俺のしょうもない思い出を話そうと思う。誰か聞いて
Part18>>480続き
翌日、祖母に起こされ慌てて支度をし、東京駅へ向かいました。
朝から、変にS子を意識して、S子も意識していて、会話は少なかったと思います。
地元の電車に乗り、東京駅へ行き、昨日親父から貰った切符を使い……。
かなり眠くて新幹線に乗るなり直に眠りにつきました。
そんな訳であっと言う間でした。外の景色なんか見ている暇ありませんでした。
ただ、S子は「綺麗だったよー」とか、見えた景色について語ってました。
駅に降りると、東京とは違う空気を全体で感じました。
あれってなんなんでしょうかね?とにかうテンションが急激に上がって来ていました。
それはS子もそうだったかな?やけに張り切っていた。
484 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)22:53:48 ID:UdZcaK7CS
親父の話だと、この駅に人が待っているはずなので、探しました。
そうすると、何故かオレより先にS子が、その人たちを見つけましたw
叔母「あれぇーーーオレ君、大きくなったねぇ!」
伯父「ハッハッハ!こんな遠くまでご苦労様」
それは青森に住む叔母夫婦でした。
ちなみに伯父さんの方は、銀行員の人と別の人です。
仕事は漁師で、背中の入れ墨が凄く最初は怖い人かと思っていたけど、
どうやら漁師の中ではお守りで居れるから、割かし普通なそうな……?
叔母「……●●(親父)から聞いていたけど、本当に凄いの連れているね」
伯父「うーん……、たしかに海に連れていける感じではないな」
こ の 夫 婦 も か な り 中 二 病 設 定 も っ て ま し た ^q^
どうやら二人ともS子の気配を感じているそうで、それが「とても強い」とだけ分かったらしい。
ただ、あまりにも強く大きすぎて『善悪が分からない』と言う、未知を味わったそうです。
伯父さん曰く「海で遭難しかけた時、不思議と港の方角が分かった、そんな時感じた大きな気配」らしいです。
本当にS子は何者なんですか。
485 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)22:59:22 ID:UdZcaK7CS
本来なら一人(とS子)で北海道に行く予定だったのですが、
偶々、叔母夫婦の帰省と重なり、道案内してくれることになっていました。
正直、一人で迷わず船乗って電車乗って行ける自信はなかったので、助かりました。
S子「すっごい……本当にコッチ見えてるのかな?」
オレ「そうだね……、ちょっと驚いた」
ーーと言うのも、二人ともオレがS子の話をしていると、チラッチラッS子の方を見るのだ。
S子が俺の背中へ隠れた時も、バッチリ目線でおえていた。
ちなみに二人には『姿が見えてるけどイメージ出来ない』感じで見えているそうです。
なお、船に乗ってからは、俺がメチャクチャ吐き、それをS子が心配するだけでした。
二人は大爆笑していました(´∀`#)
486 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:03:46 ID:UdZcaK7CS
船の話ができないので、補足説明。
姿が見えないけどイメージ出来ない感覚と言うので、一番分かりやすく言うと。
夢を見て「スゲー楽しかったなー(´∀`*)」と思っているけど
「あれ、どんな夢だっけ( ゚д゚ )」言葉も場面も音も、何も思い出せない感じです。
因みに複雑にも話すと。
二人は「人っぽいもの凄いオーラを持った者がオレ君の傍に居る」と分りながらも、
「その姿を見えてるのだけど、意識できず、姿が見えないと変わりない情況になっている」と言う状態らしいです。
……あれ、この説明で思ったけど、なんか……無意識を操る程度の能力(?)なのかな。
なお、S子の名前は「KIS」のSではないと、あらかじめ言っておく。
487 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:08:05 ID:UdZcaK7CS
北海道についてからもかなり地獄だった。
少なくとも電車に座り過ぎてケツが痛くなったし、
慣れない土地で頭クラクラするし、
S子「大丈夫?」って何度言われた事やら。
そんな状態でつきました。
オレ「S子との最後の三日間か……」
そう思うと、心がとてつもなく苦しくなって痛かった。
鼓動が早くなって、悲しくもなった。
それに対して、S子は強かった。
S子「最後、宜しくお願いしますね!オレさん!」
も の 凄 く 笑 顔 で オ レ の 手 を 取 り 言 っ た 。
S子は、覚悟で来てしまっていたのだろう。
ーーなんて、思って強い子だなーって俺は思っていた。
いったん休憩。
今日は一日の半分を寝ていたし、くたばってたから、遅くまで話す予定。
正直、このスレ内で終るかなーっとか、思っていたけど、これなら終わりそうだ。
今も見ている人が居たら、なんて言うか、こんな童貞の文章読んでくれてありがとう。
頑張ります。
489 :名無しさん@おーぷん :2014/08/03(日)23:15:33 ID:ms92GNNxv
みてるよ!
