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女剣士「目指せ!城塞都市!」魔法使い「はじまりのはじまり」

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Part1
1 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 22:54:59.62 ID:2cZCALiAO
関連:犬「オリハルコンの牙」

2 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 22:56:51.02 ID:2cZCALiAO
魔王無き後の世界ーー
女剣士「私たちは魔王を倒した」
女剣士「厳しい戦争の中で、私たちは勇者と、その勇者を育んだ村を失っていた」
女剣士「大切な仲間が生まれ、そして亡くなったその村を」
女剣士「私たちは蘇らせたいと思ったんだ……」

3 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 22:58:05.61 ID:2cZCALiAO
魔法使い「具体的にどうするか考えてるの?」
僧侶「なんだか楽しそう」
女剣士「……そんな簡単な話じゃないと思うんだが」
女剣士「街を作るのになにが必要か、ってのももちろん考えないと駄目だけど」
魔法使い「?」
女剣士「少し考えていることがあるんだ」
女剣士「この街を、少なくとも魔王の使い程度では破壊できない城塞都市にしたい」
魔法使い「……はあっ?」
僧侶「すごいね! 私もそうなったら楽しいかもっ!」
魔法使い「無知って絶望的に可愛いよね……」
女剣士「ん、まあわかる」

4 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 22:58:59.22 ID:2cZCALiAO
女剣士「そんな簡単に街を発展させることができるなら、そもそも今回のような戦争は起こらなかったはずだ」
女剣士「だが、だからこそ、そこに理想をおくべきなんだ」
魔法使い「意外と考えててびっくりした。いままで脳筋だと思っていた。解剖したい」
女剣士「なぜ解剖するのか。とりあえず謝れ」
魔法使い「うむ」

5 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 23:01:03.63 ID:2cZCALiAO
女剣士「まあ色々考えることはあるんだけど、とりあえず、この街の象徴を決めたい」
魔法使い「ふうん……まあうちの街の象徴は決まってると思うんだが。」
僧侶「ん〜? 勇者様の村だから勇者の剣とか?」
魔法使い「それだとオリハルコンの牙になるな。」
世界を救った勇者の村……
その勇者とは……
オリハルコンの牙をくわえた犬であった
魔法使い「犬が勇者とかよくよく考えるとひどい」
女剣士「うむ」


6 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 23:02:05.71 ID:2cZCALiAO
短いですがとりあえずここまで
すぐ更新します

7 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 23:28:36.50 ID:2cZCALiAO
魔法使い「私たちの街の象徴、オリハルコンの牙か。 すると街の名前はオリファンとか。」
女剣士「ん、けっこういい響きだね。 異論はないよ」
僧侶「オリファンの街かあー。 楽しい街にしたいねー!」
女剣士「もちろんそうなるさ。 かわいい僧侶もいるしね」チュッ
魔法使い「変態には言及しない。 さて、じゃあまずは何をするべきかね。」

8 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 23:29:20.02 ID:2cZCALiAO
女剣士「それについては数日かけて考えたんだ。 ほめて!」
魔法使い「よしよし。」
女剣士「ぞんざい! まずさ、人間が足りないよね」
僧侶「今の街の人口……三人」

9 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 23:30:24.66 ID:2cZCALiAO
女剣士「とりあえず村に残ってる一番大きな家、村長の家を宿屋に改装しようと思うんだけど……」
魔法使い「それはあんまり問題がない。 そもそも勇者を匿うための小規模な村だったから、村長の家は宿屋の代わりになっていた。 そのまますぐに流用ができる。」
僧侶「私が宿屋さんするんだよー?」
魔法使い「もちろんかまわないよ。」ナデナデ

10 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/02(木) 23:31:49.20 ID:2cZCALiAO
僧侶「まずは住人を増やすんだよね!」
女剣士「うん、そうだよ。 なんか心当たりあるの?」
僧侶「勇者犬ちゃんの家族がいるんだけど」
魔法使い「は?」
女剣士「へ?」
魔法使い「……そりゃそうか。 犬っていっぱい生まれるもんね。」
僧侶「うん! その犬ちゃんの家族に、子供がたくさん産まれたんだって! もらってきていい?」
女剣士「いいよ!」
魔法使い「ちょっとは考えろ。 まあいいけど。」
僧侶「じゃあ連れてくるね〜!」
犬兄「わん!」
犬弟「わん!」
犬妹「くう〜ん」
女剣士「さ、三匹!?」
魔法使い「魔王が再臨しても即死レベル。」

11 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:29:58.38 ID:ni3WNVbAO
僧侶「街の人口 三人と三匹」
ーー一方、麓の町ーー
商人「もうすぐ麓の町って呼ばれてる町ですよ!」
盗賊「たのしみだね〜」
賢者「いくらか商品を捌ければ良いですね」
商人「銅の剣が40本、皮の盾二十枚、薬草50個」
賢者「商人君は在庫管理とかしっかりしてますね。 さすが商人です」
商人「えへへ。 いつか伝説の剣を扱うような大商人になるんだ!」
盗賊「ボクも協力するからね!」
賢者(二人ともしっかりした子供で私も楽な限りです)
賢者「ん? 魔物が……」
商人「うわっ! すごい大群!」
盗賊「町を襲ってるよ!」
賢者「行きましょう! 二人とも前衛は任せますよ!」
商人、盗賊「りょーかいっ!」

