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旅男「ルビーイーターか……」

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Part2
14 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:42:10.53 ID:yPL7nX5AO
旅男「しばらく暇だな」
旅男は懐から水筒を取り出して水を飲む
帽子「ボクにも頂戴」
旅男「自分の持ってきてないのかよ」
帽子「あんたにたかりに行った足で来てるんだから」
旅男「ほれ、……帰りにマンイーターでも狩って帰ろうぜ」
帽子「ああ、うん、やっぱり二人で狩った方が効率的だもんね」
博士「マンイーター発見報告で小規模なのはC地区西端だな」
博士はまたパソコンから目を上げず話す
旅男「おんなじAHでも頭脳型って奴は器用だよな」
帽子「ボクも頭脳型が良かったな〜」
旅男「俺たちの生まれたラボはハンター専門のラボだったからな」
茶髪「二人は同じとこで生まれたの?」
旅男「まあな、もう潰れたが」
帽子「役割を終えた感じだけどね」
藍「AHばかり増えても困りますからね」
旅男「人間の遺伝子の保存って観点からしたら俺らみたいな人造遺伝子は混ぜ物でしかないからな」
旅男「帽子と博士が丁度最終世代か」
旅男「二人の力はオールドタイプには驚異だよな〜」
博士「まあオールドタイプを守るために私たちは生まれたんだ」
博士「素晴らしい能力を与えてもらえて感謝だね」

15 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:45:18.00 ID:yPL7nX5AO
博士「よし、終了」
旅男「帰って解析か」
博士「まずは君らのメンテだな、と、その前に」
博士「マンイーター狩るんだろ?」
帽子「狩る〜」
博士「じゃあ行くか、ナビは任せろ」
旅男「ちょっと待った、小型イーターだ……」
博士「ああ、やっぱり迷い込んでたか」
茶髪「どっか隠れてる!」
藍「私が守ります」
帽子「小銭稼ぎだ〜」
狭い通路から蟷螂のような物が三体歩いてくる
旅男「いただきっ」
帽子「あ、ずるい!」
旅男がルビーブレードで一体のイーターの脚を叩き斬り、とどめを刺す
後ろから帽子がルビーガンを放つ
イーター一体が溶けてはじけた
旅男は返す刀でもう一体のイーターの頭を落とした
帽子「よーし、終了〜」
旅男「二人で十万くらいかな?」
博士「このくらいのイーターはどう進化するか分からないからな、危険種ならもう少し……」
博士「ん、普通のアイアンイーターだな、賞金は旅男が六万、帽子が三万」
帽子「ルビー使用代にしかならないよ……」
博士「施設を防護したってことでスペシャルボーナスで一体五万ずつだってさ」
旅男「おお、ラッキーだな」

16 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:47:41.29 ID:yPL7nX5AO
帽子「薬は今月は飲んだし、メンテ代サービスだし、ボクは三万の儲けか」
帽子「もうマンイーター狩りに行く必要無いかな〜」
旅男「まあ一応行こうぜ、狩れるだけ狩ってひと月くらいはメンテに当てたい」
博士「サボりたいだけだな」
帽子「命懸けなんだからサボりたいよ〜」
藍「終わりましたか?」
茶髪「終わったなら言えよな!」
旅男「はいはい、行くぞ」
ーーC地区西端ーー
マンイーターとはグリーンメーカーが炭水化物採集のために人間を専門に襲うようになったモンスターである
本来の目的である緑化植林の能力は退化した、完全に人間を殺すだけのナノマシン細胞生物の変異種だ
ある宗教に関係する人間達には人類に対する神罰だとしてプロパガンダの具にされているが、実は犬や猫でも襲う
ただ博士には逆にイーター種に人間を守るプログラムを打てる可能性を見いだせる美味しいモルモットであるようだ
今回はプログラムの完成を見ていないため、単純に討伐が目的となる
マンイーターの特徴は素早く生命体を搾取するため小型の恐竜のような形をしている所だろうか
極限まで人工進化したAHでも手こずることがある難敵である

17 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:50:31.87 ID:yPL7nX5AO
C地区はビルがたくさん残っている
それは、アイアンイーターを捕食する存在がいることを臭わせている
アイアンイーターが建物の鉄骨などから蓄えた鉄を、他のイーターが捕食する
マンイーターやグリーンメーカー、最悪ルビーイーターとの戦闘の可能性も有り得る事を意味している
旅男「相変わらずここはすげえな」
茶髪「昔は皆こんなデッカい建物に住んでたんだな〜」
博士「今も住んでる物好きもいるがな」
帽子「アイアンイーターってとろくさいもんね、AHなら問題ないし」
博士「薬の支給とか面倒くさいと思うんだがな〜」
旅男「まあビルの天辺から丁都砂漠を眺めるのもたまには良いと思うが」
茶髪「見てみたいな〜」
博士「なんとかと煙は高いところに登るものだしな」
茶髪「なんとか?」
藍「子供……、とか……、あはは」
旅男「危険なイーターがいるんだからあんまりはしゃぐなよ、なんとか」
茶髪「おう」
帽子「やっぱりバカだったの」
茶髪「なっ……!」
そこに、餌の匂いを嗅ぎつけて二〜三メートルのイーター達が現れる
旅男「お出ましか」
博士「私は茶髪と隠れているから頼むぞ」

