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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part156
534: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:36:21 ID:aEDkE1uc

――― 海ノ町・商店街


巫女(おかしい・・・ 町に張ってある結界に異常を感じない)タッタッタッ

 ブルブル ブルブル

巫女「?(電話・・・)」ピッ

巫女「もしもし・・・ え! 学校で神力を!? そんな・・・」

巫女「・・・分かりました。 私は商店街の周辺を調べますので後程海ノ神社で」ピッ


巫女(どうしよう、主神様と神ちゃん様が同時に神力を発動したらこの町は・・・)


 主神「どうされましたか?」


巫女「!?」クルッ

主神「巫女服を着たまま出歩くと目立ちますよ?」

巫女「主神様・・・」

主神「少し付き合っていただけますか?」

巫女「・・・・・・」


535: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:37:29 ID:aEDkE1uc

――― 海ノ神社前


少女「ハァ・・・ ハァ・・・」ゼェゼェ

少女「・・・・・・(門に鍵がかかってない。 神社に誰かいる・・・)」


 神使「随分とお疲れのようですね」


少女「!?」クルッ

神使「海ノ神社にご用ですか?」ニコッ

少女「あなた、確か山ノ神社の・・・」

神使「神様のお付きで神使と申します」ペコリ

少女「どうしてここに」キッ

神使「本殿までご案内いたします」

少女「・・・・・・」


536: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:38:22 ID:aEDkE1uc

――― 海ノ神社・本殿


神使「どうぞお入り下さい」


 ギー


少女「・・・やっぱり」ハァ

神様「ハロ~」

少女「私よりどうして早くここにいるの?」

神様「私は神だよ? その位は造作も無い」ニヤッ

少女「・・・・・・」

神使(タクシー代は神様のお小遣いから引きますからね)