自分のペースで良いから
がんばってくれ!
490 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:21:29 ID:UdZcaK7CS
休憩終了。
この歳になってから見る北海道の親父の実家は、本当に日本らしい木造住宅だった。
何畳分だよ!と叫びたくなるような大きなリビングがあり、
俺の家のリビング程の個室が各夫婦に用意され、
子供(全員中高生)部屋も共同で利用しているとはいえ、リビング+オレの部屋分ほどの広さがある。
そこに台所や今や客室や、寝室があるし、
離れとしても使えるけど、収穫した物をしまっておく倉(ほぼオレの家規模)もある。
ーー改めて思う、親父って金持ちだったんだな。
ただ、お年玉は五千円以上貰ったことが無い。
491 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:25:29 ID:UdZcaK7CS
ちなみにリビングって言い方は変かも知れない、居間かな?
昔から家を改修&リフォームしているらしい。
伯A「オレくん、挨拶してきなさい!」
書くの忘れたのですが、実家から一番近い駅まで伯父さん(伯A)が迎えに来てくれました。
この伯父こそ、何を隠そう霊視したりしていた、銀行マンです。
オレの為に有給とってくれたそうだ。
先ほどの叔母夫婦は(叔A・伯B)と言います。
てか、北 海 道 に と ん で も な く 人 が 沢 山 集 結 し て い た ん で す っ!!!!!
それが全ての現況なので、俺も混乱するかもしれない。
492 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:29:18 ID:UdZcaK7CS
駅に迎えに来てくれた伯Aは、叔A夫婦と小さくあいさつした後コッチを向いた。
伯A「……オレくん、そこの子が例の子だね?」
凄く神妙な顔をしていて、変に真顔になる伯A。
S子「は、初めまして!」
S子は姿が見えているか分からないのに、きちんと挨拶する良い子だった。
伯A「……凄いな」
やはり伯父にもS子の声や姿が見えていなかった。
いや、姿に関しては漠然とした色で見えていたらしい。(ヒトガタだったかな?
ただ、叔A夫婦の様に『色の名前を言うと分からなくなる』と言う未知モードだそうだ。
なにより、このS子が”とてつもない何か”だと、伯Aは察したそうだ。
そうだから、分からないけど伯Aは小さくS子に手を合わせ頭を下げていた。
493 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:36:11 ID:UdZcaK7CS
実家に視点戻します。
実家に戻ると、玄関よりも、居間の方の庭から叔A夫婦と伯Aは上がって行った。
その北海道クォリティに驚きながらも、俺は庭から家へ上がる。
オレ「ーーーーてか、脱ぎ捨てられた靴の数大杉はしないか?」
……北海道の祖母(北祖母)は、この日の為に多くの親戚に連絡をしていたそうだ。
しかも、かなり厄介だと伝えた。
そうすると、どうだろうか。
親戚から息子たち、その子供たちまで……全員がこの日に集まってきたのだ。
北祖母を誰かに例えろと言われたら、オレは間違いなく即答でこういう。
『サ マ ー ウ ォ ー ズ の お ば あ ち ゃ ん。』
その齢で80後半奈のにも拘らず、見た目はどう見ても50程度。
てか、その50歳から見た目が停止しているらしい。
しかも、ヘタな俺なんかより体力が凄い。
台所に立つ奥様方よりも率先して色々な物を仕切るし、作る、マジで刀振り回せる
我流で剣術学んだ癖に、親父を二段まで取らせるほど強い。
……オレの中で、中二病設定がどんどん濃くなって言った。
494 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:46:34 ID:UdZcaK7CS
北母「おお、オレちゃん、良くいらっしゃったねぇ〜」
北母は、大宴会会場になっている今の主役席に座りながらニコニコしながら言った。
その時の威圧感、纏う畏怖、マジで鳥肌だった。
白髪髪で、着物を着て、それでいて健康的で、滑舌も良い。
これからS子を成仏させるのを任せるのに一目瞭然で安心できるほどオーラあった。
勝手にビビっているだけだったけど。
北祖父は寝たきりだと言いながら、普通に起きていてビールを飲んでいた。
老人アルアル現象だ、寝たきりと言いながら意外にケロッとしている。
最近、夜中に散歩に出ていればを無くしたらしく何を言っているかオレにはさっぱりだった。