18 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:54:32.27 ID:yPL7nX5AO
帽子「ずるーい!」
藍「実戦は緊張します……」
旅男「初めてなら無理はするな」
藍「は、はい」
博士「誰にでも初体験は有るもんだよ」
旅男「……はあ、マンイーターは三匹、一人一匹と行こう」
マンイーターが射程圏に入ると、旅男はルビーガン一撃で一体倒す
帽子「はやっ」
しかしそれで他のイーター達が旅男達を見つける
うなり声をあげるとジグザグに走って攻めてくる
藍「えいっ、えいっ、あ、あたった!」
藍はデタラメにルビーガンを撃ったが、ビギナーズラックで上手く直撃する
帽子は銃を捨て、小太刀を抜くとマンイーターに直接向かっていった
旅男は銃でマンイーターを牽制する
帽子「背中撃たないでよ〜?」
帽子はマンイーターの足下に滑り込むと、片足を薙いだ
尻尾を切り上げ、段々とバラバラに砕いていく
旅男「終わったか、思ったより上手く行った」
藍「たまたま当たってくれて良かったです」
旅男「この辺りは人間も少ない、多分実戦経験が乏しいイーター達だったんだろう」
博士「もう終わったのか、速かったな」
旅男「ああ」


19 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:56:04.95 ID:yPL7nX5AO
博士「賞金は各三十万、被害報告の無いイーターにしてはなかなかの高額だ」
旅男「マンイーターにしては安いな、あっさり殺りすぎたか」
帽子「おっし、しばらくはのんびり過ごせるね」
博士「帰ってメンテナンスしよう」
藍「体がなんだか熱いです」
旅男「俺達AHはエネルギー消費がデカい」
旅男「運動するとそれだけでオーバーヒートしてメンテナンスが必要になる」
藍「覚えておきます」
茶髪「AHってすげーけど不便だな〜」
ーー地下街ーー
旅男「ふう」
旅男は温めのお湯で半身浴している
博士「バイタル異常無し、三日も冷却すればまた稼ぎに出られるぞ」
旅男「そら有り難い」
博士「無茶はするなよ? 生まれたてのルビーイーターでも狩れば遊んで暮らせるんだから」
旅男「遊んで暮らす気はない」
旅男「約束を果たさねえと……」
博士「約束か……」
ーー数年前ーー
友「お前は前に出過ぎだっつの」
旅男「とろくせーこと言ってんじゃねーよ」
二人が言い争っていると桃色の戦闘服を着た少女が割って入る
桃「はいはい、二人とも喧嘩しないの!」
三人は協力してイーター討伐をする仲間だった

20 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:58:11.13 ID:yPL7nX5AO
最初は上手く行っていた
旅男は生まれつき戦闘の勘が良く、優秀な遺伝子を持つAHだった
二人とは生まれた研究所が違うため、元々の能力に差があったのは事実だ
他のハンターからは良くその血を妬まれたりもした
この時点で旅男が調子に乗っていたとしても、それは仕方のない話であった
そのため、ある時、事故があった
ルビーイーター二体に挑戦し、結果として仲間を失ったのだ
桃「……旅男……、森を……、人の作った森を見せて……、いつか…………」
旅男「桃、死ぬな、桃!」
旅男「桃ー!!」
ーー現在、ラボーー
旅男「……おっと、寝てた」
博士「悪夢見てただろ、若干バイタルが乱れたぞ」
帽子「ボクもそろそろメンテナンスしたいんだけど」
旅男「浴槽はまだ有るんだから水着着て入れ」
帽子「それでも良いけど、子供には刺激強くない?」
茶髪「……」
旅男「マセ餓鬼だから大丈夫だ」
藍「私も着替えてきます」
博士「そうしろ」
帽子「結構動いたから暑くて仕方ないよ」
博士「砂漠を歩いたしな」
博士「ほれ、旅男」
博士は旅男にドリンクを差し出す
旅男「ん……、良いな」

21 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 21:59:50.93 ID:yPL7nX5AO
博士「薬はどうする」
旅男「結構稼いだし、飲んでおくか」
博士「一日で百万以上も稼いだか、メンテ費用もふっかけようかな」
旅男「聞こえてるぞ」
博士「もちろん聞こえるように言ってる、まあ今日はサービスだ」
博士「ルビー消費はどうだ?」
旅男「今日はだいぶ使ったが一個消費しきってないし、まだホライゾン一ケースあるから問題ない」
ホライゾンはサンルビーの高エネルギーを保存できる、サンルビー専用ケースだ
一つで一ダース入る
博士「当分は行けそうだな」
旅男「ハードな戦いにならなきゃな」
帽子「お待たせ〜、ほーらマセ餓鬼君、ボクのビキニどう?」
茶髪「すごく……、派手」
帽子「感想、それだけ……?」
藍は薄桃色のワンピースタイプだ
旅男「いいな、似合ってる」
藍「そ、そうですか?」
帽子「あんたは本当にタラシだね」
旅男「そんなつもりはねえ」
帽子「天然だからタチが悪い」
博士「このラボにハーレムでも作る気か、私はいつでもオッケーだ」
旅男「やめろオッサン発言」
藍「は、入ります」
旅男「ああ、風呂にな」
帽子「ハーレムにかもよ?」
旅男「やめろっつの」

