Part2
小規模ながらも従業員が
10名ほどいる設計事務所を経営しており、
私のカフェオープンの際には、
その内装設計を一任したことが
きっかけで付き合いを始めていた。
オープン後もいろいろと
アドバイスをもらっていた関係で、
私がつい金銭面の苦しい状況を話すと、
当面の融資を自らが差し出すと提案してきたのだ。
それは1千万円規模にもなるもので、
私には夢のような話であった。
「しかし、所長、そんなことをされてしまっても。
私には担保もないし、いつお返しできることか」
「いや、いいんですよ、無担保で。
私はただ川口さんのカフェを
助けたいだけなんです。
とても魅力的なお店ですから」
「しかし・・・」
「応援させてください。
なに、3年もがんばれば、
きっと固定客がついてきますよ」
選択肢はなかった。
その山口の好意を受け、
私は当座の資金繰りをクリアした。
山口から電話があったのは、
それから2週間程度した頃だっただろうか。
何でも設計事務所の
経理補佐パート従業員が急に退職したため、
補充スタッフを探しているとの事。
そして私の妻、裕子はどうか、
と訊いてきたのだ。
私たちはちょうど結婚10年。
妻の裕子は34歳だ。
5歳の息子が一人の3人家族。
裕子は中学、高校とバレーボール部に
在籍したこともあり、
身長が168センチある長身の女性である。
体育会系でもあり、
余計な贅肉はほとんどついておらず、
現在も非常にスリムな体形を維持している。
手足が長く、昔鍛えられたその体は
しっかりとひき締まっており、
30代に入ってからは、
そこに大人の色香というものも
加わってきたかのようだった。
バストはCカップで
20代の頃の形を完璧に維持、
細みな体には意外なほどの
豊満なヒップも備わっていた。
姿勢よく歩くその姿は人目を引くほどでもあり、
私にはできすぎた妻であった。
今年、妻は息子が通う幼稚園の
PTA役員に任命され、
忙しい日々を送っていた。
同じ役員の仲間と頻繁に連絡をとりあい、
なかなかに楽しそうに過ごしているようだった。
「ベルマーク係なのよ・・・。いろいろと大変みたい」
「ベルマークなんて、いまどきあるのか?」
「あら、まだあるわよ。
マヨネーズとか歯磨き粉とか、
寛治の自由帳とかにもあるんじゃないかしら」
「なるほどなあ・・・」
結婚後、家の中にずっといた妻が、
そうやって久しぶりに外の世界に触れ
生き生きとする様を見て、
私は多少の安堵感と同時に、
わずかな嫉妬心も感じていた。
その妻、裕子をパートで採用したい、
との申し出である。
長男も幼稚園2年目、
また私の実家がすぐそばにあるため、
パートであれば働くことはできそうだ。
しかしPTA役員でいろいろと忙しいのも事実だ。
実際、PTA役員の選出をする際、
日中、仕事をしている母親は、
妊娠している母親、未入園児がいる母親などとともに、
その選出対象からは外されるそうだ。
それほどに、役員の仕事は半端なものではないらしい。
しかし山口の話によれば、
毎日ではなく、週3日程度で十分らしく、
時間もこちらの希望で都度
調整してもらって構わないとのことだ。
妻が私の店を手伝うという選択肢もあったが、
それよりも別の仕事をしたほうが
経済的にははるかにものを言う。
「山口さんには融資までしてもらっているし、
やってみないか、裕子」
私は、妻にそう提案をしてみた。
「そうね・・・。家からも遠くないし、
それにあの設計事務所なら
しっかりしてそうだから、
私、やってみるわ」
私の気持ちを察してなのか、
パート収入が家計の貴重な一助になる
という事実を敢えて口にしないところに、
私は妻の優しさを感じた。