その後、二十何人居るだろう伯父叔母、その娘さん息子さんへ挨拶をした。
幼い子供たちは別の部屋で大はしゃぎで遊んでいるらしく、声が下まで響いていた。
もうなんなの、この状態('A`)
そして、とにかく気になって仕方がなかったのが、全員のS子への反応だ。
いや、全員ではなかったけど、ほぼ全ての親戚が見えていた。
一同「凄い……」
この一言だ。
これは驚いただの、こんなの初めてだの、これは何なんだだの、何を連れて来たんだなど。
簡単にまとめると、オレの地縛霊の時の比じゃなく、恐怖も覚えている人も居た。
数人の親戚は具合が悪くなり、退出していた。
ただ何より驚いたのは。
北祖母「はるばる、この土地へよくぞお越しくださいました」
いつの間にか北祖母はゲタを穿き、ゆっくりとS子へ近づいて行き。
そして深々と頭を下げていた。
北 祖 母 と 北 祖 父 は 無 論。
あと数人の親戚はS子の姿を見えていた。
495 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/03(日)23:53:40 ID:UdZcaK7CS
北母「ここまでの長旅疲れましたでしょう……」
とても綺麗な標準語……それで居ながら、聞いていると背筋が伸びる畏怖を纏っていた声だ。
S子「え、そ、そんな……」
北母「あら、可愛いらしいことですね〜」
S子「そ、そんな……」
北母「家に上がれないのですか?」
S子「そ、そうなんですよ……オレさん気が付かなくて」
北祖母に言われて、気が付いた。
S子は、祖母曰く『張られた結界』を越えれずに居たそうだ。
祖母はS子の手を取り、グッと引き寄せる。
あれぇ〜……なんで普通にS子引っ張れてるの。
ちなみにS子はとても驚いた顔をしながら、北祖母を見ていた。
北母「いらっしゃいませ。ささ、おあがりください」
一瞬呆然としていたS子だが。
S子「は、はい!」
そう言うと、北祖母に手を引かれるまま、祖母の隣の席へと連れて行かれる。
北父「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」(可愛い子だのー的なこと?
北祖父が何を言っているかサッパリ分からなかったが、自分のザブトンをS子へ差し出していた。
な、 な ん な ん だ こ の 状 況 、 こ の 家 は (´∀`:)
オレの素直な本音だった。
ちなみにこの間に、S子の気に当てられた人たちが退出して行った。
496 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)00:02:33 ID:zmjxvvIKQ
オレの内心は大パニックだった。
なんで普通に見えてるし、普通に触れているの!?
俺なんかそれで来ただけで超感動していたのに!?
この家ではデフォなの、普通なの、寺生まれのTさんでも居るの!?
S子は一体どうしたの!?
一同「「「「「…………。」」」」」
やけに静まり返る居間。
オレ「…………。」
ホカ「「「「「……………。」」」」」
姿が見えない人や感じない人も、空気に負けて静かになっている。
北祖母は、S子の手を握り「大丈夫よ」と微笑むと、その手を離した。
そして、怖い目状態で睨みつけている親戚たちへと、視線を向ける。
北母「貴方たち、その目はなんですかッ!”大切な可愛いお客様”にーーーッッッ!」
まるで拍手デモしたかのように、鋭い声だった。
祖母の声が頭へガツーンッとぶつかる。
他の人たちも、段々神妙な顔つきになってきながら、祖母へ言った。
特に人の発言にこだわりないので「叔母or祖父+他」で「叔他・伯他」で言いますね。
伯他「直に除霊しましょう!」と。
叔他「お母さん、見えているんでしょ!?」
伯他「そうです!直にあげた方がいい!」
叔他「ここに置いておくには大きすぎる!」
叔他「神社へ直に連れて行きましょう!」
伯他「その方がいい!」
オレ「な、何を言っているんですか!約束は三日後だと!」
オレは立ち上がり叫んだ。
見ればS子は今にも泣きそうな顔で怯えている。
オレは伯父や叔母、あとその子供から「分からないの!?」とか「これだから都会は」とか、とにかく罵声を浴びた。
いや、罵声より、心配して言ってくれている言葉が多かったかもしれない。
497 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)00:04:54 ID:zmjxvvIKQ
その後は凄かった。
オレはムキになって怒鳴り散らしながら、S子の傍へ行った。
それを見て「憑りつかれてる」とか「操られてるんだ!」とか。