537: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:39:16 ID:aEDkE1uc

神使「神様、私は外に居ますので何かありましたらお呼び下さい」

神様「おう」


 ギー バタン


少女「・・・・・・。 巫女服似合ってるね」

神様「でしょ! 少女ちゃんは普段着ないの?」

少女「どうして私が着る必要あるの? 私は巫女じゃないんだけど」

神様「確かに。 巫女服より祭儀服の方が似合うかも」

少女「? ・・・どういう意味?」

神様「ま、それは置いておきましょうか」


538: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:40:17 ID:aEDkE1uc

少女「私をこんな所に呼び出して何がしたいの?」

神様「前に言ったじゃん。 海ノ町に張られた結界を解くって」

少女「そう簡単にはいかないと思うけど」

神様「おや、何か対策でもしているのかな?」

少女「何日も間を開けてくれたお陰で色々と対策は出来たわ」

神様「へ~」

少女「私達をフラフラにして、その隙を突いてくるって事は予想できたしね」

神様「へ~」

少女「でも、約束は早朝じゃなかった?」

神様「甘いなぁ~」

少女「?」



539: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:41:44 ID:aEDkE1uc

神様「準備は朝までに済ませた。 私だってバカじゃないさね」ニヤッ

少女「っ!」


神様「」コトッ

少女「なに・・・ その牛の置物は」

神様「これ? 神力が詰まったご神体。 少ない量だけど十分かな」

少女「・・・・・・」

神様「今から良いもの見せてあげる」ニヤッ

少女「ここで神力を出したらまた裸で転送されちゃうわよ?」

神様「じゃ、試してみようか」

少女「・・・・・・」


540: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:45:03 ID:aEDkE1uc

神様「海ノ町に張られし結界の再構築を命ず!」ポワ

少女「だから封印の解除は無駄だって言っ―― !?」ハッ


神様「やっぱ少くね~ あいつ全然仕事してねーじゃん」ポワッ


少女「うそ・・・(神ちゃんが転送されない!?)」

神様「さ~て、本気出しちゃ―――」


 神使「ちょ! 下がって下さい!」


神様「?」クルッ


 バンッ


541: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:45:55 ID:aEDkE1uc


 「封!!」

 ボワボワ~


神様「んぎゃー! 神力抵抗! やっぱ強えぇ~!」ズサー


 巫女「ハァ・・・ ハァ・・・」ゼェゼェ


少女「!」


 巫女「大丈夫ですか、少女さん」タッタッタッ


542: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:46:39 ID:aEDkE1uc

少女「地神さま・・・」

神様「痛たた・・・ 私の方も心配してよ・・・」ムクッ


巫女「」キッ


神様「そんな怖い顔しなさんなって。 お楽しみはこれからなんだからさぁ~」

巫女「え?」

神様「予定通り。 始まりまっせ」ニヤッ


543: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:47:31 ID:aEDkE1uc


 ワチャワチャ


巫女「そんな・・・」

少女「うそ、なにこれ・・・」

巫女「なんでモノノケが。 まさか結界構築に失敗した!?」

神様「いやいや、海ノ町の周囲に張ってあった結界符にちょっと細工しただけ」

巫女「細工!?」

神様「前に巫女ちゃんに書いてもらった“繋”の符を“結”の上に張った」

巫女「!?」

神様「キーになる結界符を見つけるのに時間かかったわ」


544: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:48:31 ID:aEDkE1uc

巫女「まさか、私が再結界を発動することを狙って」

神様「結界の再構築を発動すると、繋がっちゃうんですよ~」テヘッ

巫女「っ! 何でそんな事を!」


 神使「神様! 外にモノノケが!!」

 主神「参道に凄い量いるんですけど!!」


神様「大丈夫だよ、この神社以外には出られないようにしてるから」

巫女「・・・・・・」

神様「あと、この神社にいるヤツには見えちゃうように結界を弄ってみた」

巫女「まさか・・・ 少女さん!?」クルッ


545: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:49:07 ID:aEDkE1uc

少女「これがモノノケ・・・ 初めて・・・ 見た・・・」

巫女「!? 少女さん! 見ちゃダメです!」ダキッ

少女「嬉しい・・・ 初めてモノノケを・・・ 初めて・・・・・・」

巫女「少女さん! ダメです! 見ちゃいけません!」

少女「モノノケ・・・ 違う・・・ 私はモノノケを・・・ あっ」ブルブル

巫女「大丈夫です。 あなたは違います・・・ あなたは違うから・・・ 大丈夫」ギュッ

少女「うっ!」バタリ

巫女「少女さん? 少女さん!?」ユサユサ

神様「気を失っただけだよ。 大丈夫」

巫女「・・・・・・」


546: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/12(土) 00:49:45 ID:aEDkE1uc


神様「土地神、とでも呼べば良いのかな?」

巫女「・・・・・・」コクリ


547: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/12/13(日) 11:54:07 ID:JQB7p5u.
ワクワク