こうして妻、裕子のパート勤務が始まった。
パートを始めると、
妻はそれまで以上に何か
いきいきとした様子になっていった。
気のせいか化粧もより上手になり、
服装にも気を使うようになった。
しかし、それは決して下品なものではなく、
妻の魅力を一層増すものであった。
ある夜、久しぶりに私は妻を抱いた。
もともセックスに淡白であった妻は、
息子を産んでから夜の営みとは更に疎遠になり、
我々の間では2ヶ月に1回あればいいほうであった。
最近は、退職後起業までの様々なストレスで、
私自身、そういう気分になることもなかった。
これほどに美しい妻を娶りながら、
結婚後にこんな風になるとは、
他人にはなかなか
信じられないことかもしれないが・・・・。
早漏気味の私は、
妻を自分のもので女として
満足させたことは恐らく一度もなく、
自己中心的な行為との責めを
受けても仕方が無いものだった。
しかし妻はそんな私に
不満1つこぼしたことはなかった。
何ヶ月ぶりかに妻を抱いた後、
それとなく妻の仕事場での話しとなった。
「仕事はどう、もう慣れたかい?」
「忙しいわよ。
経理関連の帳票管理から、
人事、総務のような仕事までやらされてるわ」
「所長はどんな感じ、仕事中は?」
私は山口の態度が少し気になっていた。
「やさしいわよ。
ちょっとエッチなところもあるけどね、あの人」
妻が思わせぶりに少し笑みを浮かべながらそう話す。
「エッチって?」
「所長さん、よく私におさわりしてくるのよ」
「おさわり?」
「さりげなくだけど。肩とか背中とかさ」
「へえ」
私は平静を装いながら、
妻が職場で山口に背後から
背中を撫でられる光景を想像した。
嫉妬のみならず、
表現できない妙な感情が私の心に渦巻く。
「もう1人、
伊藤さんっていう部長さんがいてね。
この人も50歳いってると思うけど。
見るからにスケベ親父って感じで・・・。
この人、1回、私のお尻触ってきたんだから」
「そんな人もいるのか・・・・・・。
大丈夫なのか、お前」
「全然平気よ。
こう見えて結構楽しんでるわ、私も。
外に働きに出るのなんて独身のとき以来だし。
新鮮なのよね」
こんな会話をしながら、
私は職場での妻の様子をまた想像した。
私の知る限り、
若い女性社員はあの設計事務所にはいない。
他のパート女性は50代のはずだ。
30代で既婚者とはいえ、
妻のようなスタイル抜群な
女性が職場にいるとなれば、
男性陣の視線はいっせいに妻に集まるに違いない。
そしてセクハラもどきの行為を
妻にして楽しんでいる。
これは次第にエスカレートして
いくのではないだろうか。
私はそんな不安を覚えるのと同時に、
他の男にアプローチされる妻の姿を想像し、
それまで経験したことのない種類の興奮を感じた。
「いいだろ、もう1回・・・・」
私は妻の職場での話からもたらされた
予想外の興奮をどうにもできず、
また妻の裸体に手を伸ばした。
「どうしたの、あなた・・・・・」
驚く妻をよそに、私は妻の乳首を軽くつまみ、
首筋に舌を這わせる。
「ああんっ・・・・・」
「裕子・・・」
乳首を舐め、それが再び隆起していくのを確認し、
私は右手を妻の茂みへと伸ばした。
触れたとき、その泉は乾きを
取り戻しているように思えたが、
指を差し入れると、中は依然十分に濡れていた。
「あんっ・・・・、駄目っ・・・・・」
「ほら、これを・・・・」
妻の手をとり、私のペニスに誘導する。
それは一度放出したにもかかわらず、
既に硬い状態に回復していた。
サイズは平均以下のものだが、
妻はその硬さを確認するかのように、
何度も手を往復させる。
「さっきしたのに・・・・・、