それを聞くたびにS子が悲しい顔をしていき、俺がそれを大声で否定して、励まし。
情況が呑み込めてない人や娘息子さんの中には泣いている人が居た。
そりゃそうだろう。
大の大人たちが、訳の分からない事で大声で怒鳴り合っているのだ。
祖母は正座し、その様子を静かに聞いていた。
498 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)00:13:29 ID:zmjxvvIKQ
かなり長い間、揉めていたと思う。
テーブルの上に会った物は、いつの間にか台所へ避難されていた。
恐らく北祖母が指示を出したのだろう。
そうなってからは、かなりの乱闘状態だった。
テーブルを叩く人から、テーブルに足をかけ、俺へ怒鳴る人。
オレと同じで立ち上がり、怒鳴ってくる人。
オレはS子の前に立ち、S子を守るつもりで、庇うつもりで、
かなり怖くて足震えていたけど、ひたすら立ち向かった。
その間、やはり北祖母は動かない。
何を言っているかサッパリ分からないが北祖父はS子を庇っている。
従B「いい加減にしろよガキ!!!!!!!」
見事に日焼けしたムキムキのDQN土方の様な従兄が声をあげた。
この従兄、既に子供と奥さんが居る。
歳は俺より下だ。
従B「お前が連れてきたそれは、どう見たって普通じゃない!」
従B「危険に晒す気かッ! ボケ!!」
そう言いながら鳥肌を見せる。
他の人達も「俺も俺も」と見せてくる。
従B「何もできないから、ここに来た奴が何偉そうにしてるんだ!!」
オレ「アンタらこそ、何も知らないクセに偉そうな口叩くな!!」
その言葉に頭に来たのだろう、従兄Bはオレへドスドスと迫る。
北祖父が立ち上がり、何故か従兄Bへ突撃していく。
かなり切れてた。
それに触発されたかのように、伯父連中は立ち上がりテーブルを退かし、コッチへ攻め寄ってくる。
北母「貴方たち、いい加減にしなさいーーーッッッッ!」
ようやく、この家の主が声をあげた。
499 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)00:17:09 ID:zmjxvvIKQ
北母「……なんなんですか、この状況は。その態度は。」
やけに耳へ突き刺さる声だった。
北母「女の子に寄ってたかって、恥はないのですか?」
正座して微動だにせず、ただその位置から、オレや全員の目を睨んでいた。
正直、かなり怖かった。
S子「……ごめんなさい」
ようやくS子は声を出したが、それは謝罪の言葉だった。
オレは酷く胸が苦しくなった。
S子「ごめんなさい……ごめんなさい……」
オレは今までの経験から察した。
絶 対 不 味 い 事 に な る と 。
それは不幸にも的中した。
500 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)00:21:00 ID:zmjxvvIKQ
オレ「大丈夫だよ、落ち着いて」
S子「ごめんなさい、ごめんなさい。オレさんごめんなさい」
オレは慌てた様子でS子を励ます。
なお姿が見えない人には、かなり奇妙だったらしい。
北母「そうです。ウチの家の者が失礼しました」
S子「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
微かに、家が軋んだ音がした。
従B「ーー! 退けッ!」
北祖父を伯父さんへ投げつけ、そしてオレへ迫った。
ーーそしてアッと言う間にオレは従兄Bに殴られていた。
S子「オレさんッ!」
S子の心配する声が聞こえた。
『ギシィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!』
とんでもなく、恐ろしいほどの軋む音が家じゅうから響いた。
我が家で聞いていたラップ音や軋みと比べものにならないほど大きな音だった。
501 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)00:23:33 ID:zmjxvvIKQ
そこからは、凄く早かった。
北母がS子の手を握り、何かお経の様な言葉を呟いていた。
かなり長い間、家は軋んでいて、全員が分かるほど揺れていた。
従Bも、何かお経の様な言葉を呟いていたが。
北母「お前は何も言うな!言う資格はない!」と一喝。
従兄Bは舌打ちをすると、子供を連れ庭の方へ飛び出して行った。
俺のしょうもない思い出を話そうと思う。誰か聞いて
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