12 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:31:29.27 ID:ni3WNVbAO
雑魚とは言え、魔物の群に、三人の若き冒険者は躊躇せず立ち向かう
魔物A「な、なんだあ! このガキども!」
魔物B「……くそっ、強いぞこのガキ!」
ガキン
キイン
二人の少年は素晴らしいスピードで魔物の群を混乱に陥れる
少年商人は鉄の槍で絶えず突きを放ち、敵を牽制し近付けさせず、隙をついて襲いかかろうとする魔物が有れば少年盗賊の厚いナイフが襲いかかる
若いとは言え、そのコンビネーションは完成されたものがあった
賢者「私が見初めただけはあります。 では終わらせましょうか!」
二人が後ろに跳びづさるとともに、賢者の大魔法が炸裂する!
賢者「極大爆裂魔法!」

13 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:32:51.77 ID:ni3WNVbAO
賢者「ふう……」
商人「おみごとですっ!」
盗賊「すごいねー! すごいねー!」
おじさん「……た、助かりました」
少女「ありがとー!」
おばさん「……子供なのに、すごいわねえ」
商人「困ってる人を助けるのは、当然ですっ!」
商人「あの、ところで、怪我をしてる方がいたら薬草を買って欲しいんですが!」
おじさん「はっはっは! こいつは商売上手だ!」
おばさん「できるだけたくさんかわせていただくわよ。 武器ももらっておこうかしら?」
おじさん「また襲われては困るしな。 そうしよう」
少女「あたしこの人形ほしー!」
賢者「……まったくたくましいものですね」フフッ

14 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:33:44.08 ID:ni3WNVbAO
町人「……魔物が逃げたぞー!」
賢者「!」
商人「! 追いかけましょう!」
おばさん「あ、お代……」
盗賊「あ、ボクが預かりますっ」
おばさん「ああ、きをつけてね!」
山頂へ続く道、少年たちは魔物を追いかけて駆け上がっていったーー

15 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:35:29.37 ID:ni3WNVbAO
女剣士「ん、魔物が来てるな」
魔法使い「弱い魔物……だいたい20匹くらい」
女剣士「楽勝だな。 行ってくる」
僧侶「きをつけてねっ!」
魔法使い「魔王に一撃を加えた強力雷神ゴリラだから負けるはずがない。安心。いつか解体する。」
女剣士「やめて? だれがゴリラ?! ……とりあえず薬草だけ持って行くわ」
僧侶「いってらっしゃーい!」ピョンピョン
女剣士「……さて、遭遇まで数分ってところか」
商人「見えました! 魔物の群です! ……ちょっと多いですね」
盗賊「だれかいるよっ」
賢者「……! 対面に居られては魔法が使えません……!」
女剣士「ふん……」
魔物の群「ぎゃあ! ぎゃあ!」
魔物「雑魚人間が一人で!」
魔物「我らに立ちはだかるかっ!」
女剣士「……極大雷撃剣」
魔物「!?」
魔物「」
魔物「マジかっ!」
砂埃が巻き上がる山道
雷神の剣が、巨大な壁となり、魔物の群を飲み込んだ
賢者「二人とも! 引いてください!」
商人「うわああっ」
盗賊「ひえええっ」
賢者「……魔法防御壁!!」
ズガアアア……

16 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:37:41.29 ID:ni3WNVbAO
…………
賢者「む……無茶をしますね……。」
盗賊「……すごぉい……!」
商人「び、びっくりしました……」
その少女と三人の間には、ただ乾いた土の道しかない
魔物は跡形もなく消え去った!
賢者「……大丈夫ですか? お二人!」
盗賊「へっちゃらだよー」
商人「全然大丈夫です。 それよりびっくりしました。 あんな魔法見たこと無い!」
盗賊「すごかったー! 勇者様みたいだねー!」
賢者「正しく、勇者並みの強大な魔力の持ち主ですね」
女剣士「! おおっ、人がいたのか。 すまない、大丈夫か?」
賢者「大丈夫ですが、大丈夫ではないですね」
女剣士「え……と、すまない」
商人「大丈夫ですよ!」
盗賊「……かっこいい」ドキドキ

17 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 00:39:46.24 ID:ni3WNVbAO
女剣士「わざわざ魔物を倒すためにこんな山奥まで走ってきたのか」
賢者「この子たちは正義感が強いんですよ。 この子は商人、こちらは盗賊君です」
女剣士「若いね。 まあうちの僧侶ちゃんもこの子たちと同じくらいだけど」
賢者「先ほどの魔法は勇者でなければ扱えない極大級雷撃魔法だとお見受けしました……あなたは……」
女剣士「? 私は勇者ではないよ? うちの犬は勇者だったようだが……」
商人「あ、聞いたことあります! 魔王を倒した勇者が今回は犬だったとか!」
賢者「情報通のあなたが言うのだからそうなのでしょう…… つまりあなたは」
女剣士「あー……。 頼む、誰にも言うな」
賢者「……何か事情があるのですね。 構いませんよ」
賢者「しかし、いくらかお話を聞かせていただきたいですが」
女剣士「! いいぞ、うちの街に来てくれ」
女剣士(町人三人ゲットかも!)