548: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:23:42 ID:Lm68JRd2

――― 数分後・参道


 ワチャワチャ


モノノケ「あんた色男だねぇ。 私と一緒に朝まで付き合わない?」

神使「すみません・・・ そういうのはちょっと・・・」


モノノケ「ペロペロペロペロ」

主神「あの・・・ あんまり顔をペロペロしないで下さい・・・」


 ワチャワチャ


549: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:24:57 ID:Lm68JRd2

巫女「神使様と主神様は助けなくてもよろしいでしょうか」

神様「放っておいて何か害とかある?」

巫女「いえ、それは大丈夫ですが・・・ 何なら私がモノノケを追い払いましょうか」

神様「いいの。 しばらくあのままにしておこう」

巫女「そうですか」ンショ

神様「少女ちゃん背負って重くない?」

巫女「大丈夫です。 この子、意外と軽いので」フフッ

神様「しかし凄い量のモノノケだな・・・」

巫女「こちら側でこれだけの量を一度に見たのは私も久しぶりです」


 モノノケ「ねぇ」ツンツン


神様「?」クルッ


550: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:26:06 ID:Lm68JRd2

モノノケ「傘は持たなくても良いの?」

神様「かさ? っていうかピグミン?」

巫女「その子は雨のモノノケです。 たぶん雨でも降るんじゃないでしょうか」

神様「へぇ~ 便利じゃん。 明日は晴れる?」

モノノケ「分かんないよ~」タッタッタッ


神様「あっ、行っちゃった・・・」

巫女「雨のモノノケは雨のことしか分からないですから」

神様「ん~・・・ ちょっと不便だな」

巫女「ちなみに、先程から主神さまに纏わり付いているのは牛乳のモノノケです」

神様「あいつ牛乳好きだからな。 お似合いじゃん」

巫女「神使様に付き纏っているのは・・・ あれは狛犬のモノノケかと」

神様「ふ~ん。っていうか、狛犬?」


551: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:27:36 ID:Lm68JRd2

巫女「はい。 モノノケはこの世に存在する生命・モノ、一つ一つに存在します」

神様「もしかして“ピザ”のモノノケとか“牡蠣”のモノノケもいるの!?」

巫女「もちろんです。 それこそ八百万」

神様「それはモノノケと言うより・・・」

巫女「言葉を借りれば八百万の神といった方が良いかもしれませんね」

神様「そういう事か」

巫女「?」

神様「いやさ、昔先代に私らの系に属さない神が無数にいる土地があるって聞いたことがあって」

巫女「神ちゃん様の先代・・・ それって随分と昔の話ですよね」

神様「冗談かと思ってたんだけど・・・ こういう事だったのか」


552: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:28:34 ID:Lm68JRd2

巫女「そういえば、神ちゃん様は先代様の面影がありますね」ジー

神様「もしかして、幼女・・・ というか、あのクソ女と会ったことあるの!?」

巫女「はい、何度か。 もう何千年も前ですけど」

神様「・・・巫女ちゃんって今お幾つ?」

巫女「覚えていませんが、神ちゃん様の先代様よりは古いですよ?」

神様「パイセンですね。 偉そうにしてすんません」ペコリ

巫女「そんな! お願いですから今までと同じように気さくに接して下さい」オロオロ

神様「何というか領地を勝手に荒らしてしまったみたいで、ごめんなさいパイセン!」ドゲザ

巫女「そんな事はないです。 正直言いますと限界でした」

神様「?」


553: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:29:19 ID:Lm68JRd2

巫女「神社を追い出され、モノノケ達の管理も上手くいかず・・・ それに」

神様「少女ちゃん」

巫女「」コクリ

神様「この子は何?」

巫女「お察しかとは思いますがモノノケです」

神様「やっぱそうか。 ちなみに何のモノノケ?」

巫女「この子は、人のモノノケ」

神様「人・・・ って事は人の神?」

巫女「はい」



554: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:29:58 ID:Lm68JRd2

神様「それは、私みたいな神の存在とは違うの?」

巫女「それは私にも分かりません」

神様「・・・・・・」

巫女「私の考えですが、あまりそこは重要でない気がします」

神様「同意。 深追いは止めよう」

巫女「」ニコッ


神様「それより、少女ちゃんはモノノケの記憶を押さえ込まれているみたいだけど」

巫女「この子は、自分の存在を受け入れることが出来なかったんです」

神様「なるほどね。 だから少女ちゃんにはモノノケが見えないようにしてた訳か」

巫女「精神的に受け入れることが出来るようになったら話すつもりでした」

神様「それまではモノノケであることは隠して、人として育てようと」

巫女「はい」


555: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:31:10 ID:Lm68JRd2

神様「もしかして、モノノケの世界と人の世界を分けたのもそれが原因?」

巫女「いいえ、時代の流れです。 この地だけ特別扱いすることが出来なくなったので」

神様「いつ頃?」

巫女「平安の末期頃だったと記憶してます」

神様「あの時か・・・」

巫女「最初のうちは特に問題は無かったのですが・・・」

神様「結界の揺らぎ」

巫女「どうしても結界に綻びができて、モノノケが人の世界で見られることが・・・ 当然その逆も」

神様「それを修正するのが巫女ちゃん・・・ いや、土地神の仕事」

巫女「はい。 少女にはそのサポートをお願いしていました」


556: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/21(月) 23:31:49 ID:Lm68JRd2

神様「で、この海ノ神社は結界維持のための要っていう認識でOK?」

巫女「その通りです」

神様「ちなみに、どうしてここは閉鎖になったの?」

巫女「それは・・・」


 神使「神様ー!!」

 主神「助けて下さーい!!」


神様「うるせーな~」

巫女「そろそろお二人を助けてあげましょうか」


少女「・・・・・・」


557: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/12/24(木) 20:22:54 ID:VguUgGT2
ふむふむ