22 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 22:01:28.06 ID:yPL7nX5AO
博士「ま、なんやかや言って旅男は面倒見が良いしな」
旅男「押し付けられては面倒だから流されてるだけだ」
帽子「よいしょっと、あ〜、ちょうど良い温さ」
帽子「藍ちゃんおいで〜」
藍「は、はい」
博士「メンテするからバイタル取るぞ」
博士「ま、異常はなさそうだな」
帽子「ボク結構動いたけど大丈夫?」
博士「あんたらは他のハンターと比較しても丈夫だよ、まあ砂漠だからオーバーヒートは有り得るが……」
博士「うん、問題なし、流石旅男のラボ出身の最新ハンターだ」
帽子「誉められると照れるなあ」
茶髪「俺もAHならな〜」
博士「サイボーグにでもなってみるか?」
茶髪「それはなんか嫌だ」
博士「アイアンイーターにも捕食されるようになるからな、ははっ」
茶髪「絶対嫌だ」
旅男「ふう、そろそろ上がって酒でも飲みに行くわ」
博士「あんまり大量に飲むとメンテが長引くぞ」
旅男「はいよ」
ーー酒場ーー
酒場親父「よう、英雄、また稼いだらしいな」
旅男「親父、ビールとなんかツマミ」
酒場親父「おう、ちょっと待ってろ」

23 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 22:02:20.29 ID:yPL7nX5AO
旅男がのんびり椅子に仰け反って座っていると目の前に唐揚げや焼き魚など大量に料理が運ばれてくる
旅男「こんなに頼んでねえよ!」
酒場親父「他のお客さんの奢りだよ、有名人だな、お前は」
旅男「ちまちま弱いイーターを狩ってるだけなんだがな……」
酒場親父「まあそういう訳だからビール代以外は気にするな」
旅男「ありがてえ、皆さん頂きます!」
客「おお、また頼むぜ凄腕ハンター!」
客2「俺の娘はマンイーターに食われちまってよお……」
客3「俺のダチはデカいアイアンイーターの下敷きだ」
客「あいつらが全滅しなきゃ気が済まねえ」
客2「旅男には苦労かけてるからな」
客3「今日もアイアンイーター狩ってくれてすっとしたぜ!」
旅男(こんな世の中じゃ、みんな不満を抱えてる……)
旅男(ちっとは役に立ってるってのは気分悪くねえな)
旅男「んで、お前等は何をしてるんだ」
帽子「あんたの金じゃないんだしいいじゃん」
藍「す、すみません、頂いてます」
茶髪「俺稼ぎねーし」
旅男「分かった分かった、食えよ」
帽子「ちっ、タラシめ」
旅男「お前は俺に恨みでもあるのか」

24 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/26(金) 22:04:53.52 ID:yPL7nX5AO
今日はここまででまた明日更新します

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/09/26(金) 22:25:07.62 ID:GRu/Cb9io
期待してる

26 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/27(土) 22:34:17.05 ID:b28ts1/AO
ちょっと遅くなりましたが更新します

27 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/09/27(土) 22:36:17.11 ID:b28ts1/AO
しばらくはお休みだ
旅男は一週間ほどは地下で遊び歩く事にした
旅男「一人じゃつまらんだろ」
帽子「ふん、迷子にならないようにボクが着いていってやるよ」
藍「私も一緒で良いんですか……?」
旅男「これからチーム組むんだ、お互いのことを知ってても良いだろ」
藍「あ、有り難う御座います」
旅男「服屋でも覗いてみるか、ドレスじゃイーター狩りは無理だろ」
藍「あ、はい」
帽子「旅男の奢り?」
旅男「お前等もちょっとは稼いだだろ……」
帽子「ケチ〜」
藍「そう言えば三十万も貰えたんですよね……」
旅男「クセになるだろ、イーター狩り」
旅男「それでムキになって死ぬ奴が多い」
旅男「特にルビーイーターなんぞに挑むのは素人ベテラン問わず阿呆だ」
帽子「こいつは一度ルビーを狩ってるけどね」
藍「えっ、すごい!」
帽子「貯金は何に使ったのかな〜?」
旅男「博士に餓鬼の世話させられて無くなった」
藍「り、立派ですね」
帽子「これだよ、タラシめ」
旅男「不可抗力だろ」
旅男「全くよ……、お、この店に入るか」
藍「高級そうなお店……」
旅男達は地下街の一角のブティックに入る