18 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 01:47:31.49 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「……で、三人さらってきたのね。 いい仕事した。」ヨシヨシ
女剣士「えへへ〜、じゃない! とりあえずこの子たちに旅の話を聞かせてやってくれよ」
魔法使い「自分で話せばいいのに。 まあいいけど。」
盗賊「聞きたい聞きたい!」
商人「えっと、そちらの僧侶さんも……?」
僧侶「魔王と戦ったよ!」
盗賊「すごーい!」
商人(か……かわいい。 こんな女の子が魔王と……)
女剣士「ん、この子はこんなだけど、うちのパーティーじゃ一番化け物かも知れないよ」
魔法使い「魔王との戦いの時、魔王がいくつもの魔法を連続で放ってきた。 この子は戦闘中にそれを真似て回復魔法を重ねがけしてくれた。 連続魔法ができる僧侶なんて私は聞いたことがない。」
賢者「……私も寡聞にして知りません。 大僧正ではないですか」
商人「……すごい……勇者パーティーってほんとに各人が一軍に匹敵するんですね……」
盗賊「わくわく」
女剣士「まあ勇者は犬だったんだけどね」

19 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 01:49:35.65 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「正式には人間の勇者がいたのだけれど、不慮の襲撃で勇者の父、勇者ともに命を落とした。」
魔法使い「これは私の推測だけれど、魔王と勇者の力と言うのは、いつの時代も均衡している。」
魔法使い「つまり、失われた勇者のかわりに、選ばれるべき最も近しい者が選ばれた結果……」
魔法使い「たまたま勇者と同じ日に産まれた犬が勇者の役目を負ったのだと思う。」
賢者「……実に興味深い話ですね……」
盗賊「それで、それで、どんな戦いだったの?」
ーーーー

20 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 01:52:41.35 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「犬はオリハルコンの牙を魔王の体に巻き付けるように斬りつけ……」
魔法使い「返す刀、地を蹴り、怯む魔王の体を貫いた……!」
魔法使い「斯くして魔王は倒れ……世界に平穏が……」
商人「……ごくり」
盗賊「……犬かっこいい……」
賢者「…………」
魔法使い「……訪れたはずなんですが。」
女剣士「……!」
賢者「……魔物が居なくなるわけではなかった……ですか」
魔法使い「うん。 困った困った。」
女剣士(まるで困ってないなこいつ)
僧侶「……でも、魔物も街を襲わないなら殺さない方がいいです」
女剣士「ん、分かってる」ギュッ
僧侶「んむっ」
賢者「……ふむ、それで三人はここで何をするつもりなんですか?」
女剣士「私たちは、この町を城塞都市に変えるつもりなんだ」


21 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 01:54:46.64 ID:ni3WNVbAO
女剣士「とりあえず魔王を倒したことで、私たちは攻撃目標を失った」
女剣士「だから私は考えたんだ。 この町を鋼の守りを持った城塞に変えて、次に魔王が現れても反撃できる拠点にしようと」
賢者「……なるほど」
商人「……それって僕らが手伝っても良いですか?」
魔法使い「しめしめ」
女剣士「おい、思ってても口に出して言うな」
僧侶「……私たち三人じゃ、限界があるのは分かってます」
僧侶「男の人に手を貸してもらえたら……」
僧侶「……そのっ! すごくうれしいですっ」
商人「協力します」
盗賊「協力します」
賢者「う……私はお二人についてきただけです。 従いますよ」

22 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 01:57:24.93 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「ひやっは〜! 野郎どもは肉体労働だ〜!」
女剣士「おぉい!」
賢者「……トリッキーな人ですね。 ちょっと憧れますよ」
女剣士「お脳が軽いとことか?」
魔法使い「脳筋に言われたくないわね。」
賢者「あははっ!」
魔法使い「……とにかく女剣士が計画を言い出してからちょちょいと計画を考えてみた。」
魔法使い「女剣士は町長。」
女剣士「うえっ!? 重いな……」
魔法使い「あなたは私たちのリーダーだからね。」
魔法使い「僧侶は宿屋と教会をやってもらう。」
僧侶「がんばるよっ!」
商人「ぼ、僕たちは?」
魔法使い「ん、あなたたち三人は事務員的な仕事をしてもらいたい」
魔法使い「街を大きくするポイントは? はい、賢者さん。」
賢者「人を集めることですね」
魔法使い「そのとーり。 賢い。 脳細胞は何色か。」
賢者「たぶん普通の色です」