558: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:35:42 ID:wpt9dUKs

――― 海ノ神社・旧宝物庫


 ギー


巫女「ここならモノノケ達も寄りつかないので大丈夫です」

主神「しかし驚きました。 まさかモノノケの世界があるだなんて」

神様「主神さぁ、お前は何で海ノ町を管轄するようになったんだ?」

主神「こちらの神社が税金滞納で破産したので」

神様「破産!?」

巫女「うっ」ドキッ

神様「マジ?」

巫女「お恥ずかしいですが3年前に・・・///」モジモジ

主神「元々ここは神宮とは関係のない神社だったので、破産後に競売にかかっていたんです」

神様「それを神宮が買ったと?」


559: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:37:03 ID:wpt9dUKs

主神「そうです。 でも老朽化が進んでいたので閉鎖してうちが管理することになりまして」

神様「あ~ それで巫女ちゃんは山ノ神社にバイトに出稼ぎか・・・」

巫女「お金の件はもちろん、神社運営の知識を一から身に付ける必要もありましたので・・・」

神様「私よりも長く生きてるんだし、それくらいの知識はあるんじゃないの?」

巫女「だったら良かったのですが、その結果がこれなので」

神様「あっ、うん。 そうね・・・」

主神「それでしたら素性なんか隠さずに、初めから言って頂ければ良かったのに」

巫女「そう上手くいかないんです。 海ノ町以外の地では私には何の力もありませんし・・・」

神使「何か良い方法はないでしょうか」

神様「巫女ちゃんはこの先どうするつもり?」

巫女「万策尽きたので、モノノケの世界側から強力な結界を張ってこちらの世界と断絶させようかと」

神様「巫女ちゃんの拠点をモノノケの世界に移すって事?」

巫女「はい」


560: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:37:45 ID:wpt9dUKs

主神「それは海ノ町から出て行くという事ですか?」

巫女「モノノケが出なくなった後は、神宮の方でこの地を管轄して頂ければと」

主神「それって解決策になるのでしょうか? 私達よりも長くこの地を守ってきたのですよね?」

巫女「・・・・・・」

主神「本来であれば、私達神宮側が海ノ町から出て行く立場ですし」

巫女「そんな事はございません。 これも時代の流れなのでしょう」

主神「少女さんはどうされるつもりなんですか?」

巫女「・・・・・・」


神様「まぁまぁ、その位で。 って、少女ちゃんは?」キョロキョロ

巫女「少女でしたら少し夜風に当たってくると外に出ました。 たぶん裏手かと」

神様「向こうの意見も聞いてみますかね」


561: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:38:42 ID:wpt9dUKs


――― 宝物庫裏


 ワチャワチャ


少女「・・・・・・」ボー


 神様「しかし、色々なモノノケ達がいますなぁ~」トテトテ


少女「」チラッ

神様「となり座ってもいい?」

少女「できれば一人にし―――」

神様「嫌だって言っても座っちゃうけどねぇ~」ヨイショ


562: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:39:18 ID:wpt9dUKs

少女「なに?」

神様「全部聞いてたんでしょ?」

少女「白々しい・・・ 私に聞かせるために話してたくせに。 神ちゃんは演技派だね」

神様「お互い様でしょ。 気絶した振りまでしちゃってさぁ」

少女「・・・・・・」

神様「どこまで知ってた?」

少女「地神さまって、意外と抜けてるところがあるの」

神様「?」

少女「地神さまが海ノ町を離れると、私に掛けられていた封印が緩くなる」

神様「ん?」

少女「結構前から正体に気が付いていたわ」

神様「あ~ それって・・・」

少女「私も演技派だって事」


563: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:40:02 ID:wpt9dUKs

神様「もしかして、“初めてモノノケを見た!”って下りも演技?」

少女「・・・半分演技で半分は本当。 モノノケが見られない封印はかなり強力だったから」

神様「じゃぁモノノケさん達を見て驚いたのは本当だったと」

少女「そうね。 姿形を認識できたのは私の記憶では初めて」

神様「どうして自分の正体に気が付いていたことを巫女ちゃんには隠してるの?」

少女「地神さまがそう願ってるんだし。 心配させたくなかった」

神様「健気だねぇ~」

少女「うるさい」プイッ

神様「私の見立てだと、巫女ちゃんは人の心が読めるっぽいけど気付かれてんじゃないの?」

少女「神ちゃんは地神さまのことを分かってないわね」ハァ

神様「?」


