姉ちゃんの耳掃除ってなんか怖いし」
あね「そんなことないよっ! 耳掃除得意だよ!」
男「……聞いたことねぇ」
あね「ほんとだよっ」
男「へー」
あね「おとくんは弟なんだから、
いい子に耳掃除させなさーいっ!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:01:51.05 ID:
v7up61JP0
あね「じゃ、じっとしててね」
男「へいへい」
あね「なんかやりにくいなぁ。もっとちゃんとこっち」
男(……近すぎ、近すぎだってのっ)
あね「これかな、これかな」
男(ふともも、柔らけーし……)
あね「おとくんっ」
男「!?」
あね「逃げようとしてる」
男「そんなこと無いぞ」
あね「じゃ、もっとこっち」
ふにぃ
男(なんでこうなるっ!?)
あね「そうそう、良い子だから、そのままだよ」
男「……くっ」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:02:16.67 ID:
v7up61JP0
あね「ちょっとだけ、角度変えるね」
男「ん、ああ」
ふにぃ
男(!?)
あね「ん。良い子」
男「ぐ。なんか納得いかん」
あね「なにか云った?」
男「云ってません」
あね「そうそう、じっとしててね……」
ザクリ!
男「ギャー!!!」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:07:15.74 ID:
v7up61JP0
男「いてててて」
あね「ご、ごめんね、ごめんね」
男「貫通して反対から出るかと思ったぞ」
あね「手元が滑っちゃった。てへ」
男「『てへ』じゃねーっ!」
あね「すいませんでした」
男「陳謝する?」
あね「心からお詫びします」
男「どんなふうに?」
あね「明日の晩御飯は鰤の照り焼きにいたします」
男「許す」
あね「わーい、おとくん優しい〜」抱きっ
男(っ!?)
あね「??」
男「いや、離れてくださいね」
あね「う、うん?」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:07:48.25 ID:
v7up61JP0
男「大体なんで耳掃除なんだよ」
あね「えーっと……」
男「得意じゃないし」
あね「ちゃんと勉強したんだけどなぁ」
男「どうやって?」
あね「自分の耳で」
男「……」
あね「……」
男「もうちょっとどうにかならないのかなぁ」
あね「そんなこと云われても」
男「……うーん」
あね「あ、じゃぁね!」
男「なに?」
あね「おとくんやってみてよ」
男「なにを?」
あね「耳掃除。はい、ここに座って座って」
男「え、あ」
あね「わーい。ひっざまっくっらーっ」
男「えーっと」
あね「じゃぁれっつごー!」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/12(月) 19:11:56.37 ID:HC3E+StNO
司令官な姉を想像してきてみたらこれだもんな
もっとやれ