もう、こんななの、あなた・・・・・」
既に官能の混じる吐息を漏らしながらも、
妻が私を冷やかすように、そう言う。
「裕子が職場で触られてるって聞いたら、
こうなっちゃったよ・・・」
「ばか・・・」
私は妻と情熱的に口付けを交わし、
そのクリトリスに指で刺激を与えながら、
形のいい胸に舌を移動させる。
「ああっ・・・・・・・、
ああんっ・・・・・・・」
次第に妻の口からは、
喘ぎ声だけが漏れ聞こえるようになる。
「裕子、いいかい?」
私の指の動きから、
妻のその淫泉は、一気に濡れ、
再び愛液をほとばしり始めた。
妻は、感じやすいのだ・・・・。
「ああんっ・・・・・・、
いいっ・・・・・・、
いいわっ・・・・・・・」
「どこだ、ここか?」
「あんっ、そこっ・・・・・・・・、
気持ちいいっ・・・・・・、
ああんっ・・・・」
腰を妖しくくねらせる妻に、
私はもう我慢ができなかった。
妻の美脚の間に強引に体を入れ、
いきり立つ肉棒で一気に妻の体を貫いた。
濡れた妻の淫唇は、
吸い付くように、私のものを受け入れる。
「ああんっ!」
2回目とはいえ、
私は、いつも以上に、
とても我慢できる状態ではなかった。
それは、妙な類の興奮に
襲われたからに違いなかった。
私は妻の脚を抱え上げ、
最初から激しく妻を突きたてる。
「あんっ! あんっ! あんっ!」
妻が部屋中に響くほどの嬌声をあげる。
「裕子っ・・・」
「ああんっ! いいっ! ・・・・、いいっ!」
妻のスレンダーな肢体が折れ曲がり、
それだけで猥雑さをかもし出す。
私はキスを要求し、
妻はそれに舌を絡めて応える。
妻は両手でシーツを握り締め、
自分が襲われている快感を体現する。
ふと、私を、山口が妻を
抱いているような妄想を襲う。
私の下で悶える妻は、
山口に攻められて耐える妻の姿に映った。
「ああっ・・・、いいっ!」
山口に抱かれて感じているのか・・・・。
濃厚な興奮を、私は感じ取る。
腰を動かしながら、
妻と濃厚な口付けを交わし、
私は早々に限界に達した。
「いくよっ、裕子!」
「ああんっ・・・・駄目っ・・・・」
「裕子!」
「あんっ、まだ、駄目っ・・・・・ああんっ!」
「ああっ、裕子!」
私はそう叫ぶと、
耐え切れず妻の中にその夜、
二度目の放出を果たした。
僅かに乱れた吐息で、目を閉じたまま、
私の下で横たわる妻、裕子。
達した男の下で、
自らは昇り詰めることができなかった女は、
いったいどんな感情を抱くものなのか・・・・。
私は妻に何も言葉をかけず、
ただ優しく口付けをし、その髪を撫で続けた。
=====
そんなある日の午後、
山口から私の携帯に電話があった。
資金援助の一件もあり、
私はやや緊張気味に電話に出た。
「どうも、いつも妻がお世話になっていまして」
「いやいや、こちらこそ、
大変助かっていますよ。
奥様、随分な働きぶりですよ」
「そうですか・・・」
「ええ、助かってますよ、
こちらは・・・。
ところでご主人、
今日はひとつお話がありましてな・・・」
山口はそう言いながら、
1つの相談を私に持ちかけてきた。
「実はうちの重要な取引先の
ひとつであるハウスメーカーさんを
接待する1泊の温泉旅行を企画してましてね。
そこに奥さんとご主人を
是非お連れしたいんですよ」
「旅行に、ですか?」
「そうです。大事な取引先でね、
そのメーカーさんは。
まあ、はっきり言うと接待旅行なんです。
男ばかりで参加するのも何ですので、
是非奥様の美貌をお借りしたいんですよ。
何しろメーカーさんの
部長さんってのがいつも
女性、女性ってうるさい人でね。
まだ若い方なんですが・・・」
社長はそう言いながら
電話越しに思わせぶりに笑う。