564: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:40:58 ID:wpt9dUKs

少女「地神さまがそんな力を使うはずないじゃない」

神様「でも、私の好物とか話してもいないことを知ってたけど」

少女「全部山ノ神社のダメ神さんが地神さまに言った事よ。 情報ダダ漏れ」

神様「あのクソ主神・・・ あとで〆て三枚におろしてやる」グヌヌ

少女「地神さまは本当にに立派で、尊敬できる方」

神様「ふ~ん。 で、これからどうするつもり?」

少女「決まってるでしょ。 今まで通り地神さまに合わせるだけよ」

神様「巫女ちゃんがこの世界から離れるって言ったら?」

少女「付いていく」

神様「少女はこちらに残れって言ったら?」

少女「・・・従う」

神様「うへ~ 面倒くせ」


565: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:41:44 ID:wpt9dUKs

少女「・・・・・・。 やっぱり私、神ちゃんは好きじゃない。 嫌い」

神様「ストレート拒絶はキツいっす」

少女「ごめんね、言い直す。 神ちゃんとは分かり合えない」

神様「何故にそこまで私を嫌うわけ? 私ってとっても気さくでかわゆいじゃん」

少女「はぁ?」

神様「私を嫌いになる理由が分からない! みんな大好き神ちゃんだよ?」

少女「簡潔に言えば同業者だからよ」

神様「同業?」

少女「神ちゃん達は神宮側の神、私達も規模は違えどモノノケ側の神」

神様「神同士じゃん。 仲良くいこうよ~」

少女「人は自分のテリトリーを荒らす者は許せない性格なの。 特に私は人のモノノケだしね」


566: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:42:48 ID:wpt9dUKs

神様「なるほど。 本家に嫉妬する分家ってことか」フム

少女「だれが分家よ! 私達から見たらそっちが分家なんだけど」

神様「大企業の社長に嫉妬する中小企業の社長、っていう例えの方が分かりやすい?」

少女「神ちゃん最低。 信じられない。 幻滅した。 私から3メートル離れて」

神様「冗談だって・・・ マジ言葉の選択がキツいっす」

少女「話は終わり? すぐに帰れとは言わないけれど、なるべく早めにこの町から出て行って欲しいな」

神様「私がすぐ出ていくと思う?」

少女「思えない」

神様「分かってんじゃん。 ま、出て行く前に落とし前だけは付けさせてもらうわ」

少女「何? 私と勝負でもするつもり?」

神様「いやいや。 その発想はどういう思考で導き出されたわけ?」


567: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:43:19 ID:wpt9dUKs

少女「勝負を売られたからには全力で買うわよ? 神vs神の頂上決戦ね」

神様「血の気が多いなぁ。 落とし前っていうのはそういう意味じゃないんだけど・・・」

少女「前の小テストでは体調不良で負けたけど、万全の状態なら神ちゃんなんて相手にならないし」

神様「はぁぁぁ!?」

少女「もしかして、私と勝負するのが怖い?」ニヤッ

神様「言ってくれますなぁ~ 悪いけど、私はこうみえて学問の知識は凄いよ?」

少女「じゃ、こういうのはどうかしら。 来月ある期末試験の総合点で勝負をつける」

神様「いいぜ~ ちなみに負けた方の罰ゲームは?」

少女「負けた方は勝った方の指示に従うってのはどうかしら」

神様「望む所よ!」


568: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:43:51 ID:wpt9dUKs

少女「ま、神ちゃんなんか私の足下にも及ばないと思うけど」フッ

神様「上等だコラ! 全力でぶっ潰してやる!」

少女「それはコッチのセ・リ・フ」

神様「分家が本家に敵わないって事を教え込んでやらぁ!」

少女「だから、なんで私が分家なのよ・・・」

神様「精々私に負けないように勉学に勤しむことですな! ばーか!」タッタッタッ



少女「あれが神? 私達あんなガキんちょに負けたの?」ハァ

少女「・・・でも。 そうか、私達はすでに・・・」ボソッ


569: ◆8YCWQhLlF2 :2020/12/29(火) 20:45:01 ID:wpt9dUKs
今年はここまで
良いお年を!


570: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/12/30(水) 10:09:19 ID:2fAGWcTs

良いお年をお迎えください


572: 以下、名無しが深夜にお送りします :2021/01/01(金) 02:56:38 ID:vjYenKtM
明けましておめでとうございます神ちゃん!!


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